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Agent ジンのブログ一覧

2020年01月25日 イイね!

♯明日を捜せ【上原正三追悼特集vol.5】

♯明日を捜せ【上原正三追悼特集vol.5】 前回上原正三氏追悼企画第4弾として幻の23話「300年間の復讐」を紹介しましたが、第5弾の今回は実際に制作され放送された方を紹介します。「300年間の復讐」が没企画となり、上原氏が新たに書き上げたのが「明日を捜せ」です。「300年間の復讐」とは切り離された全く別物として書き上げあれた脚本のため、「300年間の復讐」と比べてしまうとストーリーのインパクトには欠けますが、夜間に占い師の安井を誘拐するシャドー星人のシーンはなかなかのインパクトで、ホラーもののワンシーンのようです。おそらくウルトラセブンでトラウマ回に挙げられるのはこの「明日を捜せ」と19話「プロジェクト・ブルー」と33話「侵略する死者たち」あたりではないでしょうか。しかしこの回に登場したシャドー星人はそれほど知名度は高くなく、むしろ殆ど目立たない宇宙人でした。それが突如平成の終盤に作られたウルトラマンジードで味方の宇宙人としてレギュラー出演を果たし、最近はそちらのイメージが強くなってしまいました。もっとも往年のファンなら間違いなくシャドー星人といったら昔のウルトラセブンのシャドー星人を挙げるのは間違いないでしょうけどね。それでは1967年3月10日放送のウルトラセブン第23話「明日を捜せ」のストーリーを紹介します。



ある日、安井という男がダンプカーに追い回されていた。



ダンプカーから逃げるために道路に飛び出す安井はパトロール中のキリヤマ隊長とフルハシ隊員に発見される。安井は2人にマルサン倉庫が爆発すると告げるが、そこに再びダンプカーが現れ、安井を轢き殺そうとする。キリヤマ隊長とフルハシ隊員は咄嗟に安井をかばうが、ダンプカーの運転手は安井にナイフを投げつけ走り去っていった。投げつけられたナイフは安井の太ももに刺さってしまう。



キリヤマ隊長とフルハシ隊員は安井をポインターに乗せ、ダンプカーを追跡する。その後、乗り捨てたれたダンプカーを発見したキリヤマ隊長とフルハシ隊員は車内を確認するが、中には誰も乗っていなかった。負傷した安井はメディカルセンターへと運び込まれることとなった。手当をしてもらった安井は水晶玉を取り出し、未来を占い始めた。するとマルサン倉庫が爆発しキリヤマ隊長が負傷する未来が水晶玉に映し出された。安井はキリヤマ隊長に忠告するが、横にいたフルハシ隊員はデタラメを言うなと安井を怒鳴る。安井は占い師だった。



そこにマルサン倉庫一帯に異常はないとの報告が入る。報告を聞いたフルハシ隊員とアマギ隊員とソガ隊員は安井を馬鹿にするが、キリヤマ隊長は安井の警告を信じることにした。マルサン倉庫の地下では地球防衛軍のミサイルなどが密かに開発されている重要拠点だった。マルサン倉庫が狙われるのは地球防衛軍にとって痛手となるためキリヤマ隊長は隊員たちに徹底的に調査するよう指示をした。しかしいくら調査をしても爆発物は発見されなかった。



基地へと帰ってきたアマギ隊員とソガ隊員は何も異常もなければ隊長も元気だと安井に文句を言う。しかしその直後、今度は安井は水晶玉の中で円盤を目撃する。安井は富士見が原に円盤が着陸したと警告するが、それを信用しないアマギ隊員は安井に激怒する。それでもキリヤマ隊長はまだ安井の占いが気になっていた。そして再び安井の占いを信じたキリヤマ隊長は隊員たちとともに富士見が原一帯をくまなく調査するが、円盤は発見されなかった。基地へと戻ったキリヤマ隊長は科学的裏付けがなく君らしくないとマナベ参謀に一喝されてしまう。



キリヤマ隊長はメディカルセンターにいる安井のところへと行くと、安井に感謝を伝え、ひとまず今日は帰ってほしいと告げた。安井は自分は宇宙人に狙われているのに帰れというのかと肩を落としながらも、「今日がダメなら明日・・・、そうだ、明日を捜せばいいんですよ。」と自分の占いの正当性を訴えた。それでもキリヤマ隊長は責任を持って守るから帰ってくれと安井をなだめ、フルハシ隊員とソガ隊員に安井をアパートまで送らせた。しかしその様子を不審な黒ずくめの男が監視していた。



一方のキリヤマ隊長はマナベ参謀に1日だけ休暇がほしいと休暇届けを提出した。マナベ参謀が理由を問うと、キリヤマ隊長は安井が言っていた明日を捜してみたいと答えた。頑固なキリヤマ隊長にマナベ参謀は苦笑いを浮かべながらも、引き出しから拳銃を取り出すとキリヤマ隊長に持って行くよう手渡した。



その後、ダンが1週間の宇宙パトロールを終え、基地へと帰還した。キリヤマ隊長がいないことを不思議に思ったダンは隊員たちにキリヤマ隊長のことを聞くと、それまでの経緯を聞かされる。それを聞いたダンはキリヤマ隊長を捜しに行ってくると言い残して作戦室を出て行った。その頃、キリヤマ隊長は安井の言う明日を捜し回っていた。しかしその明日も見つからなければ安井の姿も見つからず日が暮れていった。安井は夜の町を徘徊していた。すると安井の前にうずくまって泣いている女がいた。安井はその女に声をかけるが、ふりむいた女は宇宙ゲリラシャドー星人だった。



