
梶井基次郎の「櫻の樹の下には」の冒頭、
「これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。」の世界のように今年も見事な桜の花を愛でることができました。今日の写真は2年ぶりとなる夜桜とのコラボです。夕陽のロケーションの撮影から2時間以上滞在し、今回も納得の写真が撮れました。フォトギャラリーにアップしましたので、よかったらご覧下さい。なお、
梶井基次郎の「櫻の樹の下には」の冒頭部分は今日紹介するウルトラマンティガの第37話「花」でも触れられている作品です。
フォトギャラリー:
「宵の桜とハリアー」
今日のストーリー紹介は3度目の紹介となる1997年5月17日放送のウルトラマンティガ第37話「花」です。やはり夜桜といったらこの回です。監督はあの実相寺昭雄氏、というのは今までも触れてきましたが、今日はその実相寺監督の奥さんである女優原知佐子もこの回に出演しているという点を追加しておこうと思います。
というのも、脚本家の上原正三氏の追悼企画を書いていたため触れる機会がなかったのですが、上原氏が亡くなった17日後の今年1月19日、原知佐子さんも84歳でこの世を去りました。夫である実相寺作品に数多く出演し、「赤いシリーズ」や「釣りバカ日誌8」、「シン・ゴジラ」など数多くの有名作品にも出演していました。そしてウルトラシリーズでもインパクトのある役で計7回出演しました。特にウルトラマンレオの
「怪奇!悪魔のすむ鏡」ではマザラス星人扮する和服の女を演じ、強烈なインパクトを残しました。そして今回はせっかくなので実相寺家の長男と称されるアライグマのぬいぐるみ「ちな坊」も紹介します。というのも、この「花」にも登場していて、まさかのクレジットタイトルにも出演者としてその名前が登場しています。
劇中ではぬいぐるみとはいえ、なかなかの存在感でした。
ちなみに実相寺監督と原知佐子さんの間には長女の実相寺吾子がおり、女優として活動していました。娘である実相寺吾子もウルトラマンティガの第34話に出演していますが、こちらは監督は実相寺氏ではなく村石宏實がメガホンをとっていました。だいぶ話しが長くなってしまいましたが、ここからは「花」のストーリーを紹介していきます。今回は3度目の紹介ということで、スクリーンショットをリニューアルし、枚数も増やして実相寺ワールドとGUTSの面々を載せてみたいと思います。
怪獣がしばらく出現しておらずGUTSの隊員たちは平和ボケしていた。最後に出動したのは1ヶ月以上前の宇宙船目撃情報だった。
平和な日々が続く中、その期間を利用してGUTSは本部の機器のメンテナンスをおこなっていた。その様子をイルマ隊長とサワイ総監が見守っていた。サワイ総監はイルマ隊長に平和な時の士気の持続が大変だが期待していると告げ、たまには気晴らしに隊員たちとお花見に行ったらどうだと提案した。
サワイ総監の提案によりお花見をすることになった隊員たちだったが、本部を空けることはできないため、誰か残る隊員が必要だという話になった。ヤズミ隊員が自ら残ると提案するも、イルマ隊長は公平にくじ引きにすると決めた。トランプでくじ引きをする隊員たち。ハズレを引いたのはダイゴだった。
落胆するダイゴを残し、イルマ隊長と隊員たちはお花見に出かけた。お酒の飲めないムナカタ副隊長は牛乳で、それ以外の隊員たちは花見酒を楽しんでいた。
すぐ横では着物を着た2人の女性が野点をしていた。酔いの回ったシンジョウ隊員は女性に声を掛けようとするが、ムナカタ副隊長に止められてしまう。
その頃本部ではダイゴが一人だということを心配して情報局のニカイドウがやってきた。
お花見の席では隊員たちが酔ってふざけていた。そんな中、ヤズミ隊員が定時報告の時間だと気付き、本部と通信しようとするが電波障害で通信不能になってしまった。
本部でもダイゴとニカイドウがそれに気付き、1ヶ月以上前に宇宙船が出現した時と同じ波形を観測していた。
その頃イルマ隊長はムナカタ副隊長とレナ隊員に梶井基次郎のエピソードを話していた。
イルマ隊長:「桜がどうして美しいか。それは桜の樹の下に死体が埋まっているから。桜が美しいのは人の血や肉を養分として吸い取っているから」
ムナカタ副隊長:「梶井基次郎ですね。」
そんな会話をしていると、横で野点をしていた若い女性が苦しみ出す。それに気付いた隊員たちが駆け寄る。ムナカタ副隊長が病院に連れて行こうとすると、イルマ隊長は自分が搬送すると言い、残りの隊員はお花見を楽しむよう指示した。イルマ隊長は若い女性を担ぎ、もう1人の女性が付き添いで同行した。
しかし途中でイルマ隊長は担ぐのに疲れ足元がおぼつかなくなってしまう。すると女性2人の影の形が変化。マノン星人だった女性が正体を現し、イルマ隊長を襲う。
一方隊員たちは戻ってお花見を続けていたが、レナ隊員が野点のセットがなくなっていることに気付く。
そして花見をしていた隊員たちの上空にダイゴが乗るガッツウイングが現れる。ダイゴは電波障害と異常波形のことをレナ隊員に伝えると、レナ隊員はイルマ隊長の危機を察知する。しかしイルマ隊長は既にマノン星人の宇宙船に捕らわれていた。そしてマノン星人は自分たちの星が滅びようとしているため、地球に移住する計画を立てたがGUTSが邪魔な存在だと気付き、まずは手始めに隊長を捕まえたとイルマ隊長に宣告した。
そして宇宙船が動き出す。ガッツウイングのダイゴはそれを見つけ追跡する。するとマノン星人はTPCの通信を使いダイゴにイルマ隊長を人質に執っていると告げ、ガッツウイングを撃墜、ダイゴは墜落寸前でウルトラマンティガに変身し宇宙船へと潜入する。そしてイルマ隊長を拘束していたマノン星人の1体をハンドスラッシュで撃退。その隙にもう1体のマノン星人は逃亡する。
ウルトラマンティガはイルマ隊長を救出し、瞬間移動で外へと避難する。すると逃げたもう1体のマノン星人が巨大化、ウルトラマンティガに挑んできた。
マノン星人はウルトラマンティガと互角に戦い、さらに瞬間移動でウルトラマンティガを翻弄する。苦戦するウルトラマンティガのカラータイマーが鳴り始める。
マノン星人はウルトラマンティガを苦しめ、手から破壊光弾を発射しとどめを刺そうとするが、破壊光弾ウルトラシールドで跳ね返され、それが自らの顔面に直撃。ダメージを受けたところをゼペリオン光線を受けて倒された。
最後はお花見にダイゴも合流して楽しい夜を過ごしたGUTSの隊員たちだった。
次回は今シーズン最後の桜写真をアップします。
Posted at 2020/04/18 20:39:54 | |
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