
ストレスフリーの2019年型アウトランダーPHEV
8月23日に発表された2019年型アウトランダーPHEVに乗ることができたので、2013年型オーナーとして気づいた点、気になった点を書いてみます。
ド素人の独断と偏見、不確実な知識で書いておりますので、あくまでもご参考ということで・・・
■装備関連
1.開けても閉めても・・・
新型アウトランダーPHEVに乗り込もうとドアを開けた瞬間から、すでに進化を目の当たりに・・・
まず、ドアを開ける時の音が違う。
ドアを閉める時の音も違う。
そしてドアを閉めると、ピーンと緊張感のある空間に・・・
ドアの防音、防振対策、隙間対策が進んだ結果、アウトランダーPHEVの室内空間は、気密性の高い空間に進化したようです。
ドアを閉めると、車外から聞こえる音が、私が乗る2013年型とは、明確に違います。
まぁこの車内の気密性向上は、最初のビッグマイナーチェンジの時に経験していましたが、今回、まる1日以上乗らせてもらうと、ドアの閉まりの悪さ(=気密性の高さ)を何度も経験し、再認識させられたのでありました。
あと、ドア回りでは、運転席パワーウィンドウスイッチがオート化されたようです。
2.パワーシート
これも最初のビッグマイナーチェンジからの採用ですが、今回、じっくり観察できました。
私が記憶しているパワーシートは、2代目セルシオのパワーシートの記憶だったので、パワーシートといえば、じんわり、ゆっくりとしか動かないのかと思っていましたが、今回、新型アウトランダーPHEVに乗って、実際に操作してみると、各部の調整が、思ったよりキビキビと動くことにビックリしました。
これも短時間の試乗では、ちゃんと認識できていなかった新たな発見でした。
ただ、ポジションの記憶機能がないので、運転者交代時には、毎回、個別に調整が必要となる点が微妙ではありますが。個人的にはパワーシートは不要派です・・・(汗)
3.インパネ
実は、私個人が一番興味があったのが、新しいインパネです。
今回、パワーメーターにエンジン出力ゾーンが追加されており、実際にどのような動きをするのか、興味がありました。
従来型から設定されているEVゾーンが新型では範囲が狭まりました。従来型では、アクセルの踏み込みとリニアに比例する形で、パワーメーターの針が右側に振れていましたが、今回、出力ゾーンが設定されたことで、エンジンが始動すると、左側のEVゾーンから一気に右側のエンジン出力ゾーンに針が振れるので、個人的には、大変面白かったです(笑)
エンジンがかかるとこんな感じ・・・
また、従来型では、エンジンが始動しても、回生ブレーキ使用時は、チャージゾーンに針が振れていましたが、今回の新型ではエンジンが始動すると、右側のエンジン出力ゾーンに針が張り付いていますので、エンジン始動状態で回生ブレーキを使用した場合は、マルチインフォメーションパネルに新設されたチャージゲージに回生状態が表示されるようになっていました。
あと、私が乗っている2013年型との一番の大きな違いは、マルチインフォメーションディスプレイのセレクトポジション表示の大きさです。
※回生ブレーキ使用時の充電状況は 「P」の下の 「Charge」 という表示部
やっぱりここの文字は、大きい方がわかり易いですね。
4.バッテリーセーブ/チャージモードスイッチ
従来型ではバッテリーセーブ/チャージモードボタンがそれぞれにスイッチが設定され2個のスイッチで操作していましたが、2019年型からは、ボタンが1つに集約され、
セーブモード→チャージモード→OFF の順に切り替わります。
