
上原氏追悼企画第8弾は今では定番となっているニセモノウルトラマンが登場する回を紹介します。その回が放送されたのは1968年8月18日、ウルトラセブン第46話の「ダン対セブンの決闘」です。初代ウルトラマンではザラブ星人がニセモノに変身するという展開でしたが、本作では宇宙人が本物そっくりに作り上げたレプリカが登場しました。これ以降、宇宙人(地球人)がニセモノに変身するパターンと、宇宙人(地球人)がニセモノを作り出すパターンがお決まりとなりました。前者はニセアストラやニセウルトラマンダイナ、後者はエースロボットやテラノイドなどです。そしてニセモノ回でお決まりになっているのが、本家とほぼ同じ能力で、同じ光線を使えるというのもこのウルトラセブンが最初です。そのため激闘になることが多く、それもあってかニセモノはシリーズ中盤以降や後半にすることが多くなっています。タイトルからもわかるように、ウルトラセブンとニセウルトラセブンの戦いもアイスラッガーとラインビームの応酬で一進一退の攻防となりました。
そしてこの回はアンヌ隊員の水着回としてもファンの間では人気なのではないでしょうか。確かアンヌ隊員が水着で登場したのは42話の「ノンマルトの使者」とこの回くらいだったと記憶しています。当時のアンヌ隊員は絶大な人気で、今でも根強いファンがいるくらいですからね。ちなみにヒロイン役の水着回というと、昭和シリーズではこのウルトラセブンくらいしかなかったのではないでしょうか。ウルトラマン80では城野隊員が43話「ウルトラの星から飛んで来た女戦士」でタンクトップや最終回「あっ!キリンも象も氷になった!!」でアンドロイドとしてピチピチのボディスーツで登場したことはありますが、水着回は記憶がありません。平成になるとウルトラマンティガで12話や劇場版「THE FINAL ODYSSEY」でレナ隊員がお披露目したり、ウルトラマンコスモスの11話でアヤノ隊員がビキニシーンがありましたが、やはり多くはありません。そういう点でもこの「ダン対セブンの決闘」は見所の多い作品になっています。一応もう一つ付け加えておくと、
「ノンマルトの使者」で披露したオレンジ色の水着は衣装さんが用意したもので、この回の水色の水着はアンヌ隊員ことひし美ゆり子の自前のものだったそうです。みんカラということで車についても触れておきますが、
ダンが乗っていたのが黒のセドリック、女サロメ星人が乗り回していたのはホンダのS800です。海沿いを走る赤い小型オープンカーはやっぱり絵になりますね。ホンダのSといえばS660が最近マイナーチェンジを受けましたが、ロードスターくらいの荷室が確保できるなら考えられるのですが、さすがに2台持ちのできない人にあれは無理ですね・・・。S2000とは言わないので、1000~1500ccクラスで作ってほしいですが、今のホンダには期待はできなさそうです。シビック新色のソニックグレーパールも色は良さそうですが、色々コストをかけすぎたのか、あの内装では購入意欲が削がれてしまいます。走りの質感は優れているので、多少の質感は走りで相殺できるという価値観の人にはかなり良い車だとは思うのですが・・・。ロードスターがポリメタルグレーじゃなくてソニックグレーならなぁ、なんて最近は思うこともあります。とりあえず明後日がついにマツダ創業100周年ということで、それ以降のマツダの動向をチェックすることにします。それでは前置きが長くなりましたが、ストーリー紹介に移ります。
伊良湖岬で怪現象が頻発していた。それを受けウルトラ警備隊は極秘に私服捜査を開始した。
土木作業員に扮したフルハシ隊員は双眼鏡で沖合いを監視していた。すると1隻の怪しい船が湾内に停まり、1人の女が降りてきた。そして女は赤い車に乗り込むとすぐさま走り出す。フルハシ隊員は近くで待機していたダンとアンヌ隊員に連絡、ダンとアンヌ隊員は女の運転する赤い車の尾行を開始した。
その後、女はリゾートホテルのプールを訪れた。
ダンとアンヌ隊員もプルーサイドで泳ぐ女を監視する。女はプールから上がると腕時計で時間を確認し、不敵な笑みを浮かべ立ち去っていく。その直後、伊良湖岬沖を巡回していた防衛軍のハイドランジャーが魚雷で爆破されてしまう。キリヤマ隊長はダンにハイドランジャーが爆破されたことを伝えると、基地に残っていた隊員とともに伊良湖岬へと出動した。ダンとアンヌ隊員はプールサイドで女が座っていたテーブルを確認しに行くと、そこには腕時計が残されていた。その腕時計はハイドランジャーが爆破された時間で針が止まっていた。
