
上原氏追悼企画第15弾の今回は、1972年6月16日放送のウルトラマンA第11話「超獣は10人の女?」を紹介します。怪獣や超獣には色々な特徴を持ったものが登場してきましたが、この回に登場するユニタングは通常時は10人の女子大生に扮しているというかなり特異なタイプの超獣でした。女子大生の姿から超獣へと変身する時は自転車にのったまま3段のピラミッドを形成し、そこから姿を変えるというこれも他に類を見ないものでした。そして最後にも少し紹介しますが、当時のヒット曲である「ハチのムサシは死んだのさ」を口ずさむ彼女たちも印象的でした。ユニタングは超獣としては特段強くはありませんでしたが、人間体のインパクトがとにかく強烈な超獣でした。それでは「超獣は10人の女?」のストーリーを紹介します。
ある日、TACの第3レーダー基地をくの一超獣ユニタングが襲った。タックスペースで付近をパトロール中だった山中隊員と吉村隊員が現場に急行するが、ユニタングの攻撃を受け撃墜されてしまう。そしてユニタングは姿を消してしまった。
その後、タックスペースから間一髪脱出した山中隊員と吉村隊員は山林で大東女子大のサイクリング部の女子大生10人と遭遇する。山中隊員は危険だから早く戻るようにと女子大生たちに告げると、女子大生たちは山道を下りていった。
第3レーダー基地が麻痺状態となったことを受け、竜隊長は北斗と南にダイオードSPDを第3レーダー基地に届けるよう指示した。
北斗と南はタックパンサーに乗り込み、地下トンネルのシークレットロード№3で先を急いだ。しかしその道中、工事による通行止めの看板が現れる。仕方なく北斗と南は迂回することになるが、迂回したルートに突然大東女子大サイクリング部のアヤがタックパンサーの前に飛び出した。北斗は慌てて急ブレーキをかけ、南とともに車外に出てアヤの元に駆け寄った。すると他のサイクリング部の9人が出てきてスピードを出しすぎた北斗が悪いと文句を言う。
北斗はアヤを病院へ連れていくため、南に先にダイオードSPDを届けるよう告げる。そして南はタックパンサーへと戻るが、車内にあったダイオードSPDが何者かによって壊されてしまっていた。北斗と南は基地に戻り事情を報告した。その後、美川隊員がシークレットロード№3の修理状況を調べると、どこも修理はしていなかったことが判明した。竜隊長は何者かの陰謀であると考え、隊員たちにパトロールの強化を指示した。地上パトロールを命じられた北斗は、その途中、アヤを見舞うため病院を訪れた。すると打撲を負っていたはずのアヤが普通に歩いていて、サイクリング部のキャンプ地へ戻ろうとしていた。
アヤの異常なほどの回復ぶりに疑いをもっと北斗は、彼女たちの内情を探るため、キャンプ地のある東湖畔までタックパンサーで送り届けることにした。キャンプ地にアヤを送り届けた北斗は、さらに彼女たちを探るため、キャンプ地に滞在すると本部に連絡を入れた。しかし山中隊員と今野隊員と吉村隊員は北斗が女子大生と一緒にいて浮かれているのではと目くじらを立てる。南は北斗が残っているのは何か目的があるのではないかと訴えるが、今野隊員は北斗が浮かれているのではないなら逆立ちしてやってもいいと南をからかった。しかし竜隊長は南の言うことを信じ、北斗に時間を与えることにした。
その夜、南は本部で北斗からの連絡を寝ずに待ち続けたが、連絡は無かった。その頃、北斗はテントから外の様子を確認すると、目の前に9つに分裂したユニタングの姿を目の当たりにし、サイクリング部の女子大生がユニタングであることを確信する。北斗は本部に連絡を入れようとするが、妨害電波により連絡ができなかった。北斗はタックパンサーで基地に戻ろうとするが、タックパンサーの前にアヤが現れる。アヤは夜明けとともに東湖畔にあるTACの第2レーダー基地を襲うと北斗に宣告する。
北斗はタックパンサーに乗り込み、基地に戻ろうとするが、ユニタングにタックパンサーごと襲われてしまう。本部では徹夜で連絡を待つ南のことを竜隊長が気にかけていた。そして竜隊長は南に第2レーダー基地が気になると告げ、パトロールに向かおうとすると突如基地のサイレンが鳴り、第2レーダー基地が超獣に襲われているとの通報が入る。竜隊長は美川隊員を本部に残し、隊員たちとともに第2レーダー基地へと急行した。すると、竜隊長たちの前に大東女子大のサイクリング部の女子大生と北斗が自転車に乗って現れた。北斗は隊員たちにTACの仕事はもううんざりだと悪態をつく。北斗はアヤたちに操られてしまっていた。そして激怒する隊員たちをよそ目に女子大生たちとともに立ち去っていってしまう。
北斗の様子に怪しさを感じた南は北斗を追わせてほしいと竜隊長に訴え、バイクで北斗のあとを追った。しかし南に気付いたアヤたちは、南を襲撃する。
そしてアヤを残し残りの9人が合体、ユニタングへと変身しTACの本部を襲いはじめた。
北斗はアヤによって上空へと吹き飛ばされてしまうが、その時、北斗を操っていた耳のピンが外れ、我に返った北斗は間一髪南とともにウルトラマンAに変身した。ウルトラマンAはマルチギロチンでユニタングをバラバラにするが、アヤの遠隔操作によってユニタングは再び合体して復活してしまう。
復活したユニタングは再びウルトラマンAに圧倒され防戦一方になるが、アヤがユニタングの最後のパーツである角に変身し、ウルトラマンAに襲いかかると一転してウルトラマンAはピンチに陥ってしまう。
しかしTACの援護でピンチを脱したウルトラマンAはフラッシュストップでユニタングの動きを止めると、最後はウルトラシャワーでユニタングを跡形も無く溶かし撃退した。
その後基地に戻った隊員たちだったが、戻るやいなや、今野隊員は美川隊員に逆立ちする約束の話を持ち出され、みんなの前で逆立ちさせられるハメになってしまった。
この回で何度もユニタング扮する大東女子大の女子大生が口ずさんでいた「ハチのムサシは死んだのさ」は平田陸夫とセルスターズの2枚目のシングルで、当時のヒット曲もありました。何とも独特な歌詞とメロディーが印象的な曲で、意外にもその後大物歌手によって何度もカバーされています。本木雅弘や柳葉敏郎、石井竜也、そして私立恵比寿中学の真山りかなど、こうして並べるとそうそうたるメンバーです。なお、セルスターズはこの曲で紅白歌合戦にも出場を果たしました。次回は「復讐鬼ヤプール」を紹介します。
Posted at 2020/02/13 21:05:11 | |
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