今まで、2つのボタンでの操作に慣れているので、最初は戸惑いました。
5.EVモードボタン
私個人的には、つねにEVモードで走りたいとは思っていないので、今回の試乗では特に操作しませんでした。深夜の住宅街とかだと、重宝するのかもしれません。
6.SPORTモードスイッチ
写真の青いスイッチ・・・
私にとっては、このスイッチが、一番インパクトがあったかも。ほんと危険なボタンです。詳細は走りの感想で・・・
7.電動パーキングブレーキ
2013年型運転手の私が真っ先に戸惑いを感じたのが、電動パーキング。
従来のサイドブレーキレバーが、パワーウィンドウスイッチのような小さなスイッチに様変わり。コンソールがすっきりしています。
操作は、従来のサイドブレーキと同じですが、軽くスイッチを操作するのみで、普通に駐車ブレーキが動作します。
以前に電動パーキングブレーキが採用されたタイミングでSエディションに試乗した際には、欲しいとは思いませんでしたが、やっぱり時間をかけて試乗すると、軽いスイッチ操作で確実にブレーキをかけられるので、これまた欲しくなりました。また、オートホールド機能も慣れれば重宝しそう。
8.リア空調吹き出し口
我が家では後部座席は、使用頻度が低いので、あまり関心なし・・・
9.ヘッドライト
結構明るかったかと。ザインは個人的には好みではありません・・・
10.フォグ
使わなかったので性能は不明。デザインはヘッドライト同様、個人的には好みではありません・・・
11.バックモニター
この誘導線?って、純正ナビは従来型から曲がるんですか?
私の2013年型 社外NAVIでは誘導線は動かないんですが・・・
■走行編
1.スムーズでパワフルな走り!!
さて、2019年型アウトランダーPHEVの運転席に座り、いよいよドライブ開始。
まずは、出だしの軽快さにビックリ。車を少し動かしただけで違いを感じ、ショックを受けます・・・
ほんと、軽い出だし後、スルスルっと、ストレスなしにスピードが上がります。
新型のECOモードでも、私の2013型より速いのでは・・・
2013年型のECOモードは、非常にカッタるく出だしが遅く、街中では、実用的ではないと個人的には思っていました。(事実、ほとんど使っていません)
しかし、新型のECOモードは、街乗りで普通に走るのには十分。ようやく実用に耐えるECOモードが完成したのかと思いました。
少ないアクセル開度で、あっという間にスピードが乗ります。
試乗車返却後、自分のPHEVに乗り換えた時、アクセル開度と速度の上昇感覚の違いにビックリしました(汗)
車重が2013年型が1790㎏。今回の試乗車が1890㎏。100㎏近く重量が増えているのに、新型の方が圧倒的に軽快です!
それから、EVスイッチを使わなくても、アクセルを大きく踏み込んでも、エンジンがかかる機会は、かなり少なくなっているように感じました。
ドライブをはじめてから、とりあえず、満充電で走れる距離を確認しようと、ごく普通に走りましたが、エンジンがかかることはありませんでした。
2.飛び道具の「SPORTモード」スイッチ
SPORTボタンを押すと、即座にエンジンが始動、B5にシフト。さらに、ステアリングからの感触も、明確に変化します。
S-AWCの特徴が最大限に引き出されるのか、コーナリングに、フロントがインに巻き込まれるように、スムーズにコーナリングできるようになります。
※S-AWCのモニタ画面 これは2013年型のシンプルな表示の方がわかりやすいような気が・・・
そして、このモードでは、アクセルを踏めば踏むほど電流量が増加し、明確に加速が鋭く、パワフルになります!