恐怖でパニックに陥った安井は近くの店に飛び込み助けを求めるが、そこにいた店員もシャドー星人だった。再び逃げ出した安井は通りかかったタクシーを止めると急いで飛び乗り人の多いところに連れて行ってくれと頼み込む。運転手は慌てる安井の様子に気付きどうしたのかと聞くと安井は宇宙人に追われていると話した。しかし安井がバックミラーに目をやると、そこに映っていたのはシャドー星人だった。安井は恐怖のあまり気絶してしまう。するとタクシーはダンプカーへと姿を変え、安井を拉致して姿を消した。その頃キリヤマ隊長は安井を捜し夜のマルサン倉庫を歩き回っていた。すると背後に人の気配を感じたキリヤマ隊長は振り向きざまに拳銃を構える。しかしそこにいたのはダンだった。ダンは隊長と一緒に明日を捜したくなったと告げると、キリヤマ隊長は嬉しそうな顔を見せる。しかしその直後、安井の予言通りのことが起きてしまう。夜空から火の玉が降り注ぎ、マルサン倉庫が爆発する。安井の予言は現実となり、キリヤマ隊長は明日を発見するが、その代償で負傷してしまう。全てが安井の予言通りとなった。



キリヤマ隊長は基地のメディカルセンターへと戻り手当を受けることとなった。そこにキリヤマ隊長を信用しなかったフルハシ隊員とソガ隊員が謝罪にやってきた。しかしキリヤマ隊長は安井を帰らせてしまった自分の判断ミスだと悔やんだ。そこにアマギ隊員が自分が開発した放射線照射装置を持って駆けつけた。その放射線照射装置は見えない敵を可視化できる新兵器だった。



キリヤマ隊長はフルハシ隊員を基地に残し、他の隊員たちを連れ新兵器を持って安井を探しに出動した。しかしその時既に安井はシャドー星人の基地で拘束されていた。シャドー星人は安井の予知能力のせいで自分たちの計画が邪魔されたと安井を拷問する。安井が必死に助けを求めると、シャドー星人はそれならばデタラメな予言をしろと安井に条件をつけた。シャドー星人は安井にデタラメな予言をさせ、そこに注意を引きつけた隙に地球防衛軍を爆破しようと考えた。



一方ウルトラ警備隊は富士見が原で放射線照射装置を使い捜査を開始していた。すると肉眼では見えていなかったシャドー星人をついに発見する。ダンは見えないシャドー星人を格闘の末投げ飛ばすと、アマギ隊員とともにシャドー星人の秘密基地内に潜入した。ダンとアマギ隊員は基地内に潜伏するシャドー星人を倒しながら奥へと進んでいくが、それに気付いたシャドー星人は基地内に隠していた円盤を発進させる。するとその影響で秘密基地が土砂に飲まれ、ダンとアマギ隊員は崩れた壁の下敷きになってしまう。



外で調査をしていたキリヤマ隊長とソガ隊員とアンヌ隊員の前にシャドー星人の円盤が現れる。気を失ったアマギ隊員の横でダンはウルトラセブンに変身、シャドー星人の円盤を叩き落とす。シャドー星人はウルトラセブンに降伏を宣言するが、その直後、円盤が爆発しそれと同時に猛毒怪獣ガブラが出現する。ガブラはウルトラセブンと互角の戦いをみせるが、ウルトラセブンのアイスラッガーで首を落とされてしまう。



用心棒であるガブラを失ったシャドー星人は今度こそ本当に降伏すると言って安井を解放する。解放された安井はウルトラセブンにシャドー星人はまだ降伏はしていないと警告をする。するとその予言通り切り落とされたガブラの頭部が動き出し、ウルトラセブンの左肩に噛みついた。ガブラの毒でピンチに追い込まれるウルトラセブンだったが、安井の助言でシャドー星人の円盤をハンドビームで爆破するとガブラは完全に倒された。



その後、秘密基地内でガブラの毒で左肩を負傷したダンとアマギ隊員はキリヤマ隊長らに助け出された。救出された安井も基地に運ばれ、またしても水晶玉を覗く。今度こそ信じるからとフルハシ隊員は安井に運勢を占ってもらおうとするが、水晶玉には何も映らなかった。安井の超能力はいつの間にか無くなってしまっていた。



安井はもう逃げなくて済むと大喜びした。「予感、テレパシー、人間だれしも多少の予知能力はあるものです。もし、あなたに、超能力があっても、宇宙人来襲の予言だけはしないでください。命を狙われては、元も子もありませんからね。」

シャドー星人が操るガブラは頭部だけになってもウルトラセブンに襲いかかるという凄まじい怪獣でした。もぎ取られた腕を操りウルトラマンレオを気絶まで追い込んだアクマニア星人というのもいましたが、本体が機能しない状態で頭部のみでウルトラマンを襲ったのはこの回のガブラとウルトラマンティガの宿那鬼くらいではなかったでしょうか。そしてその宿那鬼以降は規制の影響もあり、怪獣や宇宙人があからさまに切断されるシーンは描かれなくなったため、頭部だけでも動くという怪獣や宇宙人はもう今後登場することは無いでしょうね。次回は上原氏の作品から以前にも紹介したウルトラセブンの第33話「侵略する死者たち」を再度取り上げたいと思います。
Posted at 2020/01/25 19:47:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能 | 日記
2020年01月23日 イイね!

