![ワタシをカヌーに連れてって(73歳男性) ワタシをカヌーに連れてって(73歳男性)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/046/995/963/46995963/p1m.jpg?ct=13b3f3f86cec)
私が学生時代から嗜んでいるカヌーの話をするたびに父は「楽しそうだね」と相槌を打ち、ここ数年は相槌に「今度連れて行ってよ」という社交辞令が加わるようになりました。
私は「いつかそのうちにね」と社交辞令で返していましたが、「いつかそのうち」は人生の価値を目減りさせる悪習であると考えを改めるようになり、70を過ぎた父の健康寿命にバッファがあるうちにとカヌーに誘ってみると二つ返事。社交辞令ではなかったのだと知り、もっと早く誘えば良かった気持ちと、今のうちに誘えて良かった気持ちのブレンデッドウィスキー12年熟成を味わいつつプランを練ります。
ロードスターにカヌーは載せられない(事もないけど)ので今回の足はレンタルヴィッツ。
ヤリスに代わる前の最終モデルのようです。
遥か愛媛から列車を乗り継ぎ千葉までやって来た父と、3年間物置に眠っていたセカンドカヌーを車に乗せて川に向かいます。
コンパクトカーですが大人2人とカヌー1艇なら余裕の積載量。学生時代、スパシオに4人4艇とリュック4つを詰め込んで1000km先の川まで行っていた事を思うと余裕過ぎる車内空間に勿体なさすら感じます。
久しぶりのCVTはやはり加速が滑らか。酔いやすい犬の事を思えばCVTにすべきかと思わない訳ではありませんが、私が運転を楽しめないと意味がなく、互いの最大公約数だか最小公倍数か分かりませんが、それらが重なった結果のアイシン製ATです。
ヴィッツの足回りは柔らかく一般道の凸凹を難なく抑えたコンフォートな走りに、世界中で爆売れしていた理由を実感します。
CVTの滑らかさと柔らかな足回りによって速度感が狂い、気を抜くといつのまにか制限速度を簡単に超えてしまいます。
それと前方視界が異常に広いですね。なんじゃこりゃと思わず呟くほどに。
一方で欠点ももちろんあり、ドライビングポジションはどんなに調整してもしっくりきませんでした。ハンドルは上下の高さ調整のみで前後に動かせず、手が短い私には辛い運転姿勢となります。
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せっかくなのでとヴィッツでg-bowlを計測した結果がこちら。
ロードスターに比べて旋回G発生のタイミングが遅いのと、加速も緩いのがグラフに現れてます。
それとブレーキを一定に保とうとしても途中でググっと減速Gが増えてしまい難儀しました。フットレストがないから踏ん張りが足りず自重で踏み増ししてるのでしょうか。
といったヴィッツレビューを、ランサー→ギャラン→カローラ→ウィッシュ→ソリオと乗り継いできた父と話しているうちに河原に到着。
今回のコースは那珂川。
栃木から茨城北部を流れて太平洋に至り、那珂湊の豊かな生態系を支える栄養を山から海へと運ぶ一級河川です。
ナカガワと言えば都内の方なら荒川と江戸川の間を流れる中川を思い浮かべるでしょう。関西の方なら車掌のモノマネ芸人、全国30代以上の方には無駄に資産潤沢な巡査が思い浮かぶかもしれませんが、関東のカヌー乗りにとってナカガワと言えば那珂川なのです。
都心から程よく近く、そこそこ自然豊かで、水質も及第点。中流より下なら危険ポイントもほぼ無く、ライトユーズ要素満載の良河川です。
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スタート地点にカヌーと私を置いて、父にはヴィッツをゴール地点まで運んでもらい、タクシーでスタート地点まで戻ってきてもらいます。その間私はカヌーを用意。写真右下のゴミ袋的なものがカヌーです。
膨らますとこんな感じ。
日本のアウトドア用品の大黒柱、キャプテンスタッグ社製のインフレータブルカヤックです。
丈夫で直進性と安定性があり、使い勝手の良い細かな配慮の上に積載量もそこそこ。なによりお値段が素晴らしく、まさにカヌー界のヴィッツと言えます。
そうこうしている間に父が帰還。
空腹を訴えてきたため、昼ご飯に河原で食べようと考えていたアウトドア用レトルト食品を用意します。30歳上の人間に食欲で負ける事に若干の悔しさと食欲旺盛であることの安堵、生活習慣病の懸念を含んだブレンデッド1年未満。
お湯を注いで3分というのはカップラーメンと変わりありませんが、アウトドア用ならではの利点も。一つは水でもOKな点。時間はかかりますが火を起こせない状況でも食事を楽しめます。もう一つはフォーク内蔵な点。皿も箸も不要。最後は食べ終わった後の容器をコンパクトに収納できる点。総じて災害時にも役に立つと思い家庭内常備の品々は、たまのキャンプで新陳代謝させております。
食後のコーヒーを要求され、リュックを漁ると半年前に挽いたコーヒー豆 in ジップロックが見つかりました。どうせ味などわかりゃせんと淹れると案の定美味い美味いと飲み干す始末。
お腹も満たされいよいよ出発。
貴重品を防水袋に入れ、まずはカヌー講習です。
パドルを両手で握ります。
パドルをフニフニ回します。
以上
「え、それだけ?」
それだけです。細かい事は話しても伝わらないですし、ライン取り、舵取りは私がやるので伝える事は本当にありません。
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ので、とっとと出発。
やはり那珂川。両岸に緑が多く、癖のある瀬も無く、のんびり川下りに最適です。
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初めてのカヌーを満喫する73歳男性の誰得な図。
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昭和銀行強盗コスプレ父子2ショット
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行程の半分ほどに差し掛かり良さげな河原を見つけ休憩。舟から降りる前にソレっぽい写真を撮ってくれとの要望に応えた一枚。
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ノンアルコールビールを川で冷やし、
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過去最高との評価を頂きました(ノンアルコールビールの中では)
休憩を終え、
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再びのさすらい強盗2人旅
引き続きのんびりゆっくり川を下り、小さな瀬を通る度に後ろからオホ声が聞こえてきます。
「川の中に鳥がいる」
「川鵜だね、あっちはアオサギ」
「聞いた事ない鳴き声の鳥がいる」
「母ならわかるかもね」
というネイチャーな会話から、
イオンダイエー西友の変遷と財閥系の強み、資産リスクヘッジにJT株の売り際などエコノミー会話を交えつつ、
ゴールです。
カヤックを解体して乾かしている間、地元の屈強な若者たちのキャッキャウフフを眺めて過ごします。
帰りの車内、初のカヌー体験は大満足との感想を頂きました。
何年後か、いずれ三途の川を渡るときに六文銭が無くとも最悪自力で川を渡れるようになってくれたのではないでしょうか。
次は乗馬をしてみたいとのこと、知らんがな。じゃじゃ馬グルーミンアップの知識しかない私に言わんといて。
Posted at 2023/06/01 18:48:40 | |
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