♪好きで 好きで 大好きで…
↑なフレーズの歌がございますけど…(笑)
死ぬほど好きなクルマでも
縁がなかったつーかオーナーになれなかった
そんなケースがある人は結構いるかと?
ハイ!そこのアナタ
貴方もそんなひとりじゃないですか?
ええ…今回のネタは正に当社的縁がなかった↓な1台になります
☆CB5型 ホンダ アコード インスパイア☆
1989年10月に発売されたホンダの普通に見えて結構な意欲作
フラッグシップカー レジェンドとミドルセダン アコードと間を埋めるために
開発された排気量2Lクラスのアッパーミドルサルーンである
ええ…ローレル3部作に続くアッパーミドルシリーズということですが…(笑)
わかりにくいので他のメーカーつーかわかりやすく日産で言い換えると
セドリック&グロリアとブルーバードの間を埋めるためにローレルが開発された
そう考えればいいんじゃいっすかね?(笑)
既にマークⅡブラザーズやローレルで市場が形成されていたセグメントに
殴り込みを掛けることになるわけですから
青山一丁目もタダのクルマを出せない
とにかく独創と革新をどれだけ盛り込んで差別化できるかみたいな要素を
満載な文字通りの何でもテンコ盛り勝負に出たわけです
まずは…
車名にアコードが含まれるということはFF前提ですがそれもタダのFFじゃない
FFミッドシップ
エンジン中央左側にデフギヤを配置
変速機からの出力はエクステンションシャフトによってデフギヤへと伝達
またドライブシャフトはなんとクランクケースを貫通させるという方法で実現
動的面では重量バランスの向上を目的にしたとのことだが
FFでは駆動輪の前輪にいかに駆動力を伝えるかが大事なので
フロントヘビー即ち重たいものが前にあった方が都合は良い
しかしトラクションにさえ眼をつぶれば
前後の重量配分が良いことに越したことはないし
サスペンションセッティングの自由度も上がる
重量配分は同時にデビューしたアコードが前62:後38に対して
CB5型では前60:後40とわずかながら改善を見せている
何で↑な面倒なことをやることになったのか?
その理由が↓のためでもある
G20A型エンジン
水冷4ストローク直列5気筒4バルブSOHCエンジン
ボアxストローク:82.0x75.6(㎜) 圧縮比:9.7 燃料供給はPGM-FIで行う
まずは
何で直列5気筒なの?
開発段階では直6やV6も検討されたそうだが重量的問題や剛性問題から直5を選択
尤も縦置き直列5気筒搭載FF車ってアウディやVWサンタナで実績があったから
あえてトライするにはハードルが低かったと考える向きもあるけれど
ところがドッコイ!
これが
トンデモエンジンなんですよ
FFとしての理想的前後重量配分
パワートレインレイアウト
超ロングホイールベース
↑を開発の三本柱にしちゃったということもあるけれど
↑のFFミッドシップ構想があったからというのが正解かなあ?
ドライブシャフトをクランクケース貫通構造としてしまったから
そのままではエンジン高を下げることができなくなる
なのでエンジンを車体右側へ35°傾斜させることでクリア
点火プラグ先端は燃焼室の天井中央に露出しているが
プラグ自体はカムシャフトを避けるため吸気バルブ側に傾けるほか
直6の最たる美点となるスムースネスを5気筒で同等レベルを確保する目的から
特有の1次偶力をキャンセルするためにバランスウェイトを
クランクと逆方向に回転させる構造とした
さらに吸気管はヘッドまで伸びるプライマリーとシャッターバルブを設けた
セカンダリー管が存在するが シャッターバルブは以下の細かい制御を行う
2,500rpm以下:閉
2,500 - 3,200rpm:開
3,200 - 5,100rpm:閉
5,100rpm以上:開
これはトルクカーブに谷が生じないように慣性吸気&共鳴過給効果を狙ったモノ
またエクゾーストは各ポートから1番4番/2番3番/5番の3本ブランチとし
さらに1本に集合させる5-3-1管構造とした上で
材質は軽量化と耐熱性の両立を図ったステンレスエキマニだったりするわけで…
以上のような金と知恵のかかった構造だからというわけではないけど
最高出力:160ps/6,700rpm 最大トルク:19.0kgm/4,000rpmのスペックを誇る
で…もう一度
何で↑な面倒なことをやることになったのか?
結局は
差別化なんですけど
FFだけどFRに近いロングホイールベースとショートオーバーハング
よりワイド&ローに見せたかったというのが最大の理由なんですけど
バブル期だから金を掛けられた
だからこその青山一丁目的アッパーミドルサルーンなのでないかということ
そういうわけじゃないけれど…
内装も金がかかっているんですよ

