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2018年09月24日 イイね!

無常な日常(明智佐馬助の恋 上下ほか・加藤廣/文春文庫)

無常な日常(明智佐馬助の恋 上下ほか・加藤廣/文春文庫) 今春の加藤廣氏の訃報に接し、くれぐれも遅いデビューが悔やまれます。
今月読み直したのは氏の本能寺三部作最終話になります。


デビュー作の「信長の棺」は信長公記の作者大田牛一を語り手とした本能寺の変の話。
次作の「秀吉の枷」は本能寺の変前後の秀吉の闇を暴いた内容。
そしてこの「明智佐馬助の恋」が三宅弥平次つまり後の明智光秀の女婿佐馬助(明智秀満)から見た本能寺の変、と一つの日本史上の大事件を各方面から描いた内容でそれぞれが絡み合い呼応する多次元叙述となっています。これ一作だけでも読み応えがありますが、やはり三部作すべてに目を通されることをお勧めします。本能寺の変は日本史上最大の謎の一つなので、なかなかに斬新な見解を提示されたことには感謝します。
戦国時代に興味がおありの方なら必読書と言えるでしょう。
ついでに同時代を書いた「利休の闇」と「神君家康の密書」を読めばさらに歴史への興味が増すことでしょう。またサブストーリー的な「空白の桶狭間」も信長の戦国武将デビュー戦の小説的(事実とは違う)な新解釈です。
そして時代は江戸時代に入りますが「謎手本忠臣蔵」でも赤穂事件の氏独自の新解釈を披露しました。

75歳になってからの文壇デビューだったので読める作品の数にははじめから限りがあることは誰もが理解していましたが、実際に亡くなられるとロスト感が大きいです。次は「信長の棺」を本棚から探して再読するつもりです。

なお上掲の小説はすべて新潮・文春文庫から入手できます。
Enjoy reading !
Posted at 2018/09/24 21:52:52 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2017年06月08日 イイね!

無常な日常(織田信長・桐野作人/新人物文庫)

無常な日常(織田信長・桐野作人/新人物文庫)<久々のBook Reviewです>

 本日は昨年読んだ文庫本の中でも特に面白くて印象に残った本を紹介します。
桐野氏の信長論は織田信長を「軍事カリスマ」と規定して展開させています。
何よりも驚いたのはその文庫本の分厚さ。ナンと740頁もの大作で値段も文庫本としては1200円と思わずちくま学芸文庫か?とつっこみたくなる値段です(あのシリーズは高いゾ)。
ベッドに横になって読み出すと本が重く腕が疲れてしまい10分と読書が続けられません(マジです)。
でも内容はきちんと筋道を立てて信長=軍事カリスマ論を展開しています。
特に信長の名が世に出ることになった桶狭間の戦いには信長を慕う一騎当千の兵が己の命を投げ出し十倍の敵に立ち向かった(そして勝った)のはカリスマとしての面目躍如だとしています。

 それは確かにそうなんですが、SamSは信長の後半生は「経済カリスマ」であったと思っています。
だって貨幣経済をあの当時ほぼ確実に頭で理解していたんですよ! 
楽市・楽座を勧め統制経済を破壊して寺社勢力(油などの値段をカルテルで高値維持し今で言う反トラスト法違反を常態化させた保守勢力)と戦い、交易に害のある関銭・関所を廃止し(今なら関税自由化です)、さらには武田や上杉のような農民兵から貨幣で雇った一年中働けるプロ兵士で自軍を維持するようになる、などただの軍事カリスマに出来ることなんかじゃありません、天才過ぎます。
彼は戦国時代を通して経済に通じた恐らく唯一無二のカリスマ大名でした。なので本の後半の内容にはやや不満が残りますが信長の前半生では軍事カリスマ論が実に面白い切り口であるのは認めましょう。
 前半部分で展開される若き信長と彼に心酔した馬廻り衆(まだそういう名にはなっていないが彼に近侍した若侍達)の心意気、信長の号令一下で命を投げ出すように敵に突入するなどは軍事カリスマと喝破した氏の視点の確かさが認められます。
戦国時代がお好きなら必読の書です。
Posted at 2017/06/08 22:39:37 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2017年02月26日 イイね!

