話題の
「蟹工船」を読んだ
「国家繁栄の為」という大義名分のもと
搾取され、また搾取され、なおも搾取され・・・
おそらく、最低の暮らしを強要され続けた
労働者たち・・・やがて彼らは立ち上がる。
もう
50年以上前に書かれた
プロレタリア文学の名作が
「今」話題になっていると新聞で知り、読んでみた。プロレタリア文学(言葉は聞いたことがあったが)というものにも初めて触れた・・・
今朝の高知新聞にも取り上げられてます。
以下「蟹工船」本文より、一部抜粋
鉱山(やま)でも同じだった。――新しい山に坑道を掘る。そこにどんな瓦斯(ガス)が出るか、どんな飛んでもない変化が起るか、それを調べあげて一つの確針をつかむのに、資本家は「モルモット」より安く買える「労働者」を、乃木軍神がやったと同じ方法で、入り代り、立ち代り雑作なく使い捨てた。鼻紙より無雑作に! 「マグロ」の刺身のような労働者の肉片が、坑道の壁を幾重にも幾重にも丈夫にして行った。都会から離れていることを好い都合にして、此処でもやはり「ゾッ」とすることが行われていた。トロッコで運んでくる石炭の中に拇指(おやゆび)や小指がバラバラに、ねばって交ってくることがある。女や子供はそんな事には然し眉を動かしてはならなかった。そう「慣らされていた」彼等は無表情に、それを次の持場まで押してゆく。――その石炭が巨大な機械を、資本家の「利潤」のために動かした。
―中略―
お湯には、初め一日置きに入れた。身体が生ッ臭くよごれて仕様がなかった。然し一週間もすると、三日置きになり、一カ月位経つと、一週間一度。そしてとうとう月二回にされてしまった。水の濫費(らんぴ)を防ぐためだった。然し、船長や監督は毎日お湯に入った。それは濫費にはならなかった。(!)――身体が蟹の汁で汚れる、それがそのまま何日も続く、それで虱か南京虫が湧(わ)かない「筈(はず)」がなかった。
褌を解くと、黒い粒々がこぼれ落ちた。褌をしめたあとが、赤くかたがついて、腹に輪を作った。そこがたまらなく掻(か)ゆかった。寝ていると、ゴシゴシと身体をやけにかく音が何処からも起った。モゾモゾと小さいゼンマイのようなものが、身体の下側を走るかと思うと――刺す。その度に漁夫は身体をくねらし、寝返りを打った。然し又すぐ同じだった。それが朝まで続く。皮膚が皮癬(ひぜん)のように、ザラザラになった。
「死に虱だべよ」
「んだ、丁度ええさ」
仕方なく、笑ってしまった。
政府が強引に進めた「構造改革」は、
弱者には痛みだけを与え!
労働者派遣法の規制緩和等によって、企業はグローバルな競争力を付けた。
しかし、それによって生じた「格差社会」は、まるで蟹工船のごとく、働けど働けど貧しいままの
ワーキングプアを生み出し、若者は定職と希望を失った。
大学を出ても、時給数百円の
「派遣」仕事しかない・・・
そんな彼らの間で支持されたのが「蟹工船」、同じく小林多喜二の「党生活者」
ここにきて、共産党員の数が激増しているらしい・・・(それは、ちょっと軽い気もするが)
ねじれた国会は前に進むわけもなく、総理大臣は相次いで「職務」を放棄した今
国民はもう一度、原点に返って「政治」に関心を持ち、解散総選挙では
正しい政党(あるのかな?)、正しい代議士(いるかな^^)
国民の方を向いてる(向いたふりしてる党じゃなく)政党に投票して
日本を正しい未来に導きましょう!!
ちなみに僕は、社会主義者でも共産主義者でもないことをつけくわえておきますが・・・
蟹工船はこちらで読むことが出来ます→
「蟹工船」
Posted at 2008/09/03 15:48:56 | |
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