モータースポーツというのは極めて特殊なスポーツなんだなと時々感じます。
野球では、プロでも(プロだから?)ピッチングコーチや打撃コーチが一緒にフォームの改善等をしているニュースが流れてきます。チームで行うスポーツはチームで練習を行います。
それに比べるとモータースポーツは孤独です。データロガーを見せてもらえるだけです。同じチームに他にドライバがいれば、そのデータも見せてもらえることもありますが、それは比較されている、ということで更に厳しいかもしれません。
エンジニアやメカニックはいますが、彼らはドライバからの車の挙動に関する情報を元に車のセッティングを決定するだけで、どうドライブするかはドライバ自らが考え、決定しなくてはなりません。これは下位カテゴリからトップカテゴリまで同じです。
しかも練習時間が限られています。陸上の選手は毎日走り、水泳の選手は毎日数キロ泳ぎますが、モータースポーツで毎日サーキットを走行して練習しているドライバはいません。トップカテゴリになるとテストの回数は数えるほど。本番のレースのフリー走行ですら数時間ぐらいしかありません。
これで予選一発でタイムを出し、レースを戦うのですから、極めて特殊なスポーツですよね。
そして結果はタイムで決まります。これもトップカテゴリでは千分の1秒単位の差だったりするので、この意味でも過酷です。
これはプロの場合ですが、趣味としてのドライビングの場合はどうでしょうか。
多くの方は、最初にドライビングレッスンに参加し、サーキット走行の基本を習得したら、後はプロと同じ様に自分で考えて走り込んでいくのではないでしょうか。
その時、上達の目安はタイムになります。これははっきりとした数値として出てくるので分かりやすいです。何かを変えて結果タイムが上がれば良し、落ちれば失敗。これを繰り返してタイムを縮めていると思います。
でも、どうなんでしょう。今縮めようとしているセクション、最も削り代のあるところなんでしょうか?
もしかして、そこを残したまま、ほとんどマージンが残っていないところを縮めようとしている可能性はないでしょうか。
で、どうするか。誰かに横に乗ってもらって自分の運転をチェックしてもらうのが一番でしょう。
でも、そうすると今度は横に乗るドライバの技量に影響されることになります。
そこで
(ハンドリングクラブ)プラス。
横に乗ってドライブを評価してくれるのは、現役トップレベルドライバの山野(哲也)さん。
当然評価は的確で、しかもアドバイスが非常に分かり易い。
前にも書きましたが、朝のブリーフィングでの山野さんの言葉
逆同乗の場合には、ドライビングを見て、一つか二つ、アドバイスをします。これを出来るようにすれば確実にドライビングが上達します。
は、本当にその通りなんです。
私の場合、去年の最後のアドバイス(課題)は、cp付近でコーナ内側にいる時間をもっと長く、cpをゾーンとして捉えるように、でした。
今年6月に参加した時には、そこを意識して走行を繰り返したのですが、逆同乗時のアドバイスは、cp付近での速度が遅い。おそらく70%ぐらい。もっと速くて良い。とのこと。
そこで、今回10月に参加した際には、そこを頑張ったつもりだったのですが、アドバイスは、まだマージンがある。cp付近でもっとアンダーが出るぐらいの速度で良い。
アンダー? と思ったのですが、この回は参加台数が少なく(なんと12台!!)逆同乗仕放題だったので、更に乗ってもらうと、'(cpで)このタイヤ(ps4)だったらスキール音が出るぐらいの速度で良い'、つまり、'アンダーが出るぐらい'の意味するところは、その舵角では回れないぐらいの速度にまだなっていない、まだまだ余裕がある、ということなんですね。
これに対応するにはどうするか。cpでもっと速度が出ていて良いのですから、これは、まだブレーキングに余裕がある、ということです。なので、更にブレーキングポイントを奥に、思っているよりもワンテンポ遅くブレーキングを開始するようにしてみます。
山野さんの評価は、傾向としては良い、今までとは別の運転になっている。
これを励みに、午後からの同乗逆同乗のない枠を走ります。1グループ6台(!!!)なので走行待ちの時間が全くありません。ゴール即スタートです。
感じが掴めたところで最終枠の逆同乗。普通ならタイヤは暖まっていなくても待ちの車が少ないうちに、と思いますが、台数が少ないので(逆に山野さんが待っているという夢のような状況)、十分に暖まってから逆同乗をお願いします。
右(時計)周りの最終コーナー、自分でも良い感じで行けたなと思ったのですが、なんと山野さんから'パーフェクト'のお言葉が頂けました。cpへのアンダーオーバーのバランス(ニュートラルステア)、cpでの速度、cpからの脱出全て良かった、ということです。
ただ、これの繰り返しが出来ません。以降自分のドライブで、他のコーナは良くなってきたのが分かるのでうsが、最終コーナだけは、その時のようには出来ないのです。
左右のウェイトバランスのせい? とか思ったりもしますが、まだまだ技量が足りないということです。
こんな具合に、ドライバのレベルに応じた的確なアドバイスを、更にレベルのちょっとした向上にも対応して、それをフォローするような、向上に対応したアドバイスを、何度でも受けることが出来るんです。
本当に、もし関東エリアに住んでいたら、毎回欠かさず参加したい。それぐらいに思います。
逆同乗、最初は無茶苦茶緊張します。ま、最初だけじゃないですが...
でも、自分だけで走っていては分からないような、ステップアップのためのポイントを的確に指摘してもらえるのですから、そんなのは問題になりません。
こんな
(ハンドリングクラブ)プラス、次回開催の11月の23日、まだ参加可能です。如何ですか?
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2024/11/04 23:35:20