
新型コロナウイルスによる影響を受け、円谷プロダクションも今週から在宅支援プログラムとしてYouTubeで10週に渡り怪獣ブースカ1話とウルトラシリーズ9話分をを無料公開すると発表しました。その第1弾として現在1973年3月30日放送のウルトラマンA第52話「明日のエースは君だ!」が公開されています。せっかくの機会ですので、ここでもその無料公開に合わせてそのストーリーを紹介していきたいと思います。
第1弾に選ばれた「明日のエースは君だ!」はウルトラマンAの最終回です。前作の帰ってきたウルトラマンの最終回と並び、この最終回も名台詞が生まれました。おそらくその名台詞が今回この回がチョイスされた理由の一つだと思います。
「優しさを失わないでくれ。弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようとも。それが私の最後の願いだ。」
この台詞は主人公である北斗の性格をストレートに表現した言葉だと思います。新型コロナウイルスによる自粛などで人々から精神的な余裕が失われている今だからこそ、優しさを忘れず、困っている人を助けようという円谷プロからのメッセージだと解釈できるのではないでしょうか。そしてこのような未曾有の事態で自分の善意が伝わらないとしても、その心を捨てずに持ち続けてほしい、そう捉えることができます。個人的には直接的な融資はできませんが、このコロナ騒動で窮地に陥っている所の商品を購入するなど、ほんの気持ち程度ではありますができる範囲でやれることをやっています。県内では軽度の感染者を受け入れたホテルに火をつけたと思われる不審火がありましたが、そんなことをして何の解決になるというのでしょうか。こういう時こそ、火をつける元気があるのならもっと違うことにそのエネルギーを使ってほしいものですね。それでは「明日のエースは君だ!」のストーリーを紹介していきます。
正体不明の円盤同士が空中戦の末、そのうちの1機が地上へと墜落した。
TACが現場を調査していると、北斗のセンサーが反応を示した。隊員たちが反応のある方へと行くと、そこでウルトラ兄弟のお面を着けて子どもの宇宙人をいじめる子どもたちがいた。子どもたちは宇宙人を悪者扱いするが、北斗は悪さをしない宇宙人をウルトラ兄弟はいじめたりはしないと叱った。そしてその宇宙人はタックパンサーで隊員たちに保護された。
車内で北斗は保護した宇宙人が遊牧宇宙人サイモン星人の子どもであると推測した。竜隊長はサイモン星人が母星をヤプールによって滅ぼされ追放された遊牧星人だということを知っていた。しかしその道中、サイモン星人の角が光り出すと、その直後、上空にかつてウルトラマンAに倒された超獣たちの怨霊が現れ合体、最強超獣ジャンボキングとなって出現した。
北斗はサイモン星人を避難させ、他の隊員たちはジャンボキングに集中攻撃を仕掛ける。しかしジャンボキングの攻撃により、北斗は負傷、隊員たちも反撃に遭い基地へと撤退することとなってしまう。
一方、北斗はサイモン星人を連れ、子どもたちの隠れ家に避難した。隠れ家で北斗は子どもたちに応急処置をしてもらい、子どもたちもサイモン星人に謝罪し仲直りした。
しかしその直後、サイモン星人を引き渡せというヤプールの声が響いた。ヤプールはサイモン星人を渡さなければ街を破壊すると宣戦布告するが、子どもたちは北斗の教えを思い出し、サイモン星人を守ることを決心した。それを聞いた北斗はサイモン星人を子どもたちに任せ、基地へと戻ろうとするが、サイモン星人の光線を受け北斗は動けなくなってしまう。子どもたちは北斗を心配したサイモン星人が基地に戻らせないようにしたんだと北斗に告げる。基地へと戻った隊員たちはファルコンとアローで再び出動するとジャンボキングを攻撃する。しかしジャンボキングに効果は無く、竜隊長は市街地からジャンボキングを移動させるため投げ網作戦を開始する。ファルコンとアローはジャンボキングに網を放つが、暴れるジャンボキングによって撃墜されてしまう。