注目はインパネのデコレーションパネルです
最下グレードのAX-iは樹脂剥き出しでしたが
AG-iは西アフリカ産ゼブラの柾目
AX-iは北米産ミルトルの玉杢
いずれも天童木工製の本木目パネルという
走る高級家具だったりもするわけです
またAX-iはエクセーヌシートだったりするわけでして

さらにはATセレクターレバーもガンクリップタイプ

走りもそれなるに意識しているんですよ
尤もこの時代だったからこそMT車も設定されていたりするんですが…(笑)
もう30年前の話です
当社はCB5型アコードインスパイアに試乗していますが
↑のメカニズムやスペックさらにはインテリアに
ホンダの本気
これを感じたのは間違いないとだけしか言えませんでした
狭山産(埼玉製作所狭山完成車工場)の粋を集大成させた珠玉の1台
大袈裟だけど↑いうことです
ライバルモデルに比較してもハイパワー&高トルクで
電気モーターよろしくスムーズに回るG20A型エンジン
4輪ダブルウイッシュボーンサスのパフォーマンス
これがアッパーミドルサルーンなの?という走りは圧巻
そして金のかかったインテリア類
文句の付けようがないというか虜になったというのが正しいところですかね
けれども当社が一番驚いたのが1.7m x 4.7mの5ナンバーサイズに収めた上で
トコトンまでのワイド&ローに拘ったボディ
4シーターサルーンと見た場合若干狭い後席空間でしたが
乗る&所有する満足感は高いクルマだと思いましたね
で…
CB5型には販売チャンネル違いで設定された姉妹車のビガーがありました

でも不思議なことにこちらにはアコードインスパイア程の良さを感じないんです
微妙なデザイン違いなんだけどね
さらにCB5型は1992年に80㎜ワイド&140㎜ロングの3ナンバー化した上で
車名からアコードを排除した
インスパイアに変更
まあ3ナンバー車が税制改正で低減化されたこともあり
G25A型2.5Lエンジン車も追加してCC2型/CC3型と併売となりましたけど
5ナンバーサイズのままでワイド&ローに挑んだアコードインスパイアの方に
意地とか心意気を感じて好きなんですよ
いやね…↑だけ褒め殺しに近いまでの絶賛です
試乗までしたのだから
買う気マンマンだったんでしょ?
ハイ図星です(笑)
今だから言える話ですけど
BG8Zファミリア→
PR10プレセアに乗り替えた際に
最後まで候補に残っていたのですよ
まあ友人が日産店のセールスになった祝いついでということもありましたが
当時の元嫁に阻まれました
追金200万円弱だったのですが
今のウチにそんな金の余裕ないでしょ?
プレセアにしておきなさい
総額で80万円近く違えば財務省に逆らえませんよ(笑)
そしてもう1回中古で購入のチャンスがありました
BNR34スカイラインGT-Rに乗っていた頃の話ですが
やはり普段乗りでもう1台必要となった際に10年落ちのAG-iの話がありました
しかしこれも嫁が所有してたHR34スカイライン2.0GTとモロ被りで
似たようなクルマは嫌だなあ
↑のひとことであえなく却下(笑)
そう当社には縁がなかったということなのです
どちらも嫁のYESが出なかったわけで冒頭楽曲の歌詞ではありませんが
妻という字にゃ勝てやせぬ
これに砕け散って幻の後姿を残して消えたと言っておきます(笑)

でも乗ってみたいネオヒストリックなんですよ
めっきり見かけなくなったけどナンダカンダで20万台売ったクルマですから
タマにひょっこり出てきたりもしますからね