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OX3832のブログ一覧

2024年12月30日 イイね!

筑千職人GPのリザルト 2024

筑千職人GPのリザルト 2024そろそろ年の終わりですので,筑千職人の振返りです.

今年もEF8で「FWDクラス」に参戦しました.今年は順位的にはマズマズといったところで,4位が2回と章典が貰える3位にあと一歩という状況でした.まぁ,相手が2Lターボだったりするので内装付きのテンロクNAと考えれば十分な結果かな~とも思いますが.

2024年の冬ノ陣にも参加してますが,まだ公式リザルトに結果が反映されていないので,それらを除いたリザルトは以下の通り.

                順位   タイム  トップとの差  周回数
 2023年 冬ノ陣 ・・・ 07/12位  40.980   +1.932     121Laps  ※最多周回獲得!
 2024年 春ノ陣 ・・・ 04/07位  41.468   +2.748      98Laps
 2024年 夏ノ陣 ・・・ 04/06位  41.938   +1.278      52Laps
 2024年 秋ノ陣 ・・・ 07/09位  41.622   +1.376     158Laps  ※最多周回獲得!

夏場はLSDの仕様変更で走れなかったのでやや周回数が少なかったですが,それ以外は概ね例年通りといった感じ.トップとの差はやや開いた印象がありますが,周りが伸びているのに自分は伸びていないので,それも当然の結果かなと思います.特にLSDを変更して以降はクルマの前後バランスが大きく崩れてしまったので,そのマイナスをまだ帳消しに出来ていない感じ.レートアップと低反発スプリングにもハマってしまっているので,良いセットアップを早く見つけ出してドライビングに集中したいですね・・・.



あと,今年変わった点として,筑千職人の計測器無料券がエントリーカードと兼用ではなく,完全に独立して別カードになりました.従来は兼用だったのでカードを1枚出せば終わりだったのが,今年はカードを2枚出さないといけなくなり,ちょっとだけ面倒になりました.まぁ,筑波のスタッフさんが会計時に間違わなくなるので,良い改善策だとは思っていますが.なお,最新の計測器無料券はラミネート加工がされていて,カードを財布に入れた時に角が折れる事がなく,こちらも良い改善策だと思います.


今年もTC1000で色々な方とお会いし,見たり・聞いたりと楽しい時間を過ごせました.
来年も引続きTC1000で走り込みたいと思いますので,お会いした際は宜しくお願いします!
2024年12月29日 イイね!

効果はあった!でもまだ足りない

効果はあった!でもまだ足りないくるんくるんと回りながら,ようやく今クルマに起きている事が理解出来た先日のTC1000.方向性を探るためにいくつか試したところ,一定の効果は確認出来た訳なのですが,それでも自己ベストから0.6秒落ちとアタックシーズンである事を考えればダメダメな状況です.

本来であれば,対策の方向性が見えたところでその日のうちに更にもう一歩踏み込みたかったところなのですが,そのためにはあと1枠足りず,残念でした・・・.

ま,終わった事をグチグチ言っても仕方がないので,直近の40秒台のデータと比較しつつ,次回の走行に向けた課題を整理しておきます.

まずはお約束のサンプルデータから.

【40秒台時(40.980)】


  気圧:1021.8hPa  気温:7.9℃  路面温度:14.3℃

【今回(41.441)】


  気圧:1010.3hPa  気温:6.2℃  路面温度:10.2℃

さすがに気圧で10hPaも違うと差が出るとは思いますが,それを補うかのように気温・路面温度は今回の方が低かったようですね.


続けてロガーデータを見ていきます(緑:40秒台時 青:今回).

ホームストレートエンド



最高速は40秒台時(緑)が133.3km/h,今回(青)が132.4km/h.気圧が10hPa違う事を踏まえるとマズマズの数字かなと思います.1016hPaあった4日前の時は130.7km/hだったので,そこから6hPa低かった今回(青)で+1.7km伸びているのであれば,対策の効果はしっかりと出ていたという事なんでしょう.もう少し手を加えて次回は同等まで持って行きたいところです.


