第一幕はこちら。
12時、
グリッド整列が始まりました。
むさし屋は、コースインし一周、
そして、ホームストレートに戻り、車を並べます。
お、この背中はだりさん。
間に合いましたね。ギリ。
そして、コース上でドライバーズミーティングの開始。
富士スピードウェイのコースに足を踏み入れる、貴重なタイミングでもあります。
例年、
S耐ドライバーやプロドライバー、モータースポーツ関係者が多く参戦する草レース
K4-GPですが、
今回、HKSがオプションと組んでプロドライバーを投入してきたのは
注目の的でありました。
この時間、第一ドライバー以外は気楽なものですが、
走る人間にとっては、結構緊張の時間です。
ドラミで注意事項などが主催側から説明され、
その後、車上の人となります。
通信確認、ドラポジ、水分補給などなど、最終チェックをして、
開始の時を待つむさし屋。
走行開始3分前、
水が引くように、スタッフたちがコース外へ退避します。
走行開始1分前、
イグニッションオンの指示が流れます。
そして、
午後1時。
フォーメーションラップの開始
全車、隊列を保ったまま、周回を始めます。
K4-GP 500kmのスタートは、1周のフォーメーションラップを挟んで、
先頭車両が2周目に突入した時点で、全ポストがオールグリーンとなり、
レース開始となります。
GP-1というAT限定クラスに参加しているNoLimit他の車両は、
隊列の最後尾に固まっているので、
当初はゆっくりしたもの・・・・のはずが。。。。
『おい!今回のローリングスタートは去年より全然ペースが速いぞ!』
むさし屋の悲痛ともいえる叫びが、ピット側に伝えられました。
昨年、今年とスタートドライバーを任せてもらっているむさし屋ですが、
明らかに今年のフォーメーションラップは、昨年と違いました。
レースペースの8割程度まで踏まないと、前についていけません。
K4-GPは、燃料が制限されている中で周回を重ねなければならないレースのため、
無駄なアクセルは踏みたくないのですが・・・。
むさし屋は気づきました。
昨年と異なるレギュレーションが、周りの心理を変えている・・・と。
実は、昨年と今年で、大きく異なるレギュレーションが1つあるのでした。
それは、使用可能燃料量の変更。
昨年は55リットルだったものが、今年は60リットルに。
つまり、5リットル多い。
5リットル・・・・仮に5時間で100周する場合、
1周あたりたったの0.05リットル・・・でしかないわけですが、
たったの0.05リットル、
それが勝負を分けるのが、K4-GPであったりもします。
なんにせよ、常連チームは昨年よりも踏める為にレースペースが速く、
新規チームはそれに釣られて、
明らかにレースペースが速いことが、うかがえる1周目でありました。
正直、
レース前にかなり詳細な戦略を練っていたむさし屋ですが、
これは少々想定外でありました。
もう少し、序盤は緩いペースだと思っていたのですが・・・。
ちなみに、アイにとって5リットル多いことが、プラスとなるのかマイナスとなるのか・・・
これは、当然、絶対値としては多く消費できるわけでプラスとはなりますが、
他の一般的な低車高、軽量な軽車両と比べると、そのプラスの量は小さく、
むしろ相対的にはマイナス面が大きいレギュレーションとなります。
アイは、車高が高く、車重が重い。
そのため、加速しようとするときに使用するエネルギーが大きいのです。
ホームストレートでは、高さからくる空気抵抗も、非常に厳しい。
じゃ、なぜそれで参加してるの?という根本を言われると、
もうこれはロマンでしかないわけですが^^;(笑
さて、そうこうしている間に、フォーメーションラップの先頭車両が
2周目に突入したようです。
全ポストオールグリーン。
本当のレース開始。
予想通り、他の車両はとんでもないハイペースで加速していきます。
我々の想定した走行ペースをはるかに超えるペースで。
