Ｃｅｌｌｏ－Ａのブログ一覧

ベートーヴェン　交響曲第九番
演奏会に出演します。

日本は、どういう理由か
年末の第九の演奏会が異常に多い。

素人の自分でさえ
10回以上は弾いています。

普通は、交響曲第九番と
小さな序曲で、演奏会を構成します。


今回は、何やら合唱団の歌が多く
ちょっと面倒に思っています。

指揮者の能力が高いと
曲数が多くても楽なんですが、
今回は・・・・

表板下部の修理が終わりました。

さて、修理の話はおいておいて、
弓が２本　画像にありますが、
１本は自分の弓
もう１本は、評価を求められた弓です。

チェロの師匠が、弓を２５本ぐらいもっていて
その価格帯ときたら、
量産品の２０万からヴィヨームの６００万・・・



師匠宅にて
自分は、価格を一切、
気にしないで弾きまくり、
これはどうだの、あれはどうだの、
評価しまくって、後で値段を聞く・・・
そうして、唖然とする。

という、訳のわからない
経験から、
楽器屋さんから評価を求められることが意外と多い・・・





評価を求められた弓は、イギリス製の弓です。
価格は８７万ぐらいだとか・・・

このクラスになると、先端のチップ等に金が使用されています。
この金がくせ者で、重い上に、音が鈍いのです。
音が細く、倍音が少ない。
しかも先端と後端が重くバランスが悪い。

その状態で、調整されていると
当然、音の抜けが悪く
改善を試みるために材質を変えると
重さも変わり、バランスが崩れるのです。

そうなると、フロッグ等で調節するとか
まぁ、手段はいろいろあるようです。

それで、ある程度調整した状態がどうなのか？
それを、楽器屋さんは知りたかったようです。

１週間、弾いてなかったので、
自分の腕前はボロボロです。
弦も新品だし、弓も毛替えをしたばかり・・・
でも、自分の弓と評価対象の弓を代わる代わる弾いてみて、
どうやら、弓の木材そのものに問題点があると判断しました。

バランスの悪さよりも、弓の木材自体に柔軟性が無い。
硬い樫の木のよう。

木材の塗装の過程で
フェノール樹脂を塗って硬質にしたのでは？
なんて感じました。

価格が半分以下だったら買ってもいいかな？
いや、やめるかな？




作成していたチェロの表板の行程が進んでいました。

削っているうちに「ハーゼ」が出てきたようです。
「ハーゼ」があるのは、雄木らしく、硬くて、ストラディヴァリがよく使っていたとのこと・・・。
ある程度「ハーゼ」があるものを、楽器の材料として売っているのだそうです。
木目がちょうど逆のような状態で、塗りが難しいとのこと。




自分の楽器は、表板の修理の他、弓の毛替え、弦替えもしました。
「イルカノーネ　Warm＆Broad」
（パワーがない「枯れた楽器」のような音）から　
「イルカノーネ 　Direct＆Focused」へチェンジです。

弦が切れた時のために
ヤーガーとスピロコアで１セット
「Direct＆Focused」で１セット
持っていますが、
「Direct＆Focused」の下２本（G線、C線）の
音の明瞭さに慣れるとスピロコアには
戻れない気がします。

スピロコアのタングステン（下２本）は、粘る感じがあり
発音まで時間がかかります。
それに比べると、「Direct＆Focused」の下２本は
若干、粘る感じが少なく、発音が速い気がします。

と言うことで
１２月２５日の第九　ぶちかましてきます！！

ここ数年、毎年のように
チェロを修理に出しています。

今回は、表板の割れ（古傷）の一部再発。
下の部分が、再び割れました。

「割れ」と言うより、
割れた部分を膠で修理し
その膠の一部が剥がれたと言うのが
正しいでしょう。

このように、たとえ割れても
きちんとした修理をすれば、
楽器としては問題なく、
過去の名器も、多くの修理の痕跡が
見られます。



昨年は、裏板の一部が剥がれました。


楽器屋さんは、忙しいらしく
今、ヴァイオリンとチェロを平行して製作しているようです。

チェロ　　大まかな形ができあがっています。



内側に型があり、そこへ、あたためながら、側面に板を張っていきます。




表板　　回しながら、削っていくとのこと・・・




表板の裏側　　まだ、フラット（平面）な状態です。




このチェロは、4月～5月頃　完成する予定だそうです。
このような単品は、完全受注生産です。
昨今の若手楽器制作者は、
電動工具で楽器を削り出すそうですが
こちらはカンナでの完全手作業です。

当然、音がいいかどうかなんて判らずに購入します。
しかも、自分の場合、制作後10年が過ぎてから
「いい音だなぁ～」と感じてきたのですから、
非常に難しい買い物だと思います。

あとは、年に1回ぐらい、修理に出すのですから
大変、手が掛かかります。

もっとも、修理に出すことのない楽器もありますから
一概には言えません。

たまたま、湿度の変化と
楽器のそれぞれの部分の伸張収縮方向が
違うので、こういった割れが生じます。

楽器って「よく鳴る」とか「よく鳴らない」とか言うのですが、
「よく鳴らす」というのは、奏者の技術だと
感じるようになってきました。

ということで、毎年のメンテナンスを
1ヶ月早め、弓の毛替え、弦の張り替えを行い、
12月25日の「第九」は、ベストコンディションで
臨みたいと思います。

もちろん
パワー不足の　「イルカノーネ　Warm＆Broad」から　
「イルカノーネ 　Direct＆Focused」へチェンジです。

年末の「第九」演奏会
出演します。
エキストラというやつです。

前回「第九」に出演したのが
2019年12月27日　
東京芸術劇場でした。

ベートーヴェン交響曲第九番の演奏会と言えば
ご存じの通り、日本の年末の恒例となっています。
自分でさえ、いつの間にか
一番演奏した回数の多い曲になっています。

送られてきた楽譜は
ブライトコプフの新版
見やすくなったけど譜めくりが多い楽譜。
前回はベーレンライター版でした。

なんとなく
ベーレンの方がいいなぁ・・・

演奏会でした。

タイトル画像は、
今日演奏したホールの搬入口駐車場から
建物を見たものです。

自分のC200のリアを
何とか入れてみました。

曲目は
ベートーヴェン
交響曲第2番＆交響曲第5番でした。




越谷市民ホールは、年数が経っていますので、
ところどころ、古いなぁ～と感じました。
特に使用する椅子が良くないと思いました。



演奏したチェロパートの方々。



自分の楽器です。


先日も書きましたが、
弦楽器の1プルトは
プロの方々です。
コントラバスは、当方の娘が
指導を受けていたプロの方。

今回は、現役バリバリのプロオケの方々が
前にいらっしゃいましたので、
弦楽器のそれぞれのセクションが
非常にクリアーに聞こえ、
自分がつけるべき、相手のフレーズが
どのようなものか　ということが
これほど理解できたことが
初めてでした。
それくらいプロは上手い。
今まで、自分がやっていたのは
アマチュアである他のセクションの音で
やっぱり、不明瞭で
フレーズに対する意識がまるで違っていた。

本当に勉強になりました。