今度はガッツ石松かよっ!
でもタイトルで何のクルマをやるかは丸わかりですなあ(笑)
尤もネガティブな印象が強かったのでどう構成したらいいか?
悩んでいた1台でもあるんです
そしていつも以上に長くなる予感(笑)
まっイイか!でやっちゃいますけど
所有歴では
前回のプリメーラUKより10年近く前の話になります
時系列的には
プレセアを手離した後に
元嫁の実家から借りてきたトゥデイ1台でなんとかしのいでいたのですが
クルマを使うタイミングがかち合うことも度々ありまして
やはり2台体制じゃないと厳しいという問題に直面しました
ただ…
個人企業になった当社は運転資金だけで精一杯
クルマにかけられる経費もそんなに出せないと思っていたところに
札幌市内の中古車販売店が一致団結してフェアを開催
その中で
込々20万円均一大放出車という
有難~い限定車コーナーがありまして残2台から当社は↓の1台で話をしてました
☆BA1型 プレリュード2.0Si☆
※画像は拾い物の海外向け左ハンドル仕様
4WSを搭載する前のモデルでデートカーとして爆発的ヒットした1台
2.0Siは1985年に追加されたB20A型2L直4DOHCエンジンを搭載し
最高出力は160ps(グロス)というスペックをマークする
いやいや一時はプレミアが付いてたクルマですよ
14万㎞走っていたAT車で修復歴アリなのでプライスを落とせたのですが
減価償却終了後とはいえ20万でいいですよといわれたら手が出ますよ(笑)
腐ってもプレリュードだと契約書サイン直前の最終チェックを行っていたところ
トランクルームを開けたらすべてを覆す事態が…
なんで水溜まってるの?
モールは特に問題なかったですから
多分後方からオカマ事故を貰っての修復が甘かったのかな?
これはチョットどうかなとなったわけでしてプレリュードは幻に…
お詫びとして10%OFFの18万円にしますから
残り1台の↓でどうでしょうというので手をうちました
☆AA5 スバルレオーネ 4WD ST☆
スペシャリティカー→4ドアセダンとは落差激し過ぎ(笑)
まだフロントガラスが合わせではなく強化でOKだった1984年式
走行8.6万㎞で1.8L水平対向4気筒SOHC EA82型エンジンはグロス85ps
5速MTを介したって大して走りそうもないファミリーセダンだよ(笑)
考えたら当社が所有した4輪車で唯一のキャブ車かつスバル(富士重工)
それと初めての4ドアセダンだったのですが
兎にも角にも
世間の常識 スバルの非常識
いや…
スバルの常識 世間の非常識
それくらい戸惑いというものを実感させてくれた1台です
たとえば↓

画像はターボ車のモノですがNAでもスペアタイアはエンジンルーム内

ホイールはPCD140という特殊サイズ
このため冬タイヤを探す際には175/70-13という当時としては
比較的採用されていたポピュラーサイズでもホイールで苦労する(笑)