もちろん、アクセルを踏めば追いつくことは可能、
しかしながら、それではレース終了までアイが走ることができなくなってしまいます。
ここは、我慢。
しかし、あまりに離されるのは得策ではないため、
僕が想定した上限のペースで、レースを開始します。
徐々に開いていく、前の車両との差、
やはり今年は、厳しい戦いになりそうだ。。。
自然と歯ぎしりしてしまいます。
・・・とはいえ、
あることにも気づきます。
明らかに、昨年のドライブよりも自分のレベルは上がっている。
レース開始2周目で、昨年のベストに近いタイムを出し、
なおも、ペースには余裕があります。
僕の昨年の目標は、2分55秒~3分の間で周回をすること。
その時の燃費は、リッター7~7.5キロ。
今年は、同じ燃費で、
2分50秒~2分55秒の間で周回できるようになっていました。
想定通り。
思わずデスノート的な笑いがこみあげてきます。
ピットでは、毎周、タイムと燃費を計測し、記録しているのですが、
そこには、僕の想定ペースが書いてあります。
そこに書いている、僕の一周当たりの燃費、
多く消費して走行した時のタイムが、ピタリとこの想定と一致していたのでした。
完璧だ。
少なくとも僕は、当初の想定通りで走れている。
つまり、想定した周回数をこなせる。
最初の数周で、これを確信することができました。
とはいえ、厳しい戦いとなることは変わりありません。
自民党と大きく書いたアルトも、徐々に遠ざかっていきます。
あ、これ、ほんとなんです。
自民党モータースポーツというチームが、
K4-GPに参加していたんです。
古屋議員のブログが、さっそく更新されていました。
モータースポーツ振興基本法という法案が
国会で成立する見込みであり、それに弾みをつける意味もあるようです。
こういう議員さん方の活動が近くで見れる、新鮮な一幕でしたが、
この車両も、
早い段階で、遠ざかって行ったのでした。
僕は叫びました。
来年、日本初の公道レース開催、期待してます!
さて、話を元に戻しましょう。
早々に自分のペースを確立したむさし屋。
そのペースをキープできるように、
慎重にレースを運びます。
スタートダッシュでアイの前に出て行った同クラスの車両は2台。
うち一台は、あっという間に視界から消えて行きましたが、
もう一台は、早々にピットイン。
つまり、現時点で2番手を走っているはずです。
1番手の車両とは、現時点で張り合っても仕方ないと割り切ります。
幸いにして、序盤は上のクラスの車両に抜かれるばかりでしたが、
10周を過ぎたあたりから、
上のクラスの何台かとは、いい感じで絡めるようになってきました。
(とはいえ、他の車両と絡んでいいことはほとんどないんですけど)
うん、
やはり最初のペースに対して、
そのペースのまますべての車両が走れるわけではないようです。
周りのペースをうかがいつつ、
10周近くを走破、時間にして30分弱が既に経過しています。
このあたりで、気になることが一つ・・・。
それは、ときどき、フロントガラスにつくものでした。
それは、ワイパーを動かすと気にならなくなるものでした。
そう、雨です。
レース開始前から怪しかった空模様でしたが、
いよいよ、降り始めたのです。
僕の予定周回数は、残り14周。
果たして・・・。
12周・・・・10周・・・・
まだ、路面はドライでした。
8周・・・・7周・・・・・
『あ、、、、こりゃ、、、、降り始めたわ。』
雨の到来を気付くのは、ピットよりもドライバが早かったです。
明らかに、ワイパーなしでの走行がきつくなってきました。
路面はまだ、ドライと言っていいでしょう。
6周・・・、路面がセミウェットとなってきました。
ピットからは、周りのペースが落ち始めたようだ、との連絡がありました。
まだ、ドライと同じタイムで走れます。
5周、本降りとなってきました。
ここからは、ウェットといっていい路面でした。
フロントタイヤはアンダー方向に流れ、
