アクティブトルクスプリットAWDの場合、前輪と後輪の回転差が著しく長時間続くような場合は、MP-T機構への負荷を減らすためにエンジンルーム内のジャンパを閉じる(具体的には、ヒューズボックス内のソケットに適当な予備ヒューズを差し込む)ことで強制的にFF駆動状態にすることができる。
パンクによって非常用タイヤと交換する場合は、非常用タイヤは後にはめて、前輪は必ず常用タイヤのセットとした上で、上記の操作をし走行するようマニュアルに指示がある。以前は、前輪にチェーンを装着しての走行時にもそのようにするよう指示があったということを聞いたが、少なくとも今の世代のレガシィはその必要は無い、とディーラーでも確認した。その程度の回転差であれば、十分耐性があるということのようであった。
もちろん、強制FF状態で長時間・高速の走行をすることは想定されておらず、速やかに適切なタイヤに交換したのち強制FF状態を解除するようマニュアルにも注意書きがあるのだが、万一のための訓練も兼ねて、実際に強制FF状態にして数キロの走行をしてみた。ほんのちょっとの時間だが、これがなかなか面白かった。というのは、
1)強制FF状態にすると、本当にFF車に乗っているような運転感覚になる。(私にとっては、ほんのちょっと前まで乗っていた前車と酷似した感覚が、妙に懐かしかった。)
2)車内に侵入するメカニカルなノイズが激減した。(リア側のシャフトがギアでドライブされないからであろう。)
ということがすぐに感じられたからである。特に1の方は、ステアリングを切った時の挙動がまさにFFっぽくなってくれて、私としては“こっちの方が曲がり易い!”と感じてしまった。やはり、AWDだとアンダーステアな感じがより強調されるのであろう。普段FRに乗っている人だと、その差はもっと強く感じるのかもしれない。やはりこのクルマは、速く、まっすぐ走ることを命としているクルマなのだろう。
とはいえ、その後AWDに戻して感覚の違いを確かめた時に、発進時の、背中から押されるというよりはスッと車体全体が動くような独特の安定感や、路面のバタツキに対するバネ下の追随性などは、さすがAWDといった感じであった。
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メカニズム | クルマ
Posted at
2008/02/10 15:35:51