ライト&ワイパー&空調はメーターパネル横のクラスターSWで操作
しかも変形2本スポークステアリングは手を添えにくく操作にも難が…

その割にオーディオ類は当時の標準つーかイマイチ垢ぬけない(笑)
見事なまでの変態です(笑)
スバルのエンジニアってみんなこんな人ばかりなのか?
それくらいに思わせてくれるのですが
そんな体質にしちまった張本人というか明らかに↓の人のせいです
百瀬晋六(ももせ しんろく)
1919年2月に長野県塩尻市の造酒家に生まれ旧制松本高等学校を経て
1939年に東京帝国大学工学部航空学科へ入学し原動機を専攻
1942年1月卒業後に中島飛行機株式会社へ入社したが
20日足らずで招集され海軍技術士官として海軍航空技術廠に配属
1944年に除隊し中島飛行機へ復帰したが戦後は中島コンツェルン解体に伴い
富士自動車工業に転身しバスボディ架装設計を担当
富士重工業に組織変更後は小型乗用車や軽自動車の開発に従事し
スバル360の開発チーフとしてその名を残す
後に群馬製作所技術部長→取締役スバル技術本部長→監査役などを経て
1991年6月にスバル研究所技術顧問を就任
2代目レガシィの歴史的な商業的成功を見届けて1997年1月21日逝去
JAHFA(日本自動車殿堂)リストにも入っている方で
日本のカーエンジニアとしては櫻井眞一郎と共に頂点を極めており
お二方とも20世紀ではトップと言っても過言ではないでしょう
櫻井氏も含めて数々の名車を生み出したという点ではまったく同じなのですが
カーエンジニアになるために生まれてきた天才肌な櫻井氏に対して
振り出しはエンジン屋としてスタートしたのが百瀬氏だったりもします
それが如実にわかるのが駆動方式に対する考え方の違い
◆櫻井氏◆
FFで走る動物が自然界におるかぁ~?
前足で方向を定め後ろ足で蹴って進むんだからFRは自然の冥利
◆百瀬氏◆
P-1でFRをやったがそのときに感じたのはいかにも非合理的なパワートレーン
駆動力をフロントのエンジンからプロペラシャフトでリヤデフに持っていき
さらにドライブシャフトを経てタイヤに伝えるという駆動経路の長さ
しかもプロペラシャフトはやっかいな振動源にほかならない
人を乗せるための乗用車にFRを採用する合理性はない
RRやFFは部品点数が少なく乗員のためのスペースを圧迫することがない
合理的な駆動方式だ
↑は真逆なプロセスなのに結果オーライは似た者同士な面もあります
櫻井氏はよく見ると動物は前脚でもわずかに蹴り込んでいることに気が付き
R32GT-Rを開発する際に助言したという形で
百瀬氏も東北電力の要請から宮城スバル整備課長による試作を経て
スバル本体で開発してしまった結果として2人共に
4輪駆動という着地点に辿り着いちゃうのは面白い話なのですけどね
※試作時のリヤデフなどは510型ブルーバードのそれを流用したそうです
さらに…
櫻井氏はどちらかというと感性を拠り所にする傾向があって
与えられたモノから改良などで名品を作り出すのに対して
百瀬氏は理詰めで物がなければ一から作り出しちゃうタイプ
また櫻井氏は伊藤修令氏や渡邊衡三氏などの弟子じゃないけれど
旧プリンス系エンジニアの長 日産との合併後は亜流という形で
俗に櫻井学校と呼ばれる組織内組織的存在であったことも含め
その志はオーテックジャパンやS & Sエンジニアニングが受け継ぎ
特装車に活かされているのに対して
百瀬氏はスバル全体の技術部門トップだったこともあり
エンジニア全体に
百瀬イズムと呼ばれる
思想的財産が2022年の今でもスバルの社内に継承されているんです
まあ↑の世界初の乗用タイプ4駆となったスバルff-1 1300Gバン 4WDにしても
スバルサンバーなどに搭載された4気筒EN07型エンジンにしても
他社に先駆けた安全システムのアイサイトにしても
百瀬イズムの賜物だというのはゴモットモなのですが
ハード面では素晴らしいアイテムを出し続けたものの
ソフト面ではチョット独自性に暴走しちゃった感じがしなくもないです
なのでハードとしての水平対向エンジンを語ると
重量バランスの点では理想的な左右シンメトリーなレイアウトを可能とするので
運転していてもその恩恵は充分に堪能させていただきましたし
パートタイム4WDのおかげで雪道でスタックもなく安定感は必要充分でしたね
でも…
世のスバリストと呼ばれる方にはここで謝らないといけません
ボクサーエンジン
どうしても馴染めない
いや~…あの
ドコドコドロドロな音
これが生理的に受け付けないんです(笑)
ヴァカだなあそれがスバルの味じゃん
ボクサー否定したらスバルの意味ないだろう?
↑なお叱りは百も承知なんですけどダメなものはダメ
当社にとっては
酢豚のパイナップル
酢豚は嫌いじゃないんけど熱の入ったパイナップルがダメなのと同じで
クルマとしてはいいんだけどエンジン音がダメという理由なのです
※最近のスバル車はこの音が随分改善されたようですけどね
サブ的な使い方をしたクルマだったので
3,000㎞/年ペースでしか乗りませんでした
しかも東京での1週間仕事なんかで何度も千歳空港無料駐車場放置プレイ
その間にドカ雪が来て埋没とかバッテリー死亡でJAF呼んだりとかもありました(笑)
まあトラブルらしいトラブルもなかったのですが衝撃的事実に直面したことも…
手元に来て1年くらい経過した時のことです
クラッチがスベリ気味になってきたのですよ
もう村上ショージみたいにすべてスベリまくったら一大事なので
交換修理をと考えて見積を出してもらったら工賃が…
直列エンジンと比較して3倍近い額
理由はクラッチ交換する際に構造上水平対向エンジンを脱着せざるを得ないから
初期投資コストを考えるとウ~~~ン…
理想を求めて商品化してしまう百瀬イズムは素晴らしいんですけど
構造上の問題までは考えていなかったんだろうあと感じたわけです
まあ同時期に札幌での仕事が皆無になってきたこともあり
完全に軸足を東京に移す方向転換を決断により総距離90,000㎞程でお役御免
そして驚くなかれ
売却先は何とロシア
当時北海道のニュースでも話題になっていましたが
日本ではスクラップ同然や商品価値が著しく低くなった低年式車は
壊れにくくて修理もしやすい上に格安という理由から買付が頻繁に行われてました
それに当社も乗った形になりましたが4WDで走行距離も10万㎞以下のため
免税額枠とは別にもう今となっては時効でしょうけど港までの輸送費を
破格でいただいて大陸に渡っていきました
あれから四半世紀以上の時間が経過しておりますので
サスガにもうシベリアの大地は走っていないと思うけど面白いクルマでしたね
カクカクしたデザインは如何にもクルマというオーラ出してたんですけど…

こういうのはもう2度と出てこない気はします