Zeitgeist(ツァイトガイスト)
ドイツ語で 時代精神
英語なら Time spirit
社会・人々の心に 広く行き渡り
その時代を 支配し 特徴 づけている精神
ドイツ語で一番美しいと 呼ばれている ゲルマン民族の諺である
輪極道〜Zeitgeist
アイラブユーOK〜♪
この世界に〜♪
「いや~俺の ZRX マジで かっちょえ~」
仕事を終え、リース屋の敷地で、洗車をおえた ゼットンが自慢しながら事務所に入ってきた
「裏切りやがって~」
「許せないっすよね」
チェイサーを売り 大型バイクを買った
ゼットンに 赤毛とナムルがボヤく
赤毛は族時代の先輩であり
17から、今でもハコスカ一筋
今は職場の上司
(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)
「でも、所長が4輪禁止って」
その、先輩の赤毛に睨まれたので
ゼットンは所長であり
プライベートでは
ツーリング倶楽部のリーダー
デブ巨摩に助けを求める
「春の集会は 何処に行こうかな~?」
デブ巨摩は リサイクルショップで買った
社長っぽい 椅子にもたれながらいう
「チバラギは寒いから房総とかは?」
デブ巨摩とは 15からの連れで 族時代は総長だった デブ巨摩をサポートする本部長だったが、今はリース屋の副所長の 赤毛が提案
「房総かぁ〜」
デブ巨摩は イマイチな感じで返事をすると
「だったら、アクアラインっすね」
教習所で大型になり
ZRX1200を手に入れた
ゼットンがニコニコ動画で賛同
「たまには、横浜や湘南の奴等にも気つかってやんねーと、伊豆は?」
「江ノ島集合なら台数きそうっすね!」
バイクで行くなら
何処でもいい感じで
ゼットンが手を返す相槌
「おめーは、単車なら何処でもいいんだろ」
赤毛がツッコむ
「江ノ島 出っ張つ~伊豆の海の駅 解散ってのは?」
「なんかあったな!」
「その昔、3代目スペクターが大室山で大乱闘したらしいぞ」
「山から単車落としたりした喧嘩だろ」
「マジっすか!」「ヤバっ」
ゼットンは食い付き
ナムルはひよる
「山猫からも近いだろ」
デブ巨摩は 山猫モータースの 服部の事を気にしていう
「温泉ランドもありましたよね」
デブ巨摩の提案に
赤毛とゼットンが激しく賛同し
ナムルが付け加えた
「よっし、決まりだな!」
デブ巨摩はパソコンで
伊豆 海の駅を調べ出した
「あの~俺は車でもいいんですか?」
アルテッツァのナムルが恐る恐る、パソコンのマウスをクリクリしてる デブ巨摩に訊ねる
「だめ、例外は認めん」
デブ巨摩が即答
「がび~ん」
他のチームは別として、豚猫ツーリング倶楽部は、去年の常総ツーリングから、デブ巨摩と赤毛より歳下の代は、四輪禁止となったからだった
「車できたら、豚子に殺されっぞ、わざわざ単車買ったんだろアイツ」
赤毛が釘を刺すようにナムルに言う
「豊子もいるしな」
ゼットンが追討ち
「豚子が買ったの何だっけ?」
泣き崩れる ナムルをシカトして 赤毛がゼットンに訊ねる
「Kawasaki の Z65RSす」
ゼットンが スマホで豚子の単車を 赤毛とナムルにみせる
「なんだ、この下品なシートは!」
「意地でも、あのバカは族車にしたいらしいな」
赤毛もスマホをみていう
豚猫ツーリング倶楽部は、影のリーダー服部が、若い旧車會と混合しないように、半ボー三段シート厳禁のおふれをだしていた
服部の現役時代をしる、昔は喧嘩相手だった横浜のチームも最近、これに賛同してきている
「普段は三段シートかもよ」
「特攻服も着てるかも」
「風神雷神図なっ!」