リアも、高速コーナーで唐突にブレイクをはじめます。
ここからは、より慎重なドライブが必要となってきました。
上のクラスの車両が、僕を抜いていき、
その前でハーフスピンします。
ドライからウェットへと切り替わるこの時間が、一番危険です。
・・・が、
ここは、今までそれなりに基礎練等で馴らした経験がものを言いました。
路面の見え方で、どれくらい滑るかがある程度予想できたからです。
他の車両が慎重を期し、10~20秒程度ラップダウンするところを、
5秒程度のラップダウンに抑え、走行することができました。
中盤、クラストップの車両と1ラップ差をつけられていましたが、
ここでの踏ん張りにて、同一ラップへと戻すことができたようでした。
・・・もちろん、すべてがうまく走れたかというと、そうではないですけどね^^;
一番焦ったのは、
コカコーラコーナーへの進入時に、
あの車が迫ってきたとき。
そうです、
谷口選手の駆る、新型コペンです。
進入時に、まだ鼻先が入らない位置にいたため、
それでも一応、インを1台分開けて進入したのですが・・・
素人は、その1台分を攻めてくることは、まずありません。
しかしながら、さすがプロ。
きっちり頭を入れてきたのでした。
逆に、そう思っていなかった僕はテンパってしまって、
ちょっとラフな操作をしてしまった結果、地味にスライド(笑
思わず、焦る僕を尻目に加速していくコペンに向かって
ゴメンナサイm(_ _)m
コカコーラコーナーは、クラッシュの名所(?)なので、
注意しなければならないコーナーの一つなのですが、
危うく、スピンしてしまうところでした^^;
しかし、プロはやはりすごいですね。
走り去る姿も、
スパッと抜いていく挙動も、
綺麗で感動しますね。
しかしながら、やはり思うことは、
基礎練習って大事。
僕らはレースというフィールドはなかなか経験できることではなく、
その場で出せる能力は、きっとせいぜい9割程度。
そのパーセンテージを高く保つには、
基礎練と、考えること。
この二つだと、身をもって感じます。
耐久を始めたころは、他の車両と絡むことで、
平気で10秒近くラップタイムが落ちてしまっていましたが、
この耐久では、他の車両がどう動こうと、
基本的には2~3秒の誤差で、走れてしまっていました。
また、その時のガソリン消費量もほぼ一定、目標値をキープしたまま。
これは、周りに目を向け、
抜かれても痛くない場所まで後ろの車両を誘導して抜かせたり、
抜くときは、迷わずスパッと抜く。
これを行ったから。
で、これを行うには、どういう操作で車がどう動くかが、
自分に安心してできないと無理であり、
今回の耐久は、現時点で最高レベルで、安心して操作することができていました。
きっと、来年は、またそのときまでの積み重ねで
よりよい操作ができているはずですが、
少なくとも、去年のK4-GPとのドライビングとは、比べ物にならないと
自身、感じることができました。
これは、他のドライバーからも同じコメントがもらえたので、
僕だけではなかったようです。
・・・ということで、
僕も後半、雨には(というよりコペンに?)翻弄されたものの、
それでも最後まで2分50秒台をキープしたまま、なんとかPIT-IN。
無事に、二番手にバトンを渡すことができたのでした。
給油し、
ピットに戻り、
車両から離れたとき、
まだ走りたいという気持ちと、
無事に走り終えた安堵感と、
不思議な満足感に浸れるのが、
耐久レースなんだと、このとき1年ぶりに思い出しました。
・・・しかしながら、
まだレースは序盤。
二番手はだりさん。
休んでいる暇はありません。
次に向けて、いち早く頭を切り替えるむさし屋なのでした。
二番手、だり。
遅れてきた男が直面する悪夢とは。
降りしきる雨があがったとき、
待ち受けるのは明るい未来か、
それとも。。。。
2015.08.12 K4-GP 500km 第三幕 第二ドライバー だり
こうご期待。