
笹子トンネルの件は、老朽破壊という線が濃くなっているようです。
当初はね、トンネル上部に異常な圧力が加えられ、コンクリートアーチが歪んでボルトの締結部分が緩み抜け落ちた…的な要因で説明出来るんじゃなかろかと思いました。
仮に、同時に数十本の鋼材が破損する原因を考えると、例えば老朽化や施工の問題にしても、130mという広範囲な破壊は考えにくかったんですね。
それに、この吊り天井は吊り金具+PC版二枚がセットであると。このワンセットを更にズラっと繋げて=連結構造にしてあるわけではない
にも関わらず
こんなに大量の部材が落ちた理由が分からない。先に落ちた部材の衝撃だけで連鎖的に落ちたのなら、もっと大規模な破壊になってもおかしくないと。
何が引き金になったのか。地下水の浸透?設計時には知見の無かった、振動の共振ストレスなどの集中?どうにもスッキリしない。
この130mだけに、クリティカルなストレスが掛かった理由としては、局所的な岩盤のズレってのは「過去にもありました」でまとめられる典型的な診断書になるわけです。北海道の豊浜トンネル事故しかり、R289の石楠花トンネル放棄しかり、鉄道・道路問わず先例はいくらでも挙げられる。
それが、
主要構造物の劣化だ脆化だとなりゃ、なんだそれはと。寝言は寝てる間に言えと。
まあ、コンクリートアーチ頂部なんて所にそんな重要な…破損=死傷者を出すコトが明白な部品を埋め込むコトがおかしい、とも言えるんです。トンネルを造る以上はレンガ造りにしても石造りにしても、宿命的に一番ストレスがかかる場所なんだもの。
地震も多い、気候も厳しい、地質条件も複雑な日本の山間部を抜く構造物なら、そういうフェイルの種は徹底的に排除するべきで、それはコストが云々の問題にはならない。
換気風洞を設けるなら、ジェットファンが普及する前の設計とは言いますけどね、例えば並走する避難坑に沿わせるとか、別体部材でなくコンクリートを一体で打設するとか、いくらでも安全優先のやりようはあると思うんですよ。
一枚が1トン何百という吊り天井の下を、何の不安も持たずに走れるものですか。冗談じゃない。
トンネルくぐる都度、工法を確かめるようですよ。一時期の
エレベーター
みたく。
参考図書⬇

Posted at 2012/12/04 18:28:52 | |
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