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吉田 匠のブログ一覧

2009年08月31日 イイね!

では最後に、ハードトップを被った姿を・・・。

では最後に、ハードトップを被った姿を・・・。オースティン・ヒーリー・スプライト・マークⅡ、最後にもうひとつ別の姿をお見せしましょう。

これ、前回のアップとボディカラー以外は同じスプライト・マークⅡで、ホイールとタイヤなんかも同じ標準品を履いていますが、けっこう雰囲気が違いませんか。

いかにも軽快なロードスター風から、小さいながら、というより、全長3.5mに満たない極小のクルマとは思えないほどのエレガンスさえ感じさせますよね。

そう、この雰囲気の違いを演出しているのは、いうまでもなくハードトップですね。

スプライト用のハードトップというのは、メーカーのBMC製、社外品を含んで、様々な種類があったんですが、BMC製とはまったく別デザインのこのハードトップは、スプライトを生み出したヒーリー・モーター・カンパニー製。

このヒーリー製ハードトップのデザイン上の最大の特徴は、通常ハードトップには備わっていないリアクォーターウインドーがあることですね。

それによって、ハードトップとしては異例に斜め後方の視界がいいという長所を備えると同時に、まるでクーペのように流麗なルーフラインとウインドーグラフィックを実現しているわけで、これは実に秀逸なデザインだと思いますね、僕は。

ディタッチャブルハードトップというのは50年代に始まったものと考えられますが、それをオープンスポーツカーが変身するための極めて重要な備品として確立したのは、60年代のブリティッシュスポーツカーだといっていいでしょう。

ハードトップを被ると空気抵抗が減ってトップスピードが延びるのに加えて、ドライバーの疲労もオープンで走るより明らかに少なくなるので、オープンのスポーツカーがGTレースや長距離ラリーに出るときには、ハードトップを装着するのが一般的でした。

したがってハードトップというと競技用のアイテムというイメージがひとつありますが、それとは別にこのヒーリー製ハードトップのように、クルマをエレガントに見せる効果もあったというわけです。

ヒーリー・スプライトというこの小さなブリティッシュスポーツカー、レーシングフィールドでも実に興味深い戦いぶりを演じているんですが、それについてはまたどこかで、別の機会に・・・。
Posted at 2009/08/31 18:31:57 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2009年08月30日 イイね!

ヒーリー・スプライト・マークⅡ、そのエクステリアは・・・。

ヒーリー・スプライト・マークⅡ、そのエクステリアは・・・。前回の本文に “ヒーリー・スプライト” と書いたのを見て、単純にそのマークⅠ=カニ目と思ってしまった方もいるようなので、外観の写真を出しておきましょう。

それも、当時のイギリスの自動車年鑑から複写したモノクロのメーカーフォト、つまり最も標準的なヒーリー・スプライト・マークⅡの姿を提示しておきます。

イギリスでFrog eye、アメリカでBug eye、日本ではカニ目と呼ばれた有名なマークⅠのスタイリングと比べると、あまり特徴のないカタチにみえますが、どうしてどうしてこのスプリジェットのボディ、なかなか味わい深いと僕は思っているのです。

なかでも特に、フロントのウインドシールドが単純な平面で構成され、サイドに三角窓もドアハンドルもないこのスプライトのマークⅡ、およびMGミジェットのマークⅠは、簡潔にしてスパルタンなロードスターだけが持つダンディズムみたいなものを備えているところが、僕は好きなのでありますね。

ちなみにこの後のモデル、スプライト・マークⅢとミジェット・マークⅡになると、ウインドシールドが少し大きくなってそのフレームも分厚くなり、サイドウィンドーが巻き上げ式になって三角窓も備わるために、耐候性と利便性は大きく向上しますが、その代償としてルックスはカブリオレに近くなって、ロードスターのダンディズムを失ってしまうんですね、僕にいわせると。

ま、それはともかくとして、このスプライト・マークⅡ、写真から判断して、ボディサイズはどのくらいのクルマに見えますか?

