2024年11月07日
コンパクトSUV市場で注目に値すると個人的に考えてきたスズキの新型車フロンクスに短時間ながら触れてきました。
試乗車はFFでした。内外装についてはWEBサイトやカタログ、いろんなところで紹介されているので割愛します。ただ、外装デザインについては映像で見るより実車を確認したほうがカッコよく見えました。
また、内装はプラスティッキーなところもありますが、しかし後席まで含めて良くできていて安っぽいとは感じにくいものでした。安いんですけどw
テレスコピックがついているのは良いと思います。パドルシフトが標準で装備されているのも個人的には大変よろしい。ATモデルで運転の楽しさを味わいたければ、必須装備とさえ思ってます。特に小排気量、ローパワーモデルであればなおのこと。
試乗車はまだ500kmも走行していなかったので、乗り心地は固め。しかしこれはあと1000kmも走ればずいぶん印象が変わるはずで、決して悪いとは感じませんでした。ロードノイズやエンジン音も控えめで安っぽく感じず、遮音性にも配慮されていると感じられるものです。
ステアリングの感触も割とシッカリ、ちょっと重めで私としては好みのチューニングです。アイドリングストップからのエンジン始動時に大きめの音とショックがあるのは今後要改善だと思いますが、基本的には慣れの範囲だと思います。
巡航時のエンジン回転数は低めで、トルクも馬力も控えめながら不満に思うこともなく、これなら長距離や高速道路での走行も十分行けると思います。実際、6ATのギア比は巡航に向いているセッティングかと思います。
200馬力欲しい人はそういう車をどうぞというところですwしかし、小さなパワーーをパドルシフトを駆使して使い切るというのは、これはこれで楽しいものだと、そしてそれに応えられるシャシーあってのことだろうと思いますが、その資格は十分備わっているのではないかと期待させるものでした。
全長が4mを切ってますが、ドライビングポジションを取った上での後席の居住性は立派で、170cm前後の乗員なら特に問題はないのでは。しかもトランクスペースもちゃんと確保されています。このパッケージングは見事だと思います。しかも外観はクーペSUVですから。身長高めの方が後席に乗車する予定のある方は要確認でしょうけど(^_^;)
今回はコースと時間の関係からACCやLKASを確かめられませんでしたが、最近のスズキ車の傾向から想像するなら何の問題もないというか、かなり優秀だと私個人は信頼しています。
コストパフォーマンスの点からも、あと足したいのはドアバイザーとかフロアマットといったベーシックアイテムとETC(あるいはドラレコ)くらいで、地味にTVアンテナがオプションなのは個人的にスマッシュヒットです(笑)。いらないです。後に某N〇Kに受信料請求されることになるのも嫌ですからw
総じて、価格を考えても大変競争力がありそうに感じますし、実はモノグレードというのも強力なセールスポイントかも、と考えてます。
というのも、高級車になればなるほどですが、エントリーグレードと上級グレードでは内外装に明確な差がありますし(そうでないと困るけど)、当然価格の差も大きい。横にならんだときに地味に気になるポイントでもあろうかと思います。たぶん私だけじゃないはずw
その点、フロンクスは輸入の関係もあって単一グレードのみ、FFか4WDかの違いしかなく、内外装や基本装備に違いはありません。悩むことが少なく選びやすい、従って予算組もやりやすいというのは何気にメリットでは。
スズキという自動車メーカーの製品を知らない人にとっては、安い軽自動車メーカーというイメージが強いかもしれません。それは事実ですw
ですが、実は結構走行性能などの基本部分の造りはしっかりしていて、存外、走ることが楽しい車も多いのです。アルトワークスやスイフトスポーツでなくても、です。
もちろん個人的印象ですが、フロンクスは売れるはずだと感じますし、売れて欲しいと思わせる車でした。
Posted at 2024/11/07 16:05:58 | |
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試乗 | クルマ
2024年04月17日
