
長年の夢だったホームシアターを始めました。
プロジェクターを購入したのが2021年3月1日だったので、2ヶ月ほど試行錯誤しましたが、セッティングを考え、それを実行する時間も楽しかったです。
この文章も同時進行で書いていたので、かなりの長文になっちゃいました。
暇な時にでもお読みいただければ、と思います。
さて、ホームシアターの構成は以下の通りです。
●プロジェクター
EPSON
「dreamio EF-11」

購入時は、画像の価格プラス2,000円。
LED式のプロジェクターです。ランプの発熱と耐久性を考えて、チョイスしました。
ハロゲンタイプはランプが高熱になりやすく、ランプを冷却するためのファンが騒音の元になります。
また、その排熱は本体の周辺、つまり部屋に放出されるので、真夏は地獄をみそうです。
LEDタイプは発熱が少なく、ファンの騒音も相対的に低くなります。
価格帯が高いのがネックですが、液晶や有機ELの大画面TVと比べれば格安です。
実際の使用感ですが、LEDでもそれなりに発熱はします。それでも液晶TVと変わらないぐらいですし、プラズマTVほど熱くはない感じ。
作動音は予想以上にあり、TVに比べればかなりうるさいです。音声が出ていない時や小音量の時は気になります。
ただ、騒音は設置場所に左右されます。TVは視聴位置から離れた場所に設置しますが、プロジェクターは視聴位置の近くから投影するので、必然的に視聴位置に近くなります。本体と耳との距離が近いほど、うるさく感じるのは当然ですね。
購入当初はテーブルに置いて投影していました。画面の位置調整などもしやすかったのですが、寝室をシアタールームにしたので、使うたびに設置し、使い終わったら片付けないといけませんでした。そうしないと布団が敷けないのです。
一種の儀式だと自分に言い聞かせていましたが、さすがに毎日やっていると面倒です。
そこで、天井吊り下げ方式で設置することにしました。アダプターを木材で自作しましたが、アダプターを軽くシンプルな構造にしたので画面の位置合わせに少々手こずりました。
また、家の構造や焦点距離等の都合で、本体が視聴位置の真上にきてしまい、かなりうるさく感じるようになりました。

