
昨日本州を縦断した台風24号ですが、関東ではちょうど夜に通過したおかげで、風がうるさく全く寝れたものではありませんでした。通勤途中にある自動車学校の大きな看板も壊れていて、近年稀に見る風だったことを象徴していました。台風25号がほぼ同じコースを辿りつつあるようで、今年は台風の当たり年のようです。野菜、果物などの農作物は大丈夫だったんでしょうか。
ウルトラシリーズでも突風や竜巻、地震や津波を発生させる怪獣たちがいましたが、台風を巻き起こす台風怪獣というものも存在しました。それが台風怪獣バリケーンです。1971年10月15日放送の帰ってきたウルトラマン第28話に登場した怪獣です。クラゲのような外見で、存在感もあまりなくそんなに強そうには見えない怪獣でしたが、そんな見かけによらず放電攻撃とガス攻撃と触手攻撃でウルトラマンジャックを苦しめ、スペシウム光線まで吸収、ベムスター並みの強さを見せつけた怪獣でした。ちなみにこの回は実相寺昭雄監督が脚本を担当した回ですが、これを最後に実相寺監督は長い間ウルトラシリーズから離れることになります。実際にはウルトラマンタロウで1度本を書いているのですが、それは不採用となってしまいました。その後平成シリーズのウルトラマンティガ第37話の
「花」まで実相寺作品は見ることのできないものになってしまいました。この帰ってきたウルトラマンの28話はあまり実相寺カラーが出ていないので、知らないと実相寺作品という感じのしない作品となっています。それではバリケーンの登場する28話のストーリー紹介です。
厚いスモッグに覆われた東京で、坂田は郷とともに自ら発案したスタビライザーのテスト走行をおこなっていた。その走行中、車内でサイパン島東北500㎞付近で台風発生したというラジオニュースが流れる。
その後、郷がMAT基地へと戻ると伊吹隊長から突如台風が消えたと知らされる。そして郷は岸田隊員とマットアローでその調査へと飛んだ。
その夜、坂田家へ立ち寄った郷は坂田と次郎に消えた台風の話をしていると、テレビからニュース速報が流れてきた。そのニュースは小笠原南50㎞の海上で大型のタンカーが竜巻に巻き込まれたという情報だった。
タンカーは竜巻によって山の上まで飛ばされていた。MATはその現場に急行する。現場に到着すると、タンカーは民家に直撃していた。現場近くの住民によると、タンカーが空から降ってきたという証言が出てきた。さらに現場検証をしていた刑事によると、タンカーの破片は風による力以外の力が働いて壊されたという話しを聞かされる。
その後、郷は岸田隊員とビハイクルで都内のパトロールに出た。その車内ラジオでは、台風の恩恵で光化学スモッグの発生がなく、澄んだ空気となっていることを伝えていた。
そして郷と岸田隊員は調査のため気象庁を訪れた。しかしそこで海上自衛隊から紀伊半島に新たな台風が突如発生したとの連絡が気象庁に飛び込んできた。
2人は基地へ戻ると他の隊員とともに台風の分析をはじめるが、そこに気象庁からまたしても台風が消滅したという連絡を受ける。そして三浦半島では不知火が目撃されたという情報も寄せられ、MATはマットアローで現場へと急行した。しかしそこでも何も原因は突き止められず、基地へと戻ることになってしまう。翌日、郷は坂田と次郎とともに改良したスタビライザーのテスト走行に同行していた。坂田はそのスタビライザーを応用してマットアローに装着すれば、どんな風の中でも飛行できると豪語していた。しかしそのテスト走行中、3人の前にクラゲのような怪獣が出現する。
郷は基地に無線で連絡を入れ、隊員たちが出動しようとすると、伊吹隊長は隊員たちを制止する。伊吹隊長は怪獣と台風の因果関係がはっきりしない限り、逆に被害を拡大させる可能性があるとして攻撃をしないよう隊員たちに告げた。そして南隊員、上野隊員、丘隊員に偵察飛行し、怪獣を撮影して弱点を見つけるよう指示した。現場へと飛んだ南隊員らの前についに台風怪獣バリケーンが現れる。丘隊員はその怪獣の写真を撮り、対策を立てるため急いで基地へと帰還した。その頃都民は台風に備える準備をしていた。
丘隊員は冷凍弾でバリケーンを凍らせてはどうかと提案するが、伊吹隊長は大気中ではあまり効果がないとして、麻酔弾による攻撃を指示した。そして南隊員、上野隊員、岸田隊員、丘隊員をマットアローで出撃させた。郷は伊吹隊長とともに基地に残り、ミサイル攻撃の準備に取り掛かった。ミサイル攻撃の準備が完了したことを受け、マットアローは麻酔弾を発射、バリケーンに命中するが、それによりバリケーンは街に降下してしまう。
バリケーンは頭部を回転させはじめ、嵐を発生させる。マットアローも風に煽られ危機に陥ってしまう。郷は基地で坂田のスタビライザーが完成していればと悔しがる。そんな中、伊吹隊長は郷にミサイル発射を指示、バリケーンにミサイルを撃ち込むが、全く効果が無く、マットアローはさらに暴風を受け操縦不能になってしまう。
隊員たちのピンチに郷は伊吹隊長の目を盗み基地の外へと向かい、ウルトラマンジャックへと変身した。
ウルトラマンジャックはバリケーンのもとへ急行、バリケーンに挑むが、放電攻撃と口から発射されるガス攻撃に苦戦、さらに触手で首を締め上げられ不利な状況に陥ってしまう。
それを打開しようとスペシウム光線を放つも、それもバリケーンは吸収してしまう。
その後バリケーンは上空へと飛び上がり、空中戦となる。ウルトラマンジャックはウルトラロケット弾でバリケーンを地上へと落下させると、ウルトラプロペラでバリケーンを宇宙まで吹き飛ばし爆破した。
基地に戻った隊員たちが和やかに会話をしていると、伊吹隊長が郷に「渡しが呆然とした時君はどこにいたんだ」と尋ねると、郷は「神様にお祈りしてただけです」と答えはぐらかした。バリケーンがいなくなった東京は再びスモッグに覆われていた。
ちなみに郷が基地の扉から出てきて変身するシーン、この回の変身シーンは書籍の変身シーン紹介にも使われたりしていて。郷の変身シーンの中でも有名なシーンとなっています。また、劇中の台風の気圧を語るシーンではhPa(ヘクトパスカル)ではなくmbar(ミリバール)が使われていて、昭和シリーズを感じさせる台詞となっています。なお、現在のヘクトパスカルに置き換えられたのは1992年になってからのことでした。
Posted at 2018/10/01 21:22:51 | |
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