車酔いしやすい犬のために、クッションやらバネやらを駆使して
上下の揺れを抑える工夫をしていますが、実の所それぞれの対策がどのくらい効いているのかよく分かってません。
効果の程を犬の顔色からうかがおうとしても「早く公園でウ○チしたい」としか考えてなさそうですし、もしかしたらこれらの工夫は自己満足に過ぎないかも?
ということで、それぞれの対策がどの程度効果を発揮しているのか検証し、数値化してみる事にしました。
【検証方法】
検証する場所は近所の道路の中でも特にガタガタ荒れた直線道路300m。ここを時速45kmで走行した際の振動を計測します。
振動の測定には毎度おなじみG-Bowlを使います。振動計測アプリを色々比較してみましたが、やっぱりこれが一番使い勝手が良いですね。よく出来てます。
それぞれの対策を施した状態で同じ区間を3回走行し、躍度(揺れ具合的な数値)が0.1G/secをオーバーした回数の平均値をもって振動抑制効果を比較しようってスンポーです。
犬用カゴに犬の体重を模したペットボトルを置き、ペットボトルがずれないよう真ん中にティッシュの箱を置き、箱の上に計測用スマホを置き検証開始。
【検証結果1 クッションの効果】
左から
『クッションなし』
『フワフワクッション1個』
『フワフワクッション3個』
『低反発クッション2個』
『ゲルクッション1個』
の検証結果です。
グラフがクッション無し(青)と比べて小さいほど揺れを抑える効果が高いと言えます。
突出して効果が高いのがフワフワクッション3個(緑)です。
低反発クッション(黄緑)はほぼ効果なし。ゲルクッション(橙)はむしろ敷かない方がマシという意外な結果に。
ただしこれは犬用カゴを座席に固定するベルトが無い状態の検証です。安全面からこのような状況はあり得ないので、これはあくまで対称実験用の数値です。
【検証結果2 ベルト固定】
犬用カゴを座席に固定するベルトを繋いだ状態で、先程の5種類を測定しました。ベルトは斜め上後ろのヘッドレストに繋いでますので、若干ペットボトルの重さが緩和される形です。
やはりフワフワクッションの効果が高いですが、フワクッション1個と3個でそれ程違いがありません。3個についてはベルト無しの状態より効果が減少してます。
ゲルクッションはやはりマイナス効果。低反発クッションもマイナス効果になってしまいました。
カゴをベルトで斜め上のヘッドレストに固定するとペットボトルの重さが軽減されるため、クッション無し(青)とフワフワクッション1個(薄青)は揺れが減少していると考えられます。
一方でベルトによりカゴが背もたれに押さえつけられる形になるため、そこから振動が伝わりやすくなるデメリットもあります。
フワフワクッション3個(緑)や低反発クッション(黄緑)の揺れが悪化したのは、重さ軽減のメリットより背もたれ振動のデメリットが上回っているからと考えられます。
【検証結果2 吊り下げバネの効果】
犬用カゴを座席に固定するベルトにバネを繋ぎます。
これも5パターンを計測しました。
バネ無しと比べると、左3つは揺れが悪化し、右2つは揺れが抑えられるという対称的な結果になりました。これまで微妙なポジションだった低反発クッション(黄緑)がここでトップに躍り出るという意外な結果に。
この結果はどういった事でしょう。
振動に関する学術的な記事を軽く漁ったところ、複数種類の制振媒体(クッションやバネ)を組み合わせると、振動の周波数によっては逆効果になってしまう場合があるようです。ノイズキャンセリングの逆のようなものでしょうか。
どうやら今回使ったバネのバネ係数(硬さ)は、フワフワクッションと相性が悪いようです。
【分析】
ベルトバネありの状態で、フワフワクッション3個と低反発クッション2個の上下の揺れを比較解析してみます。
フワフワクッション3個
突き上げの揺れが低反発より若干少なめです。特に細かい突き上げの抑制が顕著です。
低反発クッション2個
フワフワクッションに比べて、下方向への揺れが抑制されています。
前後左右への揺れも比較してみます。
フワフワクッション3個
左右の細かい揺れ(緑)が若干抑制されてます。
また後ろへのG(青)をかなり抑えられてる一方、前へのG(赤)が目立ちます。
低反発クッション2個
左右への細かい揺れ(緑)が若干多めです。
後ろへのG(青)が多い一方、前へのG(赤)を抑えられています。
【まとめと今後の展開】
クッションのタイプにより抑制する振動の種類が異なる事が明らかになりました。
躍度だけ見ると低反発の方が優秀ですが、細かな振動や突き上げの抑制効果はフワフワクッションの方が優秀です。
複数のクッションを組み合わせるハイブリッド工法で大小上下様々な揺れに対応できそうです。
ベルトを使った場合、フワフワクッション1個と3個とでは効果に明確な違いが見られませんでした。ベルトでカゴの重さが軽減されると、フワフワ部分の厚みによる緩衝メリットが小さくなるようです。
クッションを重ねすぎるとカゴが不安定になり左右の揺れが悪化しそうですし、ハイブリッド工法を検証する際はフワフワクッション1個だけで良いでしょう。
柔らかいバネでは一部のクッションでマイナス効果になったので、硬めのバネも試してみたいと思います。
背もたれから伝わる振動への対策も考えねば。
ゲルクッションには失望しました。3種類のクッションの中で一番高かったのに。厚み6センチの極太のヤツを選んだのに。
この人、なんで家の中で靴履いてるの?
【あとがき】
今回の検証の走行回数は、
クッション5パターン×3回×ベルト3パターン=45回。
加えて検証開始当初はスマホやペットボトルの置き方を何度も失敗し、検証に使えなかった走行回数も含めると延べ100回以上走行しました。
そして検証に使った道路は警察関係機関の前を通ります。常に門番のお巡りさんが立っており、「夜中に当局の前を何度も通る不審な車アリ」と門番日誌に記録されている事でしょう。
Posted at 2022/07/18 10:33:19 | |
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