
前回の本文に “ヒーリー・スプライト” と書いたのを見て、単純にそのマークⅠ=カニ目と思ってしまった方もいるようなので、外観の写真を出しておきましょう。
それも、当時のイギリスの自動車年鑑から複写したモノクロのメーカーフォト、つまり最も標準的なヒーリー・スプライト・マークⅡの姿を提示しておきます。
イギリスでFrog eye、アメリカでBug eye、日本ではカニ目と呼ばれた有名なマークⅠのスタイリングと比べると、あまり特徴のないカタチにみえますが、どうしてどうしてこのスプリジェットのボディ、なかなか味わい深いと僕は思っているのです。
なかでも特に、フロントのウインドシールドが単純な平面で構成され、サイドに三角窓もドアハンドルもないこのスプライトのマークⅡ、およびMGミジェットのマークⅠは、簡潔にしてスパルタンなロードスターだけが持つダンディズムみたいなものを備えているところが、僕は好きなのでありますね。
ちなみにこの後のモデル、スプライト・マークⅢとミジェット・マークⅡになると、ウインドシールドが少し大きくなってそのフレームも分厚くなり、サイドウィンドーが巻き上げ式になって三角窓も備わるために、耐候性と利便性は大きく向上しますが、その代償としてルックスはカブリオレに近くなって、ロードスターのダンディズムを失ってしまうんですね、僕にいわせると。
ま、それはともかくとして、このスプライト・マークⅡ、写真から判断して、ボディサイズはどのくらいのクルマに見えますか?
この年鑑に載っている数字では、なんと全長3495×全幅1346×全高1264㎜、ホイールベース2032㎜、という想像する以上の小ささで、車重はドライウェイト、つまりエンジンやトランスミッションのオイルもエンジンの冷却水も入れていない乾燥重量で610㎏、と公表されているのですから、驚いてしまいます。
いずれにせよ、この簡潔なボディの内側に、前回と前々回にアップしたあのブリティッシュなインテリアが設えられている、というわけでした。
Posted at 2009/08/30 21:25:07 | |
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