♯300年間の復讐【上原正三追悼特集vol.4】

♯300年間の復讐【上原正三追悼特集vol.4】 上原氏追悼ブログ第4弾は1968年にウルトラセブンの23話として制作されるはずだった幻の脚本「300年間の復讐」を紹介します。幻ということからもわかるように、この話は永久欠番の12話とは違い、放送どころか制作すらされずに終わってしまいました。しかし上原氏が書き上げた「300年間の復讐」の脚本は存在しています。結局上原氏は「明日を捜せ」という別の脚本を書き直し、実際はそちらが制作されることにはなりましたが、この幻の脚本こそ上原氏が本来世に送り出したかった作品なのです。自分も見てみたかった内容ですし、ファンの間でもその脚本は非常に高く評価され知る人ぞ知る脚本として語られています。この「300年間の復讐」は薩摩藩による琉球の侵略がモチーフになっていて、上原氏が戦時中に虐げられた沖縄の人間としての怒りが込められています。しかし「300年間の復讐」は撮影直前のところで予算の関係や野長瀬監督との意見の食い違いによって制作が中止、世に出ることなく幻のものとなってしまいました。もし実際に作られていたらウルトラセブンの作品の中でも最大のインパクトを残したのは間違いありません。残念ながら幻の作品となってしまった「300年間の復讐」ですが、メッセージ性が強く非常に良いストーリーですので上原氏追悼のこの機会にその内容を紹介したいと思います。なお不採用脚本ということで、完全映像化はされていませんが、1993年2月13日放送のNHK土曜ドラマ「私が愛したウルトラセブン」で脚本の一部が映像化されているのでそちらの映像のスクリーンショットを使用してストーリーを紹介していきます。

「300年間の復讐」/悪鬼・トーク星人・シシー・甲冑人間 登場



ある冬の日、野戦訓練中にアンヌ隊員は濃霧で遭難してしまう。



さらに追い打ちをかけるかのようにアンヌ隊員は山の中で幽鬼兵甲冑人間に遭遇し追いかけられてしまう。



アンヌ隊員は山の中で見つけた不思議な洋館に辿り着く。



そこには赤い髪の人間に扮した幽鬼宇宙人トーク星人がいた。



トーク星人は疲労熱で倒れてしまったアンヌ隊員を徹夜で看病した。アンヌ隊員は死んだトーク星人の妹シシーにそっくりだった。眠りについたアンヌ隊員は夜中に地下室から聞こえてきた機械音で目が覚めた。アンヌ隊員はいつの間にかパジャマに着替えさせられていた。音が気になったアンヌ隊員は音のする方へと様子を見に行くと、地下室でトーク星人が不思議なものを組み立てていた。しかしそのトーク星人の陰は鬼のような形をしていた。驚いたアンヌ隊員の背後に甲冑人間が現れ、アンヌ隊員の首をしめるが、それに気付いたトーク星人は甲冑人間を制止し、アンヌ隊員を元の部屋へと追い返した。翌朝、トーク星人は猟銃を持って狩りへと出掛けていった。その隙にアンヌ隊員は箪笥の中にあったドレスに着替え、甲冑人間に気付かれぬよう窓から洋館を脱出した。しかしアンヌ隊員が逃げ出したことを察知したトーク星人はアンヌ隊員を追いかけ、洋館に戻るよう命令した。トーク星人はアンヌ隊員を死んだ妹のシシーだと思い込んでいた。猟銃を持ったトーク星人に抵抗できずアンヌ隊員は洋館へと戻るが、その途中、髪留めに仕込まれていた信号機を密かに渓流に投げ落とした。その信号機が手がかりとなり、ダンとフルハシ隊員が洋館へと助けにやってくる。するとアンヌ隊員がトーク星人と不思議な形の笛を奏でているのを発見する。



そしてアンヌ隊員はトーク星人に妹シシーの話しを向ける。するとトーク星人は自分たちが住む村を地球人に焼き払われシシーを亡くしてしまった過去を話す。そして怒りにふるえながらアンヌ隊員に「シシー、2人で復讐しよう。私たちの両親と仲間たちを皆殺しにした地球人んを火の海に葬るのだ。」と告げた。



そこにフルハシ隊員が囮として洋館に走り出す。それに気付いたトーク星人は猟銃を手にフルハシ隊員を追いかけ始める。その隙にダンは洋館に突入しアンヌ隊員を救出する。しかしそこに甲冑人間が現れダンを絞めあげる。ダンはウルトラガンをアンヌに投げ渡すと、受け取ったアンヌ隊員はそれで甲冑人間を撃退した。甲冑人間はその場に崩れ落ちるが、その中身は空っぽだった。その後ダンとアンヌ隊員は地下室にあった謎の文字が書かれたノートを発見、それを持って洋館から脱出した。しかし背後からシシーの名を叫びながらトーク星人が追いかけてくる。ダンはトーク星人にウルトラガンを発射するが、ウルトラガンはトーク星人の体をすり抜けてしまう。そしてトーク星人はダンとアンヌ隊員に向かって猟銃を構えるが、照準器にアンヌ隊員が写ると撃つのを辞めた。その後ダンとアンヌ隊員はノートを持って基地へと戻り、そのノートが解析された。解析によると、ノートにはトーク星人の過去が書かれていた。トーク星人は300年前に地球人と交流を図るため地球に来訪、しかし地球では人間同士が武器で殺し合いをしていた。驚いたトーク星人たちは山にひっそりと自分たちの住処を作りそこに住みついていたのだった。しかしその住処が地球人に見つかり、髪が赤いことを理由にその住処を焼き払われてしまった。武器を持たないトーク星人たちは地球人に一方的にやられシシーも殺されてしまった。一方基地に戻ったアンヌ隊員の前に人影が現れる。それはトーク星人の影だった。しかし防衛隊員に気付かれたトーク星人は銃撃戦となり逃亡する。それにより殉職した防衛隊員の近くには不思議な形の笛が残されていた。そしてアンヌ隊員の首にも同じ笛が下げられていた。その笛を見たキリヤマ隊長はアンヌ隊員に笛を吹かせ、トーク星人を洋館近くの谷に誘い出したところを超兵器エイトで倒す作戦に出た。しかしいざ作戦がはじまるとアンヌ隊員は笛を吹くことをためらってしまう。それを見たダンは笛を吹くようアンヌ隊員に強く言った。アンヌ隊員が笛を吹くとそこにトーク星人が現れる。