消音化のために本体を箱などに入れてしまうと、排熱不十分で熱暴走すると予想出来るので、とりあえず我慢する事に。
購入前に実機での体験が出来なかったので、明るさの不足を懸念していましたが、充分に明るいです。
むしろ、部屋を真っ暗にした状態で投影すると、眩しすぎて目が疲れます。
LEDの出力を50%に抑え、間接照明を点けてちょうどいい具合です。
部屋が明るい状態だと、画像が薄くなりますが、光をスクリーンに反射させて観ているのですから当たり前ですね。
早い動き、特にアニメなどの横ターンは残像が出て気になります。液晶の倍速機能が無い感じですが、全てのアニメ作品で発生しているわけでは無いので、TVでは誤魔化されていたアラが大画面化で浮き彫りにされているのでしょう。
実写やゲーム(PS3)では気にならないので、あながち間違ってはいないと思います。
色々書きましたが、大画面をリーズナブルに手に入れるには有効な手段です。
しかし、液晶や有機ELなどのTVとは根本的に違う物なので、あまり色鮮やかでシャープな映像ではありません。
動きの速いオンラインの格闘ゲームなどにも向いていないかもしれません。
そして、自分の求めているクオリティーを得るには、ある程度の努力と妥協が必要です。
しかし、映画のようなアナログっぽい良さがあります。
まさに自宅で映画館♪
●スクリーン
ニトリ
遮光ロールスクリーン
「ドルフィンGY 180X220」
ネットで「プロジェクタースクリーンとしてコスパ最高」という評価が多かったので、窓の遮光を兼ねて購入しました。
そのままスクリーン目的で使うと、ロールスクリーン表面の「たるみ」や「ヨレ」で映像が歪みます。横にターンする映像は、そこだけ波になって気持ち悪くなります。
ロールスクリーンを横に引っ張れば、だいぶ改善します。
しかし、横に引っ張るには左右にスペースが必要で、我が家は窓の遮光目的で設置すると、そのスペースが確保できません。
部屋の中央にロールスクリーンを配置し、スクリーンの左右にスペースを確保する為、ハンガーラックにロールスクリーンを設置してセッティングしてみました。
何とか視聴に耐えられるレベルになりましたが、窓の遮光ができなくなりましたし、見栄えも悪いです。
ネットの評価は当てにならないこともある、と実感しました。
ニトリのロールスクリーンは、窓を遮光するという、本来の目的で使用することになりましたが、窓の遮光でもロールスクリーンの横と下から光が漏れるので「二兎を追う者は一兎をも得ず」を実践してしまいました。
●スクリーンその2
VANKYO
「100インチ16:9スクリーン 組立スタンドタイプ」
ニトリのロールスクリーンは、約70インチでしたが、100インチになって迫力アップ!
120インチタイプも検討しましたが、天井に当たって設置できない恐れがあり、断念しました。
案の定、100インチでも物足らなくなりましたが、視聴位置を画面に近づければ解決します。
使用感は期待通りで、ロールスクリーンのように表面の「たるみ」や「ヨレ」が無いので映像が歪みません。
製品一式の総重量は、とても軽いですし、1人でも簡単に組み立てられます。
スクリーンだけ買って、フレームを自作しようかとも思いましたが、重量、耐久性、見栄えの良さなどを考えると、コストがかさみます。
この商品は、スクリーンを買い替えてもフレームは流用出来るので、購入して正解でした。
欠点は、肝心のフレームが細いのと、フレームの接続部分がゆるいので、ちょっと頼りない事です。
足の角度も固定できないので、改善の余地があります。
まぁ屋内で使う分には問題ないですが。
製品説明には、屋外でも使用可能とありましたが、、、スクリーンは巨大な凧みたいなものなので、屋外での使用は想像できますよね。風の強い日は、空を飛べるかも。
スクリーンは、後ろからも投影できる仕様なので、スケスケとまでは言いませんが、透ける生地です。
スクリーンの後ろに窓などがあって、遮光が不十分だと映像の邪魔をします。
昼間の遮光カーテン有り
昼間の遮光カーテンを開けた状態(左半分に窓があります)
プロジェクターは黒を表現する時、照射する光量を減らしています。真っ黒な場面では、照射する光量を限りなくゼロにしています。つまりスクリーンが暗くならないといけないわけで、透けるスクリーンはココが弱点です。
その対策としてスクリーンの背面に黒い布を張ると、黒が引き締まります。
しかし、遮光できる布だと重いしコストがかかります。
そこで、100均の「防草シート」を流用し、物干し竿用の洗濯バサミで固定しました。ビニール臭いですが、ここは妥協です。
●音響
アンプ
FOSTEX
「AP05」

超コンパクトな5W+5Wのアナログアンプです。入力信号がなくなると自動的にスタンバイモードに切り換わり、入力信号が入ると自動で立ち上がります。
アンプは普段、手が届かないところに設置したので、この自動制御がとても有り難いです。
また、リモコンレスの仕様ですが、プロジェクターの音声出力(イヤホンジャック)からアンプに繋いでいるので、プロジェクターのリモコンで音量調節が出来ます。
昔は「アンプ=巨大で重いほど良い」と習った気がしますが、自宅で近所迷惑にならない音量で鳴らすにはコレで充分です。
実際、重いトランスを4基 搭載した真空管アンプは、出力30%で近所迷惑になる音量です。そのアンプは未だに30%以上の出力を出せないでいますので、家庭用には向いていなかった事になります。
それでも、真空管を通した音質がなんとなく好きなので、今も音楽を聴くのに使っていますが。
ちなみにAVアンプも検討しましたが、地上波&BS中心の視聴環境ですので、サラウンドで放送されている番組は少なく、映画のBDを観る機会も稀なので、しばらくは必要ないと判断しました。
●スピーカー
エンクロージャー(スピーカーの箱)
「D101S」(通称スーパースワン)

故 長岡鉄男(ながおか てつお)氏が設計したバックロードホーンです。
バックロードホーンとは、簡単に言うとスピーカーユニット1個で高音から低音まで奏でようというものです。
コレは20年ぐらい前(世紀末)に自作したもの。
当時は真空管アンプの魅力にハマっていて、出力の低い真空管アンプと相性の良いスピーカーを探していました。
そこで出会ったのが、長岡鉄男氏の著書です。
スワンとは名ばかりの「一ツ目小僧」ですが、僕のお気に入りです。スーパーという称号は、後述のスピーカーユニット「FE108Super」専用設計の為。
結果的には、スピーカーの効率が良すぎてアンプの出力を上げられないという罠にハマりましたが、エンクロージャーを自作する楽しさを体験できたので、思い出深い一品です。
●スピーカーユニット
FOSTEX社のフルレンジです。
Sスワンには、FOSTEXの限定販売品「FE108Super」を搭載していましたが、7年ほど前に子供達によって破壊されました。
指で真ん中をベコっ!その勢いでコーン紙(白い部分)をビリっ!