豚子が居ない事をネタに 三人がディスってると
「それはそうと、豊子もバイク変えましたよ」
「なんだと~!」
ゼットンの情報にデブ巨摩が驚く
「なんの車種だ!」
「おれが納車の時、GSX R アップハンにして殻剥きしてました」
「GSX R って、油冷と水冷どっちだ!」
「多分、水冷です」
「1000 と 600 どっちだ?」
「あの手のバイクは分からないっす」
「ちゃんと、聞いとけよ!ボケッ!」
「そんな・・・」
巻き舌で、デブ巨摩が一気に捲くしたてる
とゼットンが泣きそうに
「あと、服部さんの Z 900 RS はラッシャー君が買取りました」
「マジか」
「はい、アンソン情報なので確かです」
赤毛の質問にゼットンが即答すると
「ラッシャーに譲った服部さんは、なにに?車か?」
「いえ、ニンジャに戻るって」
「テメ~は、そんな大事な事を、なんで直ぐに教えねーんだよ」
デブ巨摩は立ち上がりながら、ゼットンに近寄ると
ヘビー級の 胸パン一撃
「うっ、うっ~」
胸を押さえ うずくまる ゼットン
「ZRX は速いか?」
「うっ、うっ〜」
ゼットンは 苦しそうにして 答えられない
「後期のDAEGだよな?」
「うっ、はははい」
「最初はキャブの前期探してたんですよ」
苦しそうな、ゼットンに変わり ナムルが代弁すると
「店長と豚美さんが、後期の DAEG にしないと、絶対に後悔すると推しまくるんで」
やっと、ゼットンが苦しそうに自ら説明すると
「ちょっと、借りっぞ」
胸を抑えている ゼットンの前に置かれたあった アクリル製の 豚猫キーホルダが付いたキーを素早くとり、出ていった
(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)
「えっ」「マジすか?」
「メットは?」
赤毛の一言が 駄目押しになるが デブ巨摩はシカトで出ていき
キュッ、キュルル〜♪
ブウオオオ~!
1200cc の図太いアイドリング音が、日が暮れたリース屋に 響きわたった
ブオン!ブオン!
3人が慌てて後を追うが
デブ巨摩はノーヘルで
クラッチを繋ぎ発進させた
「あっ!」
道路に飛び出すと思ったが、デブ巨摩は門の前でUターンし 8の字をやりだした
「アイツ、なにやってんだ?」
「さぁ〜?」
「8の字ですよね」
赤毛の問いに、ゼットンとナムルも首をかしげながら見てると
どんどん8の字が小さく小さくなり、大きなデブ巨摩とZRXが、チャリンコのような俊敏な動きで、ジムカーナのようになる
「マジっすか」
「やっぱり、上手ですね」
「あの頃は、交機も敵だったからな、喧嘩だけじゃ、総長までなれねーって」
驚く二人に、赤毛が懐かしむように呟き、二人はうなづく
「豚子が単車を手に入れ、豊子ちゃんがジスペケに乗り換えったって、オマエらはどう思うよ?」
煙草に火を点けて 赤毛が訊ねた
「嫌な予感しかないですね」
「絶対に関わりたくないす」
「だよな~」
デブ巨摩の ジムカーナ選手のような 八の字と定常円を見ながら 3人はウンコ座りで煙草を吹かしていると
( ´Д`)y━・~~
ブオオオオ〜
ブオン ♪ ブオン ♪
カタナ S3 がリース屋に 勝手に入ってきた
「えっ」「だれ?」「女か?」
(; ̄O ̄)(; ̄O ̄)
今風のレーシなメットから出ている茶髪と、細い腰つきを見て、三人ともトキメモで、不法侵入してきた 刀 S3 をガン見すると
「やってる!やってる!」
エンジンを止め カタナ S3 の女子がヘルメットを脱ぎながら
「こんばんわ~」
「じぇじえじぇ~!」
3人は驚き、なんとバイク女子は、豚猫モータースの次女 好豚であった
