
スントに表示されたタイム。
これが、私の今回のツールド八ヶ岳のタイムです。
結論から書くと「失敗」です。
批判を浴びて当然の成果です。
なにに失敗したのか?
帰りの車の中では自問自答を繰り返すのでした。
完璧と思われるほど、体を作ってきた「つもり」だったのですが、
そうは問屋が卸しませんでしたね。。。
昨年、セマスで聞いていたツールド八ヶ岳。
なんでも昨年は猛吹雪でハーフコースに変更となったそうですが、
HCレースの始まりとしてはとても魅力に感じていました。
ということで、セマスの面々で遠征です!

シャレオツなパン屋さん。
レース前と、レース後と、一番重要なワインのお供のパンを買いました(笑)

とても質素です。でも、今思えばそれがこのレースの本当の怖さを物語っているようなきがします。
この冬は今までに無いほど体ができていると感じていました。
たしかに、筋持久力の不足を痛感する練習もありましたが、大方上昇気流に乗っている実感があったのです。
今年になって強度を上げたローラーや、ちょっとしたことですが効果を感じていた筋トレなど、プラスな材料がたくさんありました。
まだ4月ですから、シーズンとしてはちょっと早めです。
でも、私は「本気」で挑んでいました。
今回はカーボローディングという食事によるグリコーゲンの蓄積も試みるほどでした。
宿についても、私は漕ぐことにためらいを感じませんでした。
山になれ、高度になれ、レースで動く体を作るためです。
ここ、
昨年の八ヶ岳一周でゴールか?と間違えた場所です。
ここからが長いのですよね。
初日は眠たい体を起こす程度で控えました。
リエックス内にあるペンションから、この分岐まで結構斜度高いのですよね(泣)
この夜はすばらしい夜空を満喫したり、
すばらしくぶっ飛ぶほどおいちいワインを楽しんだりとすごしました。。。

翌朝、早朝起きてウィーミングアップ!
寒いよ~、指先の感覚ないよ~と思っていましたが、ペンションに帰って気温が-5度であったことを知りました(驚)
さ、ここから写真はありません。
iPhoneを下山用パックに積めてしまったので後は文章のみで。
駐車場からスタート位置までは10kmほどあります。
HCレースで、スタート前にウィーミングアップできるケースは少ないのです。
我々のトレインは結構ぶっ飛びました。
スタート時点で息が切れるほど飛ばしました。というか、もうこの日は終わりにしても良いか?(爆)
下山用荷物を預ける時間まで20分ほどあったため、ギリギリまでハブジャケットを着ていました。
そして、昨日のパンをmgmg。。。
今回の服装は冬用ウィンドストップ機能のついた厚手の長袖インナーに、半袖ジャージ。冬用ニッカーに、冬用靴下です。シューズカバーはつけませんでした。
それ行くぞ!っと言うタイミングで荷物を預けると、そこにチームERATEHジャージのお二方が通過。
Zeroさんとlumoさん、昨年のヘタレ祭り以来でしたが、ご挨拶できました!
