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2020年12月27日 イイね!

心不全のレポート2020.12.20

●心不全患者は年々増加傾向。
心不全を発症すると入院して治療を行うが、状態が安定して退院しても、1年以内に再入院する確率は20%以上ある。
また心不全患者全体の死亡率も、年間20%以上ある。

●血液循環を簡単に考えると、全身 → 心臓の右心 → 肺 → 心臓の左心 → 全身 となる。心臓の機能が低下すると血液の渋滞が発生するとイメージすると分かりやすい。

① 左心不全は、心臓の左心の機能低下により肺が血液でパンパンになり、労作時の息切れ、起座呼吸(寝ていると息苦しく、座っていると楽になる)、咳、喘鳴などが起こる。また、全身への血流が低下するので、易疲労感、倦怠感、乏尿(おしっこが減る)、低血圧などが起こる。

② 右心不全は、心臓の右心の機能低下により全身から血液が戻ってこなくなり、浮腫や体重増加、食欲低下などが起こる。

③ 両心不全は、右心不全と左心不全が合併しており、特に右心不全の患者に多く見られる。

●心不全のリスク因子は、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、弁膜症、不整脈などの心筋症と、高血圧、糖尿病、腎疾患、睡眠時無呼吸症候群などがある。

●心不全の増悪因子は、服薬アドヒアランスの欠如(継続した服薬を行わない)、水分・塩分の過剰摂取。

●急性期の心不全治療は、収縮期血圧に注目したCS(クリニカルシナリオ)による分類を行い、CS毎の治療指針が示されている。

① CS1:収縮期血圧 140mmHgを超えており、症状は急激に進行する。左心不全により肺うっ血で呼吸困難を起こしやすい。左心室収縮は保たれていることが多い。治療には血管拡張薬を用いる。

② CS2:収縮期血圧 100~140mmHg、症状は徐々に進行する。肺うっ血よりも全身浮腫が優位。腎障害、肝障害、貧血、低アルブミン血症など他の臓器障害を合併することが多い。治療は血管拡張薬を用いるが、水分貯留があれば利尿剤も用いる。

③ CS3:収縮期血圧 100mmHgより低い。左心室収縮機能の低下により低灌流(ていかいりゅう:臓器の血流量が低下)が起こる。治療は輸液やカテコラミンの投与。

④ CS4:急性冠症候群 冠症候群の治療を行う。

⑤ CS5:右心不全 左心不全とは治療法が異なる。

●急性期の心不全の薬物療法
① 血管拡張薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル、カルペリチド

② 強心薬:ノルアドレナリン、ドブタミン、ミルリノン

③ 利尿剤:フロセミド、アゾセミド

●慢性期の心不全:左室の収縮機能(左室駆出率:left ventricular ejection fraction:LVEF)で分類。

① HFrEF(へフレフ:heart failure with reduced ejection fraction)はLVEFが40%未満であり、収縮不全が主体。治療法が確立されている。交感神経系が亢進しており、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系も亢進している。

② HFpEF(へフペフ:heart failure with preserved ejection fraction)はLVEFが50%以上であり、高齢者に多い。肺疾患、貧血、腎機能障害、糖尿病など様々な疾患と複雑に関係しており、有用な治療法は確立されていない。

③ HFmrEF(heart failure with mid-range ejection fraction)はLVEFが40~50%の境界型。特徴や予後は研究が不十分であり、治療選択は個々の病態に合わせて選択する。

④ HFre-cEF(heart failure with recovered ejection fraction)はLVEF40%未満だった患者が治療で改善した患者群で、HFrEFとは予後が異なる可能性が示唆されている。

●慢性期の心不全のステージ分類
ステージA:器質的心疾患のないリスクステージ。高血圧、糖尿病、動脈硬化症などのリスクを回避し心不全の発症を予防する段階。

ステージB:器質的心疾患はあるが、心不全の症状はないステージ。左室リモデリング(左室肥大・駆出率低下)無症状性弁膜症などが起こっている。

ステージC:心不全ステージ。急性心不全を起こした後のステージで、改善と増悪を繰り返しながら徐々に心機能が低下していく。

ステージD:治療抵抗性心不全ステージ。心不全が難治化し、コントロールが難しい状態。

●慢性期の心不全の薬物療法
① ACE・ARBで血圧を管理。ACEの方がエビデンスが多くARBより優先する。

② β遮断薬で心臓の負荷を減らす。用量依存的に効果は上昇する。内服を中断すると死亡率が上昇する。

③ 利尿剤で尿量低下を改善。副作用の低カリウム血症により致死的不整脈を誘発したり、ジギタリス中毒を起こしやすいので注意が必要。低用量で長時間型の物が良いのでフロセミドよりアゾセミドが安全といえる。トルバプタン(サムスカ)が登場したので選択肢が増えた。

④ ジギタリスは再入院率や自覚症状は改善するが、死亡率の改善効果はない。塩コショウのイメージで低用量の使用が良さそう。

●健康指導は、血圧は100を切らないように管理し、水分は1,000~1,500mlまで。有酸素運動を推奨する。
Posted at 2020/12/27 12:50:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | 医療系

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