みんカラお友達の
mistbahnさんのブログに刺激されて、映画「SS」のDVDを観た。もう結構前のことになるのでディテールは記憶が薄くなりかかっているが、mistbahnさんのおっしゃるように、
“オヤジ向けです!!クルマ好きのオヤジのみ、泣けます(笑)”
というコメントがまさにピッタリの映画であった。ネタバレしないように感想を述べると、こんな感じ。
・いいトシしたオヤジが、クルマをネタに熱くなっているところがいい。
・気持ちで熱くなるだけでなく、こっそりストリートに出張っていくところがオヤジらしくて泣かせる。
・そんなオヤジを、密かに応援しちゃう奥さん(のりピー)も泣かせる。
・やっぱり、ポルシェは格好いい。
・走行シーンがほとんど重視されていないのは他のクルマ系映画とひと味違うところで、これはこれで五月蠅くなくていい。
・お約束とはいえ、ラストの展開はちょっとムリがないかなぁ・・・。
実は、レンタル店でたまたま隣においてあった「スピードマスター」も借りてほぼ同時に続けて観てみたのだが、こっちはこっちでB級色満々の“おバカ映画”で、観比べてそのギャップを楽しんだ。「スピードマスター」の方は、
・日本を舞台にしているが、テイストは米映画風で妙にミスマッチ。
・走行シーンのほとんどがCGかCG合成で微妙。
・全体にダーティかつバイオレンスなイメージがいかにもB級。
・FC対FDという構図はどこかでありそうで無かった気がするが、「頭文字D」での高橋兄弟のイメージが強いので、なんとなくFCの方が速そう、と思ってしまった。(笑)
・主人公(北乃きい)とその周りの人との関係の描かれ方がイマイチだし、登場人物の誰にも共感できなかった。
といったところ。ドラッグレースを意識しているのか“ニトロ”が使われているのだが、日本ではほとんど普及していないので、そのあたりにも違和感を感じた。本編の展開ではこれがキーポイントになるので、気持ち的に“運転技術派”である私にとってはどうも納得がいかなかった。
“ニトロ”は、空気(N2+O2)の代わりに亜酸化窒素(N2O)を噴射して燃焼効率を爆発的に改善する技術だが、古くは第二次世界大戦のドイツ空軍にまでさかのぼる技術だそうだ。N2Oはいわゆる“笑気ガス”で、麻酔の補助剤として使われるほか、化学的にはちょっと面白い特性を持っているのだけれど、大気中に放出されると温暖化やオゾンホールの形成に貢献してしまう物質でもあり、大量使用は難しい物質である。
両者をみて思ったのは、クルマ系映画で、実写のハイスピード走行シーンに迫力を出すのはなかなか難しいことだということ。アニメ版「頭文字D」をみていると、フレームワークが自由で誇張できる分二次元の画面でもかなりの迫力をだせるのだが、実写の場合はカメラの設置ポイントがそれほど自由にならないのと、公道を利用した撮影では様々な制限があるという点でなかなか大変なのだろう。同じ事を、実写版映画「頭文字D」を観たときも思ったので、やはり、この手の映画で満足のいく絵を撮るのはなかなか難しいことと想像する。
しかし、フランス映画「TAXI」シリーズや、クルマ映画とは言えないがスピルバーグの「激突!」や「Back to the future」などは走行シーンに(別の意味で)凄い迫力があって、日本映画だって、構図とカメラワーク次第でもっといいシーンが撮れるんじゃないかと思うのだが、その辺の違いがB級映画のB級たるゆえんなのだろうか。
Posted at 2008/12/13 11:08:14 | |
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雑談 | クルマ