ダンは急いでアンヌ隊員を連れ戻しポインターに乗り込むと、ホバー噴射で浮上、谷に残されたトーク星人は超兵器エイトの集中砲火に遭い、シシーの名を叫びながら絶命した。するとその直後、トークの死体からトーク星人の怨念が実体となった悪鬼が出現する。悪鬼は超兵器エイトを叩き潰すと、ダンとアンヌ隊員の乗ったポインターを鷲掴みにする。ダンとアンヌ隊員は間一髪ポインターから脱出するが、谷の断崖に追い詰められたダンは転落してしまう。落下しながらダンはウルトラセブンへと変身、悪鬼に立ち向かう。悪鬼は辺り一帯に霧を吐くと、その霧が燃え上がり火の海と化する。ウルトラセブンはアイスラッガーを放つも、悪鬼はそれをかわすと、全身から伸びた布でウルトラセブンを縛り上げる。身動きが取れなくなったウルトラセブンに悪鬼が巨大な槌を振り下ろそうとした瞬間、アンヌ隊員がトークと叫ぶ。そして復讐なんてしてはいけないと悪鬼を諭す。それにより一瞬の隙ができ、その隙にウルトラセブンは絡まった布から脱する。すると悪鬼は再びウルトラセブンを槌で襲おうとするが、ウルトラセブンはエメリウム光線を悪鬼の眉間に撃ち込むと悪鬼は倒された。その後アンヌ隊員は涙を流しながら笛を吹いた。すると悪鬼の死体はトーク星人へと戻り、風化していった。

今となっては「もし」という過程の話ししかできませんが、この脚本が制作されていればアンヌ隊員のメイン回であり、内容的にも当時は批判されたかもしれませんが、時間とともに評価されていった作品になったのではないかと思います。隊員たちも歳を重ね、キリヤマ隊長とソガ隊員ももういなくなってしまった今、もう絶対に制作することはできなくなってしまいました。それでもこの脚本とその脚本の裏に隠された上原氏の思いはファンの記憶に残していってほしいと思います。ちなみにこの「300年間の復讐」の他にもウルトラセブンでは同じく上原氏が脚本を作りながら制作されなかったものがあります。それが第43話になるはずだった「宇宙人15+怪獣35」です。あの名監督である実相寺昭雄監督とのタッグで制作される予定だったこの話はタイトルの通り、バルタン星人を含む宇宙人15人と怪獣35体が登場するという壮大なスケールで書かれたものでした。これは低下していた視聴率を回復させるために思い切って宇宙人と怪獣を大量投入しようという意図で作られたものでしたが、予算の関係で没となり、その代わりに作られたのが全く着ぐるみによる怪獣や宇宙人が登場しないという真逆の「第四惑星の悪夢」で、これはこれで名作となりました。とはいえ、バルタン星人と戦うウルトラセブンもファンなら見てみたかった構図の一つかもしれませんね。次回はこの「300年間の復讐」の制作中止により急遽上原氏が新たに脚本を書き上げ放送されることとなった第23話「明日を捜せ」を紹介します。
Posted at 2020/01/23 20:12:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能 | 日記
2020年01月21日 イイね!

♯アンドロイド0指令【上原正三追悼特集vol.3】

♯アンドロイド0指令【上原正三追悼特集vol.3】 上原正三氏追悼企画の第3弾として今日紹介するのは1967年11月26日放送のウルトラセブン第9話「アンドロイド0指令」です。個人的にウルトラセブンの中でも好きな回です。ウルトラセブンで初めて上原氏が脚本を手掛けた回ですが、この脚本はこの回の監督である満田かずほ監督が上原氏にアンドロイドを主人公にしたものを書いてくれとお願いして作られたというエピソードがあります。そしてアンドロイドを操る頭脳チブル星人の人間体を演じたのは植村謙二郎です。植村謙二郎は同じ上原作品であるあの「怪獣使いと少年」で登場したメイツ星人の人間体を演じた方でもあります。あのストーリーの衝撃さゆえにメイツ星人の方が目立ってしまいがちですが、個人的には、役者としてはおもちゃじいさんことチブル星人の植村謙二郎の方が印象に残っています。これを書きながら今更気付いたのですが、おもちゃじいさんも金山ことメイツ星人もどちらも劇中では1年前から廃墟に住み着いたという共通点があるんですね。これは偶然なのでしょうか。それから、チブル星人のチブルとは沖縄の言葉で頭という意味だそうです。その名の通り頭でっかちで非常に高い知能を持った宇宙人という設定でした。このチブル星人は平成のウルトラマンギンガでも準レギュラーとして何度も登場した宇宙人でした。それではストーリー紹介に移ります。



ある風の強い夜の日、フルハシ隊員とソガ隊員はポインターで夜間パトロールに出ていた。するとパトロール走行中に突然金色のワンピースを着た金髪の女が目の前に飛び出した。女はポインターを停止させると、運転席のフルハシ隊員の方へと歩み寄る。そしてフルハシ隊員にモロボシ隊員かと尋ねる。