この年鑑に載っている数字では、なんと全長3495×全幅1346×全高1264㎜、ホイールベース2032㎜、という想像する以上の小ささで、車重はドライウェイト、つまりエンジンやトランスミッションのオイルもエンジンの冷却水も入れていない乾燥重量で610㎏、と公表されているのですから、驚いてしまいます。

いずれにせよ、この簡潔なボディの内側に、前回と前々回にアップしたあのブリティッシュなインテリアが設えられている、というわけでした。
Posted at 2009/08/30 21:25:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2009年08月28日 イイね!

60年代のブリティッシュ、正解は・・・。

60年代のブリティッシュ、正解は・・・。いやいや、皆さんから予想以上の反応、ありがとうございました。

車名当てクイズにする積りはなかったのに、12人の方々から回答、もしくは回答のようなもの、あるいは推測、それに加えて回答とは関係ないご意見などいただきましたが、素晴らしいことに、いましたね正解者がお一人、そう僕の名前と同じハンドルネームの方。

そう、正解はコレです、といってもクルマの全体像ではなく、コクピットの全体像をお見せしましょうね、まずは。

車名は、1963 Austin Healey Sprite Mark.Ⅱ、日本語読みで1963年オースティン・ヒーリー・スプライト・マークⅡ、というわけです。

ヒーリー・スプライトといえば948ccの通称 “カニ目” ことマークⅠに始まり、このマークⅡからMG版のミジェットも登場して “スプリジェット” の総称で呼ばれるようになった、いわば戦後のイギリスで最もポピュラーなスポーツカーであります。

この写真のコクピットは1098ccエンジンを積んだマークⅡ後期型のもので、前のブログにも書いたように、ステアリングホイールとレヴカウンター=タコメーター、ダッシュのスイッチ類やインジケーターランプの幾つか、それにシートベルトとシフトノブは非標準品ですが、こんな安物でもコクピットはいかにもブリティッシュないい雰囲気を醸し出しているのが、感じ取れるのではないでしょうか。

このスプライト・マークⅡ後期型の場合、エンジンは1098ccの56ps、ギアボックスは4段MTのもちろん後輪駆動ですが、現役当時のイギリスの雑誌のテストではSS1/4マイル≒0-400mが20.9秒、最高速141km/hというデータをマークしていますから、ま、遅いといえばかなり遅い。

でも、今から15年ほど前にこれのマークⅠ=カニ目に乗っていた僕の経験からいうと、そのパフォーマンスは現代の路上でも充分に通用します。

だからといって、今どきの高性能車になれた皆さんに無責任にオススメしようとは思いませんが、最後にコメントをくれた “食わず嫌い” の典型と思われる T さんなんか、乗ったらけっこうハマると思うんだけどな・・・。ハハハ
Posted at 2009/08/28 13:15:58 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2009年08月25日 イイね!

どう見ても、60年代のブリティッシュ。

どう見ても、60年代のブリティッシュ。この前の土曜日、写真のようなメーターパネルのクルマに乗りました、といってもこのクルマ、ナンバーがないので、某ワークショップの敷地内を数メートル動かしただけですが。

そう、SMITHS=スミスのメーターが並ぶダッシュボードといえば、イギリス車ですね。

それも、イギリスのクルマが粗野にして高貴な奥の深い魅力に溢れていた、1960年代までのブリティッシュスポーツが連想されますが、まさにそのとおり。

動かしたといってもなにせ数メートル、低いドライビングポジションと、低回転からトルキーなエンジン、カチンと歯切れのいいギアシフト、それに旧いイギリス車独特のちょっと頼りない感触のクラッチ、くらいしか味わえませんでしたが、それでもなにやら懐かしい気分になって心が和むと同時に、ある種の高揚感を覚えたのでありました。

別に、このクルマの車名と、できれば年式を当てて下さい、なんていうクイズをやる積もりはありませんよ。

でも、旧いクルマの車名を当てるのが趣味だったり、車名に心当たりがあったりするエンスージアストのためにヒントを出しておくと、このレヴカウンターとステアリングホイールは後付けのパーツで、標準装備品ではありません。

みんカラブロガーの大半がそうではないかと思われる、現代車派の皆さんが、ちょっとでも旧いクルマに興味を持ってくれれば、この写真をアップした目的は100%以上達せられたと思っています。
Posted at 2009/08/25 15:57:55 | コメント(12) | トラックバック(0) | 日記
2009年08月17日 イイね!