1~2コーナー



今回(青)のリアの減衰を下げる簡易的な対策により一定の効果は得られましたが,40秒台時(緑)と比べるとまだまだですね.1コーナーの立ち上がりで若干失速していますし,2コーナーの旋回速度も劣っている.タイム的にはほぼ遅れをとっていませんが,こちらもリアの限界を引き上げる策をもう一手打ちたいところですね.


ヘアピン



今回(青)大きく遅れをとったのがこのヘアピン.その原因はいたって明白で,ターンイン時の進入速度が今回(青)の方が高過ぎたからです.オーバースピードで突っ込んで曲がり切れず,アンダーステアを出して立ち上がりで距離的にロスしているのですから遅れるのは当然なのですが,問題なのは「なぜオーバースピードで突っ込んだのか?」という部分.ライン取りを見てみると(↓),



進入は40秒台時(赤)よりも今回(青)の方が外側からアプローチしています.という事はラインがタイト過ぎて曲がり切れなかった訳ではない.そうなると止めたくても止められなかった?と考えて,またインリフトでもしたのかなぁ~?と車載を見返してみるも,



ステアリング操作は至ってスムース.カウンターを当てる素振りは一切ないのでインリフトした訳でもなさそう.確かにリアの減衰を1段下げた事でリアタイヤの接地性が上がった(=インリフトしにくくなった)事は乗っている時も感じられたので,これが原因ではなさそう・・・.

あと考えられるのは,IN側に切れ込み過ぎてノーズが白縁石の方を向いてしまい,それを踏むのを避けるためにステアリングを切るのを途中で止めた場合か?(操舵抵抗が足りず,思いの外減速しなかっただけか?)と思い,車載をスロー再生してみたところ,



「いや,ステアリングは最後まで切り続けている・・・」

ステアリングを切り続けているという事は,ドライバー的には「この速度・舵角でも曲がり切れる」と判断している訳で,何かがおかしい.こういうクルマに起きている事とドライバーの感覚がズレている時は「低反発スプリングを疑え!」と考えてみると,



あ~,これはもしかして,ドライバーがアンダーステアが出ているのに気づいてないってコトか? 低反発スプリングから反力が返って来ないので「フロントに荷重を掛けても,タイヤはまだ音を上げていない」→「ステアリングを切っても,まだまだ曲がれる!」と誤認したってコトかな? それだったら納得いきますけど,これの対策ってどうすれば良いんだろ・・・?


インフィールド
対策方法が思いつかないので,先へ進みます.



インフィールドにおける両者のライン取りはほぼ一緒ですが,今回(青)の方が立ち上がりで僅かに加速が鈍っていますね.もうちょっとリアの支えを増やしてあげないとダメかな.


最終コーナー



インフィールドの立ち上がりで伸びてないので,バックストレッチ~左高速~洗濯板~最終複合進入の区間は40秒台時(緑)に完敗で見る必要なし(泣).最終コーナーの立ち上がりもインフィールド立ち上がりと同様僅かに遅れをとっているので,ここもセットで対策ですね.


以上,効果はあった!でもまだ足りない対策の確認でした.

纏めると,「最高速の伸び」「コーナーの立ち上がり」共に対策としてはあと一歩.対策の方向性自体は間違っていないようなので,次回までに今回施した策をより強める方向にクルマをセットアップし直してみようと思います.

一方,ドライビングの問題点としてはヘアピン.もし低反発スプリングのマジックにハマっているのだとしたら,プリロードを掛けてこれを打ち消す方向を試してみるかな? トラクション不足の原因がフロントではなく,リアにある事が分かったので,それだったらフロントにプリロードを掛けても弊害は少ないはず.プリロードを掛けた結果,フロントの車高が多少上がるのだとすれば,インリフトを弱める方向にもなるのでプラスの効果が得られるかも? いずれにせよ,年明けに再トライですね.
2024年12月28日 イイね!

くるんくるんな年末

くるんくるんな年末フロントに低反発スプリングを投入し,結果を分析してみたところ,

  ①ストレートが遅い
  ②コーナー脱出時にトラクションが掛からない

・・・という2つの問題点が判明しました.この①と②は因果関係を持っている可能性が強いのですが,なんでフロントスプリングの反発力を弱めるとこういう症状が出るのかメカニズムが思いつかず,データを集めるために再びTC1000へ行ってきました.

まずは当日の朝.いつものように5時前に起きたのですが,この日のファミ走は年内最後の営業日という事もあって,フォーミュラとカートの走行枠もあります(↓).



これらがあると四輪の走行枠が2/3に圧縮されるので1枠の台数が激増し,「混み走」間違いなし.マイナス気温の寒空の下,無為な時間を潰すのも空しいな・・・という言葉が頭を過ぎった瞬間,戦略的二度寝を決行する事にしました(笑).

目覚ましもセットしなかったので,起きた時に午後になっていたらこの日は終了~となるところだったのですが,幸いにして9時に目が覚めたため,そこから出発.連休開始の移動日でもあるので高速が混むかなぁ~?と思ったら意外と空いおり,むしろ谷和原ICを下りた後の294号の方がノロノロ運転となっていました.「年末だし,渋滞はしょうがないよなー」と思って数台先の前方を見ると白と黒のツートンカラーのクルマが.「ああ,ヤツのせいで皆ペースを抑えているのかぁ~」と慎重に横を通り過ぎようと思ったら,



「はい? ここは茨城だぞ? なんで神奈川が走ってる??」と思いつつ,「多分,他所のシマは荒らせないから,他県で取締りなんて出来ないっしょ・・・」とササッ死角を作ってアクセルを踏みました(苦笑).


その後,11時過ぎに筑波サーキットに到着.ピットが満杯・・・なのは当然なので,パドックの方にソロソロと進むも空いてる場所がない! 「うえぇぇ~マジか.まさかここまで混雑するとは!」と1周回って,ピットのこもりん.さんの後ろに停車.クルマから降りて常連さん達に声を掛けると「午前は全枠売切れ」との事で,コース上を見ると確かにかつてないほどの台数がいます(汗).「最盛期の筑波みたいだねぇ~」なんて声も聞こえるほどの盛況ぶりでした.

予想を上回る混みっぷりに「コリャ,ダメだ」とモチベーションがダウンし,常連さん達がお昼ご飯を食べに行くというので,おだてのまつさんを隣に乗っけてサロンへ移動.



今年最後のモツ定を頂きました(ちょっとこぼしちゃいましたが・・・汗).


その後,再びTC1000に戻ると13時過ぎ.午前中の走行が消化不良で残った方々がまだまだいる様子(↓).



混雑のピークは過ぎた感がありますが,それでも1枠10台程度は覚悟しないとダメそうです.「イマイチ気が乗らないけど,準備するかぁ~」とパドックの空いているスペースに移動したら,あおたまさんが呼びに来てくれて「ピット空けさせますよ」と,空いた場所にスッと入ったしょこさんをどかしてくれました(笑).


(しょこさんは,この後,あおたまさんが使っていたスペースに入るとの事)

ここから大急ぎで準備します.色々テストしたいので最低2枠走る事を考えると何とかP4枠(14:00~)に間に合わせたい.テキパキと準備を進めて何とか5分前にコントロールタワーに飛び込みましたが,前の方の会計処理が手間取っている様子.「赤旗で4分遅れだけど,5+4=9分でこりゃギリだな.止めとくか」とP5枠(14:20~)を購入する事にしました.


この時の路面温度が19℃.これくらいならリアのウォームアップは不要でしょと台数の方に意識を傾けると長蛇の列.「やっぱ10台くらいかぁ~」とその列を見ていると,



見覚えのあるアルトが・・・.「アレッ? もしかして日光39秒台のうすい号では??」と思いつつコースイン.



誰がどんなペースなのか分からず,右に避けるのか? 左に避けるのか?も分からないので,とにかく周回.トップタイムは41.1秒台で「あのアルトがうすいさんだったら,最低でも40秒台は出してるだろうから違ったのかな?」と思いつつ,銀色のFD2の後ろでアタック.9割くらいのペースで42.3秒.スローダウンするとスペースを失うので連続でアタックし42.2秒.「この混み具合だったら,こんなもんかー」と一度ピットに入り(↓),



つんのめり対策としてフロントの減衰を1段下げ.「さて,これで違いが出るかなー?」とアタックしてみると,セッションベストとなる 41.941 を出す事が出来ました.つんのめりもなくなり,低反発特有の癖が消えて素直な動きに近づきました.ただそれでも自己ベストから1秒落ち.まだまだ問題を抱えているのでクルマの動きを理解すべく更に追い込んでみると,1コーナーで4輪ドリフト状態に・・・(↓).


(カメラの固定をミスったので軋み音がしてます.ご了承下さい<(_ _)>)

「あ~,分かった.トラクションが掛からない理由はコレかー!」 Σ( ºωº )

と思わずポン!と手を打ちたくなるくらいに,ようやくクルマに起きている事が理解出来ました.


原因はリアタイヤ.ここ数年,冬のアタックシーズンの開始と同時にウォームアップ対策としてリアタイヤに新品を投入していたのですが,今年はタイヤの使い方の理解が進んだので,まだユーズドタイヤを使っています.このため,フロントタイヤを新品にすると相対的にリアタイヤのグリップが低過ぎとなり,リアに掛けられた荷重を支えきれず,横にスライドしてクルマが前に進まない事が原因でした.起きている事を絵にすると,こんな感じ(↓)ですかね?



ブレーキング→ターンインで,右リアがインリフトして車重を支える事を完全に放棄した後,立ち上がりでアクセルを一気に開けるため,荷重がフロント→リアに急速に移動し,フロントタイヤを持ち上げにいきます.この時,低反発スプリングだと伸びのスピードが遅いため,右フロントが軽く浮いた状態となり,実質的に左リアタイヤ1本で全車重を支える事になります.当然,そんなの支え切れる訳がないので左リアは滑り出し,それに引っ張られて左フロントも同時に滑り出します.つまり,4輪全てのタイヤがグリップを失ったドリフト状態となる訳です.

小難しい話をスッ飛ばして,要約するとコレ(↓)です.



そりゃ,右フロントの接地感がないのも当然な訳で,側溝はないので右フロントの接地感がなくとも落っこちる事はありませんが,乗ってて気持ち悪くなるのも当然ですね.こんなの後輪駆動車でしか起きない現象だと思っていたのですが,FFでも起きるんですね.いやはや・・・(そりゃ,FRみたくアクセルを開けた瞬間スピンもするわな).


ようやく何が原因か掴めたのでピットに戻り,急ぎ対策を考えます.最後のP8枠(15:40~)が今年最後のチャンスとなるので,それまでに残された時間は40分.まずはタイヤカス取り職人を呼びよせて,出来る限りリアタイヤのグリップ回復を図ります(↓).



それと並行して,変更したスマホホルダーのチェック(↓).



スマホが落下する事はありませんでしたが,ホルダーが首を振っているので,もうちょっと保持力を強化しないとダメなようです.

更に並行して最高速のチェック.やはり130.12km/hと相変わらず今一つ伸びてないので,orangeEP@ahirukantaiさんに指摘頂いたエンジンをゴニョゴニョ・・・.時間が足りないので最低限の事しか出来ませんでしたが一先ずこれで効果を見てみます.そして最後に前後の内圧をセットし直して準備完了.



職人的に今日の出来はイマイチだったようで大分ご不満な様子でしたが,時間がないので一先ずスルー(笑).
最後に路面温度をチェックしたのですが,そこで驚愕の事実が判明.何と9℃まで下がっています!

(¯□¯;) ゲッ!

「ち,ちょっと待って,コレ,リア温まらないよー」と思いつつもタイムオーバーでコースイン(泣).ところが,コースに出てみるとこれまでの混雑具合が嘘だったかのように,年内最後の枠はたったの4台.これなら何とかなるかー?と走り始めてみましたが,



くるんくるんと筑波スケートリンクが開校.いやはや氷の上を走っているのと変わらんです(苦笑).

まぁ,しょうがないのでその後もくるんくるんと滑らせて7周目にようやくウォームアップ完了し,アタックした結果は 41.515.来る前までに想定していたタイムに到達したので,ここから4輪ドリフトの仮説検証.ピットに入り,リアの減衰を1段下げて支える力を増やしてみると,


(変わらず軋み音がします.ご注意下さい<(_ _)>)

41.441! コンディションを考えたら絶対値的にはまだまだ遅いですが,新品の0.1秒落ちなら間違いなく改善方向.最高速も132.58km/hまで回復し,これで①(ストレートが遅い)・②(トラクションが掛からない)共に原因が掴めました.


4日前とは打って変わり,原因が掴めた事で祝勝気分.新しくお付き合いを始めたCR-Sと仲良くなれないまま年明けに破局しそうなしょこさんにも勝利し,気分揚々でいたら,なぜか常連さん4人に飲み物を奢る羽目に(勝ったのになぜ?).よく分かりませんが,気分が良いのでそのまま後片付けを済ませました.



ちなみに,この日のポンダー貸出台数は私で76台目.フォーミュラとカートがあったとはいえ,TC1000では走行会でもなかなかお目に掛かれない数字.この日の混雑具合を物語っていました.

その後,最後まで残っていた常連さん達とも別れてTC2000へ行き,気温・気圧の確認をしていると,年末の挨拶回りをされている様子の蘇武さんがいらっしゃったので「お身体は大丈夫ですか?」と声を掛けたら首を振っていました(お大事に・・・).


以上,くるんくるんな2024年最後の走行でした.

今年もいっぱい走りましたが,何とかクルマを壊す事なく無事終える事が出来ました.当日お会いした皆様,お会い出来なかった皆様,蘇武さんを始め筑波サーキット関係者の皆様,1年間お疲れ様でした.どうぞ良いお年をお迎え下さい.

2024年12月26日 イイね!

低反発 vs 中反発

低反発 vs 中反発新品タイヤ投入も惨敗に終わったTC1000の原因を突き止めるべく,過去実績と照らし合わせて分析してみた訳なのですが,そこから見えてきたのは・・・,

  「ストレートが遅い!(特に3速領域)」

という事実.重量増がこの結果を招いている可能性もありますが,細かく見ていくと「コーナー脱出時のトラクション不足(クルマが前に進まない)」というのが根本的な原因のようです.

「トラクション不足」というとLSDが真っ先に思い浮かぶのですが,そこに行く前にまずは直近の変化点から潰し込んでいこうと思います.

  ①フロントスプリングの反発力変更(中反発→低反発) ・・・ ピッチ方向の挙動改善
  ②ダンパーフォークブッシュ変更 (ピロ→ゴム)     ・・・ 不具合対策
  ③フロントキャンバー角変更    (4'00→3'30)     ・・・ 不具合対策

①はちょっと横に置いておいて,フィーリング的に言うと②は違いがあるとは思えませんでした.



これはゴムブッシュ→ピロボールに変えた最初の時もそうですし,ピロボール→ゴムブッシュに戻した今回の時もそうです.厳密にはダンパーの上下動の動きのスムースさが違ったり,バネ下重量が微妙に変わったりしてハンドリングに影響を与えているんだと思いますが,今回感じた違和感の原因がコレだとは思えません.


一方,③(キャンバー)の方は走行後のタイヤ表面温度から,特に左フロントのショルダー部分の負担が増しているのは間違いなく,乗っている時もタイヤを追い込んでいくと,つんのめるような感触がありました.



この感触は,内圧不足で掛けられた荷重に対してタイヤが支えら切れなかった時の感触と似ており,恐らくタイヤが内側に倒れ込んじゃってるんじゃないかと思います(↓).



このタイヤが倒れ込む要因として「キャンバー不足」というのは十分有り得る話で,一般的にキャンバーを起こせば静止状態でのタイヤ接地面積は増える方向なのでトラクションは良くなるはずなのですが,ショルダーが捻じれたせいでその復元にエネルギーを喰われ,クルマを前に進める力が残っていない・・・というのは何となくイメージ出来る気もします.


