前日の続き
8月16日(日)
最終日
朝4時に起床。
隣のおじいさんに目だけで挨拶して70日間の無事を祈ります。

本日もかわらぬ朝食・・・・

剣岳を眺めながら、、、オエップ・・・・
たぶん、しばらくしょうゆラーメンは食べないと思います。
日の出前の4時50分ごろ出発。

ハッセルブラッドのおじさん、アルペングリューエン待ちですかね。
記念に一枚撮らせてもらいました。(すっごい手振れ・・・)

キレットですからのっけから岩場がスタートです。
昨日もそうだったのですが、ここ周辺の岩はもろいので、気軽に掴むと簡単に掴んだ岩ごと抜けたりしてびっくりします。

ラーメン+餅パワーで鎖場を登っていきます。
ありゃりゃ、低いところに雲が立ち込めているので、今日はきれいな日の出は拝めそうもないですね。
(ハッセルブラッドのおじさんからは、この空は見えていません)

岩コブの向こうに見えているのが、本日下山前に上る五竜岳。

思ったよりも気の抜けない道が続きます。

稜線に出たところで、鹿島槍を振り返ります。
たしかに、槍と言えば槍ですね。

鹿島槍と五竜の間は、普通に岩場の連続です。

一部分に危険な岩場があるのは地図を見て知っていましたが、こう続くとは思ってませんでした。
昨日、キレット小屋で宿泊せずに、無理に先を急がなくて良かったです。

う~ん、五竜岳、ちょいと遠いですね~。

そして、登りだけじゃなくて、嫌らしい下りもあります。

手足を総動員して慎重に下ります

お、五竜岳に日が当たり始めましたね。

どんどん、日が当たり始めています。(いわゆる地平線を太陽が昇る時間はとっくの昔に過ぎています)

槍ヶ岳方面を見てみますが、やはりアルペングリューエンは見られなかったみたいです。

と、言うわけで私も稜線に出て、朝日を浴びます。
あの高さになって、ようやく顔を出したのですね。

さーて、暑くならないうちに行きますか。

ちょうど左手前に見えている鞍部を通過すれば、あとは一気に登るのみです。

そして、鞍部から最初に登ったこの「G5」と呼ばれている地帯が、本日一番要注意と地図に書かれていた岩場地帯。(写真中央、奥の高いところの手前のギザギザの岩場)
今まででも、十分要注意だったので、どんくらい要注意なんでしょう・・・・

まずは、鞍部まで降りてきました。(6:15)

鞍部から少し進んだところで鹿島槍を振り返ります。
なんだかんだ、大分歩いてきました。

さて、登っていきますか。

再び痩せた稜線を行くみたいです。

両側切れ落ちているので、高所恐怖症の人にとってはちょっと辛い感じだと思います。
(そんな人は、こんなところに来ないと思いますが)

稜線を進んでいる感は満点ですけど。

記念に足だし撮影。

けっこうびっくりしたのがここ。

通過してから振り返って撮影したのですが、道が斜めになってるんです。しかも足場が崩れやすいし、普通はこういうところには鎖が張ってあったりするもんなんですが・・・

最初の対向者の方です。

後ろを振り返ると、先ほどの危険地帯を後続の方が越えているところでした。
今まで、視界にすら入らなかったので、きっとバカっ速な人なのでしょう。

「G5」が近づいてきました。(右)

まずは、麓に到着。

下から見上げると、ちょうど通過中の方が。

何でしょう、この鳥。

さて、いよいよ登るとしますか。

まずはガレガレの急坂。
こちらは登りなので、まったく問題なし。

振り返ったところ。
滑りやすい足元で、ここを下るのは気が滅入りますね。

G5の岩場に突入

高度感満点ですが、ちゃんと鎖が張ってありますね。
五竜と鹿島槍間はそれなりに人も通過するでしょうし。

こういうのは、大分慣れてきました。

ちょうど、振り返ると、さきほどのバカっ速な方がもう追いついてきました。(中央)

ちょうど、対向の人が来たのでここで待ちます。
バカっ速な人に追いつかれたので、聞いた見たところ、小屋の朝食をちゃんと食べて5時半出発なのだとか。
もちろん、あまりにペースが違うので先に行ってもらいました。

G5を超えていく対向者のおじさんを撮影。

ここで、G5が終了ですかね。

そして、次がいよいよ五竜岳本体。
こちらも百名山です。

G5を振り返ったところ。

保護色の緑の登山者は、バカっ速な若者で、本日は天狗山荘まで行くのだとか。
ご苦労様です。

たまには高山植物でも・・・・

というか、あんなところを登るんですか??

