“ＴＡＲＧＡ ＦＬＯＲＩＯ” 出撃、その６。

タルガ・フローリオ初日の後半、今回は僕らの1957年フィアット1100TV以外のクルマの登場です。

それがこれ、「ERMINI」＝「エルミーニ」。英語的に読むと「エルミニ」ですが、イタリア人は「エルミーニ」と後半を伸ばすのでありますね。

エルミーニは1940年代末から60年代初頭までトスカーナのフィレンツェにあったレーシングスポーツのコンストラクターで、当時のタルガ・フローリオやミッレミリアの小排気量クラスで活躍していました。

写真のエルミーニは1100スポーツというモデルで、エントリーリストによると年式は1956年となっていますが、同社のヒストリーを調べてみるとこれはもう少し前、50年代前半のモデルのようです。

そう、同時代のOSCAに似たアルミボディのフロントにフィアット1100用をベースにした4気筒を搭載するレーシングスポーツで、その多くはエルミーニが開発したDOHCヘッドを備えていたといわれます。



これはそのコクピットですが、ダッシュもメーターもステアリングホイールもシフトレバーもシートも、すべてモノホンのレーシングスポーツだということが一目瞭然で、しかも今どきのラリーコンピューターを搭載していることからも、本気でタルガ・フローリオに出撃してきたクルマだというのが伺えます。

実はこれから先の真っ暗闇のカントリーロードを走る初日最終ステージ、僕らの1.1リッターOHVエンジン搭載のフィアット製4ドアセダンは、同排気量ながらツインカムエンジンを積んだこのエルミーニ製の超軽量レーシングスポーツを、全力で追走せねばならない状況に陥ったのでありました・・・。

それについては、次回のアップで詳しくリポートする予定なので、乞うご期待！