GMから消えた、ポンティアックといふブランドについて。

GMから消えた、ポンティアックといふブランドについて。同業者の多くが似たような状況じゃないかと推測しますが、26日発売の雑誌の原稿執筆が昨夜終わったので、前から気になっていたことを書いてみようと思います。

それは、昨今のGM破産&再生問題にからんでGMが手放したブランド、ポンティアックについて。

近年、GMアメリカが持っていた乗用車ブランドは、いわゆる高級なものから順に並べて、キャデラック、ビュイック、オールズモビル、ポンティアック、シヴォレーの5つでした。

つまりポンティアックって、下から2番目だったわけですね、高級な度合いでいうと。

でもその代わりポンティアック、縮めて “ポンティ” はGM内でシヴォレーと並ぶスポーティイメージの強いブランドと位置づけられていて、コルヴェットのように象徴的なスポーツカーこそ持っていなかったものの、スポーティなモデルがけっこうあったのであります。

しかも60年代のポンティアックには、「ルマン」だとか「GTO」だとか、ヨーロッパのモーターレーシングの香りのする車名を与えられたモデルがあったのも特徴的なことのひとつで、なにやら内部に好き者がいるに違いない雰囲気が、ぷんぷんしていたのでした。

そのポンティアックが1960年秋に世に出した「テンペスト」というクルマ、皆さんご存知でしょうか?

写真の4ドアセダンの他に、ステーションワゴン、2ドアハードトップ、それにコンバーチブルからなる合計4種類のボディを持ったこのクルマ、ポンティアック独特の2分割グリルを別にすれば、見た目はわりと普通の60年代前半のアメ車なんですが、実はその内側のメカニズムが猛烈凝っていたのであります。

これはサブコンパクトという、当時のアメ車としては小さい部類のクルマだったんですが、エンジンがV8の他に直4も選べて、ガソリンを食わない、なんて謳っていたのが、アメリカ人の誰も燃費のことなんか気にしていなかった60年代当時としては、まずユニークでした。

でも、もっと凄いのがそのサスペンションと駆動系で、ほとんどのアメ車の後輪がリーフスプリングのリジッドアクスルだった時代に、コイルを使った独立リアサスペンションを奢っていたのに加えて、MTとATの両方あったギアボックスがリアに搭載されて、逸早く “トランスアクスル” を採用していたのだから驚きます。

つまり、当時はまだヨーロッパでもごく一部の独創的な高価格車しか使っていなかった高度なメカニズムを、惜しげもなく搭載していたのでありますよ、このテンペスト!

おそらくGMにはほとんど利益をもたらさなかったんじゃないかと想像できるこの凝ったメカニズム、いったい誰が採用したのかと思ったら、そこには実に驚きの人物がいたのでした。

当時、GMポンティアック・ディビィジョンのチーフデザイナー=主任設計者だった人物の名は、ジョン・デローリアン。

そう、後に独り立ちしてデローリアン・スポーツカーを生み出すかの有名な “カーガイ” が、テンペストの生みの親だったんですね。

ま、このテンペスの存在もあって、僕は数あるGMのブランドのなかでもポンティアックに特別の感情を抱いていたのですが、なんと早々に系列から外されるとは・・・。

自動車の世界、もちろんその未来も大いに興味深いですが、過去を振り返ってみるのもけっこう面白い、という話でした。
Posted at 2009/08/17 19:37:36 | コメント(14) | トラックバック(0) | 日記
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