
稲刈りもほぼ終わり、居場所のなくなったイナゴをちらほら見かけるようになりました。気温も少しずつ低くなっているせいか、あまり元気がない個体が多いです。20数年前はまだイナゴを捕まえ、佃煮にして食べている人も見かけました。うちでも何度か袋一杯に捕まえたイナゴを佃煮にしたことがありましたが、もう久しく焦茶色に煮詰められたイナゴを目にしていません。世界では人口増加に伴い、昆虫食についての研究もおこなわれているそうですが、日本では平成の次の時代にはイナゴを食べる文化は無くなってしまうかもしれませんね。
今日はそのイナゴが違法な猛毒農薬で怪獣マジャバに進化してしまったという話しを紹介します。1995年8月26日放送のウルトラマングレート第8話「姿なき復讐-昆虫の叫び-」です。ジョンソン農場で使われた違法農薬オルガノPCBによってイナゴが怪獣化、オルガノPCBを餌とするように進化し農場を襲い始めます。ただ海外ウルトラマンあるあるの人間による人災であり、自業自得、因果応報という言葉がしっくり来るストーリーでした。ウルトラマングレートやウルトラマンパワードに出てくる悪い人間は「スカッとジャパン」の津田寛治を見ているような感じになりますね。今回は悪の農場長は最後どうなったのか結末が語られず詳細不明でスカッとせず、人間によって怪獣化してしまったマジャバが結局悪として始末されてしまいます。環境問題について考えさせられる物語でした。それではストーリー紹介です。
人間は沢山の食糧を得るため、大地に大量の農薬をまき続けてきた。しかし害虫たちは次第に農薬に対し免疫を持つようになっていた。それに対抗するため、人間はさらに強い農薬をまくという悪循環に陥っていた。その日もオーストラリアのジョンソン農場では飛行機による農薬散布がおこなわれていた。しかし突如1匹の巨大な昆虫が現れ、飛行機に突進、飛行機は白煙を上げながら墜落炎上してしまう。農場長であるジョンソンと作業員のサンドマンはそれを目撃していた。
UMAにもその事故はすぐに伝わった。ロイド副隊長とジーン隊員、ジャック・シンドーが現場に調査に向かった。現場で調査をしていると、ジョンソン農場の作業員サンドマンが現れ、墜落した飛行機に乗っていたパイロットは友達だったとジーン隊員に告げ、何かを描いた紙をジーン隊員に手渡した。
そこにジョンソンが来て、サンドマンに早く仕事をするようにと追い払った。ジーン隊員はジョンソンにサンドマンの話しが聞きたいと頼むが、サンドマンの頭の中は空っぽだから聞いても無駄だと吐き捨てた。ロイド副隊長が事故を目撃してないかと尋ねると、ジョンソンは見ていないと嘘をついた。そしてロイド副隊長に早く引き取るよう告げ、サンドマンを無理矢理連れて去って行った。
ハマーで基地へと戻る途中、ジャック・シンドーにウルトラマングレートが突然語りかける。ウルトラマングレートは「敵は大地に死をもたらそうとしている」とジャック・シンドーに告げ、敵はすぐ近くにいると警告した。
すると目の前から昆虫らしき大群が接近、それを吸い込んだハマーはエンジンが停止し、緊急着陸する事態になってしまう。ジーン隊員がエンジン内部を調べると、中には巨大なイナゴが詰まっていた。3人はエンジンを修理し基地へと戻った。
その後チャールズ隊員がイナゴを調べると、新種のイナゴであることが判明した。チャールズ隊員はイナゴは5~6回脱皮しながら成長する昆虫で、エンジンに詰まったものはまだ幼生だと説明した。それを聞いたジーン隊員はサンドマンから渡されたイラストを映し出した。そこには巨大なイナゴに飛行機が襲われている絵が描かれていた。サンドマンは人と話すことが苦手だったため、農場での出来事を絵にして伝えるためイラストをジーン隊員に手渡していたのだった。
アーサー隊長はジョンソン農場に事件の謎を解く鍵があると考え、再び隊員たちを農場へと向かわせた。ジョンソンはUMAが来たことを察知すると、サンドマンに奥に隠れるよう言いつけ、ライフル銃を手にした。サンドマンはUMAに助けてもらった方がいいとジョンソンを説得しようとするが、ジョンソンはそれを一喝した。ジョンソンは30年以上前に使用が禁止された違法な農薬であるオルガノPCBを密造していて、その発覚を恐れていた。そして調査のため近づいてきたキム隊員とジャック・シンドーの足元に威嚇射撃をはじめた。