2013年型でもチャージボタンを押すと、エンジンの回転にあわせ、電流量が増え、走りが力強く感じますが、アクセルをベタ踏みしても、あるレベルまでくると、エンジンの回転数が限界に達すると同時に、車の動きが「鈍く」なるような、頭打ち感を感じますが、2019年型の「SPORTモード」では、踏めば踏むだけ、電流量が増え、モリモリとパワーが湧いてくるような錯覚にとらわれます。びびりの私は、公道でのベタ踏みを試す勇気はありませんでした(汗)
また、「SPORTモード」では、エンジンのかかりも素早く、2013年型のような、エンジンがかかるまでのタイムラグをまったく感じません。ボタンを押した瞬間に、一気にエンジンがかかり、アクセルのわずかな変化に、敏感に反応するように思いました。
ただ、パワーメーターはタコメーターとは違い、電流量を表示しているので、エンジンの回転数がわかりませんので、確実なことは言えませんが、パワーメータがMAXまで触れた時の加速感は、半端ないです。
ド素人の私の感覚では、エンジンの回転数以上に、電流量が増えているように感じました。これは、ノーマルモードや、チャージモードボタンでエンジンがかかった時と、明らかに力強さが違うように思えました。
「SPORTモード」ボタンを押すと、燃費のことなど頭から吹っ飛び、ただ走りたいって、いつまでも「SPORTモード」で走りたくなってしまいます(汗)
ほんと、危険なボタンです。私はこのボタンのためだけに、真剣に買い替えたいという衝動にかられました(滝汗)
それから、はっきりとは確認できていませんが、「SPORTモード」では、エンジン駆動=直結 にはならないような気がしました。
今回、試乗中に山間部も走らせてもらいましたが、「SPORTモード」、本当に楽しかったです。おろしたての新車だったので、ペースはゆっくりでしたが、連続するコーナーでは、するすると曲がれ、アクセルの「つき」?が良い「SPORTモード」は、ほんと病みつきになります。
ただ、アクセルに敏感に反応するのと、知らず知らずペースが上がるため、同乗者がある時は使用厳禁かと・・・
「SPORTモード」に切り替えた瞬間、車重を意識しなくなります(笑)
「SPORTモード」 と 「チャージモード」 を比べてみると、違いが良くわかるかと思います。
ちなみに「SPORTモード」は、エンジンがかかりっぱなしになりますが、遮音ができているため、エンジン音は、まったく気になりませんでした。
それから、余談ですが、「SPORTモード」を解除すると、回生ブレーキは「B2」 にリセットされますので、下りの最中とかにモード切替してしまうと、回生ブレーキの効きが変わるので、ちょっとビックリ(笑)
3.乗り心地の良さ
ボディ剛性が上がったこと、サスの容量が増えたのか、単に私のビルシュタイン脚が固すぎるだけなのかわかりませんが、2019年型、乗り心地良かったです。
以前、ビッグマイナー後の2017年型?に乗った時は、サスが少々柔らかすぎ、ピッチングを感じましたが、今回のモデルでは、段差のショックを遠いところで「いなす」感じ。
遠いところで「トン」「トン」と軽い音で段差をこなしていきます。
今回、450㎞くらい走行しましたが、その間、「ドン」という大きな突き上げは皆無でした。
峠道でも少しやわらかく感じる程度で、私個人としては許容範囲でした。
ただ、「SPORTモード」で走る場合は、もう少し固い足回りが欲しいと感じました。
ステアリングの感覚や、加速感がキビキビと変化するので、車の挙動と加速感が、少々ちぐはぐな感じがしたように感じました。
それと、近畿道から西名阪に入ってすぐのピッチングが出やすい路面があるのですが、そこを走った時は、底づきはありませんでしたが、結構ふわつき、ピッチングが出ました。
ピッチングを収めるのは、ほんと難しいのですね。
きっと脚を固めても、すんなりは収まらないのかと。他の荒れた路面とかの走行シーンを考えると、今のセッティングがぎりぎりの妥協点なのかもしれません。
でも、静かに、滑らかに走れる今回のモデル、お年頃の私には、こんなやわらかめの脚が良くなってきたのかなぁって、真剣に思いました(汗)
この滑らかな乗り心地には、きっとボディ剛性のアップ、遮音性も、影響が大きいのかと思います。
ちなみにタイヤも変わってましたので、このあたりも関連しているのかも。
4.回生ブレーキのセッティングが変わった?