綺麗な女に気をよくしたフルハシ隊員はダンのフリをした。すると女はお会いしたかったと話し握手を求めてきた。フルハシ隊員が握手に応じ、手を握り返すと女は手から高圧電流を流しフルハシ隊員を悶絶させ、慌てたソガ隊員が捕まえようとするも夜の街へと逃げていってしまった。



握手をしたフルハシ隊員の右手には謎の文字とマークが記されたペンダントが残されていた。



そのペンダントは基地へと運ばれアマギ隊員によって解析が進められた。アマギ隊員によってペンダントの文字が解析され、それが「アンドロイド0指令」と書かれていることがわかったが、それが何を意味するのかまではわからなかった。ダンはキリヤマ隊長に自分のことを狙っていた女を追わせてほしいとお願いする。フルハシ隊員も同行を申し出るが、手負いのためキリヤマ隊長に止められ、代わりに女の顔を覚えているソガ隊員が同行することとなった。調査のため団地を訪れたダンとソガ隊員は武器のオモチャで遊ぶ子どもたちを目撃する。ダンがそのオモチャを手に取ると、それは非常によくできていて、まるで本物の武器と間違えるほどの作りだった。そしてそのオモチャや子どもたちの服にはペンダントにあったマークと同じマークがつけられていた。オモチャが気になったダンは子どもにオモチャをどこで買ったのかと尋ねる。すると子どもはオモチャじいさんから買ったと答え、オモチャじいさんがいるリヤカーの方を指差した。ダンが子どもの指差した方を見ると、そこにはリヤカーでオモチャを売る老人がいた。オモチャじいさんはジェット機のオモチャの念力のような力で飛行させるデモンストレーションを子どもたちに披露していた。しかしダンとソガ隊員が近づいてくると売り場をたたみ帰って行った。



不審に思ったダンとソガ隊員はオモチャおじさんを尾行した。するとオモチャおじさんは廃墟の前でリヤカーと止めると、その中へと入っていった。



ダンとソガ隊員はその廃墟の近くにいた人に聞き込み捜査をした。話しを聞くとオモチャじいさんは1年くらい前から廃墟に住み着くようになり、子ども好きの良いお爺さんだと評判は悪くはなかった。そして聞き込みが終わったダンにアマギ隊員からビデオシーバーで連絡が入った。それは解析していたペンダントが宇宙金属でできていたという連絡だった。ダンがビデオシーバーで通信を終えると、近くで遊んでいた子どもたちが目の前を走り去って行きながら謎のマークのワッペンを落としていった。ダンはそのワッペンを拾い上げると基地へと持ち帰った。オモチャじいさんはその様子を廃墟の隙間から見つめていた。



持ち帰ったワッペンもアマギ隊員によって解析され、ペンダントと同じ宇宙金属でできていることがわかった。また、そのワッペンには受信機の機能があることも判明した。



オモチャじいさんを要注意人物とみたキリヤマ隊長はダンとソガ隊員に再び追跡調査をさせることにした。その頃、夜の廃墟でオモチャじいさんが出掛ける準備をはじめた。オモチャじいさんは戸棚を開くと、そこにいたマネキン人形に手をかざした。するとマネキン人形はフルハシ隊員を襲った女へと姿を変えた。老人のオモチャじいさんに扮していたのは頭脳星人チブル星人で、女はチブル星人が操るアンドロイドゼロワンだった。



チブル星人はゼロワンにアンドロイド0指令を発令、ゼロワンにダンを封じるように命令する。そしてゼロワンは指令通り、パトロール中のダンとソガ隊員のポインターの前へと飛び出すと、ダンとソガ隊員を誘うように逃走を図る。



そしてゼロワンは閉店した夜のデパート内へと逃げ込んだ。ダンとソガ隊員もそのあとを追ってデパートの中へと入っていく。すると「午前零時の時報とともにアンドロイド0指令が発令されます。」との館内放送が入り、停まっていたエスカレーターが動き出した。



ダンとソガ隊員はそれに乗って上の階へと進んでいく。すると暗闇の中からチブル星人のオモチャじいさんとそのアンドロイドの女ゼロワンが現れた。



オモチャじいさんはダンとソガ隊員にアンドロイド0指令の内容を説明しはじめる。それによると、アンドロイド0指令は子どもにオモチャに見せかけた本物の武器と受信機であるワッペンを持たせ、その子どもたちを催眠状態にかけて先兵にし地球を侵略しようという計画だった。しかしオモチャが本物になるはずがないとソガ隊員が馬鹿にすると、オモチャじいさんは周囲のオモチャ戦闘機でダンとソガ隊員に一斉攻撃を仕掛けてみせた。そしてその攻撃を受けソガ隊員は脚を負傷してしまう。



ダンはソガ隊員を連れ奥の部屋へと逃げ込み本部に状況とアンドロイド0指令の内容を伝えた。しかしそこにダンとソガ隊員の逃げこんだ部屋にオモチャじいさんと女がドアを突き破り侵入してきた。通信が途切れ異変を感じた本部のキリヤマ隊長はフルハシ隊員とアマギ隊員を連れ出動した。ダンとソガ隊員は部屋の隅に追い込まれ絶体絶命のピンチになっていた。ダンは隣にソガ隊員がいたためウルトラセブンに変身できずにいたが、追い込まれると隣にいたソガ隊員の腹を殴り気絶させ、間一髪ウルトラセブンへと変身した。ウルトラセブンを見たオモチャじいさんと女は慌ててデパートから外へと逃走を図る。しかしウルトラセブンに追いつかれ逃げ場を失ってしまう。



