• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2008年05月01日

ホンダS600について。

ホンダS600について。 スポーツカーといえば、街中やどこかの駐車場で最新のフェラーリやポルシェやアストンマーティンといった豪勢なクルマを目にするのも悪くないけれど、ふと旧いスポーツカーが停まっているのに遭遇したりすると、最新モデルよりもドキッとしますね、僕なんか。

しかもそれ、必ずしもいわゆるヨーロッパの一流ブランドのスーパースポーツである必要はなく、小さなライトウェイトスポーツでもいいし、場合によっては日本車でもいい。

例えばこのクルマ、ホンダS600。1963年発売のS500に始まって、64年にS600に発展、さらに65年になるとS800が出現して69年、別の説では70年まで生産されたホンダSシリーズの一翼を担ったクルマですね。

エンジンは当時、ヨーロッパのジャーナリストから「F1GPカーのミニチュアのようだ!」と驚嘆された小さなDOHC4気筒で、今から44年も前にたった606ccの排気量から57ps/8500rpmのパワーと5.2mkg/5500rpmのトルクを絞り出していたのだから驚きます。全長3300㎜のボディは車重は715kgと排気量のわりに重かったけれど、4段ギアボックスを介して0-400mを18.7秒で加速し、最高速145km/hに達するという、60年代前半のヨーロッパ車だと1000~1300ccクラスのスポーツカーに匹敵する性能を発揮したのでした。

僕が71年に初めて手に入れた自分のクルマも、他でもないこのS600の高性能版というべきS800の最終モデル、68年型S800Mだったのです。DOHCエンジンは791ccに拡大され、70ps/8000rpmと6.7mkg/6000rpmを発生、755kgの車重を160km/hまで引っ張ったクルマであります。0-400m加速16.9秒という公表データがちょっと非現実的だったところがご愛嬌ではありますが、S800は公道でもサーキットでも本当に速いクルマでした。

例えば67年のADACニュルブルクリング1000kmインターナショナルGTレースでは、700-1000ccで見事クラス優勝したのがホンダS800だったし、そういえばその3年前の64年には、同じニュルブルクリングの500kmGTレースで、ホンダから送り込まれたワークスS600がクラス優勝を手に入れていました。GT-RやNSXがニュルブルクリングに足跡を残す30年近くも前に、ホンダSはすでにニュルマイスターになっていたのでありますよ!

もっと身近な例を出すと、80年代初めに僕が筑波のヒストリックカーレースを戦っていた67年型S800レーシングクーペは、クロスプライのダンロップG5という細いセミレーシングタイヤを履いて1分13秒6のラップタイムをマーク、2リッターのフェアレディSRや1.6リッターのロータス・エランと互角の勝負をしていたといえば、当時のS800の速さを理解してもらえるでしょうか。

話を写真の赤いS600に戻すと、これは僕の友人のクルマで、昨日、久しぶりに目にしたんですが、本田宗一郎御大がメカニズムだけでなくデザインにも口を出して仕上げたというスタイリングのセンスのよさが、この写真からも伝わってくるではありませんか。ところで、このS600が履いているワイドリムのスチールホイール、実はホンダ純正ではなく、なんとドイツのNSU 1000TT/1200C用なんですが、その理由についてはまたの機会に・・・。

というわけで、残念ながら今回、僕がステアリングを握らせてもらう時間はありませんでしたが、オーナーである友人の操縦で“プォーン”という軽い連続音を奏でながら走り去っていくS600は、とてもチャーミングに見えたものでした。近年は特に、エコとの兼ね合いが難しいところではありますが、旧いスポーツカーというのは本当に魅力的な乗り物であります。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2008/05/01 21:37:10

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

久しぶりの四国自動車博物館。😊
TOSIHIROさん

093【塩ラーメン】グルメレポート。
とも ucf31さん

静かな週末
M2さん

孫2号とゲーセンに♪
kuta55さん

母との別れ
緋色の流星☆彡さん

薔薇 2025 その1
べるぐそんさん

この記事へのコメント

2008年5月2日 18:18
旧いスポーツカー、僕も大好きです!
愛情たっぷりな師匠の旧車レポートも大好きです!!!

エコに関しては、実際のところどうなのでしょう?
メーカーのエコに関する技術革新には感心しますが、
反面、販売戦略としてエコを売りにし、買い替え需要を狙っているとしか
見えません・・・。

本当のエコは、やはり古い物を大事に使い続ける事の様に思うのです。
リサイクルも大事ですが、リサイクルする必要の無い、愛着の沸く、
ずっ~と使っていたくなるような物であればよいわけだし、、、。

それよりも、私も含め、大量生産大量消費に慣れきった“心”が
エコではないのですよね(汗
まさに“餓鬼”地獄です。食べても食べても満たされないという・・・。

旧車を維持するエネルギーと、新車を数年毎に買い替えリサイクルするエネルギーとを、
専門家として、比較、検証していただく事は出来ないでしょうか?
2008年5月2日 18:24
自分もライトウェイトなスポーツカーに心惹かれます。