という事で,トラクション不足の原因が①(低反発)なのか? ③(キャンバー角)なのか?を切り分けるためにも再びロガーデータを引っぱり出してみます.

まずはサンプルデータ.

【中反発(41.467)】


  気圧:1012.7hPa  気温:12.3℃  路面温度:15.9℃

【低反発(41.614)】


  気圧:1016.1hPa  気温:9.0℃  路面温度:12.5℃

低反発の方は,当日1本目のベスト(41.306)だと新品タイヤの影響(-0.2秒)を受けてしまうため,正確性を期するために多少摩耗が進んだ当日2本目のベストを用いる事にします.


では,データの比較です(緑:中反発 青:低反発).



低反発(青)の方がコンディションが良いにも関わらず,0.1秒以上遅いのが悲しいですが,全域で負けている訳ではなく,部分部分で速いところもあるので詳しく見ていきます.

ホームストレートエンド



やっぱり低反発(青)の方が最高速が低いですね(泣).1コーナー進入のブレーキングまでに全域2km/h程度は車速が低く,これで0.08秒の差が生まれています.繰返しになりますがコンディションは低反発(青)の方が良いので,この差はエンジンパワーではなくトラクションの問題でしょうね.

ならば!という事でアタックラップに入る前の最終コーナーのデータを確認してみます(赤:中反発 青:低反発).



車速の伸びはそんなに変わらないですね.むしろタイヤが新しい分だけ横Gが掛かった状態での伸びは低反発(青)の方が良い気すらします.ただ,気になる点としてちょうど100km/hを超えた辺り,この図の右端の辺りで両者の差が開き始めている部分.ここはちょうど2→3速に上げるポイントですので,やはり3速領域(厳密には3速を使っている時の負荷・トラクション・姿勢)に何か問題を抱えていそうです.


1~2コーナー



ここは低反発(青)を投入した狙い通り!という結果になっています.1コーナーの進入でブレーキングを終えた後,ブレーキをリリースしつつステアリングを切り込んでいく訳なのですが,この際にノーズがポン!と跳ね上がる事なく,沈み込んだ状態を維持し続けてくれるため,アクセルを開けた瞬間にアンダーステアに転じる事なく,姿勢を維持したまま2コーナーに向う事が出来ます.これによってボトム:90km/hというなかなかのコーナリングが実現出来ており,先程の0.08秒の遅れを取り戻すどころか,逆に0.06秒リードするような速さを見せています.

ただ,このコーナリングを実現するのには結構苦労させられました.



ブレーキングを終えてステアリングを切り込み,OUT側のタイヤに荷重を掛けていくのですが,低反発なのでこの時に手応えがない・・・.乗っている時は「オイオイ,どこまでロールしていくんだ!?」という感じで姿勢が定まらず,クルマが不安定な印象を受けて,ここからアクセルを開けても大丈夫なのか?とかなり不安になりました.

その不安な気持ちを無理やり捻じ伏せて,アクセルを開けに行くとこういう事も起こる訳で(↓),



ステアリング越しに伝わってくる情報を遮断し,自身のこれまでの経験から進入速度を決めて,クルマの動きを無視してアクセルを開けに行かないとこのようなコーナリングは出来ず,乗っている時はホント変な感じでした.

いや,変というより,気持ち悪い!という方がより正確な表現かな(苦笑).

この気持ち悪さを知ってしまうと,低反発を毛嫌いする人達の言い分は理解出来ますし,共感もしますね.如何にこっちの方が速いと言われようとも,まだ中反発や高反発を使ってクルマと格闘する方がマシ!と思えちゃうんじゃないでしょうか.低反発にはそれくらいの癖の強さを感じましたし,Swift(高反発)→HYPERCO(低反発)に変えた時も似たような戸惑いがありましたが,今回の中反発→低反発の差はそれ以上のものでしたね.
(ま,こうなるんじゃないかと思っていたので,ある意味予想通りではあるのですが・・・)


インフィールド
大分長くなってきたので,ヘアピンは飛ばしてインフィールド.