女は手から光線を発射しようとするが、ウルトラセブンのエメリウム光線を額に受けるとマネキンの姿へと戻り倒れると粉々に割れてしまった。



追い詰められたオモチャじいさんもチブル星人の正体を現すとウルトラセブンに飛びかかって応戦しようとするが、攻撃能力の殆どないチブル星人は突き飛ばされ、最後はエメリウム光線を受け溶けてしまった。



ダンは変身を解き元の姿へと戻るとそこにキリヤマ隊長たちが駆け寄り、事件を未然に防げて良かったと安堵した。そして街は何事もなかったかのように午前零時を迎えることができた。

ちなみにこの回で撮影に使われたデパートは銀座の松屋でした。昭和のデパートの感じが時代を感じさせますね。次回はウルトラセブンの第23話として制作されるはずでしたが撮影されずにお蔵入りとなった上原氏の幻の脚本「300年間の復讐」を紹介します。
Posted at 2020/01/21 20:07:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2020年01月19日 イイね!

♯宇宙船救助命令【上原正三追悼特集vol.2】

♯宇宙船救助命令【上原正三追悼特集vol.2】 今日は上原正三氏追悼企画の第2弾として1967年4月2日に放送されたウルトラマン第38話「宇宙船救助命令」を紹介します。ウルトラマンで上原氏が脚本を手掛けたのは前回紹介した「怪獣無法地帯」とこの「宇宙船救助命令」の2話のみで、「怪獣無法地帯」は金城哲夫氏との共作だったため、上原氏単独で作り上げたウルトラマンの脚本はこの「宇宙船救助命令」のみとなっています。ウルトラマンは全39話ということで、この「宇宙船救助命令」は最終回の1つ前の回となります。そのためか、ウルトラマンと戦うこととなるキーラもかなりの強敵になっています。八つ裂き後輪もスペシウム光線もはね返す強敵で、最終回1つ前にして新たな新技ウルトラサイコキネシスまで使わせたキーラですが、いかんせん翌週の最終回に登場したゼットンがあまりにも衝撃的なインパクトを残してしまったため、怪獣、ストーリーともに印象が薄れてしまった回となりました。とはいえ、よく見れば、CGの無い時代によくぞここまで作り込んだなと思わせてくれる良い作品に仕上がっています。脚本は上原氏がウルトラマンでは初となる単独作品だったためか、クセのない王道ストーリーとなっています。それではここからはそのストーリーを紹介をしていきます。



宇宙局が打ち上げた探査機プロスペクターによってそれまで長年謎につつまれていたQ星の詳細が明らかになろうとしていた。プロスペクターからの電波は宇宙ステーションV2を経て宇宙局に中継されていた。宇宙局ではプロスペクターから送られてくる中継映像をモニター越しに見ていた。すると突然モニターに怪獣の眼のようなものが映り、その眼から強烈な閃光が放たれた。その閃光をモニター越しで目にした宇宙局の職員たちは目が眩んでしまった。



科学特捜隊の隊員たちも同じ映像を見ていて、隊員たちも目が眩んでいた。宇宙局は宇宙ステーションV2と連絡を取ろうとするが、宇宙ステーションV2と通信が取れなくなってしまう。宇宙局は科学特捜隊に宇宙ステーションV2の救助を依頼した。それを受け、ムラマツ隊長は隊員たちを連れ宇宙ロケット白鳥で宇宙ステーションV2へと急行した。



そして出発からおよそ28時間、ついに宇宙空間に浮かぶ宇宙ステーションV2を発見する。ハヤタは宇宙ステーションと交信を図ろうとするが応答はなかった。隊員たちは宇宙ステーションV2へと潜入し、搭乗員の捜索はじめる。



するとステーション内で目を負傷した搭乗員たちを発見、救助した。ムラマツ隊長が搭乗員から状況を聞くと、謎の閃光で宇宙ステーションV2が故障してしまったと説明した。



イデ隊員がステーション内の放電管回路を調べると、そこにあったBMヒューズが切れいることが判明した。またそれにより電子路が発熱し、危険な状態になっていることも発覚した。新しいBMヒューズに交換しなければ宇宙ステーションV2は24時間しか持ちこたえられない状況だった。しかし地球から手配するには時間が足りなかった。



その時、イデ隊員がQ星のプロスペクターに3個のBMヒューズが使われていることを思い出す。搭乗員はプロスペクターのBMヒューズも閃光にやられてしまっているのではと心配するが、プロスペクターにはBMヒューズが3個搭載されていて、閃光にやられていたとしても切れるのは1個だけだとイデ隊員は説明した。宇宙ステーションV2からQ星までは往復20時間、何とか間に合う距離だった。ムラマツ隊長は搭乗員の看護をフジ隊員に任せ、他の隊員たちとともに宇宙ロケット白鳥でQ星へと急いだ。ムラマツ隊長たちがQ星に到着するとそこでは2体の怪獣が争いを繰り広げていた。それは閃光で宇宙ステーションV2のBMヒューズを破壊した光熱怪獣キーラと砂地獄怪獣サイゴだった。キーラはサイゴに対しても閃光を放つとサイゴはQ星の地底へと退却していった。



Q星に着陸したムラマツ隊長たちは宇宙ロケット白鳥からSL‐77に乗り替えると急いでプロスペクターのある場所へと急いだ。しかしその途中、プロスペクターまであと10㎞というところでSL-77が溝にはまり身動きが取れなくなってしまう。さらにそこにサイゴが出現してしまう。ムラマツ隊長はサイゴにミサイルを撃ち込むよう指示、ハヤタがミサイルを撃ち込むとサイゴは粉砕された。