我がONEダー号(N-ONE RS)の納車一年を記念しての?12ヶ月点検の間に、「何でもいいから試乗させておくんなまし」とディーラー店長に泣きついたとかつかないとか、とにかく代車として現行N-BOX カスタム、たぶんコーディネートスタイルの自然吸気エンジングレードを借りることができました。これ、乗ってみたかったんですよ( ´∀` )。
まず乗り込んですぐに感じたのは、コストダウンをしているかもしれないけど十分ハイクオリティな印象の内装。この辺は見たらわかることなので割愛しますが、発車して真っ先に気が付いたのは
視界が良い
いや、スーパーハイトワゴンなので視界が良いのは衆知なのですが、ダッシュボードが低い。着座位置がたぶん高いんですが、それも相まってボンネット先端が見やすい。これは私の大好物(笑)。
そして次に印象に刻まれたのは
静粛性の高さ
いや、N-BOXが静粛性に定評があるのは衆知なのですが(;'∀')、それにしてもエンジン音やタイヤの走行音、いわゆるロードノイズがちょっと遠くから聞こえてくるような感じ。
我がONEダー号には相応のコストをかけてデッドニングが施されていますが、それと大して変わらないかもしれないほどの静かさ。泣けてくるわ(笑)。
しかし最も感銘を受けたのは
燃費
CVTのセッティングか機構そのものか知りませんが、絶対変わってるだろって思わずにはいられないほどあからさまに好燃費を叩き出す。
いつもの私のテストコースを走らせましたが、ターボ車であるONEダー号を超えることは承知ですが、ディーゼルDEMIOであるデメちゃんに匹敵するとは。少なくともONEダー号よりも5%程度は上回りそうです。
市街地15:郊外55:高速30の比率で車載表示29km/l。高速は80-100km/hあたりでしたが、結構な登りでも4000rpmまでは回らず、エンジン音も煩いとは特に感じませんでした。追い越し加速はしていませんがそもそもそういう車ではないです、本来的には。車間距離や安全確認には余裕を持った方が良いのはこのモデルに限ったことではないですし。
前型にはホンのちょっとしか試乗したことがありませんが、その時より明らかに前席はおろか後席に関しても居住性が上がっています。ロードノイズはかなり抑えられているし、ロール・ピッチ・ヨーもうまくコントロールされていると思います。
サスペンション交換されているONEダー号とは比べられませんが、ややフワフワしたバウンシングを感じます。しかしこれは乗り心地の良さの裏返しであり、また慣れと好みの範疇です。
200kmほど走ってきましたが(;'∀')、もともと”王者”であるN-BOXの中でも、今世代はまさに王の中の王といった印象です。これは素直に素晴らしい。ちなみにもし私が購入するなら絶対NA。ターボ要らんよ、これ。N-ONE RSに乗ってる私が言うんだから間違いない、ことはないかもしれない(-_-;)。
こうなると、何が何でも新型スペーシアに試乗しなくては(笑)。
Posted at 2024/04/17 17:57:37 | |
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試乗 | クルマ
2024年03月31日
先日、我がデメちゃん(デミオ・ディーゼル)のストラットアッパーマウント交換の間、ちょっと無理言ってガソリングレードのMAZDA2に試乗させてもらいました。
15BDは実質的に廉価グレードですが、車両価格は170万円台でほとんど軽自動車水準。近年の軽自動車の劇的進化に対して、果たして現行、それもすでに登場から10年を迎えた製品がどのような印象をもたらしてくれるでしょうか。
廉価グレードですが、1,500CC自然吸気エンジンでハイブリッドでも何でもありません。実は私はこのマツダの1,500CCエンジンが非常に気に入っています。
以前にMAZDA3でも廉価グレードでこのエンジンを採用するモデルに試乗しましたが、高速道路まで含めて大変に好印象でした。吹け上りもスムーズでその際の音質もお気に入り。これをさらにブラッシュアップしたのがロードスターのエンジンですね。素性はお墨付き。
それをコンパクトカーであるMAZDA2に乗せているのですから、不満があるはずがありません。スポーツ性能を重視する方はより高出力エンジンを望むでしょうが、ロードスターを筆頭にマツダは”人馬一体”、操る一体感を重視していて、必ずしも”速い”ことを目指しているわけではないようです。
個人的に、1トン100馬力の法則というのがありまして(笑)。車両重量1トンあたり100馬力程度の最高出力を持っていれば動力性能に不満を感じることはほぼない、という理屈です。
コンパクトカーの多くはちょうどこの辺に位置していて、つまり必要十分ということ。
ご多分に漏れず15BDも軽快で快適な走行が楽しめました。65-70km/hの巡航時に1,500rpm前後と常用域で回転数も低く、したがって燃費も良さそうです。たぶん私のいつものコースだと表示燃費で25km/lくらい出せるんじゃないかな。
おおよそモデル末期で延命しているモデルということは感じさせず、装着タイヤBLUE EARTH GTもしっかりかつ乗り心地も良くこのクルマに合っていると感じました。
毎年のように商品改良を続けてきたことで、たぶん初期のDEMIOとは相当違うものになっているはずですが、比較ではなくてこのモデルを単体で評価すると、全然古さを感じませんね。
うちのデメちゃんはディーゼルですが、これはこれで利点があります。しかしこのシャシーはやっぱりガソリンエンジンが似合います。重量バランスに起因する車の挙動や操作感覚の違いはやはり大きく、ガソリングレードのほうこそ”本命”という印象です。
今後、フルモデルチェンジされるのか、このまま消滅するのか、はたまた他社からのOEMなんてこともありうるのか分かりませんが、私ならこのオプションで購入する、という見積りで総額2,500,000円以下になりますので、これならやっぱり軽自動車と競合しちゃうかなと思います。
しかし乗ればわかりますが、いくら良くなったとはいえ軽自動車のディメンションでは物理的にコンパクトカーには及ばない部分がどうしてもあります。逆に言えば、それが分からない、気にならない方なら軽自動車の方がリーズナブルということになるかもしれません。
車はね、やっぱり乗ってみて決めたほうがいいと思います。
ただ、古のハンドブレーキ装備ですので電パ教信者の方はご注意を(笑)。
Posted at 2024/03/31 09:06:02 | |
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試乗 | クルマ
2024年01月10日
知人のR5年式ライズ、1200cc自然吸気エンジン・FFたぶん上位グレードなんですが(;'∀')ちょっと借りる機会がありましたので、いつもの私的テストコースを走ってみました。
人の車のトリップメーターを勝手にリセットするのもアレだったので燃費は測れていませんが、おそらく我がONEダー号(N-ONE RS)の30km/lのところ25km/lぐらいは確実に出ている印象でした。やはり1000-1500ccあたりは車両重量(車格)に対して燃費効率が優秀ですね。
新車装着タイヤはダンロップのエコピア150のようでしたが、特に乗り心地や静粛性、安定性に気になるようなところはなく文句はありませんでした。たまに路面のつなぎ目で突き上げ感がありましたが、これはタイヤよりもサスペンション由来のように感じました。
しかし、速めのコーナリングでも背の高いSUVモデルの割にロールとそのオツリもよく対策されていて、ボディ剛性に不満は感じず、ハンドリングの手ごたえもニュートラルで違和感のないものでした。
60km/hあたりの巡航ではエンジンは1500rpm前後とCVTらしく低めで、しかしトルク不足も感じず十分な力感でした。ゼロ発進の際に若干唐突なスタートになることが何度かありましたが、この辺はもしかするとアクセルワークの慣れの問題かもしれません。ただ、時にCVTのローとハイの切り替え部分(大体20-30km/hぐらい)でギクシャクすることがありました。条件はよくわかりませんでしたが。
前方の視界は良く、後方に関しても昨今のモデルとしては比較的に確保されている方だと思いますし、シート形状やホールド性も私にはシックリ来て快適と言って差し支えない印象でした。
価格帯を考慮して総じて良くできていると感じましたし、大きな不満はなく十分ファーストカー足りうるモデルだと思います。トヨタの看板があるとしても、売れてきた事実に納得する出来だと感じました。
物理的に軽自動車より優れた点があるのは当然ですが、軽自動車のトップモデル・トップグレード製品と価格帯的に競合しそうですね。この辺は何を優先するかできまりそうです。
現在困難に直面しているダイハツ製のクルマですが、私個人的にはこれは良い車だと思います。
Posted at 2024/01/10 16:28:25 | |
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試乗 | クルマ
2023年12月24日
我がDEMIOの12ヶ月点検の間に、話題のロータリーエンジン搭載PHEVであるMX-30 ROTARY-EVのEdition R(特別仕様車)を試乗しました。
過去にMX-30には、最初のモデルであるEVモデルと、2,000ccガソリンモデルにも短距離ですが試乗しています。
内外装の質感は昨今のマツダ車らしく非常に上質でセンスのいい仕立てとカラーコーディネートだと思います。もちろん好き嫌いはあるでしょうが、質感が高いことは間違いないと思います。
早速プッシュスイッチを押してみると、当然ながらモータースタートですのでエンジン音はしません。
そこで、EV/NOMAL/CHARGEの3モードのうち、CHARGEを選択しエンジンを始動させます。
意外にも結構な振動を伴った粗野なモーターのような音が発生し、「え?」と感じる。これは完全にコールドスタートだったため、ロータリーエンジンといえども暖機が必要だということだと思いますが、今後改善されてもうちょっと品よく始動してもらいたいなあと感じました。せっかく車自体が上質なんだから。
そう、乗り心地も挙動も非常に上品でしっとりなめらか。この辺は流石に電動車。少し試しただけですが、アダプティブクルーズコントロールも数年前のモデルよりもより洗練されて安心感が高まっていました。
個人的にMX-30に感じていた美点の一つが後席の座り心地。窓が旅客機の窓みたいで、一見閉塞感があるのですが、リビングのソファに腰かけているような快適性と、なんとなく子供のころの秘密基地に隠れているような変な落ち着きがあります(笑)。幅の広いセンターアームレストもあって、後席2名乗車ならかなり居心地が良いのではと感じました。
EVとしての走行距離はカタログ値で107kmだそうなので、一般的な日常用途としては十分、それを超えてもロータリーエンジンで発電しながらモーター走行できる(日産のeパワーみたいに)ので航続距離には不安はないはず。自宅充電できる環境ならオールマイティに使えそうです。
内外装の質感と走行時の動的質感がマッチしていて、全体としてとても上質な印象でした。Edition Rは現時点の最上級グレードなので車両価格が500万円近く、補助金を利用してもまあまあの高価格帯です。価格にふさわしい、あるいはコスパが良いかどうかはこのクルマに何を期待するかで変わりそうですが、クルマ自体は私としては非常に満足度が高そうだと感じました。多分この車は燃費や電費のために購入するものではないと思います。製品コンセプトからしても数が出るタイプとは考えられませんが、モノ自体は私は気に入っています。買えませんけど(;´Д`)
EV界隈は今後数年が勝負だと思います。全個体電池やペロブスカイト太陽電池などの技術・コスト的進展がダイレクトに影響する業界だと思いますので。個人的には”今”ではないですが。
私はBEVが唯一最良の答えだとは考えていませんが、そういう製品群が一定のシェアを持つであろうということは想像できます。ハイブリッドも今後電動効率を高めていくでしょうし、ピュア内燃機関車は確かに消滅していくかもしれませんが水素エンジンにも期待したい。政治的(またはそれに関連した経済的思惑)で強制させられるのでなく、ユーザーの自由選択の結果、移行が進んでいくのが自然で無理がないのではないですかね。
いずれにしてもこれからもクルマが楽しみです。そんなことを考えさせられた試乗でした。
Posted at 2023/12/24 08:59:35 | |
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試乗 | クルマ