どこが登山道だか、よくわからない岩場をよじ登っていきます。

お、ライチョウですね。

そして、雛が一匹と。

親子が下ってきます。
小学校高学年ぐらいの娘さん、下りが怖くて半べそかいてます。(これからG5、その後も鹿島槍まで気が抜けない道が続くのですが)
そしてお父さん、そんなに怒らなくても・・・(登山、嫌いになっちゃいますよ~、というか、もうなってそうです)

小学生でこんなところを行くんだから、たいしたもんですよ。

ようやく岩場は登り切りましたかね。

ふぅ、これで、この長い5日間の登り生活も終わりなのですかね・・・・

しみじみと振り返ります。
(写真の上に飛び出しているのがG5)

って、騙された。
まだまだ、先ジャン。

今度こそ山頂でしょう。

おおおおお。

五竜岳到着!!(8:35)

槍ヶ岳もはるか遠くになりました。(今回2日目を除いて、ずーっと見えていました)
さ~て、お弁当タイムです。
うな丼が出るか、普通の幕の内が出るか・・・・
勝負!!

出た~、うな丼!!!
(あと、買って持ってきたみかん缶)
う~ん、最高!!
そりゃぁ、天然物じゃないでしょうし、炭火焼きでもないでしょうけど、、、とにかく、最高にウマイのであります。

五竜山荘から登ってきた人たちがそれなりに来ていて山頂は常ににぎやかです。
今では、大きな達成感から、そんな話し声も心地よく耳に響きます。

あとは、左上に見えている唐松岳まで歩いて、その後は右になだらかに伸びている八方尾根を下るだけです。

これまで歩いてきたコース。

ちょいと拡大。
中央下の稜線に見えているのは新越山荘でしょうか。

こちらは、進行方向の唐松岳方向。(中央手前)
奥の高い山が白馬、左手前が天狗の頭。
唐松岳手前の右側の山荘から左下へ降りていく道が見えています。
たしか、祖母谷かどこかに降りていく道だと思い、そこで温泉に入って富山経由で帰るのもアリかなと地図を調べてみると、下りなのにコースタイムが7~8時間と、えらいロングコース。一瞬で諦めました。

さて、ガスが上がり始めたし、最後の稜線歩きに行くとしますか。

まずは急な岩場を下ります。(登り側ほどじゃないですが)

下から振返ったところです。

その岩場を見上げる老夫婦。
五竜山荘からのピストンですかね。かなり軽装です。(この辺りの山域(爺ヶ岳、鹿島槍、五竜)は、近くの山荘から軽装でピストンと言う人が本当に多いです。長野側に登山口と稜線に山小屋がたくさんあるからでしょうね)

そして、しばらくして振返ってみると、ちょうど老夫婦が岩場に取り付いていたので撮影。(左側)

こちらも、気が抜けない岩場を下っていきます。

岩場を下った後

五竜山荘に到着。(9:55)
水(ミネラルウォーター)を購入。
すぐ裏に小さな山が見えているので、小屋のアルバイトの子に聞いてみると、花も咲いているし是非登ってくださいとのことで、立ち寄ることにします。

まぁ、登ると言っても、ちょっと上がるだけなんですけどね。

ありゃ、ここが頂上ではなかったんですね。

あぁ、あそこですね。
ここは遠見尾根と言うらしく、なるほど、五竜遠見のスキー場はこの下の方にあるのだとわかりました。
(小学生のころ、よく新聞でスキー場の積雪量が表示されていたのをスキーに行く前に見ていましたが、そこで「ゴリュウトオミ」の名前だけは知っていたのです)

ちゃんと三角点もあって、ちょうど家族連れが出発するところでした。

小学生の子が勇ましく手袋をはめていて、ちょっと微笑ましい感じ。
八方尾根から唐松岳に登り、ここから遠見尾根を下るとのこと。そのコースで手袋なんか必要なのかなぁと思っていると、お父さんと思わしき人が
「いやぁ、鎖場もあって楽しいコースでしたよ」
と、言いながら下っていきました。
あれ、唐松岳までに、まだ鎖場あるんだ・・・・

登山道まで引き返し、唐松岳を目指します。

五竜岳から稜線と唐松岳を見下ろして今回の縦走がすっかり終わった気分になっていたのですが、気のせいか唐松岳がけっこう上に見えている気がします。
しかも、鎖場があるらしいですし・・・

