クラッチペダルのないオートマチックトランスミッションって、実は古い歴史があるのですね。
実用となるATは1930年代には実用化されていて、1940年代には現代も使われているトルクコンバーターを用いたATが登場しています。
クルマのATのどこがオートマチックなのかって、クラッチペダルを踏んでエンジンの動力を断たなくても自動的に変速ができることをオートマチックだと言うのであって、いちいちMTなんてことわらなくても、普通のクルマは皆当たり前にMTでした。
今、MTと言うと、「クルマ任せになんてしないのだ、ドライバーの意思で変速させるのだ、それがクルマを操る歓びなのだ」と言った文脈で捉えられることが多いのですが、ATが一般化する前は、そもそもそう言う考え自体がなかったのではないかと。
だってクルマを運転する以上、当たり前のことですから。
とは言え、当時は自らの意思で操作したくても、非力なエンジン、切れないステアリング、乗り心地の良くないサスペンション…と、クルマが元から備えている性能に半ば自動的に(笑)合わせることを強いられ、引きずられちゃっていたのではないかと。
MTと言う言葉自体はあったのかもしれませんが、その意味合いは、今で言うMTとは違っていたのではないかと。
そして、時代が下って現代のMT…
大多数のクルマが当たり前のようにATになっている中で、あえてクラッチペダルを踏んで変速させることが趣味的な要素なのだと…
少し前ならATは変速スピードが遅いからMTに乗っているのだと言う人もいたのでしょうけど、最近のATより素早く変速させることのできる人なんて、そうそういませんよね。
でも、「自らの意思で変速させるのだ」と言ったところで、最近のクルマはエンジン、ブレーキ、サスペンションなど様々な場面でコンピューターが介入するようになっているので、マニュアルで操作していると言ったところで、クルマのシステムというお釈迦様の巨大な掌の上にいる孫悟空のようなものなのではないかと…
クルマの性能に、嫌でも半ば自動的に、問答無用で縛られちゃっていた昔のMT…
高度な自動化が進んだ中で、限られた範囲の中で操作することが許されているだけに過ぎない現代のMT…
昔のMT車と現代のMT車では、同じMTでもクルマとしては全くの別モノなのかもしれませんね。
まあ、見れば分かりますけどね(笑)
さて、趣味性が高いのはどっちだろう…
ポルシェシンクロって、一度運転してみたいなぁ…
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日々の雑感 | クルマ
Posted at
2022/08/12 19:58:56