「すす好豚ちゃん、ななんで?」
一番、顔見知りのゼットンが アポなしでやって来た 好豚に近寄り質問すると
カタナS3が勝手に入ってきたのに気付いた デブ巨摩が、ZRXでダッシュで戻ってきた
ブォーン!キキキー
ブレーキターンして デブ巨摩が 刀 S3 に横に綺麗に並ぶと
「大型自動二輪とりました~」
「おおおお~」
デブ巨摩以外の3人は拍手
「えへへへ」
「免許はいいけど、このバイクって!」
デブ巨摩はZRXを降り アップハンには変えてあるが 好豚のバイクをガン見しながら 訊ねた
「首都高女王 二代目 蓬莱好豚 ヨロシク~」
「・・・・・・・・」
四人とも呆然と立ち尽くす
「ママにもらったの~」
得意気にポーズをとる好豚
「それは理解だけど」
「なんで、ここに?」
「そうそう」
「ここでジムカーナ教えて貰えって」
好豚は満面の笑顔
「だめだめ!広いったって、会社なんだから」
デブ巨摩は 首と手を 大袈裟にふり 拒否する
「え~、何年か前は、豚音と豚子ちゃんがS2000でドリ連してたから、大歓迎って聞いてきたんだけど」
「あっ!」「前歴があった」
「所長~潔く諦めろ」
赤毛が笑いながら〆る
「陪審制なら、無罪でしょ」
「そんな、あの時は豊子ちゃんと豚子ちゃんに脅されて、そう、鮫島と松方もチョーシこいて、変な話を持ち出してきたし」
必死で拒否る、デブ巨摩所長
「いま、自分は楽しそうに、それで走ってたじゃん!」
好豚は ゼットンの黒金の DAEG を指して、デブ巨摩に詰め寄った
「いいいいや、今のはタマタマ」
「タマも竿もねーし!8の字してましたよね〜皆さんも目撃証言してくれますよね」
「は、ははい」
「凄い8の字でした」
好豚の尋問に、ゼットンとナムルは あっけなく証言
「現行犯だよね~」
赤毛も 酢豚に味方する
「これでもまだ シラをきる気なの!」
好豚はデブ巨摩に向き直り、追い詰める
「だから、今のは試乗してただけだって」
額から汗を流し 言い訳する デブ巨摩
「所長~俺からもお願いします!」
デブ巨摩のジムカーナ走行をみたゼットンも懇願
「オメーは何言ってんだよ」
「では、陪審員の皆さん、デブ巨摩さんは 有罪で宜しいでしょうか?」
「はい!」「異議なしです」「有罪だな」
「おまえら~裏切ったな・・・」
「はい、決定って事でヨロシク~」
酢豚はデブ巨摩の手を握ると
「じゃあ、豚音ちゃんの時と同じで、ゼットンお前が教えろ」
デブ巨摩は、好豚の手を握りながら ゼットンを指す
「車のドリフトならまだしも、おれも初めてのリッターバイクだし、人に教えるなんて 豊子じゃあるまいし無理ですよおおお」
ゼットンは 絶望的な表情で理論的に拒否る
「ママはデブ巨摩さんって言ってたよ!」
「俺も好豚ちゃんと一緒に教え下さい!」
ゼットンも懇願する
「・・・・・」
「断ったら、ウチの店出入り禁止だから、速攻で電話しろって」
好豚はデブ巨摩を脅すように、豚美の写真が映ったスマホをかざして言うと
残りの3人は 距離を取るよう 後退りしながら
「鬼だな」
「やはり、豚美さんが一番タチが悪いっすね」
「昔、からだけどな」
「悪い予感的中すね」
「俺は絶対にバイク買いませんよ」
呟きながら、好豚とデブ巨摩からドンドン離れる3人
取り残されたデブ巨摩は
呆然としながら
「そんな、無茶苦茶な・・・」
諦めたように デブ巨摩が 項垂れて肩を落とすと
「伝説の赤い CB750 本指名入りましたああ~」
赤毛の笑い声が リース屋の駐車場に響きわたった
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