しかも、唐松岳が見えなくなりました。
けっこう距離もありますね。

ありゃりゃ、さらに一回下って登り返すんですね・・・・

例によって森林限界の下まで下ってきます。
気温もぐんぐん上がってきます。

う~む、けっこう登りますね~。

あの辺りが岩場でしょうか。

いよいよ、登りがスタートです。
今度こそ最後の登りです。

五竜岳を振返ります。
けっこう来ましたね。

景色の良い場所で行動食を食べて軽く燃料補給。

さ~て、登りますか。

五竜岳の頂上から見下ろす感じで近くに見えていた唐松岳の頂上(写真左端の影になっている山)がえらい遠くに感じます。

ちょうど、写真に写っている下ってくる方とすれ違うときに、
「この先の岩場でで30人の団体さんとすれ違うと思いますよ」
と、声をかけられます。

とりあえず、岩場がスタートしますが、団体さんの声は聞こえてきません。

さっきの手袋はめていた小さな小学生の子もここを下ってきたのですね。

私は登りですから気楽ですけど、

下りだと、こんな景色ですからね。

岩場を登りきって振返ったところです。

もうちょっと岩場が続くようです。
ん? あれは・・・・

来た~、30人の団体さん・・・・・(わざわざ望遠レンズで撮影)

こちらはこちらで、次の岩場に取り付いています。
どこですれ違いますかね。
避けられるところと、団体さんとの距離を計りながら岩場を進んでいきます。
そして、ちょうど岩場を終えて、すれ違い向きな場所を発見して、そこに移動して、30人が通過するのを待ちます。

♪年配者は続く~よ~

♪ど~こま~で~も~

♪野~を越え、山越~え~、谷越えて~
ってな感じで、5分以上待ってました。
ここは普通に歩ける場所だからよかったのですが、岩場の危険地帯でのすれ違いだったら、5分じゃきかなかったでしょう。

さ~て、唐松岳の手前のピークまであと少しです。

パラグライダーが上昇気流を利用して気持ちよさそうに飛んでいます。

最後の最後にちょこっと岩場。

高所恐怖症の方にはお勧めできない場所ですね~。
さっきの小学生の子、偉いなぁ。

すれ違った若い子が岩場を進んでいくところを撮影。

大人の方が小学生よりかえって怖がりかもしれませんね。

唐松山荘に到着です。
さ~て、アイスクリームか何か甘い物でも・・・・
と、思ったら、なんと甘いジュースすらありません。(すべて売り切れ)
結局、水だけ購入して、荷物を小屋に置いて、山頂まで往復することにします。

そうそう、唐松岳から白馬の間は高山植物がたくさん咲いているんですよね。

コマクサなんかもたくさん咲いています。

あとは、空荷でここを登るだけです。

本当に終わる感じがして、ちょっと寂しくなってきました。

あっと言う間に着くかと思いましたが、さすがにそこまで甘くはないですね。

いよいよ山頂です。

到着!! (12:50)
歩いてきたコースに向けて腰に手を当てて立って記念撮影。
左右の腰にぶら下げているのは望遠レンズと予備のズームレンズ。

立山方面は積乱雲が沸き上がっていますね。

槍ヶ岳は最後の最後まで見えていました。
(この時、たまたま見えたらしく、山頂では歓声が上がっていました)

まぁ、いずれにしろ、今回の縦走で登ったどの山よりも混雑していてのんびりするような山頂でもないので、早々に退散することにします。

小屋に戻ると、菓子パン一つと、あとカロリーが入っていないのですが、気休めの甘いジュースとして「DAKARA」を購入。
小屋のスタッフに下山に必要な時間を尋ねると
「人によってそれぞれですから」
と、連れない返事。
そりゃぁ、そうなんですけど、バスの時間も気になりますし、確認しておきたかったんですけどね。
品揃えの悪さと言い、なんだかがっかりな感じです。(八方尾根は北アで大変メジャーな場所で、断っても登山者が来るぐらい人気だからでしょうか?)

五竜岳も見納めです。
山岳救助隊の人と少し話をして(今年はこの山域では全然事故が無いと喜んでいました)、いよいよ下山開始です。(13:10)

八方尾根は去年一度下ったことがあるのと、ダラダラと続く長い下り坂なので、それこそ立ち止まらずに駆け下りて行きます。

ここも、見た目ほど危険じゃないですしね。

ガンガン下りますよ~。

チングルマのお花畑が残っていたので、それを眺めながらおぐら小町で燃料補給。

ここでロープは必要ないでしょう(笑)というような場所にも、安全対策。さすが人気のコース。

白馬岳方面。
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長い、長い、八方尾根。

無心で下っていきます。

まだまだ、続きますね~。

ようやく、森林限界の下に来ました。

お花畑では、とりあえずカメラを向けておきます。

そうそう、ここを下れば八方池だったはず。

ちょっとした樹林帯をくぐり抜けた後、

八方池が見えてきました。
しっかし、前方の若い彼、なんでザックの両脇にデカイフライパンと鍋をぶら下げているんでしょう?
登山料理人?

八方池のところに降りてきました。(14:40)

記念撮影!