その後、Sスワンは置物状態でしたが、これを機に復活させます。
「FE108Super」は、今でもオークションで見かけますが、経年劣化していてまともに鳴らないのでは?と思います。それなのに、とても高額です。
そんな「FE108Super」に音が近いと言われている「FE108Sol」ですが、コレも限定販売品で、価格が暴騰。とても買えません。
限定品ではないユニットで候補を探すと「FE108EΣ」があります。7年前にも検討したのですが「FE108Super」に比べると、より元気良く鳴るユニットで、Sスワンの容積を10%アップする必要があると言われています。
最近発売された「FE108NS」に注目していましたが、Sスワンで鳴らすにはセッティングを見つめ直す必要があるようです。吸音材を必要量、追加すると良いようですが、必要量を判断する自信がありません。情報不足で何とも言えない感じ。
結局、答えが出ない。。。
ここまでユニットに拘るのは、価格が高いからです。ペアで4万円近くするので、Sスワンに最適なユニットを選びたい!という思いが強くなります。
そもそも、音の違いが分かる耳を持っているのか?という根本的な問題もあります。プラシーボ効果も多分にあるヒトなので、猫に小判なんじゃないか?という想いも湧き出しています。
このままでは幾度も繰り返されてきた「Sスワンの復活延期」に陥りそうなので、何でもいいからユニットを取り付けて、音出しをしてみる事にしました。
そこで、今までTVの音声出力に使っていたバックロードホーンのユニット「P1000」を移植することに。
移植元のスピーカーは、Stereo誌の付録として販売されていたもので、エンクロージャーの組み立てを通して、バックロードホーンの仕組みが理解できる教材みたいな本(約5,000円)
それ専用に設計されたユニットです。コレも本の付録で販売されていました(約4,000円)。
FOSTEXの「P1000K」の付録用改良?というより劣化?品です。
このバックロードホーンは、Sスワンが使えなくなった当時(2015年頃)「付録にしてはちゃんと鳴る」という評判を知り、期待半分・面白半分で購入したのですが、久しぶりに組立工作の楽しさを味わえたスピーカーでした。
これをキッカケに、木工DIYやガンプラ作りを再開した経緯があります。
音の方は、あまり低音が響かない、バックロードホーンとしては期待外れの音でしたが、逆に癖が少ない素直な音だったので、TVの音声出力として使っていました。
この「P1000」というユニット、上記の高価なユニット達と比べれば、明らかに能力不足なので、Sスワンに取り付けてまともに鳴るのか?と疑問でした。
まぁ、ダメなら移植元に戻すだけだと、期待せずにセットして試聴しましたが、意外とまともに鳴るのでビックリしました。
立派にバックロードホーンの音を奏でます。
エンクロージャーでこんなにも変わるものなのか!と勉強になりました。
ユニットの能力不足で高音が弱く、相対的に低音が強めになるのですが、ホームシアターとしては充分に役割を果たしています。
何より聴き疲れしないので、長時間視聴には向いています。
音量についても、プロジェクターの出力50%・アンプの出力50%で充分な音量になりますので、過不足ない状態です。
最後に感想を。
ずっと大画面に憧れていました。その想いはゲームをする時に強くなっていました。PCゲームから移植されたゲームなどが特にそうですが、画面の文字が小さすぎて、とても読みにくいからですw
100インチ化により、当然の如く文字は読みやすくなりましたし、迫力も増しました。
TV番組も、音質改善の効果もあってワンランクアップした感じです。
アニメは、作品によっては粗が目立つようになりましたが、良作は感動レベルです。
ということで、僕の使い方にはジャストフィットでした。
同じ部屋にプラズマTVがありますが、電源を入れた回数は、この2ヶ月で数回です。2番組同時視聴やTVを見ながらゲームする時しか使っていませんw
今後はスピーカーユニットのバージョンアップと本体の消音化を図っていきたいと思いますが、数年単位でしょう。
それほどに満足しています。
こんな長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。