トヨタ自動車は受注から納車まで統合管理するシステムを2023年中に全販売店で運用する。
生産から納車までの全工程を可視化する同システムにより、車の購入者にも納車のタイミングが分かるなどの安心感を与え、販売・収益の最大化につなげる。
半導体など部品不足の影響で長納期化する傾向にあったが、その原因となる部品の把握にもつなげる。
「J-SLIM(ジェイスリム)」は受注から計画、生産、配送、納車までを一貫して統合管理するシステム。
車種ごとに最大2年分の生産予定枠を設け、受注残を滞留させず生産予定枠に並べる。
生産の予定日を販売店と共有できるほか、工場の生産から納車に至るまで“全工程で車両1台1台を見える化”する。
また、どの仕様や機能が課題で納期が延びているのか把握可能で、改善につなげられる。
生産予定枠の受注残情報から月别、日别の部品の必要数を把握でき、仕入れ先に最適な生産情報を提供できる。
22年末から一部車種や販売店で導入を開始。
足元では全車種全販売店に広げているものの、販売店側でのオペレーションや訓練の必要もあり、年内には国内全ての運用可能な状態が整う見込みだ。
効果の一つとして、納期短縮にも寄与している。
22年にはトヨタ車で平均6カ月程度の納期期間があったが、同システムにより足元では4.7カ月に抑えている。
高級車ブランド「レクサス」でも同5.5カ月が3.5カ月に低減している。
ここからは私見だが、この2〜3年も続いている新車の長納期問題は、中古車市場にも影響を与えており、早期の解消が求められるが、サプライチェーンで世界中が繋がっている現在では、全てを解消するには、まだしばらくの時間を要する問題ではある。
ただ、トヨタ自動車の取り組みは、世界的自動車メーカーの雄として評価に値する。
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2023/10/17 13:32:25