あとは、ゴンドラ乗り場まで下るだけです。

だんだん思い出してきたのですが、八方池からゴンドラ乗り場まで、けっこう距離があるんですよね。

観光でここに来られた方にとってはすばらしい道なんでしょうけど、私は早く下山して温泉に入って、美味しい物をたらふく食べたい気持ちで一杯です。

その観光客の皆様に混ざって下っていきます。

ようやく乗り場が見えてきました。

今回は歩かなかった白馬の山々をちらっと眺めてから、リフト乗り場に向かいます。
いや、登山者ともあろうものが、リフトなんぞ、軟弱なものに乗っては駄目だと思い、

思いましたが、自分の理性とは関係なく、足が勝手にリフトに向かってしまいました。
さすがにリフト2連チャンはまずいだろうと思い、

思いましたが、やはり、次のリフトに乗り継いでしまいました。
まぁ、足が勝手に向かってしまったのですから、仕方がないですね。
でも、さすがに登山者の良心としてゴンドラには乗らないですよ。

と、思っていたのですが、まぁ、チケットをリフト2つとゴンドラ通しで先に買っちゃってますしね。
仕方がないのです。

仕方ない感じで、八方の街に到着。
リフト乗り場でもらった観光案内で温泉を目指しますが、地図が大ざっぱすぎるうえに、八方の街の構造が複雑すぎて、こんなところで道に迷います。

バリバリの縦走ルックで、八方の街を彷徨います。
どこだ、ここは!
(今思えば、こんなときこそ最新鋭のGPS付き携帯を出せば良かったのです)

街を彷徨うこと20分、ようやく温泉に到着。
まったく期待していなかったのですが、けっこう素晴らしいお湯でした。
(女性風呂の様子は
こちらから)
(もうちょっときわどいのがお好きな方は
こちらから)
(いっそのこと、全部見えちゃっているのがよい方は
こちらから)
ふう、日焼け後が浸みます。
温泉番のおじさんにバスの時刻を尋ねると、今さっき一本出てしまったとのこと。
しかも、次のバスまで1時間半ちかくあります。
おかしいなぁ、東京で調べたときは、あと30分ぐらいでバスが出発のはずだったのですけど・・・
一応、確認のためバスターミナルまで歩いていってみると、たしかにバスの時間まで1時間以上あります。
ならば、この辺りで飯を食えるところは無いか尋ねてみると、変なグリル料理の店しかこの時間(17時)は開いていないとのこと。
ジュースでも買っておこうかと自販機に向かうと、手が滑って10円を自販機の下に落としてしまいました。
拾おうと思って、自販機の下を覗き込むと、背中に背負っていたザックのウェストベルトを止めていなかったのでそのまま頭の方へずれてきて、地面にザックの上部があたって止るという傍から見ると大変笑える格好になってしまいました。
それでも何事も無かったかのように埃の中から10円を取り出し、すっと立ち上がると、バスターミナルの従業員が自販機の下からお金を取り出す用の棒を持って、笑いを必死にこらえた表情でこちらに向かおうとしている途中のところで目が合いました。
手で「大丈夫」とスマートに告げて、バスターミナルを後にします。
そう言えば、来る途中に豚カレーの登りが出てたなぁと思い出して、そこまで歩いていってみます。(コインロッカーに預けるのが面倒くさくて、ザックを背負ったままです)
実際に行ってみると、そこは料理屋ではなく、ただのお土産屋さんでした。(豚カレーもレトルトの商品)

仕方がないので、地元で作ったというアイスを買って、空腹を満たします。
(これはこれで美味しかったです)
別段することも無いので、会社用のお土産だけ購入して、バスターミナルに戻ります。

なんでも、お勧めは八方尾根らしいですよ。
2位に木曾駒が来ていますね。(個人的には甲乙つけ難いですし、僅差で木曾駒が上ですが)

長野はオーストラリア人に人気なので、バージンが頑張って営業してますね。
(ここは、この時間は閉店していましたが)
あと、リフトにも大きくバージンって宣伝出ていましたし。

定刻通りやってきたバスに乗り込み、長野駅を目指します。

途中、ちょっとした渋滞に巻き込まれつつ19時に長野駅に到着。
新幹線の指定席はすべて満席。
自由席特急券を購入してから、長野の街に出ます。

駅前のお蕎麦屋さん。
まったく期待していませんでしたが、そこそこ食べられる味でした。
よかったです。

長野駅は始発なので、ちゃんと座れますが、すぐに満席になり、軽井沢辺りではかなりの乗車率になっていました。
そして、22時頃自宅に帰宅。
さて、明後日からヨーロッパ出張です。
汚れた登山道具を洗って干し、出張の準備を軽く住ませてから久しぶりの自分の布団に潜り込みました。
長文でしたが、以上です。
おやすみなさい!