こんにちは。ふぃおらのです。
梅雨が明け、茹るような蒸し暑さと突然のゲリラ豪雨が襲う、京都の夏。
最近はお天気アプリがあるので、RCで行くかマーチで行くかの判断の精度が高まります( ^ω^ )
みなさまはどんな夏を過ごされていますか?
今回はみなさまにご報告があり、筆を執った(キーボードを叩いた)次第です。
このたび、2015年の4月から通勤快速車として家族に迎え入れたマーチさんこと 2005年式マーチ12SRが引退することとなりました。
思えば前職の僻地異動に伴い、お世話になっている京都日産で探してもらった愛機。
突然の異動で、引っ越しやらなんやらでてんてこ舞いの中、担当のAさんと電話でやりとりし現物を見ずに購入しました。
条件は「運転するのが楽しみになるようなMT車」。
ワンオーナーの12SRさんは、走行距離3万3千キロの状態でやってきました。
とても内装外装ともに綺麗な状態で、無改造(といってもニスモ仕様なのでエアロやらマフラーやら足回りやらはカスタム済み)の個体でした (^^)
2ドア、MT、1200cc、NA。
目一杯に使い切れるスペックと、自分の手足のように思い通りに方向を変える回頭性とコンパクト感。
3000回転あたりからトルクがモリモリ湧き上がり、どのギアレンジでも胸のすぐような加速を楽しめるホットハッチ。
RCZやRCにはないお手軽感で、私にとっては運転するのが楽しいと初めて思えたクルマでした。
活動範囲も京都を越えて、北は北陸石川、東は名古屋、南は四国高知、西は鳥取・広島など、突き上げるような硬い足回り(あばたもえくぼ笑)で、どんどんお出かけしました。
助手席には彼女(妻)や愛犬(シエル先輩)を乗せたり、時には狭いリアシートに弟夫妻や友だち、両親を乗せたり、シートを倒して引っ越しに供したり、ケンカしたり、怒ったり、笑ったり、のんびり昼寝をしたりと。。。
クルマや運転に全く興味のない弟を笑顔にさせたり、親父に貸してドアを思いっきり擦ったり笑っ、地震で数日間停電した際に電源として使ったことも、親父が倒れて病院に担ぎ込んだことも、そして、親父が息を引き取った病院へ、弟と泣きながら走らせたことも。
男同士は角が立ち、不器用で口下手な親父と私。
親父が話しかけても、ろくに目を見ずに素っ気ない返事をしり、強い言葉を投げつけたり。
あんなにも怖くて、怒りっぽくて、なんでも知ってる大きな存在だった親父は、気付けば、いつのまにか小さく、丸く、寂しくなって。
ごめんな。
親父。
親父との距離を再び近づけてくれたのは、紛れもなくマーチさんでした。
親父もクルマ好きでした。
スバル360やフロンテクーペ、117クーペを乗り継ぎ、兄が生まれたときにカローラへ。
家族のために趣味を諦めた親父。
今の私はまだまだ子供部屋にいるおじさん。
やっぱりすごいよ。親父。
MTしか乗れなかった親父。
家族を乗せて30年走ったカローラは、親父が歳を取り、運転が危なっかしくなり、また運転する機会が減ったので、半ば私が無理やりに手放させました。
行きたいところがあれば、誰か家族が連れて行くから。
けれども、実際は
「今は忙しい。」だの、「仕事あるからまた。」だの。
たくさんの言い訳をして、結局この約束を果たすことはなく。
いつも自転車で、どこへでも出掛けていたのを思い出します。
ごめんな。親父。
そんな中、私の異動が決まり、やってきたマーチさん。
「親父も乗っていいよ!カローラより小さいからどこでも行けるし、これ面白いから!」
親父がハンドルを握ることもありました。
私がドライブに連れて行くこともありました。
春は近くの土手へ桜を見に行きました。
夏はアイスクリームを食べに道の駅へと行きました。
秋はあなたが入っていた病院へ通いましたね。
冬はどうしても欲しいとわがままを言って、おかんを困らせ、一緒に新しいゴルフクラブを見に行きましたね。
体調が戻り、体力をつけないとスイングはできないからと、癌で蝕まれた辛い体を奮い立たせて、たくさん歩きましたね。
家族は黙っていたけど、全て知っていたのですね。
6歳だった兄が交通事故で亡くなったときも、そうだったと聞きました。
あなたは強かった。泣き言を言わなかった。怒らなかった。顔を見に行くと心配かけまいと笑顔を見せてくれた。
先生からはやめておくように言われたタバコ、こっそり頼まれて、こっそり持っていって。
食べることもできない、歩くこともできなくなったあなたに、せめて、せめてタバコ一本だけ。
私は後悔していません。
病院のまだ蕾の桜の木の下で見せたあの嬉しそうな顔。頭から離れません。
うまかったか?親父。
そして、巡ってきた春。
目を開けなくなったあなたの枕元で、おかんはあなたと出逢ってから今日までの思い出を、ずっと話しかけていました。
浅く閉じた目尻から涙をこぼし、そのまま静かに深く息を吐いて、一人遠い旅に出たあなた。
もちろん全部聞こえてたんだよな?
その数時間前、何故か不安になり、早めに仕事から帰ってきた私。
まだ、温かかったあなたの手を握ることができて、本当によかった。
おつかれさまでした。親父。
たくさんの静かな優しさと愛情をありがとう。
心配かけた、怒らせた、困らせた、俺のために喜んでくれた、謝ってくれた、泣いてくれた、笑ってくれた、祝ってくれた、願ってくれた。
覚えているよ。
いつも偉そうに話していましたが、
あなたを超えることはできません。
親父と私を再び近づけてくれたマーチさん。
そんなマーチさんが作ってくれた、たくさんの思い出。
後継機には弟から譲ってもらったキューブがつきます。
クルマは手元に置いておくだけで、自動車税や車検、保険などコストが嵩みます。
しかし、マーチさんを売却や廃車という結論には至りませんでした。
(もちろん走行距離も14万キロを超えた個体にそもそも値段がつかないでしょうが笑っ)
オイル漏れや故障もなく、点検もしっかり受け、整備も洗車も怠ることなく施したまだまだ走れる現役のボーイズレーサー。
そして、自分で言うのも可笑しいですが…。
お金には変えられない記憶がマーチには詰まっています。
褪せることのないたくさんの温かい思い出が、そのままに。
誰か、このマーチを必要としている方が見つかるまで、大切に乗ってくれる方が現れるまで、親父のカローラがいたこのガレージで、しばしの暇を。
私の人生の傍にいつも寄り添ってくれたマーチさん。
RCZやRC以上に近くて、頼れて、優しく包んでくれて。私の部屋、私の家族そのものでした。
ゆっくり休んでください。
そして、親父。
こらからも俺と家族を見守っていてくれ。
あなたは、私の、みちしるべ。
すみません。。
いろいろ書いていたら、いろんなことが頭を巡り相変わらずの乱文乱筆に… (^_^;)
カフェのテラスで泣いてる30過ぎのおっさん。
なにやってんだか 笑っ
では、また。
どこかでお会いしましょう!