連日猛暑続きだった夏休み序盤でしたが、今日はその暑さもだいぶ収まりました。が、今度は台風が反時計回りを描きながら近づいてきています。明日の午後は予定が入っているので雨だけでもどうにか小雨くらいで済んでくれればいいのですが・・・。とりあえず異常な暑さからは解放されましたが、夏に欠かせないのがスイカ、小ぶりではありますが、スイカがいい感じになりました。中身は赤でも黄色でもオレンジでもなく、白です。味は白果肉らしくサッパリ糖度低めでした。
スイカといえば紹介するのはちょうど45年前に放送されたウルトラマンタロウの17話~19話です。昭和シリーズ唯一の3話にまたがるストーリーです。スイカに潜んでいたケムジラとそれをエサにする最強の怪鳥バードンが登場します。それではまとめて3話分を一気に紹介します。1973年7月27日放送の第17話「2大怪獣タロウに迫る!」、1973年8月3日放送18話「ゾフィが死んだ!タロウも死んだ!」、1973年8月10日放送の「ウルトラの母愛の奇跡!」です。
大熊山で異常噴火が発生、その火口には謎の巨大な卵があった。そして噴火とともに周辺に落下した火山岩には不気味な芋虫のような幼虫が混じっていた。その幼虫は地面へ落下するとスイカ畑に実っていたスイカの中へと入り込んでいった。
光太郎はスイカ畑でスイカを購入し、それを持って大熊山地震研究所の見学に訪れていた。大熊山地震研究所では健一の友人であるタケシの父が働いていた。光太郎はお土産のスイカをタケシの父に手渡し、研究所にいた健一とタケシを家まで送っていった。
その道中、タケシはスイカの中から奇妙な音がしていることに気付き、気になったタケシは光太郎にスイカをねだると光太郎は快くスイカを1個プレゼントした。家へと帰ったタケシは自分の部屋でテープレコーダーをセットしながらスイカに包丁を入れる。すると中から巨大な幼虫が飛び出した。タケシは虫取り網でその幼虫を捕獲しようとするが、逆に目に白い糸を噴射され慌てて母親に助けを求めた。部屋に母親が来た時には幼虫の姿はなく、タケシの目は失明していた。
その頃ZATでも光太郎が持ち帰ったスイカを隊員たちが食べていると、1本の電話が入る。それはタケシの家で怪獣が出たという通報だった。ZATはタケシの家へと急行する。タケシの母親は光太郎からもらったスイカの中に怪獣がいたとZATを責め立てる。
タケシは隊員たちに録音した幼虫の音を聞かせた。
一方大熊山では巨大な卵から火山怪鳥バードンが孵化、それにより巨大な噴火が発生し、研究所の職員たちが一斉に観測を開始した。しかし観測中の職員に巨大な幼虫が襲いかかる。光太郎がタケシの父に手渡したお土産のスイカにも巨大な幼虫が潜んでいたのだった。
録音された幼虫の音を聞いていた光太郎はタケシの父に手渡したスイカからも同じ音がしていたことを思い出し研究所に電話を掛けるが、その頃研究所にはバードンが飛来、誰も電話に出られる状況ではなかった。そしてバードンは研究所の職員を襲った幼虫を補食すると、さらに研究所の職員をも捕食してしまった。
事態の重さに気付いたZATは南原隊員と上野隊員をタケシの家に残し、一度基地へと引き上げた。翌朝ZATは研究所を訪れた。ZATが到着すると、ちょうど重傷を負ったタケシの父が救急車で運ばれていくところだった。現場となった研究所を捜索すると、北島隊員がカメラと白い糸を発見する。その白い糸からはスイカの臭いがしていた。
ZATは基地に戻りカメラを現像すると、月のようなものが写されていた。そして白い糸は科学班の分析により、絹とゴムの中間のようなものであることがわかった。さらにその糸は古文書に記載されているケムジラという蚕に似た巨大生物の吐き出すものであることも判明した。ケムジラは甘いものを好み、さらに口から強い酸を吐き出すということも古文書には記されていた。それを聞いた光太郎はタケシの家が心配になり、果物の盛りかごを持って再度タケシの家を見舞う。しかしタケシの母親は光太郎のせいでタケシの父とタケシが大怪我を負ったと非難、さらには光太郎が持っていた果物の盛りかごにもまた幼虫がいるのではと責め立て光太郎は門前払いになってしまった。
光太郎は仕方なく果物の盛りかごをドアの前に置き、待機していた南原隊員と上野隊員らと周囲の警戒に当たることにした。すると果物の盛りかごを狙ってケムジラの幼虫が出現、それに気付いた上野隊員たちがZATガンでケムジラを撃つと、ZATガンのエネルギーでケムジラは巨大化してしまう。