その直後、明日の朝8時までにサイモン星人を渡せというヤプールの声とともにジャンボキングは姿を消した。北斗もサイモン星人を子どもに預け基地へと帰還した。基地ではジャンボキングについて隊員たちが話し合っていた。山中隊員は要求通りサイモン星人を引き渡して様子を見たらどうかと提案する。しかし北斗は家や街は戻っても子どもたちの心は一度踏みにじったら戻らないと反論した。すると竜隊長は試作段階である細胞分解ミサイルを試してみようと提案、街も子どもたちの心も破壊させてはいけないと隊員たちの意を汲んだ。
その夜、北斗は基地の外で夜空を見上げながら明日はどんなことがあってもウルトラマンAになろうと決心する。
すると夜空に夕子の姿が現れ、「もしあなたがエースだと知れたら、二度と人間の姿にもどれないのよ」と忠告し消えていった。
そして夜が明け、約束の8時が近づいてくる。TACは細胞分解ミサイルの発射準備に取り掛かる。竜隊長は北斗にサイモン星人と子どもたちの所へ行くよう告げた。北斗が子どもたちの隠れ家に行くと、そこにはサイモン星人を守ると決めた大勢の子どもたちが集まっていた。
そしてついに時計の針が8時を告げる。すると突然サイモン星人の角が光り出す。それに呼応するかのように街にジャンボキングが出現した。竜隊長の合図で吉村隊員は細胞分解ミサイルを発射するが、ジャンボキングには全く効果がなかった。隊員たちはジャンボキングの反撃に遭い窮地に陥る。ジャンボキングはサイモン星人のいる隠れ家に向かって進撃をはじめる。北斗はサイモン星人に疑念を抱きながらも子どもたちとサイモン星人を避難させる。すると避難の道中、サイモン星人が突然テレパシーで「渡しの声に聞き覚えがないか」と北斗に語りかける。その声はヤプールの声だった。サイモン星人はヤプールが化けた偽物で、その偽物のサイモン星人がジャンボキングを操っていたのだった。北斗はサイモン星人にタックガンを構えるが、子どもたちがそれを止めようとする。子どもたちはサイモン星人が善良な宇宙人だと信じ込んでしまっていた。サイモン星人は「みんなの前で私を撃つがいい。誰も私をヤプールだと信じてないぞ。私を撃てばお前は子どもたちの信頼を裏切ることになるのだ。人間の子どもから優しさを奪い、ウルトラマンAを地上から抹殺するのが私の目的だったのだ。」と北斗を挑発する。それでも北斗はサイモン星人を射殺した。
子どもたちはサイモン星人を殺した北斗を責め立てる。北斗はサイモン星人がテレパシーでヤプールだと告げてきたことを説明するが、子どもたちは人間がテレパシーを使えるわけがないと言って北斗のことを信用しなかった。北斗は昨夜の夕子の言葉を思い出しながら、自分がウルトラマンAであることを子どもたちに明かした。子どもたちはそれは嘘だとまだ北斗の言うことを信用しない。すると北斗は「見ていてくれ、これがウルトラマンA最後の戦いだ。」と言い残し、子どもたちの前でウルトラマンAに変身した。
ウルトラマンAは最強超獣ジャンボキングに苦戦を強いられるが、子どもたちの声援を受け、起死回生のメタリウム光線を放つと、最後はギロチンショットでジャンボキングを撃退した。
そしてウルトラマンAは子どもたちにメッセージを残し地球を去って行った。
「優しさを失わないでくれ。弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようとも。それが私の最後の願いだ。」
今後円谷プロの在宅支援プログラムによる動画公開は2ヶ月半続きますが、余裕があればそれぞれのストーリーを紹介していきたいと思います。
Posted at 2020/05/08 22:21:05 | |
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