私はこの時勉強になったのですが、この寒い中、チームジャージでビシッと決めるお二方は、日本全国どこにいてもチームERATEHと一目でわかります。
チームのブランド力と言いますか、どんなときでもチームジャージを着ることはとても重要なことですね。
私も長野県内においては、チームあれ!あれ!の一員として、恥ずかしくないレースをしなければ。と思うのでした。
さてとそれはさておき、私なぞ本物のヘタレが着いて行ける速さではない事を重々承知の輔、とてもよいスタート位置に並んでいたお二方とスタートをお供することができました。
物議をかもし出すのはここからです。
例年のことなのでしょう。MATRIX POWERTAGの安原監督の挨拶は、私たちの緊張をほぐしてくれます。
まさか、この後監督にお世話になることになるとは思ってもいませんでした。
スタートのピストルの後、すぐさま先頭集団が形成されました。
ゆるい斜度でのスタートであったため、集団が整形されるのですね。
ERATEHのお二方は先頭前方で早くもクルージングの体制を整えていました。
私は先頭後方で様子を見させてもらいましたが、先頭集団は上がる斜度に比例するかのようにスピードを高めていました。
LUKE師匠へ。
HCレースも、やっぱレースでした。。
己との戦いというのは、この集団に乗れなかった人の事を指すようです。
その私は、徐々に上がる心拍に後半のことを考えて集団に乗らないことを決意しました。やれ!といわれればこの集団にのることはできます。
でも、その集団で心拍を上げたまま10%強の登りに差し掛かったら。私には回復できません。たぶん、数kmでレースが終わるでしょう。
たった数kmで180近くまで上がっていた心拍を170過ぎまで戻して、後はパワーを管理しながら登っていました。
FTPをイラズラにオーバーさせない。
それを意識すると、自然と心拍も無理のないところを示します。
なるほど、パワー計はとても有効ですね。
心拍を安定させると、気持ち低めの平均240wを目標にパワーをコントロールしました。実態は220w~270wを行き来するような感じでした。
今回は軽量なホイールなれど、金曜日の帰宅途中に大雨に降られ、準備に十分な時間を取れなかったことからカセットスプロケットはツールド美ヶ原を念頭に置いた11-28をつけていました。とても大きいギアです。八ヶ岳のレンジにはあいません。
10数%程度の斜度で28Tに入れたら終わりなので、21Tか24Tしか選べませんでした。
逆に、きつい斜度になったら24T、軽くなったら21T、19Tと進めていきました。
このギアしか選択枠がないので明快であり、たまに24Tで回転を上げてみたり、このギアで十分。と思うようになっていました。実際13%を大きく超えない限り24Tで十分です。
とてもよいペースで中間地点であるスキー場を通過しました。
でも、スキー場では46分台は出ませんでした。。。
その点は無念です。
それと、暑いですね。。
水は余り使わないと踏んでいましたが、実際この時点で1/3くらいになっていました。
スキー場で水を受けとり、飽きそうになる気持ちをおさえ集中力を維持させます。
異変はこのときでした。
後輪から、グニャンという感触。
いつも、パンクすれば良いのに。と思って上っていますが(オイ
本当にパンクするのかよ!?と思いました。
でも、まだいけそうです。
これがチューブラーなのでしょうか??
パンクを確かめるために、わざと段差に乗ってみます。
まったくインフォメーションがありません。
どれだけ酷いのか?下を見てみるのですが判りません。
いけるのかどうか?それも判断がつきません。でも、鈍いのです。パンクは間違いないようでした。
でも、ちょっとのパンクくらいチューブラーでは関係ないのでは?
そう思ってあきらめずに踏みます。
今思えば、これが精神的に途切れたタイミングだったのかもしれません。
硬く、いっちいち硬いC35は下山時までその超高剛性を伝えてくれていました。
まさかパンクなどこの時していなかったのです。
つまり、フニャフニャなのは私の神経の方でした。
ここまで行くと、深刻なダメージを追っていたのです。
パワーをみると190wまで下がっていました。
ヤバイだろ!とダンシングしてみます。
心拍は、167、163、と下がっていきます。
中だるみです。
飽きてしまうのです。
コラっ!と自分に鞭を打って踏みなおします。
そのうち、斜度がつらいのか、ペースが落ちていきます。
このままではまずい!
そう思って心拍計をみると、まさか150!?
なんなのだ?これは!?
次にたった3%の斜度なのに24Tが踏めなくなりました。
屈辱の28Tへシフトします。
というかとまりそうです。。。
今まで抜いてきた方に、次々に抜かれます。
まるで私だけ時間がとまっているようです。
lumoさんが、耐えるのです!耐えるのです!
