
昨日の午後、ホンダの緊急記者会見で福井社長がF1撤退に関する発表をしている頃、僕は東名横浜インター近くのスタジオ内で、こういう状況にありました。
WOWOWのTV番組のために、2台並んだホンダS800の前で、60年代の日本車の魅力について対談をしていたのです、そうスーパーアグリの鈴木亜久里さんと。
モータースポーツに関する緊急記者会見があるというメールが朝には届いていたので、おそらくそういうことだろうなと予測はしていましたが、F1撤退、やっぱりショックでした。
だってホンダといえば60年代に、宗一郎御大とそのハートに共感した熱血エンジニアたちが極東の自動車後進国にもレーシングスピリットが沸き立っていることを世界に示し、僕ら日本のクルマ好きにこの国も捨てたもんじゃないということを教えてくれた張本人だからこそ、余計にそれがショックなのでありますね。
もちろん福井社長をはじめとするホンダの人々は、そんなことは百も承知の上で苦渋の決断をしたのでしょうから、つまりはそれほど事態が差し迫っていると判断したのでしょうから、その決断は尊重するとしましょう。
正直なところ、もう1年だけでも続けてそれなりに華々しい戦績を残し、ホンダのレーシングスピリット健在なりとアピールしてから撤退して欲しかったという素人っぽい思いはありますけれどね、個人的には。
でもまぁその決断は認めるとして、問題はこれからのホンダにあると思います。
その昔、排気量1リッターに満たないS800のホンダツインカムを1万回転で吼えさせながら、サーキットで1.6リッターのエランや2リッターのフェアレディSRと互角以上のバトルをした熱い思い出を持つ世代のクルマ好きとしては、ホンダにピープルムーバーとエコカーだけのブランドには絶対になって欲しくない、ということであります。
もっとストレートにいえば、スポーツカーをつくるのを止めちゃあ駄目でしょう、というか、これからもスポーツカーをつくらなきゃ駄目でしょうホンダは、と僕は思っているんですね。
F1を止めたっていいスポーツカーをつくれることは、ポルシェやロータスが立証しています。
エコオリエンテッドな時代に相応しく、クリーンで燃費に優れていながら、かつて1万回転の雄叫びで僕らを官能の坩堝に送り込んでくれたホンダツインカムのように熱いスポーツエンジン。
“エンジンのホンダ”だったらそれを実現してくれそうな気が今もしている僕らの期待に、F1から撤退したことで生まれるはずの開発パワーを駆使して、これからのホンダは応える義務があると僕は思っています。
で、恥ずかしいほど月並みだけれど、頑張れホンダ!、というフレーズでこのコメントを締めておきましょう。
 
				  Posted at 2008/12/06 15:15:20 |  | 
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