
自称評論家の岡崎吾朗さん。自分でMIRAI買ったらしいんですよ。
そこそこ満足してると。
でもね、ホントに維持コストとか、自分のサイフレベルでしか見ていないんですね。
クルマそのものにまず補助金。
ステーション設置に補助金。
ステーションの経営維持にも補助金。
だって補助金無しの燃料販売だけで、採算なんか取れないもの。
だいたい、将来的に石油化学産業全部を
亡き者になど出来やしない。クルマの燃料は代替できても、アスファルトの代替はどの素材で賄うんですか?
ガソリンってのは石油精製の副産物ですね。
BEVの充電、日産も「寝てる間に」という深夜電力は余剰分ですね。
燃料電池に使う水素は純度99.97%。工業的な副生成物では使い物にならないので、専用に作らなければいけない。
岡崎さんはそれを単純化し過ぎで、「天然ガス改質から水の電気分解へ移行し、その電力に再エネを使えば環境負荷もコストも下がる」と
小中学校の理科室レベルで話をしてしまってますが。
「作るコストが高いなら低コスト化すればいいじゃない」
↓
「製造だけでなく運搬、保管、充填に至るまでとにかく水素は高いんです」
そりゃそうでしょう?気体を圧縮すれば温度は上がるんです。上がったものをまたマイナス40度に冷やして、更にステーションの係員さんに聞いたら
「充填するにもいろいろ大変!圧が変わると温度変化で充填効率が落ちるんで、温度をモニターしながらゆーっっっっくり入れるんです。フル充填に5分以上かかる事もザラですよ」
オリパラは真夏にやりましたから、やっぱり上がっちゃうんですね。私が見てた時には、マイナス35度をどうにか維持というくらい。「けっこうかかるなぁ」ってのが率直な感想でして…
これで「走行コストは10km/lのレギュラーガソリン車と同等」。
膨大なバックグラウンドのコストを考えたら、ここまで投資してそんな効果しかないのか?
カタログ値からの悪化幅も、650kmをうたって実際(オリパラの長時間待機や短距離走行など、特殊事情はあるにせよ)350弱になってしまっては、レギュラーガソリン車比どころか遥かに高く付きます。
リーフで埼玉〜横浜を半分下道走って、エアコン使ってもそこまで悪くはならないですよ。
今どきの純ガソリン車でリッター10キロったら、うちのインスパイアがほぼピタリですけど、そんなもんか。
それに。
岡崎さんの頭には、昨日書いた「充填にも大電力が要る」〜30分スタンバイ作業に必要で、3分チャージして30kWh食ってしまう〜裏事情がまるで入ってないんですよ。日産サクラを20分で空にする暴飲ぶりじゃないですか。
岡崎さんはステーションに電話して、寄って、出て終わりだから意識しないで済むんでしょうが、
…貴方モータージャーナリストですよね?
仮にね?METIの空想が現実化しちまってて、20年に新旧ミライとクラリティFCVが計500万台出てて、毎日そのうち5%の25万台ずつフル充填する、と仮定したら?
1日750万kWの負荷がかかるんです。充填作業だけにです。
柏崎刈羽原発、1〜7号機の合計出力が約820万kW。これが世界最大の原発だそうですね。ほぼほぼこの規模の発電所が水素車両の維持に必要ですよと。火発の3基や4基ではとても足りない。
何がエコなんですか?
完全にこれ、エコ利権ですよ。e-Sportsと一緒ってのは、裏で巨額のカネが動いて、大宣伝をかける。印象操作のゴリ押しで実像を歪ませる。
まあ今、水素ステーションが160ヶ所弱なんで、よかったですね皆さん。下手すりゃ今頃、計画停電の連発で死人も出てた筈です。
やっとれんな、もう。
Posted at 2022/08/05 09:31:49 | |
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