ダンはリゾートホテルから再び赤い車で走り去る女を見つけると、アンヌ隊員に本部とフルハシ隊員に連絡するよう告げ、急いで女の乗る赤い車を追いかける。アンヌ隊員からの連絡で先回りしたフルハシ隊員は工事を装い道路を柵で塞ぎ、女に停まるよう声を張り上げる。しかし女はスピードを落とさずに強引に柵をなぎ倒して逃走してしまう。
ダンは女の赤い車を追い続けるが、カーブを曲がったところで女の車が消えてしまい、さらに道路も崩壊していて先に進めなくなってしまう。ダンは車から降りると、近くにあった灯台へと捜査に向かう。
ダンは灯台の中に入ろうと階段を上ろうとすると、突如ダンは光線を浴び、気を失ってしまう。
その後、目を覚ましたダンは体を拘束された状態になっていた。そこに女と初老の男が現れる。2人は自分たちが侵略星人サロメ星人であると告げる。ダンはサロメ星人の罠に掛かり、サロメ星人の海底工場に捕らえられてしまったのだった。
サロメ星人はダンの拘束を解くと自分たちが作り上げたロボット超人にせウルトラセブンを見せつけ、再びダンを拘束した。
にせウルトラセブンを作り上げたサロメ星人はウルトラビームだけが再現できずにいた。そのためサロメ星人はダンを拘束し、その秘密を教えるよう迫る。しかしダンは応じなかった。ダンはウルトラセブンに変身してその場を切り抜けたいと考えるが、肝心のウルラアイを車内に置いてきてしまっていた。その頃、伊良湖岬にキリヤマ隊長とアマギ隊員とソガ隊員が到着、フルハシ隊員、アンヌ隊員と合流した。キリヤマ隊長は隊員たちとともに、灯台へと向かった。そして灯台に中へと突入しようとするが、キリヤマ隊長が持っていた探知機が反応、灯台周辺に見えないバリアが張り巡らされていることに気付き、一旦その場から撤収することとなった。
一方、捕らえられたダンはサロメ星人のトークマシンによりウルトラビームの成分を白状してしまう。ウルトラビームの秘密を知ったサロメ星人たちは即座ににせウルトラセブンにウルトラビームを搭載、地球を侵略しようとにせウルトラセブンを地上へと送り出した。工場から飛び出したにせウルトラセブンは海上を航行中の船を破壊しはじめる。それを目の当たりにした隊員たちは目を疑った。
サロメ星人は三度ダンを拘束すると時限装置をセットし、船型の宇宙船で海底工場から脱出した。ダンは持っていたライターで拘束具を焼き切り、爆破直前に間一髪海底工場から脱出、泳いで海岸へと辿り着く。海岸に辿り着いたダンはカプセル怪獣アギラを繰り出し、その間にウルトラアイを取りに車へと急いだ。上空ではキリヤマ隊長と隊員たちが乗ったウルトラホークとサロメ星人の宇宙船との交戦がはじまった。サロメ星人の宇宙船はウルトラホークの攻撃を受けると海上へと着水し、逃走を図る。キリヤマ隊長らはサロメ星人の宇宙船に集中攻撃を仕掛けるが、海岸の崖にいたせウルトラセブンのエメリウム光線を受け撃墜され海上に墜落してしまう。キリヤマ隊長は隊員たちに救命ボートで脱出するよう指示を出す。車に戻りウルトラアイを手にしたダンはすかさずウルトラセブンに変身し、にせウルトラセブンと対決する。岩場で本家と偽物によるアイスラッガー、ラインビームの応酬が繰り広げられる。
そしてウルトラセブンは空中戦に持ち込むと、ボディ風車でにせウルトラセブンを撃破した。
サロメ星人は自分たちのにせウルトラセブンが勝利したと勘違いし喜び悦に浸るが、本家のウルトラセブンによって宇宙船ごと海上で爆破されてしまった。
それを見て隊員たちも本物のウルトラセブンが勝ったことを確信し喜んだ。
これでウルトラセブンの上原作品の紹介は終わりにしたいと思います。今回紹介しきれなかった上原脚本のウルトラセブンには「地底GO! GO! GO!」、「700キロを突っ走れ!」、
「悪魔の住む花」、「散歩する惑星」、
「恐怖の超猿人」、
「円盤が来た」、「あなたはだぁれ?」があります。これらの中には以前に紹介したものもありますので、それはリンクを貼っておきますので、気になるストーリーはリンク先でご確認ください。次回からは上原氏がメイン脚本家として活躍した帰ってきたウルトラマンから上原作品をいくつか選んで紹介していきたいと思います。次回は「二大怪獣東京を襲撃」と「決戦!怪獣対マット」の2作品を紹介予定です。
Posted at 2020/01/29 19:25:16 | |
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