溝から脱したSL-77は前進しついにプロスペクターを発見する。アラシ隊員とイデ隊員はSL-77からプロスペクターまで歩いて行きBMヒューズの回収作業をはじめると、そこにキーラが出現する。アラシ隊員はイデ隊員が作った新兵器ニードルS80でキーラを攻撃しようとするが、ムラマツ隊長はそんな時間はないとキーラを刺激しないようアラシ隊員に忠告する。しかしイデ隊員がBMヒューズを回収すると喜んで大声を上げてしまう。それにキーラが反応、アラシ隊員は咄嗟にニードルS80でキーラを攻撃してしまう。



するとキーラの動きが一瞬止まるが、その直後キーラは眼から閃光を放ち、アラシ隊員は目を痛めてしまう。イデ隊員に連れられアラシ隊員はなんとかSL-77まで帰還し、ムラマツ隊長たちは急いで宇宙ロケット白鳥まで戻ろうとする。しかしキーラに行く手を阻まれてしまう。



宇宙ステーションV2危機のタイムリミットも迫る中、目を負傷したアラシ隊員とハヤタをその場に残し、ムラマツ隊長とイデ隊員はBMヒューズを持って先を急いだ。ハヤタはおとりになるためニードルS80でキーラを攻撃する。一方ムラマツ隊長とイデ隊員は谷に行く手を遮られてしまう。するとムラマツ隊長は酸素ボンベを噴射し飛ぶようイデ隊員に指示する。イデ隊員は躊躇するが、ムラマツ隊長はそんなイデ隊員を一喝し、酸素ボンベを噴射、谷を越え無事宇宙ロケット白鳥まで辿り着いた。



しかし宇宙ロケット白鳥にキーラが接近し踏みつぶそうとする。



ハヤタはウルトラマンに変身しムラマツ隊長とイデ隊員の窮地を救うと、その間に白鳥は離陸し宇宙ステーションV2に向けて飛び立った。



しかしウルトラマンはキーラの閃光を浴び目にダメージを負うと動けなくなってしまう。カラータイマーの点滅が早くなり、残された時間が少なくなったウルトラマンは何とか立ち上がると、キーラに八つ裂き後輪を放つ。しかし、八つ裂き後輪ははね返えされてしまう。するとウルトラマンはスペシウム光線で勝負をつけようとするが、スペシウム光線もキーラには効果がなかった。



キーラは再びウルトラマンに閃光を仕掛けるが、間一髪岩の陰に入り閃光を防いだウルトラマンはウルトラサイコキネシスでキーラを爆破、何とか撃退することができた。





その後、ムラマツ隊長とイデ隊員により宇宙ステーションV2にBMヒューズが届けられ、大爆発まで残り5分というところでヒューズが交換された。ハヤタとアラシ隊員もQ星から救助され事件は解決、隊員たちは再び宇宙ロケット白鳥で地球へと帰っていった。

次回の上原正三氏追悼企画第3弾は、上原氏がウルトラマンの次作となるウルトラセブンで初めて脚本を担当した回、「アンドロイド0指令」を紹介したいと思います。
Posted at 2020/01/19 18:27:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能 | 日記
2020年01月17日 イイね!

♯怪獣無法地帯【上原正三追悼特集vol.1】

♯怪獣無法地帯【上原正三追悼特集vol.1】 年が明けたばかりの今月2日、ウルトラシリーズの礎を築いた脚本家の1人、上原正三氏が亡くなっていたことが公表されました。上原氏は1937年沖縄生まれで、太平洋戦争の影響を受け、子どもの頃は台湾や熊本県などで疎開生活を送るという幼少期を過ごしました。そのため、同じ沖縄出身の金城哲夫同様、戦争や差別に対するメッセージや怒りを色濃く打出した脚本を書くことで有名な脚本家でした。その中でも帰ってきたウルトラマンで手掛けた「怪獣使いと少年」はそれを色濃く反映し、TBS関係者から放送を中止されそうになったり、視聴者からも賛否両論物議を醸す作品となりました。しかし、その強いメッセージは同時に「怪獣使いと少年」の評価も高め、未だに記憶に残る作品としてファンの間から語り継がれる作品にまで成長しました。上原氏の作品というとその「怪獣使いと少年」が取り上げられることが多いのですが、ウルトラQを除き初代ウルトラマンから平成のウルトラマンマックスまででトータル46話もの脚本を担当しています。さすがに全ては紹介しきれませんが、今回は追悼と敬意を表し、個人的に評価の高いものを中心に少しでも多くの作品を紹介していければと思っています。まずその第1弾として今日はウルトラシリーズ(ウルトラQを除く)で初めて上原氏が手掛けた作品、1966年9月4日放送のウルトラマン第8話「怪獣無法地帯」を紹介します。この「怪獣無法地帯」は金城哲夫と2人で脚本を書き上げていて、有名な人気怪獣レッドキングと、マスコット的怪獣で人間に友好的なピグモンという偉大な怪獣たちを輩出した回です。そしてこの回はレッドキングとピグモン以外にも吸血植物スフランを含めるとチャンドラー、マグラーと5体もの怪獣が登場した豪華な回でした。これは上原氏が担当した脚本で実際に制作放送されたものの中では一番多くの怪獣が登場した回となりました。それではそのストーリーを見ていきましょう。



火山噴火の影響で無人島と化していた多々良島に2年半ぶりに定点観測所を再開することになった。松井を中心とする4人の観測所員先発隊は多々良島へと向かった。しかしその後松井たちは消息不明になってしまう。気象庁から要請を受けた科学特捜隊はジェットビートルで観測所員の捜索へと向かった。