可愛らしいとも取れる様なスタイリングのくせに、目一杯アクセルを踏み込んでおいしい回転数を維持するようにシフトし、ヒラヒラと舞う様にコーナーをを駆け抜ける…

車だけで無く自分も一生懸命になると応えてくれる走りが気持ちを通わす相棒の様な気がして好きなんです。

ホンダのS600&800もきっとそんな車なんだろうなぁ~と思うと見かけるだけで、やはり“ドキッ”としますね!
2008年5月2日 19:35
私はもちろんS600なんて運転したことはないですが、こういう小さいクルマでエンジンをブン回して走るのって楽しそうですよね。
以前、ミゼットⅡに少しだけ試乗した時にホント楽しかったですもん。(ってちょっと違うか?(^_^;))
2008年5月2日 20:08
こんにちは。
匠さんの記事、楽しく拝見させてもらってます。

S600 うちの親父(現在61歳)が一番最初に買った車なんです。
黄色いボディにボンネットを深緑にして乗っていたそうです。
前に親父と、そのエスロクが出ている古いアルバムを見ながら昔話を聞きましたが
乗っていて本当に楽しい車だったようです(故障も多かったみたいですが・・)。
今まで乗った車のなかで、もう一度乗ってみたい車はこのエスロクだそうです。

私もそんな親父の姿を見ていたからか、一番最初に買った車は
初期型のユーノスロードスターでした。(楽しい車でした)

将来、ロードスターの古い写真でも見ながら子供と話でもできたら
それは素敵なことだと思います。

匠さん! 車ってホントにいいものですね!!
2008年5月2日 22:58
私もポルシェに乗る前にトヨタ スポーツ800通称ヨタ8に乗っていました。

日本にも個性的な車が多々ありますが、国産ライトウエイト・スポーツの草分的存在でしたよね。ハイメカニズムのホンダSに対して、大衆車パブリカの部品を多様した空冷2気筒エンジンは45馬力で580kgの軽量ボディを155kmまで引っ張り上げました。燃費もよく街乗りでも20kmは下りませんでしたよ。

乗って楽しい、経済的で、見る人もハッピーにさせる良い車でしたが、さすがに現在の道路事情には厳しく、安全面でも不安を覚えたためポルシェに乗り換えた次第です。

思い返せば、ヨタ8も2台乗り次いで今だに空冷に乗り続けています。
2008年5月2日 23:34
S600かS800を真剣に探している時に、本田総一郎さんが亡くなり、
相場が跳ね上がり、購入を断念した事があり今でも欲しいと思う車です。
その後、替わりにカプチーノを買いましたが、名阪国道で全開のカプチーノを
軽くかわしながら、手を振ってくれたS800の姿が今でも焼きついています。

ホンダの意地とこだわりが作り上げた、走る精密機械、
そんな印象がこのSシリーズには有ります。
2008年5月3日 0:36
知り合いの根っからのホンダ党が、CBのK0を徹底的にレストアして乗っています。同時に普段の足代わりにK4を乗り回しています。RCBレプリカを自分で作ってしまうほどのホンダ党が、さて車はというとS600なんですよね。
車ってこんな感じで十分走れるって感じのシンプルさですよね。シンプルな代わりにファンがタップリ詰まっているって感じです。
マン島でのホンダの雄姿がそのまま車に反映されたようで可愛らしいスタイルの割にはスパルタンさを感じます。
2008年5月3日 0:57
S600などSシリーズはホンダと言うクルマの原点だと思うのです。
2008年5月3日 10:47
スポーツカーの命は『車体重量』だと思う私。

世間の目はエンジンパワーにいきがちですが、
強度を確保するために重量が増し、さらにエンジンパワーを求めていく
悪循環に陥ってる気がします。


ヨタ8やS600のような『本当に軽いライトウエイトスポーツ』
の復活を望みます。
2008年5月3日 23:15
懐かしく思い、メールいたします。
私の初めてのマイカーがS6でした。40年位前になりますね。
夜な夜な箱根に繰り出していました。
4連キャブを自分でいじって壊し、ホンダSFのお世話になったり、
白子工場に整備でよく通いました。
初期型でヘッドライトカバーがガラス製でした。よく割れたものです。
濃紺に全塗装。いつもピカピカでスタート時にはチェーンの遊びで
尻を少し持ち上げて、ダッシュしてました。

いろいろ思い出しました。  取り留めなくて失礼しました。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「『CG classic』Vol.10、アメリカンV8に点火せよ! http://cvw.jp/b/378570/47998929/
何シテル?   09/29 17:49
今からおよそ7年前、つまり2017年の誕生日にいわゆるひとつの“古希”を迎えちゃいましてね、したがって今年2024年の4月22日で77歳になるわけですな。ガキの...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

愛車一覧

ミニ MINI ミニ MINI
2010年後期型MINI Cooper Clubman=ミニ・クーパー・クラブマンの6段 ...
ポルシェ その他 ポルシェ その他
リアエンジンGTポルシェの原点、356が欲しいという思いが強くなり、2010年10月、つ ...
オースチン その他 オースチン その他
急にオープンスポーツが欲しくなり、2009年に購入。レーシング風だった外観をノーマルに戻 ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
1991年ポルシェ911カレラ2 MT、通称“964C2GT”。シグナルグリーンのボディ ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
08年4月以前の過去ブログはこちらから

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation