そういや、ネットを始めた頃にW111について色々とお勉強させてもらった、
オランダのサイトにウニヴェルザールについての記述があったなぁ、、、と思ったので
見てみる事にしました。
当時はロクな翻訳ソフトがなかったから、端から端まで読むのは困難だったけど、
その点で今は便利になりましたから好いですよねぇ(笑)。
ドイツにはボンのミーゼン社とロルヒのビンツ社という特装車メーカーがあって、
羽根ベン以前からMBセダンベースの救急車や霊柩車などを作っていたわけですが、
それらが当時、MB乗用車基準の品質を有していなかったらしく、
エステートワゴンをウニヴェルザールとして公式モデル化にするに当たって、
その製造にあたる業者として白羽の矢が立ったのがベルギーのIMA社だったようです。
(恐らくですが、ミーゼンやビンツのコンビも公式モデルだったのだろうとは思うのですが、
あくまでも特装の商用モデルとして区別されていたのだと思います)
IMA社により当初はW110及びW111ベースのウニヴェルザールは
5000台が生産される計画だったようですが、結果的には2000台程に留まったらしいです。
一寸説明が曖昧でどう解釈して好いか判らない部分はあるのですけれども、
このウニヴェルザールのベースとなっているのは
小さな画像の引き延ばしなので少々荒くて恐縮なのですが、こんな具合に、、、
ルーフやハットシェルフを含む後部座席バックレストの背後のパネルや
Cピラーのアウターパネル、トランクリッド、バックパネルを取り去ったセダンで
それにIMA社が製作した長いルーフパネル等を組み合わせて作られているそうです。
故に床面の外寸はセダンと同一、全高のみ3.5センチ高く、車重は105kgほど重かったそうです。
因みにどう違うのかについては書かれていなかったので判らないのですが、
この架装方式はミーゼンやビンツとは違うのだそうです。
MBはミーゼンやビンツやIMAが架装を前提とする車種に対し
駆動系付きシャシーを用意していたのですが、
それらには重い荷物が詰まれる事が想定される為に
前のブログにも書いた15インチホイールに加えて、
セルフレベリングストラットを標準装備していたとの事でした。
セルフレベリングストラットとしか書いていないのですが、
恐らくこれはW108や同時代のW111の2枚扉にも標準装備されていた
ハイドロマートという、左右のアクスルチューブを繋いで
荷重でキャンバーが変化する(つまり車高が変わる)のを抑制する為の
ダンパー状の装置の事だろうと思われます。
で、やはり折り畳み式のサードシートはオプションだったらしいのですが、
前のブログの車両の、この分割可倒式のリアシートも、、、
オプションだったそうです。
後席1名乗車を想定すると、一寸分割位置が中途半端な気がしなくもないですが、
恐らく後席2名乗車+長尺物の積載を考えた物だったのでしょうね。
ところでこのIMA社、なんと1966年の年末に破産申請をしているそうです(汗)。
破産の理由は判りませんが、当初5000台の計画が2000台に留まったのも
恐らくそれが原因で、
且つW114/115にウニヴェルザールに相当するモデルが無かったのは、
その後、他にこの事業を引き継げるメーカーがなかったからなのかもですね。
(W114/115のコンビについては引き続きミーゼンとビンツが製造していたようです)
で、W123の世代の途中でようやく
MBで自社生産する体制が出来たという事だったのではないかなぁ、、、と思います。
因みに一般にあまり知られていない事として書かれていたのですが、
このIMA社は通常の羽根ベンのセダンも製造していたのだそうで、
1966年の夏には1日に25台のそれを生産していたのだそうです。
Posted at 2022/02/01 19:58:16 | |
トラックバック(0) | 日記