
本日は久々ワタクシSamSが意見表明をする「独り言」です。いつも通り異論反論正論等何でも受け付けますからコメント欄にご意見を書き散らしていって下さい。
さてEV開発とはいえその実は以前の「独り言」でも述べたモジュール化に他ならず、結局はモジュールの構成要素(パーツ)を少し変えたりガワ(外装/surface)や内装程度しか自社の独自性をアピール出来なくなる訳です。
思い起こすのはデジャビュ(既視感)に捕らわれるパソコンの歴史でしょう。
かつては各メーカー毎の独自仕様であったパソコンをIBMのPC/AT仕様を標準として右へ倣えをしてコストを大幅に切り下げ、OSもMS-DOSを進化させたDOS/Vで高解像度の日本語仕様に相乗りし、MS-Windowsとなった後もそのまま標準化されたパソコンの趨勢は留まるところを知らず結局我々はハードウェアを以前よりずっと安く手に入れることが可能になった訳です。
その結果何が起こったかといえばメモリ、HDD、CPUなど各パーツの価格競争が熾烈となって毎月下がる価格が当たり前となり、パーツメーカーにも合従連衡が起こりその数を減じて行きました。競争に敗れた会社は生き残れず生存競争は厳しいのですが、勝ち残れば利潤を手に出来ます。
PCのコモディティ化ですがこれで敗れたのが実は日本メーカーだったりします。以後は台湾、韓国のメーカーの台頭とNEC、東芝や松下、富士通など国産PCのシェア後退とその後の中国メーカーの台頭につながりました。パーツが共通化されたので組み立ての労務費の安い国が最終的に勝者となる構図では日本メーカーの出番などありません。
これと似た構図を自動車業界で繰り広げようというのですからもう誰でも先の読める話です。以前も論じたモジュール化されたパーツはコモディティ化されたも同然なのでアッセンブル(組み上げる)労賃の安い国が勝つことになります。最後にはEVはアッセンブル・メーカーが日本にある必要すら無いという身もフタもない議論になってしまいます。
これに加えて日本では「過去のレガシー」の問題があります。各社自分の系列会社を回りにぎっしり(注文を出すことで)囲い込んでいますが、
今後のEV車作りは部品点数が格段と簡素化してしまうのでとても全ては引き受けられぬ.....という負のレガシー対策に頭を痛める必要があります。そもそも
EV車にエンジンがない、というのはエンジンの存在を前提に成り立っていた下請け企業にとっては死活問題です。全てがEV関連の受注に転化出来る訳では無いでしょうから罪作りで、プラグメーカーなどは各種センサーに活路を見いだしているようですが全体の中ではごく一部の話です。
その上EV車の中身はアッセンブルされたモジュールのパーツ次第でほぼ性能が決まるし、ガワ(シェル)が違う程度では差別化する手法もいずれ行き詰まるでしょう。これからは各パーツを制御するソフトウェアで車の「乗り味」を出すことになるでしょうが、それすら専業メーカーがソフトを提供するようになればもうおしまい?
2年前に
ここ*で書いたようにいずれアジアの何処かの国でヒャク万円でアッセンブルしたクルマを輸入して乗れる世の中がやって来るのカモ?
*2015/10/10「自動車業界の今後」と題した小論を参照
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Posted at
2017/10/19 19:09:33