上野隊員は一人ケムジラに向かっていきZATガンで攻撃するが、ケムジラは白い糸を吐き上野隊員を絡め取ってしまう。そして上野隊員はそのままケムジラの体に絡まって宙づり状態になってしまった。上野隊員のピンチに光太郎はウルトラマンタロウへと変身する。ウルトラマンタロウは上野隊員を救出すると、ケムジラに立ち向かうが、ケムジラの吐く白い糸に苦戦、さらに目の見えないタケシが近くに迷い込んでしまう。
それに気付いたウルトラマンタロウはタケシを守ろうとケムジラの攻撃からタケシを庇っていた。
そしてカラータイマーが鳴り始め、ピンチを向かえた所にさらに上空からバードンが舞い降りる。それを見た森山隊員は写真に写っていたのはバードンの目玉であることに気付いた。バードンを見たケムジラはその場から離れようとする。その隙にウルトラマンタロウは体に巻き付いたケムジラの白い糸を引きちぎり、タケシを救出する。そしてケムジラにストリウム光線を撃とうとした瞬間、背後からバードンが襲いかかり嘴で背中を突き刺されてしまう。
絶体絶命のウルトラマンタロウに執拗に嘴を突き刺すバードン。
そして翌週の「ゾフィが死んだ!タロウも死んだ!」へ続く。
バードンの嘴攻撃で為す術無く倒れ込むウルトラマンタロウ。それでもバードンは嘴でさらにウルトラマンタロウを突き刺す。
ZATはスカイホエールで援護しようとするが、バードンの吐く火炎で反撃されてしまい、さらにその炎は周囲に延焼、タケシが炎に囲まれてしまう。荒垣副隊長は上野隊員にタケシの救出を指示する。そしてバードンの猛攻を受けていたウルトラマンタロウは遂にカラータイマーが消え、死んでしまう。
するとバードンは隠れていたケムジラを見つけ出し、今度はケムジラにその嘴を向ける。その間に上野隊員はタケシを救出するが、暴れる二体の怪獣によってビルが崩れ上野隊員はその下敷きになってしまう。
バードンは上空に飛び上がると急降下、ケムジラに嘴を突き刺すとついにケムジラは動けなくなり、バードンはケムジラを捕食、ケムジラを食べ終えるとバードンは飛び立って行った。
南原隊員は鉄骨の下敷きになっていた上野隊員とタケシを救助、そこに荒垣隊長と北島隊員、森山隊員も駆けつける。森山隊員をその場に残し、他の隊員たちは光太郎の捜索へと向かった。一方子どもたちは死んでしまったウルトラマンタロウに大声で呼びかける。するとその祈りが通じ、宇宙からウルトラ兄弟の長男ゾフィが降り立った。ゾフィはウルトラフロストでウルトラマンタロウを冷却し、その遺体をウルトラの星へと運んでいった。
その後入院しているタケシのもとへ健一とともに荒垣副隊長と森山隊員が訪れる。しかしタケシの母親は荒垣副隊長と森山隊員に帰るよう告げる。荒垣隊長はお詫びに来たと食い下がるが、お詫びなら光太郎にしてほしいと吐き捨てるタケシの母親。光太郎は何をやってるのかと怒るタケシの母親に対し、荒垣副隊長は未だに行方不明だと答えた。するとタケシの母親は逃げ出したのではと荒垣副隊長を突き放した。それを聞いた健一は激怒し病室を飛び出していってしまう。
その夜、タケシは父の入院している大熊厚生病院へ転院した。大熊山では今度は旅客機がバードンに襲われる事件が発生していた。ZATは大熊山一帯の調査をするが、乗客の遺体は全く見当たらなかった。
思うように調査が進まず落胆している隊員たちを見て、森山隊員はみんなにガムを渡す。その時、荒垣副隊長はガム風船からトリモチ作戦を思いつく。
上野隊員が基地へと戻りトリモチを用意している間にもバードンは養豚場に出没、養豚場を襲い、近くの池に飛来した。そこにトリモチを積んだスカイホエールが到着、荒垣副隊長と森山隊員が乗り込み上空からバードンにトリモチを落とすが、池の水で濡れていたバードンには効果が半減していた。
バードンはトリモチから逃れようと抵抗、近くにあった大熊厚生病院では患者の避難がはじまったが、動けない父の元を離れようとしないタケシ。しかしバードンはついにトリモチを引きちぎり、その反動で病院に倒れかかろうとした瞬間、ゾフィが駆けつけ間一髪病院を守った。ゾフィはZ光線でバードンを痺れさせるが、バードンも口から火炎を吐き反撃する。
ゾフィが火炎攻撃でピンチに陥ると、バードンはさらに嘴でゾフィの腕を突き刺す。
そして背後から背中を刺されたゾフィはそのまま絶命してしまう。
