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2020年09月22日

勉強会レポート(ガン)

2020年9月22日(火・祝)に受講した研修会のレポートです。
馴染みのない用語だらけで読みにくいかも。

①処方箋からは病名を推察するのは難しい。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS-1)、デキサメタゾンが処方されていた場合、どのような疾患なのかを当てるのは難しい。なぜならばTS-1は大腸癌、胃癌、頭頚部癌、肺癌、乳癌、膵癌、胆道癌に使用されるからである。

②追加処方の処方理由は推察しやすい。
上記処方にオランザピンが追加された場合、TS-1の副作用である悪心嘔吐に用いられると分かる。
オランザピンは抑うつにも用いられるので、抗癌剤治療による抑うつ傾向に対して処方されるケースも考えられるが、処方追加の場合は悪心嘔吐に対する作用で処方されたと考えるべきである。

③抗癌剤による悪心嘔吐のメカニズム
抗癌剤による悪心嘔吐は4種類(24時間以内に発生する急性、24時間以降に発生し数日間持続する遅発性、心理的な要因で発生する予期性、制吐薬の予防的投与をしても発生する突出性)に分類される。

・末梢(消化管)では、抗癌剤により過剰に分泌されたセロトニンが消化管の5HT3受容体に作用して、延髄のCTZ(Chemoreceptor trigger zone:化学的刺激受容体)を刺激し、急性や遅発性の悪心嘔吐を起こす。
 5HT3受容体阻害薬として、グラニセトロン(カイトリル)、パロノセトロン(アロキシ)、オランザピン(ジプレキサ)などが用いられる。

・中枢(脳)では、抗癌剤によってサブスタンスPが過剰分泌され、それがCTZにあるNK1(ニューロキニン1)受容体に結合し、嘔吐中枢を刺激する。この作用は緩やかで、サブスタンスPの過剰分泌のピークは、抗がん剤投与後2~3日後であり、遅発性の悪心嘔吐に深く関与している。アプレピタント(イメンド)は、NK-1受容体に拮抗的に作用し、遅発性の悪心嘔吐を抑制する。

・予期性悪心嘔吐は、悪心嘔吐を経験した人が「抗癌剤でまた苦しい思いをする」と思うことによって起こる悪心嘔吐であり、制吐薬の効果は低い。抗不安薬が用いられる。

・突出性悪心嘔吐に対しては、作用機序の異なる制吐薬を併用する。5HT3受容体拮抗薬が既に投与されている場合は、別の5HT3受容体拮抗剤に変更する。

④悪心嘔吐のリスク
抗癌剤の種類や投与量、放射線照射部位によってリスクが上昇する。また、高齢者よりも若年者、男性よりも女性、飲酒習慣がある人よりも無い人のほうがリスクは上昇する。また併発する疾患によっても上昇し、消化管閉塞、胃アトニー、前庭機能障害、脳転移、電解質失調、尿毒症、オピオイドの併用、精神的要因などもリスクとなる。

⑤進行・再発胃癌の化学療法
・1次治療:フッ化ピリミジン系(テガフール(TS-1)、カペシタビン(ゼローダ)など)+プラチナ製剤(シスプラチン(ランダ)、オキサリプラチン(エルプラット)など)+HER2(ハーツー)陽性ならトラスツズマブ(ハーセプチン)←HER2陽性率は胃癌の20%以下。

・2次治療:パクリタキセル(タキソール)+ラムシルマブ(サイラムザ)←抗VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2)抗体で血管新生を抑制して癌を兵糧攻めにする。

・3次治療:ニボルマブ(オプジーボ)←免疫のT細胞は癌細胞を異物と認識して攻撃するが、癌細胞はPD-L1を放出し、T細胞のPD-1(免疫チェックポイント)と結合させて、免疫反応にブレーキをかけている。このPD-L1とPD-1の結合を阻害してT細胞を活性化する。免疫反応を活性化するので、色々な部位で免疫が過剰に反応する(免疫関連副作用)。皮疹、下痢、肺炎、肝障害、神経障害、甲状腺障害など。

⑥大腸癌の遺伝子関連検査と分子標的治療
・RAS(ラス)遺伝子変異検査とBRAF(ビーラフ)遺伝子変異検査
 大腸癌のRASまたはBRAFに変異がある場合、抗EGFR(epidermal growth factor receptor:上皮成長因子受容体)抗体薬の効果が無いどころか、逆に有害事象が増えて治療に悪い影響が出る。RASとBRAFのいずれかに変異が起こり、細胞増殖が活性化している。

・抗EGFR抗体薬:EGFRは癌の増殖に深くかかわっており、これを阻害する薬剤。セツキシマブ(アービタックス)とパニツムマブ(ベクティビックス)がある。

・ミスマッチ修復機能欠損に対する検査
 DNA複製時に発生するミスマッチを修復する機能が低下しているかを検査する。低下していれば癌特異抗原が増加し、免疫反応を起こしやすくなる。免疫チェックポイント阻害剤の効果が上昇する。

⑦白血病の分類と治療薬
白血病は急性と慢性に分けられるが、急性・慢性は時間的なものではない。急性は未成熟な細胞が異常増殖する。慢性は成熟した細胞が異常増殖する。更に骨髄性とリンパ性に分けられ、骨髄性は白血球や血小板、リンパ性はリンパ球が増殖する。病率は、急性骨髄性白血病(AML)が55%、急性リンパ性白血病(ALL)が20%、慢性骨髄性白血病(CML)が20%、慢性リンパ性白血病(CLL)は5%以下である。

CMLの治療薬には第1世代のイマチニブ(グリベック)、第2世代のニロチニブ(タシグナ)、ダサチニブ(スプリセル)、第3世代のボスチニブ(ボシュリフ)があり、いずれもチロシンキナーゼ阻害薬である。
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Posted at 2020/09/27 16:23:59

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この記事へのコメント

2020年9月27日 16:41
家系的&体質的にこの病気は確率高いので
参考にさせていただきます。
うーん、難しい…
コメントへの返答
2020年9月27日 16:54
「日本人の50%はガンを患う」と言われています。胃ガン・大腸ガン・肺ガンがトップ3です。
母親は大腸ガンでした。父親は最近、肺ガンを宣告されました。
自分も。。。
ニボルマブ(オプジーボ)は使用成績が蓄積されたら、1次治療薬に入ってくると言われていますが、医療費が問題です。

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