その頃、多々良島ではどくろ怪獣レッドキングと有翼怪獣チャンドラーが激闘を繰り広げていた。チャンドラーはレッドキングの右腕に噛みつくが、逆に右の翼をもぎ取られ姿を消してしまう。その直後、地面から地底怪獣マグラーが顔を出すがマグラーはレッドキングを目にするとすぐに地中へと戻ってしまった。



そこに科学特捜隊のジェットビートルが到着する。アラシ隊員はレッドキングを攻撃しようとするが、ムラマツ隊長は観測所員の捜索が先決だと攻撃を許可しなかった。



隊員たちは測候所の近くに着陸し観測所員の捜索を開始した。しかし観測所員を見つけることはできなかった。ムラマツ隊長はハヤタとともに島の東にある溶岩地帯に向かい、残りのアラシ隊員、イデ隊員、フジ隊員の3人には島の西にあるジャングル地帯で捜索するよう指示した。



ジャングル地帯で捜査を開始したアラシ隊員たちは観測所員の所有物を次々と発見、アラシ隊員やイデ隊員はムラマツ隊長にそのことを連絡しようとするが、地底の変動で地磁気が乱れ通信ができなかった。



その直後、アラシ隊員とフジ隊員が吸血植物スフランに襲われてしまうが、アラシ隊員がスパイダーでスフランを焼き払い事なきを得た。アラシ隊員たちは観測所員たちもスフランにやられたのではないかと考えた。



一方、溶岩地帯に行ったムラマツ隊長とハヤタは何も手がかりを掴めないでいた。そのためハヤタがイデ隊員に連絡を取ろうとするが、やはりここでも地磁気の乱れで通信ができなくなっていた。その時ムラマツ隊長とハヤタの前にマグラーが現れる。ムラマツ隊長はハヤタにナパーム弾を使うように指示、ハヤタはナパーム弾をマグラーに投げつけるが、マグラーの反撃に遭いハヤタは崖から転落してしまう。



ムラマツ隊長のナパーム弾も直撃したマグラーは撃退されるが、ハヤタは崖下で意識を失ってしまう。



スフランから命からがら逃げてきたアラシ隊員とイデ隊員とフジ隊員はジャングルの中の水辺で休憩をとることにした。すると目の前に小さな怪獣が顔を出した。それは友好珍獣ピグモンだった。



ピグモンの近くで松井のハンカチを見つけたアラシ隊員はピグモンが松井の居場所を知っているかもしれないと考え、ピグモンのあとを追うことにした。イデ隊員とフジ隊員はそれに懐疑的だったが、松井を探すのが任務だとアラシ隊員に言われてしまい、しぶしぶアラシ隊員を追いかけた。しかしピグモンのスピードが早く、見失いそうになってしまうと、イデ隊員は目印になると言ってピグモンの背中に風船爆弾を撃ち込み、背中に風船をつけ、その風船を頼りにあとを追った。



するとその途中で倒れていた松井を発見する。しかし残りの3人は消息不明のままだった。そして松井は多々良島に上陸した時のことを隊員たちに話した。松井は地震と火山の影響で怪獣たちが次々と目覚めてしまい、上陸して1時間もしないうちに測候所が襲われてしまったと説明した。そしてピグモンが食料などを運んできてくれたおかげでここまで生き延びることができたとピグモンが善良な怪獣であることを隊員たちに伝えた。



そこに再びレッドキングが現れてしまう。松井をフジ隊員に任せ、アラシ隊員とイデ隊員はスーパーガンでレッドキングに立ち向かう。



ピグモンも自ら囮になろうとレッドキングの前に立ちふさがるが、レッドキングが投げた岩石が直撃、命を落としてしまう。



レッドキングを相手に全く歯が立たないアラシ隊員とイデ隊員は上空にスーパーガンを撃ちムラマツ隊長にSOSを知らせた。その頃、ムラマツ隊長は崖下に下り意識を取り戻したハヤタの救助をしていたが、SOS信号に気付くとハヤタはムラマツ隊長に救援に行って下さいとお願いした。ムラマツ隊長がいなくなるとハヤタは転落した際に岩の隙間に落としてしまったベータカプセルをなんとか拾い上げるとすぐさまウルトラマンに変身、レッドキングの元へと急行した。レッドキングはウルトラマン目がけ巨大な岩石を投げつけようとするが、持ち上げた岩石をスペシウム光線で爆破され、岩石を足の上に落としてしまう。その隙を見たウルトラマンはレッドキングをの首を掴み持ち上げると振り回して岩場に叩きつける。そして弱ったレッドキングは再びウルトラマンに投げ飛ばされ地面に叩きつけられると絶命した。



科学特捜隊とウルトラマンの活躍により怪獣たちの脅威が無くなったが、松井以外の3人の観測所員は発見されることはなかった。夕焼け空の海岸で隊員たちと松井は3人の観測所員を弔いた。ムラマツ隊長は「これでこの島も南海の楽園にかえるだろう。だが、自然はこの夕焼けのようにいつも美しいとは限らないってことを忘れてはならないね。」とハヤタに語り、ハヤタもうなづいていた。



上原氏はウルトラマンではこの8話の他に最終回の1つ前の38話「宇宙船救助命令」も脚本を担当しました。最終回に登場したゼットンのインパクトが強烈過ぎて38話に登場したキーラはあまり目立ちませんが、強烈な閃光でウルトラマンを苦しめ、八つ裂き後輪とスペシウム光線をもはね返すかなりの強敵でした。次回はそのウルトラマンの「宇宙船救助命令」を紹介します。
Posted at 2020/01/17 21:11:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能 | 音楽/映画/テレビ

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