
今日は上原正三氏追悼企画の第2弾として1967年4月2日に放送されたウルトラマン第38話「宇宙船救助命令」を紹介します。ウルトラマンで上原氏が脚本を手掛けたのは前回紹介した「怪獣無法地帯」とこの「宇宙船救助命令」の2話のみで、「怪獣無法地帯」は金城哲夫氏との共作だったため、上原氏単独で作り上げたウルトラマンの脚本はこの「宇宙船救助命令」のみとなっています。ウルトラマンは全39話ということで、この「宇宙船救助命令」は最終回の1つ前の回となります。そのためか、ウルトラマンと戦うこととなるキーラもかなりの強敵になっています。八つ裂き後輪もスペシウム光線もはね返す強敵で、最終回1つ前にして新たな新技ウルトラサイコキネシスまで使わせたキーラですが、いかんせん翌週の最終回に登場したゼットンがあまりにも衝撃的なインパクトを残してしまったため、怪獣、ストーリーともに印象が薄れてしまった回となりました。とはいえ、よく見れば、CGの無い時代によくぞここまで作り込んだなと思わせてくれる良い作品に仕上がっています。脚本は上原氏がウルトラマンでは初となる単独作品だったためか、クセのない王道ストーリーとなっています。それではここからはそのストーリーを紹介をしていきます。
宇宙局が打ち上げた探査機プロスペクターによってそれまで長年謎につつまれていたQ星の詳細が明らかになろうとしていた。プロスペクターからの電波は宇宙ステーションV2を経て宇宙局に中継されていた。宇宙局ではプロスペクターから送られてくる中継映像をモニター越しに見ていた。すると突然モニターに怪獣の眼のようなものが映り、その眼から強烈な閃光が放たれた。その閃光をモニター越しで目にした宇宙局の職員たちは目が眩んでしまった。
科学特捜隊の隊員たちも同じ映像を見ていて、隊員たちも目が眩んでいた。宇宙局は宇宙ステーションV2と連絡を取ろうとするが、宇宙ステーションV2と通信が取れなくなってしまう。宇宙局は科学特捜隊に宇宙ステーションV2の救助を依頼した。それを受け、ムラマツ隊長は隊員たちを連れ宇宙ロケット白鳥で宇宙ステーションV2へと急行した。
そして出発からおよそ28時間、ついに宇宙空間に浮かぶ宇宙ステーションV2を発見する。ハヤタは宇宙ステーションと交信を図ろうとするが応答はなかった。隊員たちは宇宙ステーションV2へと潜入し、搭乗員の捜索はじめる。
するとステーション内で目を負傷した搭乗員たちを発見、救助した。ムラマツ隊長が搭乗員から状況を聞くと、謎の閃光で宇宙ステーションV2が故障してしまったと説明した。
イデ隊員がステーション内の放電管回路を調べると、そこにあったBMヒューズが切れいることが判明した。またそれにより電子路が発熱し、危険な状態になっていることも発覚した。新しいBMヒューズに交換しなければ宇宙ステーションV2は24時間しか持ちこたえられない状況だった。しかし地球から手配するには時間が足りなかった。
その時、イデ隊員がQ星のプロスペクターに3個のBMヒューズが使われていることを思い出す。搭乗員はプロスペクターのBMヒューズも閃光にやられてしまっているのではと心配するが、プロスペクターにはBMヒューズが3個搭載されていて、閃光にやられていたとしても切れるのは1個だけだとイデ隊員は説明した。宇宙ステーションV2からQ星までは往復20時間、何とか間に合う距離だった。ムラマツ隊長は搭乗員の看護をフジ隊員に任せ、他の隊員たちとともに宇宙ロケット白鳥でQ星へと急いだ。ムラマツ隊長たちがQ星に到着するとそこでは2体の怪獣が争いを繰り広げていた。それは閃光で宇宙ステーションV2のBMヒューズを破壊した光熱怪獣キーラと砂地獄怪獣サイゴだった。キーラはサイゴに対しても閃光を放つとサイゴはQ星の地底へと退却していった。
Q星に着陸したムラマツ隊長たちは宇宙ロケット白鳥からSL‐77に乗り替えると急いでプロスペクターのある場所へと急いだ。しかしその途中、プロスペクターまであと10㎞というところでSL-77が溝にはまり身動きが取れなくなってしまう。さらにそこにサイゴが出現してしまう。ムラマツ隊長はサイゴにミサイルを撃ち込むよう指示、ハヤタがミサイルを撃ち込むとサイゴは粉砕された。
溝から脱したSL-77は前進しついにプロスペクターを発見する。アラシ隊員とイデ隊員はSL-77からプロスペクターまで歩いて行きBMヒューズの回収作業をはじめると、そこにキーラが出現する。アラシ隊員はイデ隊員が作った新兵器ニードルS80でキーラを攻撃しようとするが、ムラマツ隊長はそんな時間はないとキーラを刺激しないようアラシ隊員に忠告する。しかしイデ隊員がBMヒューズを回収すると喜んで大声を上げてしまう。それにキーラが反応、アラシ隊員は咄嗟にニードルS80でキーラを攻撃してしまう。
するとキーラの動きが一瞬止まるが、その直後キーラは眼から閃光を放ち、アラシ隊員は目を痛めてしまう。イデ隊員に連れられアラシ隊員はなんとかSL-77まで帰還し、ムラマツ隊長たちは急いで宇宙ロケット白鳥まで戻ろうとする。しかしキーラに行く手を阻まれてしまう。
宇宙ステーションV2危機のタイムリミットも迫る中、目を負傷したアラシ隊員とハヤタをその場に残し、ムラマツ隊長とイデ隊員はBMヒューズを持って先を急いだ。ハヤタはおとりになるためニードルS80でキーラを攻撃する。一方ムラマツ隊長とイデ隊員は谷に行く手を遮られてしまう。するとムラマツ隊長は酸素ボンベを噴射し飛ぶようイデ隊員に指示する。イデ隊員は躊躇するが、ムラマツ隊長はそんなイデ隊員を一喝し、酸素ボンベを噴射、谷を越え無事宇宙ロケット白鳥まで辿り着いた。
しかし宇宙ロケット白鳥にキーラが接近し踏みつぶそうとする。
ハヤタはウルトラマンに変身しムラマツ隊長とイデ隊員の窮地を救うと、その間に白鳥は離陸し宇宙ステーションV2に向けて飛び立った。
しかしウルトラマンはキーラの閃光を浴び目にダメージを負うと動けなくなってしまう。カラータイマーの点滅が早くなり、残された時間が少なくなったウルトラマンは何とか立ち上がると、キーラに八つ裂き後輪を放つ。しかし、八つ裂き後輪ははね返えされてしまう。するとウルトラマンはスペシウム光線で勝負をつけようとするが、スペシウム光線もキーラには効果がなかった。
キーラは再びウルトラマンに閃光を仕掛けるが、間一髪岩の陰に入り閃光を防いだウルトラマンはウルトラサイコキネシスでキーラを爆破、何とか撃退することができた。
その後、ムラマツ隊長とイデ隊員により宇宙ステーションV2にBMヒューズが届けられ、大爆発まで残り5分というところでヒューズが交換された。ハヤタとアラシ隊員もQ星から救助され事件は解決、隊員たちは再び宇宙ロケット白鳥で地球へと帰っていった。
次回の上原正三氏追悼企画第3弾は、上原氏がウルトラマンの次作となるウルトラセブンで初めて脚本を担当した回、「アンドロイド0指令」を紹介したいと思います。
Posted at 2020/01/19 18:27:30 | |
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