
たまの飛行機の話。
A380。登場した当時から「いつまで造れるやら」と燻ってたのが現実になりましたな。
不振の理由はハナから分かりきったもので、
デカすぎる。
↑フォント380にしようかと思ったが思い留まりましたよ。
エアバスは「4発大型機の幹線需要はまだ伸びる」と考えた。
ボーイングは「幹線の伸びは双発機の拡大版で充分吸収できる」と考えた。
実際にはボーイングにせよ、エアバスにせよ其々777、350XWBという双発機の長胴型が350〜500席を確保する設計で、大方のエアラインの需要に十分対応できている上、特に日本のような島国では重要だが「洋上飛行制限」の緩和が4発機には痛手になった。
要は「2つしかエンジンのない飛行機が洋上でトラブったら危ないじゃないか」「だからあんまり長いこと洋上飛行をしないようなルールづけをしないとイカンよね」てな事。
しかし、機種にもよるが今は「ETOPS370」というのが飛行制限の最長の枠。A350が認定されているけども、エンジン1つ壊れても1発で6時間10分飛んでもいい、ということ。
777は330かな。5時間半ですね。
客で乗ってたら勘弁して欲しい所だが、まあ太平洋の真ん中過ぎ辺りでトラブったとしても、そのままロサンゼルスなりハワイなりまで飛んでしまえるのが今の双発機。いや、実際には最寄りの島に降りますがね、認定の最大幅を飛ぼうとしたら、よほどでなければ太平洋も渡れると。
これがひとつ。もう一つは「荷物が大して載らない」。
景気や季節波動に左右されがちな旅客需要に対し、航空貨物の需要は波が少なく底堅い。380は貨物室も含めると3階建てのフロア構造を持つが、重心位置を厳密に測る必要がある航空機の場合、「空いてるから積んじゃえ」というわけには行かない。380は特殊で特有な構造が災いした。
一番容積のある中央階にはコクピットが鎮座しているせいで、747にはある「ノーズドア」が付けられない為長尺物が積めない。更に最上段のフロアにはあまり重量物を載せられず、積み下ろしに専用の機材が必要で、実際貨物専用型のプランもあったが、ほぼ全ての発注者が747-8カーゴに行ってしまった。
結局、当初から懸念された不安が全てに渡り足を引っ張った形になり、存続はエミレーツ一社頼み。そのエミレーツが機材調達の見直しにかかった時点で命脈が尽きてしまった。シンガポール航空などは早くも、退役機を部品取りのストックに回すという。
もう一方の747も生産終了の噂があるが、こちらは既に半世紀・1000機以上造ってきたし、元来貨物用の設計が幸いしてまだ受注が続いている。
開発難航や受注の不振で、損益分岐点が420機ともされていたA380。果たしてプロジェクト自体、黒字で締めくくれるのかどうか。
ブログ一覧 |
トリビヤ | ニュース
Posted at
2019/02/15 09:37:56