オルガノPCBを発見されるのを恐れたジョンソンはサンドマンにライフル銃を渡し、それでUMAを撃つよう命令すると、接近してきた巨大昆虫を始末するためトラックで昆虫のもとへと向かった。
その隙にキム隊員とジャック・シンドーはサンドマンを挟み撃ちにし、ライフル銃を取り上げる。そこにロイド副隊長とジーン隊員も到着、ジーン隊員が近くにあったドラム缶を調べると、そこにはオルガノPCBが入っていた。
その時、そのオルガノPCBを狙って巨大イナゴが現れる。イナゴはオルガノPCBに免疫を持つようになり、次第に進化、オルガノPCBを餌とする巨大な昆虫怪獣マジャバへと姿を変えてしまっていた。
ロイド副隊長はハマーへと乗り込み、他の隊員たちはサンドマンを連れサルトップで退避するが、マジャバはサルトップを狙い始める。キム隊員はロイド副隊長にマジャバをサルトップから引き離すよう援護を要請するが、マッハ6で飛行するマジャバにハマーでは対抗できなかった。その時もう1匹のマジャバが上空に現れる。マジャバはオスとメスの2匹いることが判明、ロイド副隊長は残りの1発のミサイルをオスのマジャバに撃ち込むと、オスのマジャバは地上に落下、炎上して息絶えた。しかしメスのマジャバはどこかへと姿をくらましてしまう。サルトップの車内ではジーン隊員がサンドマンにどこからイナゴの大群が飛んでくるのか教えてほしいと聞くと、最初は知らないふりをしていたサンドマンだったが、ついにオルガノPCBを散布した場所を口にする。そこがイナゴの大群の発生源だった。UMA基地ではチャールズ隊員がオルガノPCBの中和剤を発見しご機嫌だった。アーサー隊長はチャールズ隊員にそれを使えばマジャバは始末できるのかと尋ねると、チャールズ隊員は呑気にパンをかじりながら試してみないとわからないと脳天気な返事をし、アーサー隊長にパンを取り上げられ真面目にやれと一喝されてしまう。そしてアーサー隊長は中和剤を搭載したハマーでチャールズ隊員と現場へと急いだ。
一方ジャック・シンドーたちはサンドマンとともにサルトップでオルガノPCBを散布した場所へと向かった。すると予想通り、そこにはメスのマジャバがいた。そしてそこには大量の卵もあった。キム隊員とジーン隊員は地上から攻撃、ロイド副隊長もハマーで攻撃を開始する。マジャバはそれに気を取られ卵から離れハマーに向かっていく。
すると斧を手にしたサンドマンが卵を割りに行くが、それに気付いたマジャバが卵のもとへと戻ってきた。
ジャック・シンドーは急いでサンドマンを卵から引き離そうとするが、間に合わないと判断したジャック・シンドーはウルトラマングレートへと変身しマジャバの前に立ちはだかる。マジャバは巨大な鎌でウルトラマングレートを追い込み、口から毒ガスを噴射する。ピンチに陥ったウルトラマングレートのカラータイマーが点滅を始めるが、立ち上がったウルトラマングレートはグレートスライサーでマジャバの鎌を切断する。
弱ったマジャバはハマーの中和剤を浴びて卵と一緒に倒された。そしてその亡骸はウルトラマングレートのディスクビームによって消滅させられた。その後、マジャバ殲滅に協力したサンドマンは隊員たちとともに基地へと戻り、隊員たちからケーキをご馳走になった。
サンドマンの吹き替えを担当した声優の神山卓三がサンドマンのキャラクターにピッタリの声で、サンドマンを良いキャラクターに仕立て上げていました。
ウルトラマングレートの吹き替えは初代ウルトラマンの科学特捜隊隊長を演じた小林昭二や京本政樹、山寺宏一、平野文、さらには柳沢慎吾などそうそうたるメンバーが吹き替えを担当していましたが、やはりチャールズ隊員の吹き替えを担当した柳沢慎吾が断トツで良い仕事をしています。UMAの中に1人だけ芸人が紛れ込んでいるようで、ウルトラマングレートの物語には必要不可欠のキャラクターになっていました。ちなみに今回のチャールズ隊員の名セリフは「隊長、お待たせしました、ディナーですよ。イナゴのローストモーガニア風。」
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昆虫 | 日記
Posted at
2018/10/02 20:00:45