低反発(青)の方がフロント荷重をキープし易いので,やや突っ込み気味(左側の赤丸)に進入しても破綻する事なく,大舵を入れてインリフトさせれば小回りと両立も出来るのですが(右側の赤丸),タイム的には今一つですね・・・.なお,ここから先は中反発(緑)から遅れる一方となります.


左高速コーナー



ここも低反発(青)は2→3速に入れて以降の車速の伸びが今一つですが,ここはしょうがないかなぁ~? 左高速はステアリングレスポンスの影響が結構大きいので,ライン取りを見た感じ(↓),



低反発(青)の方が若干切り遅れている感がありますし,ロールスピードが穏やかだと,ここの車速の伸びはどうしても鈍っちゃいますかね?


最終複合



乗っている時は低反発(青)の方が曲がらない印象を受けたのですが,ロガーデータで比べてみるとそんな事はなさそうですね.あれだけ「トラクションが掛からない!」とか言っていた割には,スムースに加速しているように見えるので,少なくとも低反発スプリングのせいではなさそうですね.


以上,低反発 vs 中反発でした.纏めると,

  ・低反発投入の理由である,「伸び側のスピードを遅らせる」は実現出来た
  ・それによりフロントの荷重をキープし易くなり,アクセルONでのアンダーステアは弱まった
  ・荷重をキープし易いので,その分だけ舵角を増やせるようになった
  ・但し,舵角を増やすとその分だけつんのめる挙動も出た
  ・これは低反発の「大きいストロークになるとレートが上がる」という特徴によるものと思われる
  ・低反発はその名の通り反発力が低いので,ステアリングレスポンスはかなり悪い
  ・レスポンスの悪化代を見越して操作しないと,速いコーナリングは出来ない

といったところでしょうか.予想していた通り,低反発はかなり癖が強いですね.単純な「良い」「悪い」ではなく「癖が強い」なので,使いこなせればこれはこれで武器になるとは思います.このスプリングのポジティブな部分を残したまま,ネガティブな部分を取り除けるようにセットアップを煮詰めれば何とか目があるかなぁ・・・.


問題の「トラクション不足」に関しては,今回のデータを見る限り,キャンバー角ではなく,低反発スプリングの方が原因っぽいですが,唯一最終複合のフィーリング悪化だけはキャンバー角が減ったせいかな? キャンバーを起こしたメリットは見受けられないので(特に制動力が強まった印象も受けませんでしたし),こちらは元の数値に戻したいところですね.



「フロントスプリングの反発力を下げたらトラクションが掛からなくなる」という理屈は今一つ思いつかないので,車速が伸びない理由は他にあるのかも? それがLSDなのか? エンジンなのか?はデータ不足で分からないので,もう少し情報を集めないとダメですね.
2024年12月25日 イイね!

41.3秒の事実確認

41.3秒の事実確認意気込んで臨んだくせに惨敗に終わった先日のTC1000ですが,フィーリング的には色々気になる点はあるものの,結果が出なかった要因が今一つ分からないので,まずは事実確認をしてみます.

こういう時に役に立つのがロガーデータな訳なのですが,パッと見た感じ細かな部分で気になる点はあるものの,コンマ数秒失うような大きなミスはしていないのでなるべく近しいコンディションのデータと見比べてみます.

まずはタイムマップでデータを検索.



今回のデータに近しい条件として以下が見つかりました.

  今回   ・・・ 41.306 (気圧:1016.8hPa  気温:7.6℃  路面温度: 9.3℃  最高速:130.75km/h)
  比較① ・・・ 40.969 (気圧:1015.5hPa  気温:8.7℃  路面温度:18.3℃  最高速:133.08km/h)
  比較② ・・・ 41.317 (気圧:1018.4hPa  気温:9.1℃  路面温度:14.6℃  最高速:131.18km/h) 

比較①を見ると「あぁぁ・・・やっぱり40秒台出せたのか・・・」と思いたくなりますが,比較②を見ると「アレ? 41.3秒は実力通り??」と思ってしまいます.

