
久々にだが、夜中の客先待機が退屈なもんで、マジガン❌なんぞ買っちまった。
こんな記事もあったけども、まぁスバルは売れてる時期に出る問題は、正直無頓着だからな。百瀬先生なら見過ごすはずもないが、もうああいう小回りが利く会社じゃない。
本題。
インプレッサのデザインがガチャガチャだというと、各方面から反論が飛んできたものである。まあ、商品全体に言いたいことだらけで、現状の結論としては「ぶつからないけど、レガシィがデカすぎるというお客のためにまた微妙にサイズアップしました」てな巨大なベーシックモデル=インプレッサはいらないので、ウチの実需を反映したら次は
同じくぶつからないソリオになりますね、
っつーだけの話。
で、上でリコール対象になったBL/BPのチーフデザイナー・次郎坊哲也氏が強調していたのが、
「BE/BHまではボディ側面のプランカーブにゆとりがなく、特にドア面がストレートに近かった。今回は拡幅の恩恵がデザインにも反映されて、プランカーブの弧が大きく取れ、面の張りを強めることができた」
ということだった。要は、ボディサイドの中央を膨らませ、前後にかけて絞り込むということで、これは空力にも効いてくる。国産車で分かりやすい実例はNCロードスター、先代キューブ、そして
ウチのeK 。
ラグさんもそう。面質の張りを造り込む作業は、各社気を使うものだが…
〜eK ですらやっている。これを省略すると、初代bB、That'sやコンテのようなただの箱になってしまう〜
スバルの場合、基本形を押さえるデザイナーはむしろ「突然変異」扱いである。
前回このブログでは、スバルデザインの統括役に就いている石井氏や、BM/BRのチーフ・磯村氏の画力に疑問符を付けたが、その大きな理由は…こういう基本形をないがしろにするばかりではなく、
「商品戦略上、やってはならない『変えるがためのデザイン』を無定見にやってしまう危うさ」
を揃って持ち合わせている点なのだ。特に5代目レガシィの変節については万死に値すると言っても過言ではあるまい。北米を見据えた企画であればサイズアップは致し方ない。しかし、いくら主管の日月(たちもり)氏の「何をやってもレガシィにしか見えない。いい加減飽きた」という意向があったにせよ、ワゴン・アウトバックをああすべきでは無かった。何故か?
同じ商品のラインナップで、
「ワゴンはイメチェン、B4はキープコンセプト」という、片側脱輪状態の商品企画に加担してしまっていることに気付かないデザイナーなんてのは、いない方がいいからだ。
PGM(主管)の変節を諌められないチーフデザイナーなんぞ素人と同じだ。重ねて、先代のチーフ次郎坊氏が「5ナンバー枠を外れて漸く実現」したプランカーブを持つフォルムも、BM/BRは見事なまでにペッタンコ回帰〜北米仕様は90mmも拡幅し、余裕が増したにもかかわらず〜、全く受け継がれなかった。寸法以上にうすらデカく見えるし、特にセダンのリアは先代Eクラス類似の硬い面質で、極めて表情に乏しかった。
ランプのコの字モチーフなんてものもそうだ。BLや先代インプレッサではホークアイを訴求していた。現行フォレスターの前期では、六角グリルのテーマを反復していた(バンパー前面のスリットでも繰り返す、三重のくどさ)。それがいきなり「はい、全車揃ってピストンです」といきなりの小手先、右へ倣えラインナップ。
OEMの事情に縛られるBRZはまだしも、FCをやるかどうかも分からずほったらかしのエクシーガに至っては、「あの」惨めさである。もう写真を出すのも憚られる…最近のスバルのデザインスタジオには、ポスカの極太くらいしか描くものが無いのだろうか。だいいち、今頃ピストンぽっち持ってきて「水平対向でございます」だと?
1946年デビューのパナール・ディナは、51年のMCで既にこんなグリルをやっていたのだがね。
スバルのデザイナーには今や、プライドも思い切りも、もっと言えば基礎や歴史の学習も足りないのだよ。
Posted at 2017/03/11 12:37:07 | |
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