またしても街のシンボル的存在だった灯りが一つ消えることになりそうです。北九州市を地盤とする老舗百貨店の井筒屋が、同じ市内の黒崎店と山口県の宇部店、そして小倉駅前の専門店街コレットを来年5月までに閉鎖すると記者会見で発表したのが先週の7月末日。それはあまりにも唐突なアナウンスでした。びっくり仰天。
会見内容については
この辺 で解説してあります。
井筒屋は、福岡県民ならだれでも知ってる歴史のある百貨店です。九州新幹線が開業してから博多駅が新しく建て替わる前までは、博多駅の核テナントは井筒屋でした。JR九州の強い意向で新しい博多駅には阪急が入ることになったわけですが、そのことは井筒屋にとって大きなターニングポイントだったのかもしれません。

(写真はkihaさんのブログ「~気動車の車窓から~」 の
この記事 から拝借しました。)
というわけで、8月5日の日曜日。山口県はちょっと遠いのでひとまず北九州市まで井筒屋の現状をちょっくら見に行ってみたところです。
北九州市の中心駅、小倉駅にはモノレールが乗り入れています。なんだかちょっと近未来的な風貌が「銀河鉄道999」をほうふつとさせるようでいい感じです。ちなみに、銀河鉄道999の原作者の松本零士さんは小倉出身ですが生まれは久留米市です。
そんな駅前の一等地に店を構えるコレットですが、小倉駅ビル内で営業するJR九州直営の大規模商業施設・アミュプラザの攻勢を防ぐことは難しかったのかもしれません。かつてはあった人の流れが、駅ビル内と道路の反対側の商店街や、歴史のある旦過市場に流れていくという趨勢をひっくり返すのはなかなか容易ではなかったようです。
でもまぁ、これだけの人口を抱える都市の中心駅前です。井筒屋が撤退した後でもどこぞの資本が某かの商売を始めるのは目に見えています。そんな変化は時代の趨勢として割り切るしかないのかもしれません。
一方でこの先どうなるのかが心配になるのが、井筒屋黒崎店です。かつては百貨店大手のそごうが入居していた白亜のお城のようなビルで営業していたのですが、さすがに建物の経年っぷりが気になりだす今日この頃です。
でも建物の中はきれいなんですよ。お店も数がそろってますし、お客さんの数もいて閑散とした雰囲気が目立つわけではないです。黒崎駅から歩道橋で直結されていて利便も良いです。偶に開催される物産展には、ワタクシもちょくちょく顔を出していました。
しかし、黒崎の街全体で見るところの人の集まり具合に変化が出てきているのは抗いようのない事実です。近場で炭鉱が盛んに賑わっていて、人口も今よりずーっと多かった時代に比べれば、さすがに人出も少なくなってきています。一方で郊外に進出しているショッピングモールの攻勢も厳しいものがあります。もはや、黒崎駅前は目的地ではなく、単なる経由地・乗換駅になってしまったのかもしれませんね。
土地に根差す建物を持つ小売業にとって、地域の情勢が変わる(衰退する)というのは致命傷に近いものがあります。あとは撤退するか業態を変えるかしかないのですが、業態を変えてまでも生き残る「意味がない」と、ときの経営層に判断されれば、もう終わりです。南無。
とまぁ、なんだか暗い話になってしまいましたけど、北九州市といえば政令指定都市で九州の優都の一つであることは変わりのない事実です。屋台では何故かおはぎが売ってあるし、発祥の地といわれる焼うどんや焼きカレーなんかのB級グルメの素材にも事欠きません。
そんな土地では、ラーメンも当然に美味しかったりします。博多のような澄みきった洗練さではなく、もっと野獣系で、ガツンと混沌としたとんこつを出す店がいくつかあります。今回は、そんな中でも特に濃く匂うスープで有名な「魁龍」さんの本店にお邪魔してみました。午後3時前だというのに結構混んでいます。さすが本店。
店内は芸能人のサイン色紙でいっぱいです。なんというか、フジテレビの伊藤アナの色紙を観たのは初めてです。画力ありますねー。(笑)
そしてこれが北九州市が誇る野獣系とんこつラーメンの代表格「魁龍ラーメン」です。濁々としたスープに浮かぶチャーシューとワンタンがいいアクセントになっています。銀座や北新地ではあんまり流行らないだろうなぁというケモノ感がそそる一杯です。
そして一緒に頼んだ餃子に付けると旨い「魁獣みそ」が秀逸。辛味を引き立てるさっぱりとした何かがふんわりと口の中に広がっていく感じは、他ではちょっと味わえない感覚の旨さです。
アニメやスポーツで何かと注目を集めている北九州市ですが、グルメもなかなかの粒ぞろいで味わい尽くすのはすぐには無理。時間をかけてこれからも通ってみようと思いますー。
余談ですが、西小倉駅前に「源春寿司」っていう、それはそれはいい感じのお店がかつてありました。大将の年齢の関係(?)で閉店されてしまいましたが。
元は遠賀郡にあったお店で、10年くらい前に小倉の地に移転して、3年くらい前に惜しくも閉店。強烈な個性の大将が握るお寿司はコスパ抜群で、佐伯市に行かねば出会えないくらいのハイレベルなコスパのお寿司屋さんでした。
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あ、そうそう。忘れちゃいけない車の話。
先月運転した他人の車にハンドルカバーがしてあったんですよ。これがなかなか「握り心地」がよかったもんで、愛車「白い嘘星」にも導入してみました。はめ込むのがなかなか骨いりでしたけど、やっぱつけてよかった。なんだか長時間運転でも疲れが和らぐ感じがするんですよ。
触覚って重要ですねー。しみじみ。
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近場のちょい乗り | 日記
Posted at
2018/08/07 21:49:01