2019年型アウトランダーPHEVに乗って、あれって思ったことが、もう一つ。
回生ブレーキの効き方、セッティングが変わったような気がしました。
通常の 「D」 =「B2」 についても、私の2013年型と比較すると、回生ブレーキの効きが強いような・・・
実は、普段、反応の鈍い私は 、空走感が少なくなるよう、回生ブレーキが利き気味の 「B3」 で走るのが好きなので、新型でも「B3」で走行していたのですが、下り坂でもスピードが乗らないような気が・・・
そこで「D」=「B2」 で走ってみると、愛車の「B3」に雰囲気が近いような気がしました。
試乗後、愛車に乗り換えて確認してみると、やっぱり私の愛車では「D」=「B2」 では、回生ブレーキの効きがかなり弱く感じました。
また「SPORT」モードの関連か、「B5」の効き方も変わったような・・・
ちゃんと2013年型の「B5」 相当の制動は感じるのですが、回生ブレーキのかけ始めのショックが「軽減」されているのかなって、勝手に想像しているのですが・・・
■急速充電中の空調使用について
そうそう。今回のマイナーチェンジの目玉を忘れていました。
急速充電中のエアコン使用ができました。
急速充電器のケーブルを接続し、充電を開始。
その後、ブレーキを踏まず、恐る恐るPOWERボタンを押下。
ACC → POWER ON へ 切り替え。
インパネにはこんなマークが表示され、無事、空調が使えました。
急速充電開始直後にエアコンをONし、25分充電してみた結果がこちら・・・
ただ、最初、エアコンの風量が「目盛り 1」で、だんだん車内が熱くなってきて、途中でエアコンの風量を「メモリ 4」くらいだったかと思うのですが、変更しました。
なので、あくまで、ご参考データということで(汗)
これで、夏の猛暑の中でも、急速充電中に車内で待機することができるようになりました。
トイレ休憩待ちとかの隙間時間や、ワンコづれの場合とかでも、車内待機ができれば、ずいぶん助かります。
これ、従来型でも対応できないものでしょうか・・・
■まとめ
今回、2019年型アウトランダーPHEVで結構な距離を走らせていただきましたが、進化ぶりに衝撃を受けました。
燃費は計測していませんが、個人的には今回のマイナーチェンジで余裕が出た発電力、バッテリー容量、バッテリー出力は、大部分が走りの部分に割り振られたような気がします。
きっと2013年型レベルの加速性能で抑え、増えたバッテリー容量をEV走行に充てれば、もう少し巡航距離も増えるのかもしれません。
ただ、新型アウトランダーPHEVの走りは、モーター駆動ならではのものだと感じることができるものだと思います。
1900㎏オーバーのSUVが、ひらりひらりと峠道を走れるなんて!
山中を走りながら、アウトランダーPHEVでこんな機敏な走りができるのだから、もっと重心が低く、軽い車だったらどうなるのかって考えてしまいました(笑)
しょせんド素人のインプレなので、あてにはならないかと思いますので、私の感じたことがどうなのか、ご自身で試乗され、確認されることをお勧めします。
ほんと、今回のアウトランダーPHEVは「ストレスフリー」で、やばいです(笑)
と、とりとめのない内容となりましたが、色々な意味でストレスが減った新型アウトランダーPHEV、ぜひ店頭でお確かめくださいませ!
機能的にはストレスが減りましたが、あとは価格面と、少しお上品な仕様になってしまい、汚れたり、傷がつくような使い方に向かないという点で、「乗り換えは簡単にできない!!」 という新たなストレスをもたらしそうです(汗)
追記:2013年型オーナーの皆様は、2019年型試乗直後は、ブレーキに注意してください。試乗直後、愛車のPHEVで一般道へ出て、一発目の信号で、スルスルっと思った位置より前にしか止まらず、ちょっと焦りました(汗)
以上、忘れないうちにとりあえず気づいたことを書いてみました。では機会があればぜひ試乗でご確認を!!