どっちが真実なのか分からないので,当時のブログを見返してみると,比較①の方は2年前の3月



失火で苦しんでいた頃で,今回と同様に空いてそうな平日のファミ走を狙って出したようです.当時と今の仕様の大きな違いはアンダーパネルの有無.やはりコレの重量増が響いているのか・・・?
(ミニサーキットだとざっくり100kgで1秒差だから,0.3秒差だと+30kgくらい??)

一方,比較②の方は今年1月



前後のブレーキバランスに苦しんでいた時期のようですが,仕様的にはほぼ今と変わらず,やはり41.3秒は実力通りなのか??


比較対象が定まったのでデータ比較に入ります.まずは比較①(緑:比較① 青:今回).



上が車速,下がタイム差です.両者の0.3秒差の内訳をざっくりみるとこんな感じ(↓).

  ①ホームストレートの速度差 ・・・ +0.10秒
  ②1コーナーのブレーキング ・・・ -0.05秒
  ③2コーナーの旋回速度差  ・・・ +0.20秒
  ④インフィールド進入      ・・・ -0.10秒
  ⑤バックストレッチの3速域  ・・・ +0.05秒
  ⑥最終コーナー立ち上がり  ・・・ +0.15秒

ロガーデータ上は0.35秒差となっていますが,ブレーキング領域では40秒台を出した時を上回る部分があるようですね(LSDの効果かな?).一方で全開加速領域のタイムの落ち幅が酷く,特に3速を使っている領域が壊滅的ですね(やはりトラクションが掛かってない?).但し,③(2コーナー)と②(1コーナー)はトレードオフの関係性があるので,ドライビングで何とかなる余地がある気がしつつ,低反発スプリングの攻略が進まないと厳しそうかなぁ~.その一方で最も気になるのが⑥(最終コーナー).



ライン取りも,ボトムスピードもほぼ一緒なのに,今回(青)の方がアクセルを開けてもクルマが前に進んでない.これがホームストレートの遅さ(=最高速の低さ)に繋がっているのでココを何とかしないと! しょこさんが40秒台を出している事から当日の路面は悪くなかったでしょうし,タイヤも新品でしたし,なんでこここまでトラクションが掛からないんだ?(キャンバーか?)


次は比較②(比較②:緑 今回:青).



さすが仕様が近いだけあって波形も似てますね.ロガーデータ上も最終的な両者の差は0.03秒差に過ぎない訳なのですが,細かな部分でやはり違いがある.こちらもざっくりタイム差の内訳を出すとこんな感じ(↓).

  ①ホームストレートの速度差 ・・・ +0.02秒
  ②2コーナーの旋回速度差  ・・・ +0.10秒
  ③ヘアピンのブレーキング  ・・・ -0.12秒
  ④インフィールド         ・・・ -0.05秒
  ⑤最終複合進入        ・・・ -0.08秒
  ⑥最終コーナー立ち上がり  ・・・ +0.10秒

差が小さ過ぎて計測誤差レベルですが,グラフで見た時に今回の方が明確に遅いのは以下の3つの部分.

  ・1コーナーの立ち上がり
  ・インフィールドの立ち上がり
  ・最終コーナーの立ち上がり

全部立ち上がり・・・やはり「トラクション」に問題を抱えているのか?

一応,「インフィールドの立ち上がり」に関してはライン取りを失敗した(=ドライビングミスの)可能性が残っていて(↓),



新品タイヤのグリップによって想定以上にクルマがIN側に切れ込んでしまい,白縁石(↓)目がけて突っ込んでいく形となり,



ギリギリその脇を掠められるかどうか判断し切れなかったため,アクセルを開けるのを一瞬だけ躊躇してしまった結果,加速が鈍ったのだと思っています.ただ,それ以外の1コーナー・最終コーナーはクルマの反応に合わせて走らせた認識なので,やはりクルマが前に進まない原因(トラクション不足の原因)を突き止めないとダメですね.


以上,先日の41.3秒に対する事実確認でした.今回の比較で問題がどこにあるのか? 大分焦点が絞れてきたので,次はこの情報をベースに原因分析と対策を考えようと思います.

プロフィール

「アップデートの効果検証 http://cvw.jp/b/1684331/48745732/
何シテル?   11/04 00:09
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