ついに家から男の紋章がなくなりました。
学生の頃にシティ(初代)をレンタカーで乗ったりして、自分で買う車はずっとホンダにしようと思っていました。
最初の車はワンダーシビックのオレンジの25i(Siは予算オーバーでした)になるはずが、値引きにつられてカローラFX-GTになってしまいましたが、その後は3代目、5代目プレリュードと乗り継ぎ(S13やS15に目を奪われなかった訳ではありませんが)、途中マニュアルに乗りたくなって乗ってみたかったサイバーCR-Xを中古で追加(これもSiではなく1.5でしたが)、更にサーキットを走りたくなってその入れ替えの形でEK9を購入。そしてMUGEN RRに繋がります。
ホンダには他にも魅力的な車が溢れていました。インテグラ、インスパイア、アヴァンシア、リトラクタブルのアコードも良かったですね。レジェンドの初代のハードトップ、初めてsh-awdを採用したモデルも忘れられません。
普通の車ですらスポーティなイメージがあったのもN360から続く特徴でした。点検とかでディーラに行った時には、展示されている車両を見ている間に点検が終わってしまったものです。それが、いつからでしょうか、ショールームにある車に興味がわかなくなって、置いてある本を眺めながらになってしまいました。
そんな中でもS660は、もしかしたら転換点では、と思わせるような車でした。
発表当時の自動車雑誌では、その後1Lターボを積んだ幅広版のS1000や、ターボ化されたK20をミッドシップに積んだS2000後継モデルが順次発表されて、NSXまで続くミッドシップのフルラインナップができる、と書かれていたものです。
(そんなときの
ブログです)
にもかかわらず、その後全く気配はなし。
そして、ついにS660の発売終了のアナウンスになってしまいました。
22年度から騒音規制が厳しくなり、タイヤノイズも含まれるようになってスポーツモデルの継続は厳しくなる、という話は聞いていました。GT-RやシビックのTypeRも今の形での存続は難しいので一旦発売終了という情報も出ていました。
S660も同じ状況ならば仕方がないと思っていたのですが、スイフトスポーツは継続して販売されるだろうと聞いて疑問に思いました。スイフトが行けるのなら、S660も、最悪改良すれば大丈夫なのではないか。
実際には、騒音規制や衝突安全、更に衝突予防などの規制も加わるため、その対応にコストがかかるのと、カメラなどの装備も増えて価格も上がり、結果販売数が見込めないための販売終了であることが分かりました。
出来ない、のではなく、やっても売れないからやらない。(のでモデルが減ってより売れなくなる)
これは最近のホンダの陥っているスパイラルだと思います。
何故フィットに1Lターボを積まないのか? そう聞いてみたことがありますが、答えはハイブリッドと同じぐらいの価格になってしまうので売れないから、でした。
確かに最近のホンダは、アメリカ、中国で絶好調、日本にはその利益が還元されるので、国内市場で頑張らなくても全社的に見れば問題なしです。
でも、結果、国内オリジナルモデルは軽自動車とコンパクト、ミニバンばかりになって、他は海外向けに開発された車をお仕着せで売っているだけ。
開発に対しても、売れる地域の方の力のほうが強いので、その傾向は更に強まっていくでしょう。
なんと、ホンダの国内販売台数の1/3以上をN-BOXが占めているのだとか。(軽自動車で、ではなくN-BOX1モデルで)
勿論N-BOXが他に比べて優れているからというのがメインの理由であることは分かるのですが、それにしても、あの頃のホンダのイメージは何処へ行ってしまったのでしょう。
確かに、リトラクタブルのアコードは1.8Lだけでも(確か)3種類のエンジンがあったり、バモス(2代目)は2WDと4WDでエンジンの搭載方向が違ったり(4WD向けの4ATが横置きでは載らなかった、ついでに言えば、エンジンオイルの補充口は独立してリヤフェンダーにあった)、2代目Zはミッドシップレイアウトだったり、1代限りの車が多かったり、多大なムダを重ねてきたホンダでしたが、それこそがホンダらしくもありました。
もう、ホンダには、そのままサーキットへ持ち込んで走らせることができるような車はありません。(NSXは別格)
サーキットを走ること自体が時代遅れになりつつあるのかもしれませんが、車を制御する楽しみは、今やサーキット以外では味わえません。
例えば、タイではシティ(日本ではグレース)に1Lターボを積んだRSがあります。
日本でもこんな車があったら、ちょっとブレーキとサスを強化してやればサーキットへ持ち込めます。
グレースは法人需要がありますから、国内導入の可能性はあるでしょうが、スポーツモデルはまずないでしょう。
ホンダは、何処へ行こうとしているのでしょうか。
F1も今年限りで撤退です。久しぶりの日本人ドライバが開幕戦からただならぬ力を見せつけているのに、です。
幸い24年まではエンジン開発は凍結されているのですから、今からでも遅くはありません。
社長も交代したことですし、'あれは先代の社長が'と言って撤回してしまえば良いのです。
別にフランス車に乗りたかった訳ではありません。
背中にホンダエンジンの咆哮(表現が古い)を聞きながら、赤バッヂの付いた車を最後にサーキットで走らせたかったのが本音です。
世間では、なぜか再び次期S2000の話題が出てきたりしていますが、それって、トランプさんが再選される前提だったアメリカでの過去の話でしょう。今の、そして今後しばらくのホンダから、スポーツモデルが出てくる可能性は0だと思います。
それ故の決断です。
さよならホンダ。でも、もし叶えられるのならば、モータの時代になってホンダにしか出来ない'e typeR'を出してください。その時は、高齢運転者標識を貼って街中でゆっくりと楽しみたいと思います。
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2021/03/28 16:55:33