
今朝の朝刊には
FCAがルノーに経営統合を申し入れたニュースが一面に載ってました。
案外急な話だったようです。
まだ自分は詳細を把握してませんが、とりあえず知る限りで診てみましょう。
*「FCA」は世界8位でここが世界2位(ただし日産と三菱を含めて)の「ルノー」に統合を持ちかけるというのもヘンな話ですが、ルノー単体の売り上げはFCAより下で9位のプジョーシトロエン(PSA)より大きいという程度です。だから
サイズ的には違和感はありません。
*ニュースによれば共同持ち株会社をオランダに設立して5割づつの折半出資、その会長はFCAの大株主アニエリ家(29%保有)からジョン・エルカーン氏が就任しルノー会長のジャン=ドミニク・セナール氏にCEOとなってもらうということです。
*その場合、ルノー株主には約10%のプレミアムを払い、FCA株主には特別配当として25億ユーロの現金を支払うそうですが、ソレを支払うのは一体誰なんでしょうね?
*ルノーは現在アメリカ市場に参入していない、FCAは欧州市場が弱いと共にメリットがありそうです。(現在FCAの欧州向け自動車工場の操業率は50%程度と低迷中で思い切って閉鎖出来ればコスト削減にメリット大)
*ルノーには政府保有株(最大の株主ですw)があり、政府の意向も反映する必要があるので一筋縄では行かないリスクもはらみます。またイタリア政府も対抗策で同様に共同持ち株会社に持ち分(stake)を要求してくるかもしれません。
*両社共に以前のボスであるセルジオ・マルキオーネ氏(昨年7月死去)とゴーン氏(昨年タイーホ)とが統合の話も話し合ったようですが昨7月以来話し合いはなかったそうです。
*確か一度
FCAがPSAにも統合を持ちかけた記憶がありますからFCAが規模拡大に貪欲になっていたのは事実です。
この程度しか手元に情報がないのですが、やはり気になるのはこれが"
Loser's Union"(
敗者連合じゃ言い過ぎでしょうかw)じゃないのかってことです。SamSにはそう見えます。
FCAは自動運転とか電気自動車の技術蓄積が乏しいままです、つまり遅れています。その分野をルノーの技術に頼ろうということでしょう。値段が焦点になるでしょうが。(FCAはウェイモと業務提携はしている/追加 23:57 5/27)
FCAは数年前に虎の子のフェラーリをIPOで手放して上場会社にしました。それゆえいつまでもマセラティのエンジン供給を頼る訳には行かなくなりました。(公開会社ですからFCAだけにコスト度外視でエンジンを供給すれば株主から訴えられます) マセラティにそれ相当の値段を出す余裕はないでしょう。今後のブランド価値も維持するのは大変でしょう。
このままではFCAはゆっくりとシェアを落として行くリスクが高かったと思います。だからこそ生き残りのために手を尽くしているのでしょう。
きっとルノーの方が一枚上手で一年以上かかると予想される統合交渉をゆっくり進めれば自社にメリットが大きいと判断するでしょう(お主もワルよのう~)。
「水に落ちた犬はたたかれる」という古い諺を何となく思い出しました(*^o^*)
Posted at 2019/05/27 23:10:04 | |
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