
フロントに低反発スプリングを投入し
,結果を分析してみたところ,
①ストレートが遅い
②コーナー脱出時にトラクションが掛からない
・・・という2つの問題点が判明しました.この①と②は因果関係を持っている可能性が強いのですが,なんでフロントスプリングの反発力を弱めるとこういう症状が出るのかメカニズムが思いつかず,データを集めるために再びTC1000へ行ってきました.
まずは当日の朝.いつものように5時前に起きたのですが,この日のファミ走は年内最後の営業日という事もあって,フォーミュラとカートの走行枠もあります(↓).
これらがあると四輪の走行枠が2/3に圧縮されるので1枠の台数が激増し,「混み走」間違いなし.マイナス気温の寒空の下,無為な時間を潰すのも空しいな・・・という言葉が頭を過ぎった瞬間,戦略的二度寝を決行する事にしました(笑).
目覚ましもセットしなかったので,起きた時に午後になっていたらこの日は終了~となるところだったのですが,幸いにして9時に目が覚めたため,そこから出発.連休開始の移動日でもあるので高速が混むかなぁ~?と思ったら意外と空いおり,むしろ谷和原ICを下りた後の294号の方がノロノロ運転となっていました.「年末だし,渋滞はしょうがないよなー」と思って数台先の前方を見ると白と黒のツートンカラーのクルマが.「ああ,ヤツのせいで皆ペースを抑えているのかぁ~」と慎重に横を通り過ぎようと思ったら,
「はい? ここは茨城だぞ? なんで神奈川が走ってる??」と思いつつ,「多分,他所のシマは荒らせないから,他県で取締りなんて出来ないっしょ・・・」とササッ死角を作ってアクセルを踏みました(苦笑).
その後,11時過ぎに筑波サーキットに到着.ピットが満杯・・・なのは当然なので,パドックの方にソロソロと進むも空いてる場所がない! 「うえぇぇ~マジか.まさかここまで混雑するとは!」と1周回って,ピットのこもりん.さんの後ろに停車.クルマから降りて常連さん達に声を掛けると「午前は全枠売切れ」との事で,コース上を見ると確かにかつてないほどの台数がいます(汗).「最盛期の筑波みたいだねぇ~」なんて声も聞こえるほどの盛況ぶりでした.
予想を上回る混みっぷりに「コリャ,ダメだ」とモチベーションがダウンし,常連さん達がお昼ご飯を食べに行くというので,おだてのまつさんを隣に乗っけてサロンへ移動.
今年最後のモツ定を頂きました(ちょっとこぼしちゃいましたが・・・汗).
その後,再びTC1000に戻ると13時過ぎ.午前中の走行が消化不良で残った方々がまだまだいる様子(↓).
混雑のピークは過ぎた感がありますが,それでも1枠10台程度は覚悟しないとダメそうです.「イマイチ気が乗らないけど,準備するかぁ~」とパドックの空いているスペースに移動したら,あおたまさんが呼びに来てくれて「ピット空けさせますよ」と,空いた場所にスッと入ったしょこさんをどかしてくれました(笑).

(しょこさんは,この後,あおたまさんが使っていたスペースに入るとの事)
ここから大急ぎで準備します.色々テストしたいので最低2枠走る事を考えると何とかP4枠(14:00~)に間に合わせたい.テキパキと準備を進めて何とか5分前にコントロールタワーに飛び込みましたが,前の方の会計処理が手間取っている様子.「赤旗で4分遅れだけど,5+4=9分でこりゃギリだな.止めとくか」とP5枠(14:20~)を購入する事にしました.
この時の路面温度が19℃.これくらいならリアのウォームアップは不要でしょと台数の方に意識を傾けると長蛇の列.「やっぱ10台くらいかぁ~」とその列を見ていると,
見覚えのあるアルトが・・・.「アレッ? もしかして日光39秒台のうすい号では??」と思いつつコースイン.
誰がどんなペースなのか分からず,右に避けるのか? 左に避けるのか?も分からないので,とにかく周回.トップタイムは41.1秒台で「あのアルトがうすいさんだったら,最低でも40秒台は出してるだろうから違ったのかな?」と思いつつ,銀色のFD2の後ろでアタック.9割くらいのペースで42.3秒.スローダウンするとスペースを失うので連続でアタックし42.2秒.「この混み具合だったら,こんなもんかー」と一度ピットに入り(↓),
つんのめり対策としてフロントの減衰を1段下げ.「さて,これで違いが出るかなー?」とアタックしてみると,セッションベストとなる 41.941 を出す事が出来ました.つんのめりもなくなり,低反発特有の癖が消えて素直な動きに近づきました.ただそれでも自己ベストから1秒落ち.まだまだ問題を抱えているのでクルマの動きを理解すべく更に追い込んでみると,1コーナーで4輪ドリフト状態に・・・(↓).
(カメラの固定をミスったので軋み音がしてます.ご了承下さい<(_ _)>)
「あ~,分かった.トラクションが掛からない理由はコレかー!」 Σ( ºωº )
と思わずポン!と手を打ちたくなるくらいに,ようやくクルマに起きている事が理解出来ました.
