今年も夏の筑波8時間耐久レースに参戦してきました。
耐久とあって、朝早く、夜も遅いきついレースです。
今回は2チームで参戦。私はBチームでした。
Aチームはちょっとひどいメンバ構成ですよ。
元BSアンカー、元BR1、元国体選手。アイヤ~
って、早速第一スティントへ
当初スターターを考えていましたが、昨年に引き続きのチームメイトS君がスターターになりました。
私はチームAのスタート補助としてコースに入りました。
今回はチームマネージャの思惑で、随分先頭のゼッケンを得ることができました。
危険は少なくて良いのですが、そこはカオスゲーム。どうなることやら。
スタートはなんと落車が発生しないという奇跡的なスタートでした!
無事に見送りとりあえず安堵です。
よかった、よかった。。。
1周目、なんと先頭集団に入っていました。
よかったよかった。
3週目、先頭集団に
いません。
何かあった。。
そう直感し、S君の無事を祈りつつも次の瞬間出走の準備をしていました。
S君は落車に巻き込まれるも、無事。
先頭集団から半周ほど離されて単独で走っていきました。
よかったとりあえず無事。
しかしその次の周にピットイン。
意図せず、第1スティントがやってきました。
今年はピットロードの速度制限が何と15km/hと厳しいものです。
昨年を見ているとスピードガンで速度を計測されているのはわかっていたので、
15km/hを維持しました。
ピットを抜け500wで加速。。。と思ったらパワーメーターが白目向いています。
最近edge1000がどうも安定しなくてね。パワーメーターとケイデンス系を失いました。ま、いいか。
1周差で先頭集団に乗りました。
ここにチームAがいるはずですが、もはやいませんでした。
私の仕事は、チームAとのギャップがこれ以上広がることを抑えること。
その頃、ライダーチェンジをしていたAチームから、元BR1のA氏が私を、この集団を追っていました。
チームメイトですが、阻止する必要があります。
が。。。
この集団速いのなんの。
データを見ると40~50km/h位で進みます。
直線と言う直線はすべて50km/hで進んでいます。
心拍は常に180以上で最大190をマーク!
その先頭集団も何とか先頭が見えてきました。
周を追うごとに少なくなっている気がします。
ついに3番手あたりになったところで、違和感を感じました。
後ろが居ない!
嗚呼そお言うことか。。。
すべては「空」なのです。
般若心経の教えです。
気付いたところでもう遅いです。
いや今気づきました。いや、もういいです。。。マントラを説こう。
「ガーテーガーテーパーラガーテーパーラサンガーテー、ボーディースヴァハー般若心経・・・・」
一周2分50秒で回っているのです。
きついんです。レース中終盤になると3分で回るところを落ちつかない集団は、ほぼ「最大戦速」で走っています。
此処から落ちた人。またライダーチェンジした人が、後ろで本物の先頭集団を形成するのです。
私たち先頭集団は、これで空中分解。
後ろから本物の先頭集団が来て、私は終了。
筑波ではよくあることです。わかっていたのですが、まだ修行が足りませんでした。

私はチームBに納得していませんでした。
なぜBチームなのか?
劣等感を感じていました。
この現状に反骨し、実績を示す必要がある。
今日は練習程度に考えていましたが、Bチームをこのままで終わらせてはならない。。。
強く感じていました。
(否、師匠やazul狂が居ればもっと気合い入ったのですが。。。)
会場で会う知人には、
ではあなたが(チームを)引くのですね。
と言われるのですが。。。
第2スティント
やる気に満ちていました。
が、そのやる気に反比例して私の体は悲鳴を上げていました。
暑さに順応できていない私はパワーをかけることができませんでした。
他のメンバー分を補填するため、1時間30分くらいは走るつもりでしたが、エアロヘルメットをかぶった私はオーバーヒート気味でした。
しかし、アピールする必要があります。
「記録よりも記憶」です。
集団がホームストレッチに入る前最終コーナーの入り口あたりから、
先頭にニュルッと上がって火の玉フォームで走り抜けました。
それを数周回連続して実施しました。
3分台で走っていましたが、
30分走るとなんだかわけがわからなくなる感じがしてライダーチェンジしました。
熱障害だったと思います。
第3スティント

だいぶ日が傾いてきましたが、今が一番暑い時間帯です。
やはり1時間走るつもりでしたが30分でオーバーヒートしてしまいました。
ここに黒澤さんが居れば。涼しい顔で走るんだろうな。。。
アンカー
私はスタートで受難したS君にアンカーを任せるつもりでした。
しかしお上の指示で私がアンカーになりました。
また、あのアンカー?
スタートも怖いですが、アンカーも怖いです。
記憶がぶっとぶほど、逝っちゃえ!
と言うような状況になるアンカー。
何もなければ良いのですが、玉砕もありえます。
すべては「空」
そんな般若心経の教えは頭に入りませんでした。
(まだまだ悟りまで遠い)
私の任務は、11位のチームまで想定で1周あるラップ差を守ることだけです。
10位で入ればポディウムです。
10位でポディウム?ハン。。だっせー。
とは言えません。
落車に巻き込まれ、メンバーみんな本当に素晴らしい走りをしたと思います。
かえって、アンカーの私は、アンカーとしてふさわしいのか?を考えてしまいました。
しかしこれは仕事です。
アンカーで混雑する前にピットインするよう指示だし、私のチームはゴールまで40分を残して最終走者を送り出しました。
すぐに早い集団に乗ると、どこかこのまま終われ。。
と思っていました。
でも、そんなレースはありません。
たまたまレースをきつくしたい集団だったようで、
次々とコース上をまったり走るパックを襲撃していました。
10分強走るとホームストレッチでAチームのメンバを吸収しました。
私はチームメイトの後ろにつけると、お尻を触ってすぐ後ろに位置していることを知らせました。
そのまま数周回すごしました、このまま終わらないか?
そう思っていました。
つまり、このペースは遅いって意味です。
それを嫌った人がいました。
コーナーの立ち上がりで、何度も、何度も引っ張り上げる動きをしていました。
先頭を引いていた私は、彼を完全に無視しました。
行きたければ行ってよし。しかし、この集団から行く人はいないだろう。
そう思っていましたが、まさに彼を追う人はいませんでした。
なぜ追わないのかはわかりませんが、それほど足がある人はいなかったのでしょう。
彼はあきらめて集団に戻ることを繰り返していました。
ゴールに向け、それまで3分で走っていた集団はジョジョにペースを上げ、
再び2分50秒台で走るようになっていました。
へっ、タイトロープを始めるぜ!
正直、私は限界なんてとうに超えていました。
ペダルを3回転すると右足が攣ってしまいます。
何をやってもダメ、集団の風圧だけで進むのがやっと。
使える筋肉を必死で探していました。
その結果、踏み込む筋肉に余力があることがわかりました。
2枚くらいギアを重くしてだましだましでした。
ゴールスプリントでダンシングしようと思ったら、その筋肉も、腕の筋肉も、使える物がすべてなくなっていました。ダンシングで立ち上がった次の瞬間には、シッティングに戻していました(笑)
落車も全くない最終周。
初めての経験です。
チームAはクラス2位。
我がチームBはクラス10位でした。
(後に、クラス9位に上がっていたことが判明)
兎に角、誰も怪我することなく終わったことがうれしくて、
そしてチームAのクラス2位も私の事のようにうれしかった。

こんな笑顔で終わることができました。
表彰式。

コース2000の舗装にまだ熱が残っていて、
嗚呼、こんなレースで戦っていたんだ。
なんて実感しました。