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今年はこれが最後のぶどうレビューになります。今年最後にいただいたのは黄華という品種です。ここ最近の品種と比べると見た目は地味です。大粒でもなければ艶々した見た目でもありません。昭和から平成の初期によく見られたネオマスカットを少し黄色っぽくしたような見た目のブドウです。それもそのはずで、この黄華は新しい品種ではないようです。しかしこの時期になるともう店頭に並ぶのは旬を過ぎたシャインマスカットか、貯蔵の利くスチューベンくらいなので、せっかくなのでこの黄華を買ってみました。



結論から言うと、この時期にまだこんなに美味しい品種があったのかというくらい美味しい品種です。しかも古い品種ながら、種無しで皮ごと食べられて、小粒なのでスナック感覚でどんどん食べられるというメリットもあります。皮も全然気にならないですが、試しに１粒皮を剥いて食べてみるとこれはこれで甘さが更に引き立ち美味しいです。酸味はほぼ無く、上品でさっぱりした味わいですが糖度はかなり高いと感じます。香りもまさに華やかな感じで、古い品種ではありますが、シャインマスカットやクイーンニーナにも引けを取らない食味です。こんな良いぶどうが埋もれてしまうのは何とももったいない話しですが、おそらくその原因は見た目でしょうか。艶々した大粒の品種に見慣れてしまったこの時代に、わざわざ大粒でもない得体の知れない品種を買う人は多くはないと思います。それでも昔と違い、ネットなどでレビューを見られるようになった時代ですので、今こそこの黄華が日の目を見る時が来てもいいのではないかとも思います。車の世界でも、時代が違っていればもう少し評価されたのでは、と思う車がありますが、まさにそれと同じですね。一昨年のクイーンニーナ、去年のクイーンセブンに続き、今年も美味しい品種に出会うことができました。

ちなみに昔の車で復刻してほしいのは個人的にはアルシオーネ(スバル)、コスモスポーツ(マツダ)、フィガロ(日産)ですね。willサイファ(トヨタ)、エレメント(ホンダ)、ネイキッド(ダイハツ)あたりは時代が追いついていなかった感じもしますが、このあたりの車も今同じコンセプトで作ったらもっと評価されそうな気もしますがどうなんでしょうかね。時代のニーズに合わせるというのは簡単なようで意外と難しいことなのかもしれません。

毎年ブドウの新しいブドウのレビューを書いてきましたが、今年はまだ書いてなかったので載せておこうと思います。今年は去年ほどブドウを食べませんでしたが、その理由の一つが今年は例年より価格が高かった気がします。それでもシャインマスカットとクイーンニーナとナガノパープルとクイーンセブンだけは数回ずつ食べました。色々食べ比べしてきましたが、ここ数年はこれがお気に入りのベスト３です。食味だけで選ぶならクイーンセブンかクイーンニーナですが、皮ごと食べられるという食べやすさも考慮するとクイーンセブンが一番です。

そして今年はついにマイハートを偶然発見したので迷わず買ってきました。その名の通り、粒がハートの形をしています。とにかく見た目のインパクトが凄いです。名前と見た目に注目が集まりがちですが、実は血統も素晴らしく、親品種はいまや不動の人気ナンバーワンであるシャインマスカットです。ただ、これまでもシャインマスカットから生まれた品種をいくつも食べてきましたが、なかなか親を超える品種というのはありませんでした。



では、このマイハートはというと、結論から言うと、やはりシャインマスカット超えとはなってないかなというのが個人的な感想です。皮ごと食べられる品種ではありますが、やはり食感はシャインマスカットには及びません。若干皮が口に残る感じがありました。ただ、もちろん皮ごとＯＫな品種ですので、食べられなくはありません。試しに皮を剥いて食べてみると、これはこれで何か物足りない感じもありました。色々試した結果、自分は、皮を半分くらい剥いて食べるのがベストかなと感じました。



糖度はシャインマスカットより若干控えめな感じで、少しあっさりした感じでした。果肉そのものの食感は見た目通り、赤ブドウ特有のややサクサク感のある感じです。香りも赤ブドウなのでマスカット臭は殆ど感じられず、香り自体もそこまで強くはなかったです。

まぁこんな感じで、食味はシャインマスカットに比べて特筆すべき点はあまり感じられませんでしたが、やはりこの品種は名前と外観に尽きるなと思いました。車でも燃費や走りはそこまででもなくとも、見た目だけで欲しくなる車があると思いますが、まさにそれですね。やはりこのハート型の粒は唯一無二の存在感です。綺麗に育てられた房なら贈答用なんかには最適な気がします。

というわけで、シャインマスカット超えを期待してはいけませんが、見かけたら一度くらいは食べてみてもいいブドウだと思います。