原因はリアタイヤ.ここ数年,冬のアタックシーズンの開始と同時にウォームアップ対策としてリアタイヤに新品を投入していたのですが,今年はタイヤの使い方の理解が進んだので,まだユーズドタイヤを使っています.このため,フロントタイヤを新品にすると相対的にリアタイヤのグリップが低過ぎとなり,リアに掛けられた荷重を支えきれず,横にスライドしてクルマが前に進まない事が原因でした.起きている事を絵にすると,こんな感じ(↓)ですかね?
ブレーキング→ターンインで,右リアがインリフトして車重を支える事を完全に放棄した後,立ち上がりでアクセルを一気に開けるため,荷重がフロント→リアに急速に移動し,フロントタイヤを持ち上げにいきます.この時,低反発スプリングだと伸びのスピードが遅いため,右フロントが軽く浮いた状態となり,実質的に左リアタイヤ1本で全車重を支える事になります.当然,そんなの支え切れる訳がないので左リアは滑り出し,それに引っ張られて左フロントも同時に滑り出します.つまり,4輪全てのタイヤがグリップを失ったドリフト状態となる訳です.
小難しい話をスッ飛ばして,要約するとコレ(↓)です.
そりゃ,右フロントの接地感がないのも当然な訳で,側溝はないので右フロントの接地感がなくとも落っこちる事はありませんが,乗ってて気持ち悪くなるのも当然ですね.こんなの後輪駆動車でしか起きない現象だと思っていたのですが,FFでも起きるんですね.いやはや・・・(そりゃ,FRみたく
アクセルを開けた瞬間スピンもするわな).
ようやく何が原因か掴めたのでピットに戻り,急ぎ対策を考えます.最後のP8枠(15:40~)が今年最後のチャンスとなるので,それまでに残された時間は40分.まずはタイヤカス取り職人を呼びよせて,出来る限りリアタイヤのグリップ回復を図ります(↓).
それと並行して,
変更したスマホホルダーのチェック(↓).
スマホが落下する事はありませんでしたが,ホルダーが首を振っているので,もうちょっと保持力を強化しないとダメなようです.
更に並行して最高速のチェック.やはり130.12km/hと相変わらず今一つ伸びてないので,
orangeEP@ahirukantaiさんに指摘頂いたエンジンをゴニョゴニョ・・・.時間が足りないので最低限の事しか出来ませんでしたが一先ずこれで効果を見てみます.そして最後に前後の内圧をセットし直して準備完了.
職人的に今日の出来はイマイチだったようで大分ご不満な様子でしたが,時間がないので一先ずスルー(笑).
最後に路面温度をチェックしたのですが,そこで驚愕の事実が判明.何と9℃まで下がっています!
(¯□¯;) ゲッ!
「ち,ちょっと待って,コレ,リア温まらないよー」と思いつつもタイムオーバーでコースイン(泣).ところが,コースに出てみるとこれまでの混雑具合が嘘だったかのように,年内最後の枠はたったの4台.これなら何とかなるかー?と走り始めてみましたが,
くるんくるんと筑波スケートリンクが開校.いやはや氷の上を走っているのと変わらんです(苦笑).
まぁ,しょうがないのでその後もくるんくるんと滑らせて7周目にようやくウォームアップ完了し,アタックした結果は 41.515.来る前までに想定していたタイムに到達したので,ここから4輪ドリフトの仮説検証.ピットに入り,リアの減衰を1段下げて支える力を増やしてみると,
(変わらず軋み音がします.ご注意下さい<(_ _)>)
41.441! コンディションを考えたら絶対値的にはまだまだ遅いですが,新品の0.1秒落ちなら間違いなく改善方向.最高速も132.58km/hまで回復し,これで①(ストレートが遅い)・②(トラクションが掛からない)共に原因が掴めました.
4日前とは打って変わり,原因が掴めた事で祝勝気分.新しくお付き合いを始めたCR-Sと仲良くなれないまま年明けに破局しそうなしょこさんにも勝利し,気分揚々でいたら,なぜか常連さん4人に飲み物を奢る羽目に(勝ったのになぜ?).よく分かりませんが,気分が良いのでそのまま後片付けを済ませました.
ちなみに,この日のポンダー貸出台数は私で76台目.フォーミュラとカートがあったとはいえ,TC1000では走行会でもなかなかお目に掛かれない数字.この日の混雑具合を物語っていました.
その後,最後まで残っていた常連さん達とも別れてTC2000へ行き,気温・気圧の確認をしていると,年末の挨拶回りをされている様子の蘇武さんがいらっしゃったので「お身体は大丈夫ですか?」と声を掛けたら首を振っていました(お大事に・・・).
以上,くるんくるんな2024年最後の走行でした.
今年もいっぱい走りましたが,何とかクルマを壊す事なく無事終える事が出来ました.当日お会いした皆様,お会い出来なかった皆様,蘇武さんを始め筑波サーキット関係者の皆様,1年間お疲れ様でした.どうぞ良いお年をお迎え下さい.