ゾフィを倒したバードンは勝ち誇ったかのようにどこかへ飛んでいってしまった。ウルトラマンタロウが倒され、ゾフィまでも倒したバードンにZATは呆然とするしかなかった。
そして翌週の「ウルトラの母愛の奇跡!」へ続く。
ゾフィがバードンに倒され3日が過ぎた。ZATはバードンの行方を追うが、手がかりは得られなかった。バードンに手をこまねいているZATには苦情の電話が相次いでいた。そんな中、横浜の食肉倉庫がバードンに襲われていると通報が入る。その後も動物園、養魚場が次々とバードンに襲われた。
大熊厚生病院ではタケシが死んでしまったゾフィを可哀想だと話していた。しかし母親はそれはZATがだらしがないからだと吐き捨てた。父はZATも一生懸命やっているんだと諭すが、母親の怒りは収まる様子はなかった。健一は雨の中必死に光太郎を探していた。
その頃ウルトラの国に運ばれたウルトラマンタロウは、ウルトラの母の治療を受け復活、地球へ早く戻るよう促される。
地球へ向かおうとするウルトラマンタロウにウルトラの母はキングブレスレットを手渡した。
一方ZATは全国各地で家畜や食肉倉庫ご襲われていることを踏まえ、全国の全ての食肉を一時隠すことを決定した。健一はポチに光太郎の匂いを覚えさせ光太郎の居場所を必死に探していた。
そこにまたしてもバードンが飛来する。餌となる食肉を隠されたことでバードンは団地の人間を襲い始めた。
現場に駆けつけたZATは健一をウルフに避難させバードンを攻撃するが、バードンの火炎攻撃でウルフが炎に包まれてしまう。南原隊員がバードンの注意をそらしその隙に北島隊員が健一を助けに行くが、怒り狂ったバードンは南原隊員に迫り、南原隊員が追い込まれてしまうが、そこに復活したウルトラマンタロウが駆けつける。ウルトラマンタロウはバードンの嘴を押さえ込み攻撃、さらにウルトラの母から授かったキングブレスレットでバードンに電流攻撃を浴びせる。
不利になったバードンは空へと逃げようとするが、それをウルトラマンタロウは阻止、捕まえにかかるが、地上から健一の助けを求める声を聞いたウルトラマンタロウは健一の救助を優先し、バードンを逃がしてしまう。ウルトラマンタロウはウルトラ水流で燃えるウルフを消化し、その場を退散した。健一のもとに心配した隊員たちが駆け寄ると、そこに死んだと思われていた光太郎が現れた。光太郎は隊員たちにウルトラの母に助けられたと説明した。
その後光太郎は再びタケシと父のいる病室へ見舞いに行くが、タケシの母親に光太郎が来ると必ず怪獣が現れると言い掛かりをつけられ、二度と来ないでくれと言われてしまう。その時病室で飼っていたカナリアが突然暴れ始めた。タケシによるとバードンの被害が出た日はカナリアが暴れていたということがわかった。それを聞いた光太郎は病院の近くに巣があるかもしれないと急いで病室をあとにした。
光太郎の報告を受けたZATは大熊山の谷へと調査へ向かった。すると大熊山の火口で巨大な鳥の卵を発見、それはバードンの卵だった。ZATは早急に始末しようとZATガンで攻撃するとそこに卵を割られ怒り狂ったバードンが飛来、火口にいた光太郎、南原隊員、上野隊員に襲いかかる。上空にいたスカイホエールの援護射撃で3人は事なきを得る。そして光太郎は病院へと急行、タケシたちを避難させる。しかし怒り狂ったバードンに体当たりを受けたスカイホエールは撃墜されてしまう。隊員たちのピンチに光太郎はウルトラマンタロウに変身、再びバードンに挑む。火炎を吐くバードンに対し、ウルトラマンタロウはキングブレスレットで嘴を塞ぐ。
その隙にバードンを攻撃するウルトラマンタロウ。そしてブレスレットを元に戻したウルトラマンタロウは上空へと飛ぶ。それをバードンが追いかける。ウルトラマンタロウは大熊山の火口までバードンを誘導すると、火口手前でキングブレスレットを使い分身、突然2体になったウルトラマンタロウに混乱したバードンはそのまま火口に突っ込んでしまい、火口奥に落下、その衝撃で大熊山は爆発、それに巻き込まれたバードンは遂に絶命した。
その後ゾフィの遺体の元に降り立つウルトラマンタロウ。すると目の前にウルトラの母も現れる。
そのことを聞いたタケシはウルトラの母を見ようと目の包帯を外すが何も見えなかった。涙を流すタケシに母がそっと目に口づけをする。すると奇跡が起き、タケシの視力が回復した。
タケシやZATに見送られながらゾフィの亡骸はウルトラマンタロウとウルトラの母に抱えられウルトラの星へと帰って行った。
昭和シリーズでは前代未聞の3話にまたがるストーリーでした。