先日ヤフオクで落とした新しい卓上旋盤が届きました!
「MX210V」と言うタイプの卓上旋盤です。
全体的な大きさは今までの物とほとんど変わりませんが、材料を掴むチャック回りが大きく、以前のチャック直径80mmに対してこちらは125mmとなってます。
それに伴い、主軸の内径も38mmと大きくなり、以前に比べて更に太い材料がチャック内を通って左側へ貫通できるようになりました。
(長物を加工する際には必要となるスペック)
また、モーターの出力も大きくなるので、加工スピードがちょっと速くなるかと。
とりあえず、箱から出して破損が無いかチェックして、その後分解しつつ各パーツを調べたり、ベアリングを交換していきます・・・・
まず現状のまま電源を入れて動作させてみたところ、問題なく動作!
外観的にも破損はなさそう。
あと前のやつに比べて明らかに動作音が静か。
これは主軸を回転させるのにギヤを使っておらず、ベルト駆動になっているため動作音が静かになっているようです。
モーターから主軸までのベルトを外してみた。
モーターからプーリーを介しこの同じベルトが2本使われています。
写真では分かりにくいけど、めっちゃ細いベルト・・・・
幅が5mm・高さが3mmしか無いので、おもちゃのベルトみたいです・・・・
本当にこんなので大丈夫なのだろうか・・・・
早速調べてみたところ、ポリウレタンベルトという種類の物のようで、三ツ星ベルトの「ポリマックスベルト 5M」と言うのがヒットしました。
使用用途の中に工作機械とあったので、用途としては間違っていないみたい。
実際に付いていたベルトの長さを測ってみたところ「370mm」のようです。
(ベルト外周部分で全長を測ればいいんだよね?)
ただ、カタログを見ると365mmの次は375mmとなっています。
ベルトを取り外す際に、プーリーのテンションを一番緩めた状態でギリギリ外せるな~って感じだったので、若干長くなるくらいは全然問題ないだろう!って事で、375mmを買ってみることにします。
と言う事で、三ツ星ベルト ポリマックス5M 「5M375」を2本注文!
モノタロウで1本が税別1390円と、小さなベルトのくせに結構高いっていう・・・
でも一般規格品のベルトが使われていて、消耗品がいつでも購入できるってのは非常にありがたいです。
お次は自動送りの金属ギヤを洗浄します、、、
パーツクリーナーで汚れを落とすとこの通り・・・・
中華機械の中身はとにかく砂と言うかゴミと言うがザラザラしたものが物凄く沢山付いてて汚い!!!
工場内でいったいどんな管理がされているのか・・・・
前にフライス盤を掃除したときもそうでしたが、グリスに砂がたっぷり混ざっていることが普通にあるので、使う前にとにかく洗浄する事をお勧めします。
各ギヤはパーツクリーナーで一通り汚れを落とし、洗剤でゴシゴシ洗って乾かしたらシリコンスプレーを吹いて防錆処理しておきます。
各部ネジ山の補正をしたり、バリを取ったり、することはいっぱい。
あと一度は分解する事によって構造も理解できるので、使っていくうえで何をどう調整すればいいのかも分かってきます。
写真中央のプーリーが、モーターから主軸までの中間にある変速プーリーになります。
ベアリング「608ZZ」が2つ圧入されています。
この変速プーリーと主軸側のプーリーに掛かるベルトを位置を変えることによって2段階でスピード調整が出来ます。
まあスペック通り低速側で1000rpm回ることを確認しているので、高速側に切り替えることは無いでしょうね。
その都度ベルトも張り直さないといけないから面倒だし・・・
実際に切削では1000rpmも回す事なんてありませんし、低速側にしておけばトルクも出るのでその方が都合がよい。
ちなみに今まで使っていた旋盤だと、変速がギヤ式だったのでレバー操作のみで切り替えが出来て簡単でしたが、低速にするとギヤの回転数が上がって動作音が大きくなりうるさかったので常に高速側で使用していました。
メンテナンスしてやれば多分静かになるんだろうけど。
主軸も抜いてみます、、、
途中まで主軸を抜いたところ。
主軸はパイプ形状になっていてしかも結構肉薄のため、あんまりハンマーなどで叩くと変
形する可能性があるので注意しつつ抜いていきます・・・
ネジ山のところには付いていたナットを取り付け、木材を当ててその上からショックレスハンマーで叩いて抜いてみました。
プーラーが使える環境では無いので、基本は叩いて抜くしかなさそう。
あとは本体左側にネジ穴を2か所もしくは3か所作り、プーラーを取り付けられるようにしてやれば安全に主軸が抜けるかと。
使用頻度が高くて定期的にベアリング交換をしたいのなら、買ってすぐにプーラーが取り付けられるように本体を加工しておいたらいいかもしれませんね。
なんとか無事主軸が抜けました!
結構大変だった・・・・
主軸にはどんなベアリングが使ってあるのかな~?って思ったら、ちゃんとテーパーベアリングが使われていました。
本体に残されたベアリングのアウターレース
どうやってこのアウターレースを抜くかな~?って考え、まあ直径が大きいし奥の隙間にマイナスドライバーを叩き入れたら徐々に出てくるかな?っと思い試してみることに。
隙間にマイナスドライバーを叩き入れてみると早速隙間ができ、ベアリングの嵌め合いがかなり弱めなのかな~?なんて作業を進めていると、、、
なるほど、奥のプレートは圧入してあって取れるんかい!!
これならベアリングレースは裏側から叩けるので簡単に抜けます!
ベアリングレースを抜いたところ。
嵌め合いはそんなにきつく無かったので比較的簡単に抜くことが出来ました。
テーパーベアリングは外したものを実測してみたところ、説明書のパーツリストに記載されていた通りの「30209」が使われていました。
なので、NTN 「4T-30209」を2つ注文
こちらは税別1290円と相応のお値段ですね。
これがベアリングを左右で挟むように圧入されています。
グリスを封入するためってのと、ゴミが入りにくいようにって事でしょうね、
こちら側を見て、巣があるな~なんて思いつつ、まあこれくらいは全然マシかっと思っていると、、、
上側にめっちゃデカい巣があった!!
まあ、まあ、、、、
大丈夫っしょ、、、、
金属ギヤも結構巣があって、歯の部分にも巣があるくらいでした。
もう中華には巣なんて概念は無いのでしょう。
そうそう、あと自動送りのシャフトですが、左右の軸受けの内、右側にのみスラストベアリングが2つ入っていました。
NTN 単式スラスト玉軸受け「51100」
金属ギヤのすぐそばの左側の軸受けはブッシュが入っているだけでした。
他にもハンドルのグリップが余りにも造りがチープなので、こちらも交換します。
なんやかんやで部品代は8000円に・・・
まだ必要な部品もあるかもしれませんが、卓上旋盤のオーバーホールには大体これくらい掛かるみたいです^^;
あとDROも2軸分取り付けないといけないし、実際に使えるまでの準備でそこそこお金が掛かる・・・
バイト(刃)も取り付けられるサイズが少し大きくなったので、それに合わせていずれは一式買い替えたいところ、
そりゃサイズが大きくなればなるほどバイトの剛性が上がるので、結果として仕上がりが変わってきますからね。