2014年07月18日
自分は30年以上前にスイスの銀行の為替資金部に勤めていました。その頃毎日のように取引を繰り返していた相手が同じ銀行のシンガポール支店のディーラーでした。十年以上連絡の途絶えていた彼が今年初め突然電話を掛けてきて長女が結婚式を挙げるので家族と一緒に参加してくれないかと尋ねられました。事情があって自分一人しか参加出来ないと断った上で行く事にしました。自分も振り返れば十数年来シンガポールを訪問していません。以前はほぼ毎年行っていましたので過去十数回は訪れたものですが。大抵の現地の旧友とは十数年ぶりの顔合わせになります。英語でreunionと言いますが謂わば昔の仕事仲間の同窓会みたいなものでノスタルジックな気分に包まれての訪問となりました。以下はその時の話です。
真夜中近くにタクシーで市中のホテルにチェックインしたのですがその時の車は角目のEクラスの本革シート仕様でした。その後時々市内でも見掛けましたので、或いは東京よりクルマ事情は進んでいるのか?と感じました。(国民一人当たりGDPは確か2007年くらいに日本を追い越してしまい、現在はリードを拡げている最中ですので実は向こうの方が金持ち国家です) ちょっと情けなく感じたのはかつてアジアの各国ではタクシー(的士)と言えば日本のクラウン、セドリックの独壇場だったのに現在ではアジア市場から駆逐されてしまいました。昨年香港に、一昨年とその前年にシドニーに出張した時にも感じたのですが今は韓国製の現代(ヒュンデ)の一人勝ちのようです。あのソナタとかいう車はトヨタ、ホンダと日産の良い処を切って貼り合わせたようなパクリデザインですが、でも並べれば日本車の方が実に古臭く感じられます。シドニーのタクシー(ソナタ)などは本革シート仕様が多かったのでかなりの高級感すら漂っていたものです。一体我が国の自動車メーカーのアジアでの存在感の喪失はどうしたことでしょう?確かに隣国では為替水準をウォン安に誘導してきた歴史がありますから値段でハンディキャップを背負わされた上での競争なので、ハナから勝負にならなかったのかもしれませんが誠に残念なことです。他にタクシーで見たのはクライスラー製でしたが、サイズから言ってあれは実は韓国製かな? ホンダのHによく似たロゴのヒュンデのバッジを見るにつけ残念さが募りました。アジア市場が日本車の金城湯池であったのはもう昔の話となっていました。個人では日本車はまだ乗る人も多く頑張っている印象ですが確実に以前よりも数を減らしています。その内に韓国車に駆逐されてしまいそうです、何しろ安いですから。ホテルをチェックアウトして飛行場に向かう時にホンダ・シビックの白いType-Rを路上で見掛けましたが珍しくどこかのコンプリート・キットを装着しているらしく実にキメていてマフラーからも乾いた良い音が出ていました。でも全体では日本車が駆逐された分、高級な欧州車がシェアを伸ばしている感じでした。BMW、M/B、そしてジャガーを以前よりよく見ましたが、これも国民の購買力が上がってきたからでしょうか。確かに牛さんやお馬さんも路上で遭遇しましたがどうもあれは観光用のレンタカーのようでした、だってホテルのテレビでもCMを見たゾ。ところでやや奇妙に感じられますがこの国にはクルマのチューン・アップというものが存在していなさそうなのです。ベンツも見るのはおとなしいカタログ・モデルのみでAMGを見たのは数日間の滞在で皆無でした。ロリンザーとかカールソンなんてのも全く見掛けずBMWも高性能バージョンを見なかったような....一体どうなっているのかな? あ、そうそうCLAを一度路上で見掛けました。多分180で路上を走る白い車体はとても上品に見えました。実に優雅に走っていて行き過ぎるのを眺めてしまいました。やっぱり斜め後ろからの眺めが実にセクシーだな.....
自分の旧友はレクサスのオープンカー(SC)に乗っていました。中古で600万円位で買ったそうでホテルまで迎えに来てくれて助手席に乗りましたが結構楽ちんなクルマでした。もっとも運転するためのライセンス(入札制で高騰中)にほぼ同額掛かったと言ってましたから総費用で軽く大台突破、金持ちでなきゃこの国でクルマには乗れません。奴は奥さん用にもBMW5シリーズ(後席に乗りましたが結構スポーティ)、さらに子供用(と言っても全員社会人x3・皆でシェア)にホンダ・ストリームも持ってます。お前さん、どんだけ金持ちなんだよ?
Posted at 2014/07/18 21:55:14 | |
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