と声をかけてくださったのですが、既に私は焦点が定まらなくなりつつある状態。
まだ、この時自分の状態を理解できませんでした。
そのうち、私はとても蛇行しながらフラフラ漕いでいることがわかりました。
このままでは他人に迷惑をかけてしまう。。。
ハンドサインで右に寄る合図をだしてコーナーのアウトに寄せるとバイクを降りました。
降りた瞬間、サーッっと視界がなくなり、私は倒れこむように下へ。下へ。
「ここであきらめるな!頑張れ!」
と声をかけてくださる方がいたのですが、下半分の視界しかない状態。
または顔を正面に上げられない。
「大丈夫ですか?」
とバイクを降りて声をかけてくださる方がいました。
どうも声を聞いたような気がする方でした。
私は下を見たまま呆然とするのがやっと。
とにかくこれを着てや!
と渡されたウィンドブレーカーは、緑色のそれもMATRIXと書かれた物でした。
私は「あー」とだけ応えると、その方は「ちょとまてや、今うちの選手呼ぶから!」というと、携帯電話でなにやら「おい!おまいら今どこや!?今頂上から3、4km下におんねんけどな、ここに動けなくなった人おるのや。食うもんもって、降りてきてこれるか?」と話すのです。
え!?
このお方は一体???
私は座り込んだおかげでだいぶ自分の状況がわかるようになりました。
横に止められたFOCUSのバイク、MATRIX POWERTAGのジャージ。
大阪弁。どう考えてもこの方は安原監督でした。
その後、私がハンガーノックと知ると、監督は
「みんなヒルクライムやからといって重いから補給食持っておらへんのや、
でもいつも大体この辺がきついんや」
と、私の様子を見ながら絶えず声をかけてくださいました。
そうこうしているうちに、私の目の前でバイクを降りてしまう方がちらほら。
皆さん、エネルギーが切れる箇所が大体「ここ」のようです。
そのうち、上から矢の様にPOWERTAG二人の選手が降りてきました。
これくらいしかありませんでした。と私にホットココアとチョコを差し出してくださいました。
まるで奪うかのように。。。ホットココアを飲み干し、チョコを食べました。
最後監督から、上まであがるか?体が動かんかったら、もう降りたほうがええで、どうする?と聞かれましたが、私は上がるといいました。
もう私の中でレースは終わりましたが、体が動くなら行くんです!
監督に
「ありがとうございました。スンマセンでした!!」
とご挨拶して、ペダルをはめるとまたえっちらおっちら登り始めました。
ココアとチョコだけですが、体が動くようになっています!
単純に、体が動く!!とそんなことがうれしかったです。
途中、止まってしまった私を気遣って、声をかけてくださったあれ!あれ!のマスターが、「頑張れ!頑張れ!」と声をかけてくださいました。
が、心拍は140程度であがらず、ダンシングしようとしたら、とまってしまった影響か固まってつりそうで、なにもできず。。。
マスター。地元のレースで情けない格好。ほんと、すみません。
本当に情けない結果でしたが、
安原監督からのいろいろなアドバイスを聞けたり、
この失敗は次に生かさなければなりません!
ちなみに、スキー場の先で止まるまで、
Max Avg Powerは259wという自分のポテンシャルどおりの数字が出ていました。
あのまま行ければ。。。
この冬やってきたことが数字で出ているのに。まったく愚かで馬鹿な事をしました。
でも、ここから多くのことを学ばなければなりません。
30分以上付きっ切りで介抱してくださいました
安原監督、そしてホットココアもって急行してくださいましたPOWERTAGの選手。
ご迷惑をおかけしました。スミマセンでした。
(あの、ホットココアのお代は~)
さて、帰りは

肉補給です(笑)
今思えば、木曜日から実施していたカーボローディングが失敗していたとしか思えません。
食事のバランスが崩れ、結果がこれです。
下手なことはしないほうが良いと思った次第。
私個人的な見解ですが、食事が単調になり、食べた直後から空腹感があり、効果を見出せませんでした。
それと補食に関しては、監督からのアドバイスを受け、改善の必要性を感じました。
最後に、この冬のトレーニング、前日及び朝の練習など本当に気合を入れていたレースで、このような結果であったことは恥ずかしいです。
次回は、必ずや結果を出したい。
と思うのでした。