無常な日常(ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ・三上延/メディアワークス文庫)

無常な日常(ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ・三上延/メディアワークス文庫) 数日前の新聞にやっと7冊目(完結編)が登場との記事を見ました。今日本屋に行くと村上春樹氏の「騎士団長殺し」のハードカバー本が山積みでしたが文庫化を待つことにして本書を探すとすぐ見つかりました。

 文庫本書き下ろしという形式で発表され「栞子さんと果てない舞台」が今回の副題でついに完結ですが物語上の時間の経過はほんのちょっと(2011年の数ヶ月)です。その間にいろいろなエピソードが積み重ねられた訳で、ほぼ同時期に読み出した仁木英之氏の「僕僕先生」シリーズがほぼ同数の文庫数でこちらは近年一気に世界が広がった感があり、ますます話のスケールが大きくなったのと比べると対照的です。一言で言えば古書を巡る事件を解決するライトミステリに恋愛噺をミックスした若者向けの本で主人公の一人栞子さんが巨○という属性に惹かれて読み出しましたが(マジですか)実は超の付く天然でもう一人のバイトの主人公(俺)との恋仲の進行具合がじれったいほどゆっくりなんです。SamSなど「えい、もう早く押し倒してしまえ!」と何度心の中で叫んだことか(おぃ)..... 他にも同業者との競争や親子の相克などを話に絡ませて遂に本作で完結。
もっとも今後スピンオフ作品も考えているそうでSamSはフォローしませんでしたが以前テレビドラマ化されていて今度は実写とアニメの両方で映画化されるとか。(文庫の帯に書かれてました)
 
 実はワタクシもJR北鎌倉駅に乗った電車が到着すると、いつしか窓外を見やり栞子さんの座るビブリア古書堂をつい探してしまう一人であります。笑)
Posted at 2017/02/26 23:01:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2017年01月09日 イイね!

無常な日常(悟浄出立・万城目学/新潮文庫)

無常な日常(悟浄出立・万城目学/新潮文庫) 本屋の今月の新刊コーナーで購入。著者は「鴨川ホルモー」でデビューし、「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」と関西を舞台にしたファンタジー小説を発表してきました。作品はテレビ、コミックス、映画化もされて目に触れる機会も多い売れっ子作家です(京大法学部でロザンの宇治原さんと同期だとか)。


今までと違い短編小説集というのに興味を惹かれて、しかも舞台が今までの関西近辺から一気に二千年ほど前の中国に移ったのが気に入りました。昔読んだ中島敦の小説にインスパイア(ホンダの車じゃないゾ)されたそうで収録された五編すべてに氏独特のペーソスが漂っている佳作揃いでとても楽しめました。「西遊記」とか「三国志」、「史記」などを底本として氏が紡ぎ出した人物像が生き生きと活躍する短編集で、もし貴方が中国の故事に詳しければ実に面白い内容です。

 昔家族で奈良の日航ホテルに数日泊まった時に氏の特集をホテルでやっていました。「鹿男」の頃でしょうか。SamSはそれが縁でその後「ホルモー」を読んで以来虜になりましたが、こっそり注目している作家です。バラしちゃいましたが。笑)

なお1月10日(火)夜9時から2014年に映画化された氏の「偉大なるしゅららぼん」がNHK-BSプレミアムでオンエア予定です。例によって突拍子も無い筋ですが深田恭子さんも出てますから見てね。(*^_^*)
Posted at 2017/01/09 22:27:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2017年01月05日 イイね!

無常な日常(読書/青空文庫・続)

無常な日常(読書/青空文庫・続)
 某所からの情報ですが以前読書ブログでご紹介した青空文庫で今年著作権が切れた作品がアップロードされ始めたようです。

前に解説した通り日本では作者の死後50年で著作権が消滅します。今年解禁の主な作家は亀井勝一郎小泉信三鈴木大拙など。トランプ氏の大統領当選でTPP合意がほぼ絶望的になったので、著作権保護期間が70年まで延長されるリスクも考慮せずにすみそうです。
ああそうだ、高校時代に読んだなぁ......近いうちに亀井勝一郎の「大和古寺風物誌」もアーカイブ化が終了するそうなので今度40数年ぶりに目を通してみたいです。京都・奈良への修学旅行の前に読んで若きSamSが深い感銘を受けたのは秘密です。(敬称略)
Posted at 2017/01/05 18:28:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

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